夏木広介の日本語ワールド

駄目な日本語を斬る。いい加減な発言も斬る。文化、科学、芸能、政治、暮しと、目にした物は何でも。文句は過激なくらいがいい。

オリンピック招致に無関心、冷淡な理由が分かった

2009年06月30日 | 社会問題
 東京都のオリンピック招致に政府は非常に冷淡である。政治が介入する事ではない、と言っている。へーえ、そうなのか。昭和39年の東京オリンピックは国を挙げての盛事だったはず。それに合わせて新幹線を開通させたし、高速道路も建設した。お陰で、東京は道は広くなったが、日本橋には蓋をされて無惨な光景とあいなった。
 そうした事はすべて東京都だけの事業だったと言うのか。
 世論調査の結果も支持はとても低い。特にIOCの調査結果は無惨である。ねえ、本当にオリンピックって無駄なの? と私は聞きたくなった。もしもそれに税金が使われるとして、その金額は果たしてどれくらいなのか。一人当たり50万円ほども掛かるのであって、オリンピックを開かなければ都民一人に50万ずつくれるとでも言うのなら、私はお金の方が欲しい。
 でも、そんな事があるはずが無い。掛かる費用だって、そんなに多くはないはずだし、それにたとえオリンピックに使わないとしても、そのお金はほかの事に使われてしまうはずである。無駄に分からない所に使われてしまうくらいなら、オリンピックの方が遥かに素晴らしい。

 オリンピックを招致しない事でこれだけの利益があり、招致する事でこれほどの損失になる、と言う収支の計算を教えて欲しい。でもみんな温度低いよねえ。もう、何もかも嫌になりました、何に対しても関心がありません、って感じがするけど。いや、自分にだけは関心はある。自分を嫌になってなどいない。単に自分本位なのではないだろうか。
 確かに世の中、景気が悪い。でも悪いからと落ち込んでばかりいては駄目だろうに。そうした時こそ、何くそっ、て言う力が必要なのではないだろうか。東京オリンピックはそのばねに必ずなると思う。もしならないのなら、それこそ、日本沈没だね。もう救いようが無い。

 と、これを書いてしばらく暖めていた。そうして色々な人と世間話をしていて東京の某区政に関わる金権体質についての知識を得た。区議会議員と直接の関わりを持っている人から聞いた話である。そして気付いた事がある。今度のオリンピック招致では最もカネの掛からない運営が出来そうな事が評価されている。つまり、既存の施設を利用出来る。何も新しく建設する必要が無い。
 そう、だから政府は冷淡なのである。公共事業が何も出来ない。それでは何の旨味も無い。建設族の族議員も手の出しようが無い。どこにも金儲けの種が無い。そしてもう一つ分かった事がある。庶民も結局はカネが動かないと動かないのである。昭和39年の東京オリンピックではそれこそ建設で莫大なカネが動いた。しょせんは我々庶民も関心はカネなのである。カネが動かないから心も動かないのである。
 一体、いつの頃からこんな卑しい根性に成り下がったんだろう。一つだけ分かる事がある。あらゆる媒体がやれ便利な品を買え、やれ旨い物を食え、やれいい所に旅をせよ、やれ良い住まいを手に入れろ、とさんざんに我々を突き動かして来たのが大きな原因になっている。
 精神ではなく物質で喜ぶ体質を作り上げてしまった。物質でなければ喜べない体質を作ってしまった。オリンピックに冷淡、無関心なのはここに大いなる理由がある。

1 コメント

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Unknown (kojitan)
2009-06-30 13:57:17
夏木さん
こんにちは、今回の五輪のに関するあの手ごたえの無さのひとつにはメディアによる世論操作もありそうです。これは夏木さんのご指摘の通り、消極的な意見ばかりを報道している。国民が望んでいないなどとよくも云うと思う。インターネットなんかで統計をとったら案外オリンピック招致に賛成する人が多いかもしれませんね。

東京がふさわしいかどうかは別として、「オリンピックを開催するな」とは微塵も思いません。

「オリンピックを東京でやる意味がわからない」という人もいますが、じゃぁシカゴでやる意味は?
どこでやれば意味があるのか、そもそも北京でやった意味は?オリンピックそのものが理由であって場所はそれぞれの思惑はあるだろうけど、基本的には自分の国でオリンピックを見たいって純粋な気持ちだと思うんですけどね。
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