千艸の小部屋

四季折々の自然、生活の思いを、時には詩や創作を織り交ぜながら綴りたい。

2011年09月17日 | 日記

          





 靄っているのか、工場の煙があたり一面ただよっているのかわからなくなる。
 日の出前。
 知人が犬を連れて通った。
「霧かな~、煙突の煙かな~」
「霧だよ。霧」
 そうかな~。
 犬に引っ張られるようにして、彼女は角を曲がって行ってしまった。
 一人になって先を進んで、彼女と見た靄の風景は切れ間がない。
 見慣れた風景が遮断されてしまうと、全く違う世界に映るから不思議な感覚。
 時間があればしばし佇んで、湧き出た言葉を頭の中に書き留めるのだが、今の私は心の余裕がない。
 早めにウォーキングを切り上げて、庭の植木鉢の水やり、草取りが待っている。少しの時間PCを開いて、朝食の準備に切り上げる。
 一見、テキパキと行動しているように見えて、やることがのろまなので、自分でもあきれてはいる。
 4時半に起きても、家を出るのが1時間近くも後。時たま、5時過ぎに家を出ることもある。日が短くなって、5時は薄暗い。

 風景が消え、黄金色の田んぼだけがあざやか。
 稲穂の香り。
 実りの秋。
 母は、どんな夢を見ているのだろうか。
 朝陽が顔を出すと、さっと靄は消えてしまった。
 ここまでは、昨日の話。

 母の病室に花が活けられていた。
 今朝、川辺で会った方が届けてくれたようだ。
 心が嬉しい。
 昨日の母を見せたかった。
 夢見るようなおだやかな顔をしていた。
 今日は顔に歪みがある。
 顔色も少し気になる。
 看護士が、テキパキと胃ろうにチューブ食を注入する。
 まだまだ大丈夫。元気、元気。
 意識のない母に言葉がけをしてくれる。
 だが姉妹3人、主治医から話を聞かされたばかり。
 そう長くはないだろう、母の状態を。
 時々薄目を開けるが、目の前に誰がいるのか分かっていないだろうことも。
 時間になった。
 お母さん、またあしたね。
 母の頭を撫でて、軽くほほ寄せて病室を去る。

 夕方近く、雨が降り出した。
 あの猛暑はどこに行ったのか、病室で冷えた身体が持続する。
 とても疲れた。



 最近すっかり忘れていた、揚げ豆腐のあんかけ。
 昨夜作るつもりが、今朝になった。木綿豆腐は水切りしてある。こんがりと油で揚げて、醤油は薄め、料理酒、味醂、白だしで整えた。オクラも添える。
 夫の田舎に行ったとき、豆腐屋の揚げ出し豆腐が美味しかった。店に置いたら、すぐ売り切れる。それも朝のわずかな時間に。
 その後、こちらでも居酒屋の一品に注目されるようになった。
 スーパーのパック詰めは、美味しくない。
 揚げて、すぐに調理するから旨味が出るのだろう。

 陶芸をやっている妹が大量に器を持ってきてくれたので、その一つに盛りつけてみた。
 ううん、なかなかいい。
 食器棚の器の大半が、妹の器に入れ替わった。
 下手な料理でも、器一つで見栄えがするから不思議。

 朝の私は、大気を思い切り吸い込んで元気だ。
 これからは心して、自分の身体も労っていかねばと思う。

 ブログ・・・書けない日々が近づきつつある。