夏木広介の日本語ワールド

駄目な日本語を斬る。いい加減な発言も斬る。文化、科学、芸能、政治、暮しと、目にした物は何でも。文句は過激なくらいがいい。

最近気になる事

2010年06月25日 | 社会問題
◆相撲界の賭博事件とNHKの相撲中継
 NHKは昔、美空ひばりが暴力団と関係があると言う事で、彼女をNHKへ出させなくした。確か、ひばり側が辞退したのではなかったと記憶している。それなのに、今回の大相撲名古屋場所の中継はいまだにやるのかやらないのか未決定だと言う。
 なるほどね、と私は思った。ひばりはファンは多かったが、NHKの視聴者の数に比べれば、どうと言う事はなかったのだろう。それに対して相撲ファンの数は圧倒的に多いのだろう。つまり、強制的に徴集している受信料との関係だ。視聴者の期待を裏切っては強制徴集は出来なくなる。
 そう言えば相撲中継はNHKの独占だ。これはなぜなのだろう。そうそうもう一つ。私はほとんど相撲の中継を見ないからあまり明確な事は言えないのだが、ここ一番と言う取り組みには懸賞金が出る。その出資者の名前は誰の目にもはっきりと分かる仕組みになっている。そして放送はその部分をカットしたり、ぼかしを掛けたりはしないのだ。何かと言うと特定商品名の表示には驚くほど敏感に反応して、ビールなどは裏側を常に見せるとかしているのにも拘わらず。
 私はNHKのテレビ番組のテキストを作った事があるから知っているが、使う材料など一切の物に対して、銘柄が分からないようにして撮影する。どうしても隠せない物にはシールを貼る。担当者はそんな事、常識だよ、と言う。それなのに、相撲中継ではその常識が通じない。

◆消費税の値上げ
 自民党が10%を目標にしたからか、民主党が簡単に同じ事を言い出した。新聞は欧米各国の消費税の実体などを載せているが、読者はどうしたって、消費税額その物に目を奪われてしまう。そして欧米各国に比べれば、10%は非常に低いと言える。しかし欧米では食料品が無税だったりするし、社会保障だって日本と比べ物にならないくらい充実していたりもする。
 そうした一切を無視して、単に10%にする、と言う議論はおかしい。街の人々に聞けば、政治家や役人達の無駄遣いを先に改めよ、と言う人が多い。議員の数だってもっと減らせる。彼等の経費だって無駄が多い。何しろ、あの自民党の新人議員があまりの好待遇にびっくりして、思わずマスコミに語ってしまったくらいである。民主党の名前をど忘れしたが、政府の要職に就いている議員の会計報告だっておかしな事だらけである。それを民主党はよってたかって正当な収支だと弁護している。
 なぜそんな馬鹿な事をしているかと言えば、弁護している彼等自身がそうした無駄な金を使っているからである。彼を非難すれば、それは自分自身にも跳ね返ってくる。それを知っているから、庶民が見れば簡単に馬鹿な事言ってるなあ、と分かってしまうようなお粗末さを堂々と発揮出来るのである。自分の馬鹿が分かってしまうよりも、現在の利権を失いたくない気持の方がずっと強いのである。

◆高額所得の法人役員の報酬額の公示
 確か10日ほども前に発表された事を今頃になってあるテレビ局が話題にしている。そんなに日数が経っているのだから、もっと掘り下げたニュースに仕立てているのかと思えば、なんともお粗末な情報しか流していない。しかも高額ではないとか、様々な反対意見に同調している観がある。ここでも欧米に比べてそんなに高くはないなどの議論がある。
 消費税もそうだが、欧米に比べて云々は意味が無い。日本の国民の生活水準に対してどうなのか、と言う視点がまるで無い。世界中から鶏小屋だとか言われている住居の情況も無視して、やれ1億円以上の年俸が高くはない、などと平気で言っている。たとえどんなに優秀であっても、そんなに高級が取れるほどの働きを実際にしているのだろうか。
 10人足らずの社員の会社で社長が1億円で、社員が400万円だったりする事は少ないだろう。しかし大企業になればそれがいとも平気で当たり前になる。その大企業の社員が小さな企業の社員よりも格段に優れて素晴らしい働きをしている訳ではない。どんなに優秀な人だって、自分一人だけでは高額な報酬は得られない。自分の下で働く人々や自分達が作り出したサービスを利用する人々が居るからこそ、高額な報酬は成立出来る。そうした人々の事はまるで無視して、自分一人の成果であるように思うのは傲慢である。