リッスン・トゥ・ハー

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植木とみ子氏、突然の撤退

2010-11-10 | リッスン・トゥ・ハー
「もうだめ」

「どうしたんですか元気がない」

「もうだめなの、決まってるの」

「大丈夫ですよ、いったい何があったんですか?」

「蛇」

「蛇って?」

「蛇に囲まれてるの」

「蛇いませんから大丈夫ですって」

「今は隠れている」

「疲れてるんですよ、蛇はいません」

「ひとりになったら絶対に出てくるの」

「ぼくがずっとそばにいますから」

「え?」

「そばにいるっていってるんだよ」

「それは、どういう意味?」

「そういう意味だよ」

「成瀬さん」

「とみ子」

「すき」

「ぼくもだよ、にょろ」

「いま、にょろって言った?」

「言ったけどなに?」

「いやなんとなく蛇を連想しちゃって」

「ああ、ごめんごめんにょろ」

「そんな癖あったっけ?」

「うん、ずっとこうだけどにょろ」

「あれ、なんかにゅるにゅるするけどこれはなんだろう」

「汗さ汗、暑いからねにょろ」

「なんかへん、成瀬さん蛇みたいな匂いがする」

「そんなことないよ、にょろ」

「やめてこないで、こないで!」

「そんなこと言うなよとみ子、いっしょににょろにょろろうぜ」

「いやー!」

「仲間みんなが待っているにょろ、穴の奥で待ってるにょろ」

「へびー!」

米株市場は金融株売られダウとS&Pが下落

2010-11-10 | リッスン・トゥ・ハー
下がっていく下がっていく。どんどん下がっていって困る。色々失う。失いたくない物ばかり。お金、家族、地位、いやだいやだぞ。なんとかしなければならない。守るために、なんとかしなくちゃいけない。どうしよう、どうなって下げるのを止めようか。わたしは必死で考える。焼酎を飲みながら、考える。するときっとそのうちいい答えが浮かんでくるにちがいない。そうに違いない。ほうら頭がぼんやりしてきた。もうすぐひらめくぞひらめくぞ、ぼんやり、ぼやーんとしている。これは兆候だ。絶対に解決できる秘策が思い浮かぶぞ、待っていろ、そこで待っていろ、おとなしく待っていろ、そんな物騒な物を首筋に突きつけないで待っていろ。じきに円満解決だ。さあ、いよいよぼんやりとしてきたこれはくるぞ、さあ、あと一ぱいついでください、そうそう、遠慮なく、ぐぐっと、はいはい、これを飲み干しまして、ああ、うまいねえ、じゃ、おやすみ。なんだよ、人がいい気分で眠ろうって時に。え、金?秘策?なに、なんのことさ、俺知らねえ。