なつみかんの木々を見上げて

野草大好きなつみかんです。
植物園や身近な場所の植物を紹介します。

海のある奈良、圓照寺から萬徳寺へ~晩夏の若狭・小浜紀行(最終回)

2022-09-15 05:33:00 | お出かけ

えーっと、小浜のお寺は8ヵ寺。
どのお寺も見ごたえがあり、とても一日では回り切れません。
しかも最初に行った天徳寺はその8ヵ寺には入っていないという・・・
ということで、今回は潔く半分の4ヵ寺を回ることとしました。
妙楽寺の次に向かったのがすぐ近くにある圓照寺です。
2kmしか離れておらず、車で5分ちょっと。
着きました。


これまで行ったお寺はどこも高野山真言宗でしたが、こちらは臨済宗のお寺です。
階段を上っていくと、全体に小ぢんまりとしており、お庭はいかにも禅宗らしい風情。
(ただし、写真は撮り忘れ・・・)
突き当りの本堂で声をかけると、ご住職が出てきてくださいました。
朱印帳をお預けし、大日如来が安置されている大日堂を案内していただきます。

臨済宗のお寺に、大日如来?ですが、ここは元々は真言宗だったのです。
このお寺は、昔春日明神の信託によって刻まれた大日如来像を、奈良三笠山から遷して、遠松寺と号したことに始まります。
当初南川沿いにあった堂宇が大洪水で流されたことから、15世紀に現在の地に移転。
宗派を臨済宗に改め、寺名も圓照寺に変わりました。
このような変遷を経て今に至っていますが、大日如来は往時の姿で、大日堂にいらっしゃるというわけです。
平安末期の特徴を残しつつ、鎌倉初期の躍動感も見られる像・・・とのことですが、私は手を合わせていたのみ。

珍しく、一人旅の若者が参拝していたので、遠慮してお堂の写真も撮り忘れました。
お庭にあったヒツジグサの写真だけはとっていたという。


そうそう、本堂の横にお庭がありました。
「庭観式林泉庭園」だそうですが、あいにく庭園知識皆無のなつみかんには猫に小判・・・
と書きかけたのですが、折角なので少しだけ調べてみました。
庭園で〇〇式というのは、「何を表現しているか」の分類だそうですが、検索しても庭観式が出てこない(泣)
普通は「浄土式」や「蓬莱式」などというそうです。
後ろの〇〇庭園は、「何で表現しているか」の分類で、「枯山水」「池泉」などが有名。
この「林泉式」は、文字通り木々や池で表現しているということのようです。
ぴったりとはいきませんが、この原則を知っていると、見たお庭の理解が少し深まる・・・かな?


ここの池にもスイレンが咲いていました。


咲きはじめのキキョウを見ながら、圓照寺を後にしました。


この時点で時刻はもう13時近くになっていました。
お腹もかなりぺこぺこになっていたので、道の駅わかさ小浜に立ち寄って昼食。
鯖サンド(ハーフサイズ)と梅はちみつティーをいただきました。
やっぱり鯖よね~


さて、次に向かったのは萬徳寺です。
こちらは真言宗のお寺で、小浜市のホームページには以下のようにご由緒が説明されています(下線部ポイント)。
「応安年中(1368から1374)安芸円明寺の覚応法印が、この地にあった天台宗極楽寺を正照寺と改め真言宗を広めました。
天文13年(1544)、祈願所となり、罪人は入寺すれば助かるという若狭唯一の「駆け込み寺」となりました。
慶長7年(1602)、城主京極高次の寄進を受けて、寺号を萬徳寺と改めました。
酒井忠勝が小浜藩主となった以後も、代々の祈願所として庇護を受けて、藩主に尊崇された寺院です。」

罪人の駆け込み寺が、藩主の祈願所になるという特異な歴史を経たこのお寺。
これまでのお寺とは少し雰囲気が異なります。
入ってすぐに案内された書院は、代々の藩主の休憩所だったそうで、部屋から美しいお庭を臨むことができます。


江戸時代に作られた庭園は、面積は1500平方メートルあり、枯山水風の書院庭園です。
先ほど勉強した庭園の呼び方で言うと、「蓬莱式枯山水庭園」。なるほど~

美しいお庭なのですが、お天気晴れ過ぎ・・・コンデジでは白砂がどうにも写真になりません。
目で見たときには、砂がキラキラ光っていたのですが・・・


お庭の奥に石段があり、そこを上ると本堂があります。


本堂には、極楽寺のご本尊でもあった阿弥陀如来(重要文化財:平安後期)が安置されています。
桧の寄木造り、素地の座像はとてもお優しい姿で、いつまでも手を合わせていたい気持ちになりました。
小浜のお寺の仏様は、どこもすぐお傍に寄ることができるのが有難いです。

このお寺のもう一つのポイントはカエデの木の多さです。
今は青もみじですが、紅葉シーズンはさぞ美しいことでしょう。
本堂前はこんな感じ。


まるでレースのような細かい葉。


赤みを帯びた葉も・・・


階段からお庭を見下ろしたところです。
右手が、お殿様が休憩された書院。


お庭の奥もカエデが沢山植えられているので、秋の紅葉は見事でしょうね。
書院の前の通路を通って、萬徳寺を後にしました。
書院といってもとても素朴な建物ですね。


ということで、今回の小浜古寺紀行はここまで。
一応植物ブログなので、最後に行った神社の近くで見たニラの花をどうぞ。
イチモンジセセリを撮ろうと思ったのに、ちょうど飛び立ってしまいました。
これもちょっと面白いでしょう。


神社のご紹介もできればよかったのですが、それは次回、残りのお寺に行った時のお楽しみということで。
長々とお付き合いくださり、ありがとうございました!


【撮影:2022/8下旬 福井県小浜市】

コメント (16)
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