木曜の閉店間際に賑やかな酔っ払いが現れた
フィリピン女性のJ子だ
彼女とはかなり前からの顔見知りである
近所のスナックで働いていた彼女
その店のママさんは口が悪くワンマン過ぎるので有名だった
私も2~3年前までは近所付き合いと言う事もあり仲良くさせて貰っていたが
ある事が原因で疎遠になってしまった
その店に不満を持ちながら働いては辞めを繰り返していたJ子
ある時我慢の限界に達した彼女は遂にその店と訣別し
駅の反対側にあるスナックに身を置いた
J子は一生懸命働いて
いつしかママさんから店を任されるのではないかと噂されていた
そんな矢先、ふいに男性客を連れて現れたJ子の口から思いがけない言葉が
「今日でお店辞めたの、明後日はフィリピンに帰るよ」
耳を疑ったが傍らの男性も頷いている
J子は日本人と結婚していて相手もこの店に連れて来た事がある
物静かな初老の紳士だった
「来年の1月になったら戻って来るけど、もう仕事はしないよ」
J子に何があったのかは知らないが
お別れの挨拶と共に「追憶」を歌っていた
バーブラ・ストライサンドの代表曲で映画もヒットした
歌詞の内容を噛みしめながら歌うJ子の胸に去来したものとは…
閉店を迎えドアの外に送り出すと
名残惜しそうに何度もこちらを振り向きながら手を振っていた
また一つこの町の灯りが消えた様で
つい感傷的になる私なのだった
フィリピン女性のJ子だ
彼女とはかなり前からの顔見知りである
近所のスナックで働いていた彼女
その店のママさんは口が悪くワンマン過ぎるので有名だった
私も2~3年前までは近所付き合いと言う事もあり仲良くさせて貰っていたが
ある事が原因で疎遠になってしまった
その店に不満を持ちながら働いては辞めを繰り返していたJ子
ある時我慢の限界に達した彼女は遂にその店と訣別し
駅の反対側にあるスナックに身を置いた
J子は一生懸命働いて
いつしかママさんから店を任されるのではないかと噂されていた
そんな矢先、ふいに男性客を連れて現れたJ子の口から思いがけない言葉が
「今日でお店辞めたの、明後日はフィリピンに帰るよ」
耳を疑ったが傍らの男性も頷いている
J子は日本人と結婚していて相手もこの店に連れて来た事がある
物静かな初老の紳士だった
「来年の1月になったら戻って来るけど、もう仕事はしないよ」
J子に何があったのかは知らないが
お別れの挨拶と共に「追憶」を歌っていた
バーブラ・ストライサンドの代表曲で映画もヒットした
歌詞の内容を噛みしめながら歌うJ子の胸に去来したものとは…
閉店を迎えドアの外に送り出すと
名残惜しそうに何度もこちらを振り向きながら手を振っていた
また一つこの町の灯りが消えた様で
つい感傷的になる私なのだった