リッスン・トゥ・ハー

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はくちょう座付近

2011-02-04 | リッスン・トゥ・ハー
「はくちょう座付近にいたんですよ」

「なに?」

「はくちょう座です」

「はくちょう座という星座があるのね?」

「そうです、夜空に羽ばたくはくちょう座です」

「その付近になにがいたの?」

「アヒルの子です」

「アヒルの子座?」

「いやアヒルの子です」

「宇宙空間に?」

「はいアヒルの子がふんわり浮かんでました」

「なんで春子ちゃんが知ってるの?」

「昨日まではくちょう座付近にいたんで」

「いないでしょう、昨日も家にいたでしょう」

「それは仮の姿ですよ」

「なんか変なこと言い出した!」

「はくちょう座付近でアヒルの子が彷徨ってたんです」

「はあ」

「行列になってひよひよ歩いてました」

「一匹じゃないんや?」

「10羽はいましたね」

「行列で」

「1羽汚いのが混ざってまして」

「アヒルっぽくないやつ?」

「くすんだ色でね、要領悪そうなやつが」

「それはくちょうなるやつちゃうか?」

「ああ、例の?」

「例の例の」

「そうかもしれません、歴史は繰り返すと言いますし」

「はくちょう座付近やし」

「いじめられてるようでした」

「今は耐えて強く生きろよ」

「オマエは白鳥なんだよ、大きく美しく羽ばたく白鳥なんだよ」

「きっと大丈夫、その目の光があれば」

「つる子さんも見たんですか?」

「見てないけど、頭の中にどんどんイメージが広がっていく」

「まあ素敵」

「人間ってちっぽけやなあ」

「ほんにのう」

深夜、対話の開始

2011-02-04 | リッスン・トゥ・ハー
ようやく寒さのピークが去ったね。去ったよね?去らないとそろそろ困る。私は困りますので、ぜひピークよされ。もう十分、もう十分すから、とつぶやきながら、歩いたことが懐かしい、と言わせて。

春が好きよ。やっぱりぽかぽかしてるし、待ち遠し。非常に待ち遠しい。やがてくるんやけど、本当に来るのかしらって今年は思ってしまった。寒かったからね。なんでそんなにも寒くする必要があんのかね。冬よ、もっとおおらかになってくれ。おおらかになったら私は冬も好きになりにけり。

冬も悪くない。冬の張りつめた冷たさ、空の深さって他の季節じゃない。冬特有のもっと冬特有を私は全身に感じて破裂させる。破裂よ。音も立てずに、破裂することの難しさを考えてみてください。気づいたら前の人破裂したけど、なんかの撮影ですか?て後ろの人を驚かせんの、楽しいやろ。最高じゃない。私はエンターテイメントのためなら破裂もいとわぬアーチスト。てか。

私の身体にホットココアと熱燗を。