夏木広介の日本語ワールド

駄目な日本語を斬る。いい加減な発言も斬る。文化、科学、芸能、政治、暮しと、目にした物は何でも。文句は過激なくらいがいい。

原発都民投票否決に疑義あり

2012年06月23日 | 政治問題
 32万人を越える原発稼働反対の署名が、簡単に否決されてしまった。否決側の主張の代表に、「二者択一では多様な都民の意思が反映出来ない」がある。でも、そう言っている都議会の議決は賛成か反対かの二者択一しか無いではないか。それに、都民の意思が二者択一だとの考え方がそもそもはおかしい。多様な都民の意思が反映して原発稼働反対の署名が集まったのである。単純に、賛成か反対かの意思表示をしたと決め付けるのは間違っている。

 都議会委員会での自民党の主張もおかしい。「都民が快適な生活を享受出来るのは、原発立地地域が葛藤を経て原発を受け入れ、電力を送ってくれたから」だと言う。本当にそう思っているのだろうか。原発立地地域が原発を受け入れたのは、一にも二にもカネが入るからではないか。原発停止での地元の住民の意見は、収入の道が途絶えて困る、と言うのが圧倒的である。危険を承知で東京都に電力を送って上げたいから、などでは絶対に無い。
 そんな殊勝な気持があれば、沖縄の基地をとっくの昔に自分の所に受け入れているはずである。目の前に原発の危険と原発によるカネを並べたら、目に見えず、しかも確率の低い危険と、目に見えて、しかも100%の確率のあるカネの方に手が出るのは当然と言えば当然なのである。

 都民投票賛成の議員達は、32万人の都民の署名を背負っている。ならば、反対の議員達は、32万人を越える反対署名を集めるべきではないか。
 都議会では、賛成41、反対82だった。従って、反対した議員達は32万人の倍の64万人の都民投票反対の署名を集めてしかるべきである。いや、64万人の署名が無ければ、反対は出来ないはずではないのか。
 都民一人一人の声を無視するな。32万人は自分の意思を署名に反映させたのである。だから、自分の意思を署名に反映させた64万人の意志を我々に確認させるべきである。
 そうした事が出来ないのに、議員がおのれだけの「才覚」で32万人の署名を否決するのは言語道断、思い上がりもはなはだしい。上に「才覚」と書いたが、こうした議員達が「才覚」など持ち合わせてはいないのは言うまでも無い。持っている才覚は、偉そうに見せる術とカネ儲けの算段くらいだろうと、私は思っている。