goo blog サービス終了のお知らせ 

なつみかんの木々を見上げて

野草大好きなつみかんです。
植物園や身近な場所の植物を紹介します。

放流後の宇治川・イシミカワ小路

2022-09-04 06:08:49 | 植物

少し前に天ケ瀬ダム大放流の場面を見ていただきました。
その後、数日放流のない日が続いたので、久しぶりに宇治川下流の方のお散歩に行くことにしました。
いつものオギロード。前にもまして、草が倒れ掛かっています。


それもそのはず、放流した時に根元が水に浸ってしまっていたようです。
草は泥だらけ、乾いて白くなっています。


まだ少し水が残っているところもあります。
右手は前にイヌゴマなど生えていた場所ですが、泥だらけ。


流れの後に、枯れた草のカスがたまっていました。


こりゃあかん、下に咲いていた花は全滅か・・・と思ったとき目の前に広がった光景。


左手をご覧ください。
この一面に広がる緑色は・・・


あのイシミカワ(タデ科イヌタデ属)が前回行ったときよりはるかに増殖していました。
そう、東アジア全域、日本全国の日当たりのいい湿った場所に生育するあのツル植物です。


目を疑うほどの繁栄ぶり。
葉が小さいからそこまでボリュームはありませんが、繁殖力はまるでクズ並みです。
実はまだほとんど緑色でしたが、その数も相当なもの。
丸い苞葉の上に乗った実は、まるでエリザベスカラーを付けているかのよう。


タデ科の植物には同じような苞葉がある植物がほかにもありますが、こんなに目立つのはイシミカワだけ。
そして、ツルですが、こちらをご覧ください。


みてお分かりの通り、下向きの棘がびっしりついています。
そのせいで、イシミカワの藪にはなかなか足を踏み入れることができません。
足や体にチクチクまとわりついて、いてて!となります。
そして、実ですが、一部青く色づいていました。


最初緑だった実が、紫色や青色に変化し、美しいです。
この色合いは、ノブドウの実の色とも少し似ていますね~
おっと、こちらは実に穴が開いています。
虫に食べられたのでしょうか。


黒いつやつやした丸いものが覗いています。一つとって見てみました。
どうみても、黒いのは種、皮が青くて実は白い・・・と見えます。
それがなんと、この青と白の部分は萼が変化したものなんだそうです。
そして、黒いのが本当の実なんだとか。


え~そうなの?!
でも鳥などは萼であろうが、果実であろうが関係なし。
丸ごと食べて種を落とすので、繁殖には問題ないみたいです。
もう一度振り返って・・・やっぱりすごいね~


実はこのイシミカワ、北米などにも帰化していて、Mile-a-minute weed(1分で1マイル草)などと呼ばれているそう。
繁殖力が強すぎることで、警戒されているそうです。
まあ、この様子をみたら分かります。
クズの方が棘がないだけましかも・・・

さらに進みます。
道に流れてきた草のカスがたまって、ふかふかになっています。
ここの種が入っていたら、流れ着いた場所で繁殖なんていうことがあるのもよく分かります。


最後にもう一枚、美形のイシミカワの実で今日はお別れです。
明日はもう一つ、恐ろしい繁殖力で目を見張った植物をご紹介しま~す。


【撮影:2022/8/28  宇治川】

コメント (14)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする