リカバリ①

先週はパソコンの具合が悪く

メーカーのサポートセンターに泣きついたら

電話での対応にも料金が発生するとの事

数年前に問い合わせた時にはそんなシステムではなかったのに…

何たって８年前の機種なので友達のゲイには

「そんな化石をまだ使ってるの？

　さっさと新しいのに買い替えなさいよ」

と鼻で笑われた

やはりその方が良いのかしらとも思ったが

まだ何らかの方法が残されているのではと

電話をかけたのだった


クレジットカードの番号を知らせた後に

やっと係の人間に繋いでくれるシステムなのだが

月曜日だった事もあり２０分くらい待たされた

電話の向こうの声は微妙に北関東から東北にかけての

独特なイントネーションを持つ生真面目そうな男性だった

症状を伝えると幾つかの操作を指示されたが

その通りにするも改善されなかった

「どうやらリカバリの必要がありそうですね」

リカバリとはパソコンのシステムを購入時の状態に戻す事である

しかし部品などは既に消耗しているので

必ずしもそれでまた元の様に使えるかどうかの保証はない

係の男性は幾つかの注意事項を述べた

彼の指示に従って作業を進めれば料金が２１００円発生する

しかも時間がかかるのでサポートセンターの営業時間終了と共に

無残にも電話は切れるとの事

もし取扱説明書に従って自力で作業すれば

この電話における技術料などの料金は発生しないと言う

当然私は後者を選んだ

でも取説を何処に仕舞い込んだのか

それを探すだけで半日はかかりそうだ

電話を切ったら既に４時過ぎ

出勤前の仮眠を取る時間になっていた


翌日私は仕事から帰って来て家捜しを始めた

何処に置いたのかしら取説

先週の資源ゴミの日に大量に週刊誌のバックナンバーを捨てた

まさかその時に間違えて紐で縛ったなんて事はないわよね

心当たりの場所を何度もひっくり返して探すが見当たらない

その時だった

思いがけない物が出て来たのである

何と去年買ったまま行方不明になっていた宝くじだ

去年はある占いによると金運に恵まれるとの事で

私はジャンボ宝くじを買い漁った

手始めに窓口に走ったのがこのグリーンジャンボ

しかし部屋の何処かに置き忘れそのまま諦めていた

バラで１０枚

払い戻し期限は既に３ヶ月も過ぎている

悔しい！！！

よっぽど当選番号を調べようかと思ったが

今となっては後の祭り

そんな事よりパソコンの取説の方が先よ

何処にあるの一体！

続きは次回