昨日のつづき
20も年上の旦那に不満を持つユキエ
まだ30代前半の彼女は夫に構って貰えない鬱憤を
夜な夜な行きつけの飲み屋で発散させていた
ある時、当店を覗いたユキエはいつもより荒れていた
涙さえ浮かべながら夫に対する不満を爆発させていた
年期の入ったオカマ3人に囲まれながら悲劇のヒロインは己の不幸を嘆き悲しんでいた
「わかるっ!そうよねぇ~、旦那さんもあんまりよね~」
今のユキエにアンチテーゼは必要ないのだ
暇な店内に嗚咽まじりの悲痛な叫びが響いている
「わたし決めたわ!」
「どうしたの?」
「実家に帰るわ」
「だってアンタ北海道じゃなかったっけ?」
「たまには旦那に心配かけて私の気持ちを分からせたいの」
それこそ近所のコンビニにでも買い物に来た様なラフな格好のユキエ
しかし今の彼女には実家の親しか見えてない
思いっきり母に愚痴って泣きたいのだ
心の均衡を保つ為にはそれしかない様だ
閉店後、中央線に揺られる私とユキエ
新宿で私は下り、彼女はそのまま羽田へ向かい早朝便で北へ飛んだ
それから一週間後
ユキエが当店に元気な顔を見せた
「実家どうだった?」
「命の洗濯して来たから、ほらこの通りスッキリよ」
憑きモノでも取れたかの様に生き生きした彼女を見てオカマ達は安堵した
彼女はいつも突っ張って背伸びしていたのかもしれない
弁護士事務所でバイトしている彼女の周りは大人だらけだ
見てくれが子供っぽいのでナメられない様に何処か無理してる所がある
20も年上の旦那にもそんな応対をしているのかもしれない
可愛いげのない妻でいたのかもしれない
実家の母親はきっとそんなユキエに優しく言って聞かせたのだろう
そんな事があったのも、もう何年前だろう
ユキエは夜あまり出歩かなくなったらしい
「あの頃のアタシ荒れてたよね~」
昔話を笑い飛ばせる様になった彼女
この夜は中年サラリーマンの間に割って入ってセクハラされていた
しかしある程度遊んだら、しっかりタクシーを呼んで帰って行った
帰る所は旦那の懐しかない事を今のユキエは知ったのだろう
20も年上の旦那に不満を持つユキエ
まだ30代前半の彼女は夫に構って貰えない鬱憤を
夜な夜な行きつけの飲み屋で発散させていた
ある時、当店を覗いたユキエはいつもより荒れていた
涙さえ浮かべながら夫に対する不満を爆発させていた
年期の入ったオカマ3人に囲まれながら悲劇のヒロインは己の不幸を嘆き悲しんでいた
「わかるっ!そうよねぇ~、旦那さんもあんまりよね~」
今のユキエにアンチテーゼは必要ないのだ
暇な店内に嗚咽まじりの悲痛な叫びが響いている
「わたし決めたわ!」
「どうしたの?」
「実家に帰るわ」
「だってアンタ北海道じゃなかったっけ?」
「たまには旦那に心配かけて私の気持ちを分からせたいの」
それこそ近所のコンビニにでも買い物に来た様なラフな格好のユキエ
しかし今の彼女には実家の親しか見えてない
思いっきり母に愚痴って泣きたいのだ
心の均衡を保つ為にはそれしかない様だ
閉店後、中央線に揺られる私とユキエ
新宿で私は下り、彼女はそのまま羽田へ向かい早朝便で北へ飛んだ
それから一週間後
ユキエが当店に元気な顔を見せた
「実家どうだった?」
「命の洗濯して来たから、ほらこの通りスッキリよ」
憑きモノでも取れたかの様に生き生きした彼女を見てオカマ達は安堵した
彼女はいつも突っ張って背伸びしていたのかもしれない
弁護士事務所でバイトしている彼女の周りは大人だらけだ
見てくれが子供っぽいのでナメられない様に何処か無理してる所がある
20も年上の旦那にもそんな応対をしているのかもしれない
可愛いげのない妻でいたのかもしれない
実家の母親はきっとそんなユキエに優しく言って聞かせたのだろう
そんな事があったのも、もう何年前だろう
ユキエは夜あまり出歩かなくなったらしい
「あの頃のアタシ荒れてたよね~」
昔話を笑い飛ばせる様になった彼女
この夜は中年サラリーマンの間に割って入ってセクハラされていた
しかしある程度遊んだら、しっかりタクシーを呼んで帰って行った
帰る所は旦那の懐しかない事を今のユキエは知ったのだろう