リッスン・トゥ・ハー

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こうのとり

2010-11-13 | リッスン・トゥ・ハー
「こうのとりが飛びました」

「はい」

「こうのとりは雲を突き抜け」

「スゴい勢い」

「太陽を目指します」

「なんのために飛んでるんだろう」

「こうのとりは宇宙ステーションに近づきます」

「ついにそこまできた」

「宇宙ステーションは待ちわびていました」

「こうのとりを?」

「こうのとりは宇宙ステーションにくっつきます」

「息はできるの?」

「こうのとりは苦しいけれどがんばります」

「がんばることで耐えうる範囲なの?」

「こうのとりがくちばしをひらいて、あほう、と鳴きます」

「鳴いた!」

「あほう、あほう、あほう、と鳴きます」

「なんであほうなの、アホウドリちゃうよ」

「こうのとりは形態模写が得意なのです」

「こうのとり器用!」

「こうのとりは江戸家猫八の5番弟子です」

「猫八よ、こうのとり入れたらあかんのちゃう」

「こうのとりは宇宙ステーションの窓ガラスをつつきます」

「やめとけや」

「こうのとりは窓ガラスを割ります」

「簡単に割れんて、そんな危険な作りちゃうて」

「こうのとりは割れたところからなかに侵入します」

「不器用!」

「なかにいる乗組員を食べます」

「肉食なん?」

「血みどろになったこうのとりは再び宇宙ステーションから外に出て」

「ホラーや」

「その瞬間に破裂します」

「なんで!」

「綺麗に破裂します」

「うわ」

「静かな宇宙空間は続きます」

「なんやこの映像」

「NASAの提供でお送りしました」

実は超がつくボンボン

2010-11-13 | リッスン・トゥ・ハー
ボンボンを鼻で笑う。ボンボンなど足下にも及ばない。彼はボンボンに支えられている。ボンボンの上を彼が歩いているのだ。大量のボンボンが下に歩いている。あまりに大量すぎるので隙間がないほど。その上を悠々と彼は歩く。だから2倍の速さで目的地に着く。ボンボンは彼が上を歩いていることを実は知らない。ひとりだけ上にいるから訳もわからないまま歩かされているのだ。ボンボンは、なんでボンボンやのにこんなに窮屈な想いせなあかんのや、と思いながら大きな力に逆らえず歩いている。彼が目的地に着いたらその場で流れ解散である。時々、気の合うボンボン同士打ち上げにいくことがある。そこで交わされる会話はいつも同じである。で、いったいこれなんなん?知らん。もしも、あなたがボンボンで時々呼び出されて窮屈な想いをしているとしたら、こういうことである。