千艸の小部屋

四季折々の自然、生活の思いを、時には詩や創作を織り交ぜながら綴りたい。

図書館

2019年02月17日 | 日記




 二月から図書カードを作った。
 今まで考えなかったなんて、ホントに私は遅れている。
 何もかも、全てがマイペース思考だ。志向を改めた。
 昨年秋、市民検診を終えて時間があったので図書館に立ち寄った。
 夢枕獏とは違う他の本を探してみた。読んでみたい本があった。途中まで読んで、越後交通のバスの時間になった。続きが気になったのに、作品名も作家名もメモするのを忘れた。いくら考えても思い出せない。私って抜け作だな、つくづく思う。
 一月の終わり頃、知人が図書館で本を借りている話を聞いた。
 そうだ、図書館に行こう。
 私も、冬の季節を図書館の本を借りて過ごしたくなった。
 文庫本といえども、当たり外れがある。作家によっては、もう読みたくない作家もいる。がっかりすることがある。

 小川洋子の「ことり」を再読して、小鳥の小父さんに魅了された。しずかな小父さん、お兄さんの使っていたポーポー語(ことりがさえづる言葉)を覚えた。図書館で知り合った若い司書との出会い・・・おじさんさえも気がつかないひそやかな胸のときめき。だが、司書は図書館をやめてしまった。世間は心ない噂を立てた。やがておじさんも図書館にも行かなくなった。ある日、家の窓にぶつかって瀕死の重傷を負ったメジロを育てるのだ。メジロと交わすポーポー語・・・

 市立図書館の司書は穏やかな感じの女性・・・思わず「ことり」を読んだ話をしてしまった。ニコニコと聞いてくれた。

 秋、読みかけた本を探したが見つからなかった。貸し出し中なのかもしれない。



 結局借りたのは、蜂谷道彦『「ヒロシマ日記」法政大学出版局』
 原爆投下による広島は、一瞬の出来事により阿鼻叫喚の巷と化すが、作者のあとがきに加えて加筆した文章がある。

 ピカから三十年(新版にあたって)

 ピカの時、広島市の家やビルは倒れ、草木は焼け、私達のいた病院から福屋百貨店、中国新聞社の向こうに宮島や似島が指呼の間に見えていたが、被爆者の治療と医薬品を確保するのが精一杯で、あたりの景色を見るゆとりはなかった。
 それから二十二年、私は復興発展途上の広島市に住み、広島と暮らしてきたが、八年前郷里に帰り晴耕雨読の生活に入った。
 自然の中で過ごしだした私にとって、広島市は年ごとに大きくなり、広島から離れたせいか原爆の影は次第に薄れだしていたが、最近テレビ等でカンボジアの哀れな避難民を目にすると原爆当時のあの姿が目に浮かび胸が痛む。

 昭和五十年四月        蜂谷道彦(元広島逓信病院院長)





 この本も読みたくなった。

 椎名誠『「アイスランド」絶景と幸福の国へ』

 太平洋のまん中に浮かぶ極北の孤島、アイスランド。
 敬愛するジュール・ヴェルヌが代表作『地底旅行』の舞台にも使った氷山と氷河がおりなす絶景を誇るこの国はさまざまな幸福度ランキングの上位国でもある。
 美しい国をめぐり、幸せについて考えた旅する作家、椎名誠“最後のでっかい旅”の記録。

 アイスランドは、世界の国別「幸福度ランキング」では九位あたりにいる。 日本はそのはるかずっと下。悲しくなるくらい日本は客観的に「不幸感」にあふれているのがその対比で見えてくる。
 このはるかな北の国瞥見記は、むかしヨーロッパの人びとが日本を「黄金の国」と呼んであがめたのとは逆である。かっての日本の「黄金の国」の黄金は今では汚れまくった紙の「金カネ」だ。ろくに本質的な安全管理もせずに(金のために)突っ走った。どうにも制御できない核の汚染にまみれ、方向を失ってずっとあえいでいる。このドロまみれみたいな日本から、北の厳しい小さな「しあわせの島国」をどう認識するか、というのがこの旅と本書のテーマとなった。(本文より)

 人間の住める場所は限られている。
 火山の噴火が日本よりも多い。国中が常に揺れ動いているイメージがある。しかし、この国に住む人々は「みんないい人」と言われている。軍隊はなく、原発もない。しかし税金は高く、物価も高いが、政府によるその高い税金の還元が目で見えるかたちでなされているからなのだろう。多くの国民は、おだやかでシアワセそうな顔をしている。みんな「この国は安全で、犯罪などない」という。警察はあるが銃を保持せず、殺人事件なども殆どない。滞在中にパトカーはついに見かけなかった。(本文より)

  (2015年1月28日 日経ナショナル ジオグラフィック社発行)


 椎名誠はスカッとした歯切れのよい言葉づかい。好感を持った。


 昨日は雨。図書館で借りた本を返却。新しく二冊借りた。

 今日は雪。小雪が降っている。
 寒い季節だが、まもなく春がやってくると思うと心が弾む。

 二月の魚沼の里






最新の画像もっと見る

コメントを投稿