夏木広介の日本語ワールド

駄目な日本語を斬る。いい加減な発言も斬る。文化、科学、芸能、政治、暮しと、目にした物は何でも。文句は過激なくらいがいい。

巨額の横領がなぜ分からなかったのだろう

2009年11月20日 | 経済問題
 出版の幻冬社で一年間に約1億円ものカネを横領していた社員が居た。何年もの間、よく見付からなかったと感心する。売掛金にしていたから分からなかったのだと言う。確かに売掛金は利益に計上されるのだろうから、気が付かなくても不思議ではない。しかしその分だけ現金が入って来ないのだから、支払いに当然に困るはずだ。困らないと言うのは支払いもまた買掛金になっていたのだろうか。それにしても年間1億円の巨額である。何で分からなかったのか。
 1億円だけ横領して、それをずっと何年も隠し通していたと言うのなら分かる。しかし今回の場合は金額は年々増えて行くのである。利益が非常に大きくて、売掛金になっていても少しも困らなかったのだろうか。ベストセラーを出すのが上手い出版社だから、あるいはそうした事もあり得るか。そうか、ベストセラーとはそんなにもおいしい商売なのか。
 ベストセラーがおいしい商売だとは分かるが、年間1億円もの金額があっても無くても平気なくらいおいしいとは思わなかった。ただ、これは同社の事ではないが、ベストセラーばかりを狙った商売は危険だと思う。ベストセラーが生み出せている時は良いが、一旦つまづくとどんどん破滅に向かって行くだろう。なぜなら、地道に売れる本を出していないのだ。バブル経済と全く同じだろう。
 出版とは本来はとても地味な商売だと思う。採算そこそこの本で地道にやって行く出版社が多くあるからこそ、出版文化は守られる。そうでしょう。中身が薄くて俗受けする本ばかりなら、そのうち飽きて、誰もが読まなくなる。
 自分で自分の首を絞めないためにも、普段から地味な努力を続けている必要がある。
 でも本当にどうして巨額の横領が分からなかったんでしょうね。どなたか教えて下さい。