1週間ほど前になりますが、久しぶりに宇治川沿いをじっくりとお散歩しました。
宇治川に流れ込む小さい川から、アオサギが飛び立ちました。
後ろにはモンスター・クズの小山が見えています。
前と違うのは、辺り一面に甘~い香りが漂っていること。
急いで、高水敷に下りました。
当たりです!
クズ(マメ科クズ属)の花があちこちで咲いていました。
クズは、この時期に沢山咲くマメ科の花の中では目立って大型。
(もちろん、春に咲くフジなどはもっと大きいですが)
一つ一つの花は小さいですが、下から上に穂状に咲き上ってきます。
そして、この花がまるでブドウのような濃厚な甘い香りを放つのです。
下から咲き上るので、これらの花はまだ咲き始めです。
上の方の花が咲くころには、下の花はしぼんであまり綺麗ではなくなります。
こちらは、これから咲く蕾。
旗弁には目立つ黄色い蜜標があります。
舟弁の中に蕊があるはずですが、閉じているので分かりません。
何度も書いているように、クズは繁殖力が強くて厄介者であると同時に、いろいろ役に立っています。
万葉の昔から、根は葛粉や、葛根湯などの生薬の原料に。
昔は繊維をとったり、家畜の飼料にもされていたようですが、そうした用途はすたれました。
最近はバイオ燃料の原料としての研究もされているようです。
そうそう、花は天ぷらにして食べられましたね!
クズの話題は尽きませんが、川沿いにはもっと色々なマメ科の花が咲いていました。
一番沢山咲いているのがこちらです。
分かりにくいですか?
ではこちらでは。
はい、前にも載せたメドハギ(マメ科ハギ属)ですね。
こんなに沢山あったのかと思うほど、高水敷の両側に生えています。
花はやはりザ・マメ科。お色も上品ですね。
似ている花はというと、キハギなどこんな感じです。
こんな大きな株が沢山。
沢山の筮竹が作れそうです。
そうそう、めどが立つのめどの語源も、めど木のめどから来ているそうですね。
「推測する」ということだそうです。なるほど、占いは推測ですか。
次に沢山咲いていたのがこちらです。
よく見ないと気がつかないほどの小さい花。
葉を見たら分かりやすいかも。
葉脈が良く目立ち、葉の先を引っ張ると葉脈に沿って切れます。
想像してみてください。先っぽが切れた後の葉は、矢筈型になります。
そう、こちらはヤハズソウ(マメ科ハギ属)です。
小さくてもマメ科はマメ科。花はマメ科の特徴をちゃんと備えています。
珍しく、蕊が飛び出ている花を見つけました。
虫が止まって、花粉を運んでくれた後でしょうか。
ヤハズソウは、花が咲く前でも地面に緑の葉のじゅうたんを作っていることがあります。
遠目には、コニシキソウにも似ているように見えますが、葉の先をちぎってみたらすぐ分かります。
ヤハズソウは三角に先が切れますが、コニシキソウは切れません。
蕊が飛び出すと言えば、こちらをご覧ください。
ご存知、アレチヌスビトハギ(マメ科シバハギ属)です。
舟弁の根元を細いものでツンツン突くと、中からぴゅんと蕊が出てくる・・・
と聞いていましたが、ちょうど虫が止まったあとの花を見つけたようです。
(この後、いくつかの花で試してみましたが、全部不成功・・・なんと不器用な私)
朝は開いていない花、昼間はこんな感じで虫を待っています。
受粉した後は薄紫に変わるそうです。
最後はこちらです。
こちらはツルに小さい淡赤紫色の花。
最近投稿でもちょこちょこ見かけるツルマメ(マメ科ダイズ属)です。
ダイズ属というだけあって、大豆の原種と言われています。
こんな小さい花?と思われた方、ネットで「大豆 花」と検索してみてください。
本当にそっくりですよ。
こちらのツルマメは、JR奈良線の鉄橋下に生えていました。
珍しくはありませんが、それほど沢山生えているわけでもありません。
見つけられてちょっと嬉しかったです。
ということで、本日のマメ科特集はこの辺で~
皆様のお近くにはどんなマメ科が咲いていますか?
よかったら教えてくださいね~
【撮影:2022/9中旬 宇治川】