YES MUSIC YES SALES

お気に入りの音楽や活字。その中に秘められた想いと、世の中の事、セールスの事をリンクさせて紹介していきます。

開華力~酸いも甘い混濁して~

2010-11-19 | Bob Dylan
セールス的にはあまり芳しくなかった1stでしたが、、その中に見える巨人の片鱗をマザマザと見せつけたDylan。。62年4月から2ndAlbumの製作がスタートします。前年から猛烈に曲を書き始めたDylan。彼女スージー・ロトロとの出会いと彼女の影響における公民権運動への参加など、、Dylanの創造力を肥大化させて行きます。。スージーの母親はDylanとの関係をよく思っていなかったので、、彼女をイタリアへと連れて行き、、6ケ月も。。。この会えない間が、、またまたDylan創作のパワー?となるのでした。。
そんな中“Biowin' In The Wind”がピーター・ポール&メアリーのカバーでヒットし、、これが公民権運動のテーマソングのような扱いになってしまいます。その後もレコーディングは6月、10月、11月と続き、、どんどんその才能を花開き、、無限の可能性を見せる。 そんな中、録音された“Talkin' John Birch Paranoid Blues”がエド・サリバンショーでNGが出て、、(右翼の反共団体をあからさまに風刺した内容に・・・)そんなこともあり、、一度固まったAlbumの内容が、、ジョン・ハモンドの意向により(コロンビア・レコードへの配慮?)63年4月にトム・ウィルスンをプロデューサーに向かえ、、“Giri From The North Country”“Master Of War”“Talkn' World War Ⅲ Blues”“Bob Dylan's Dream”などを1テイクで録音し曲の差し替えを行います。ですので、、テスト版として作られたAlbumとは曲が違うことになったので、、このテスト盤は伝説的レア盤となることに、、、 
そして約1年の歳月をかけ、、Dylanの2nd“The Freewheelin' Bob Dylan”は、1963年5月27日に発売になります。

美しいジャケ。恋人スージー・ロトロと雪の残るヴィレッジを歩く姿は、、62年2月に撮影が行われた模様、、この2人の姿こと、当時のアメリカの若者の“自由”の象徴ともなりました。。
このスージーとの穏やか時間が生み出した余裕のココロと上手くいかないヤキモキ感。。そしてキューバ危機などの時代の波に感じる感性などが混濁合わせ飲み込み噛み砕いて。。吐き出す。。それも高い完成度で、、、 2作目にして名作ぞろい、、これを聴いた多くのミュージシャン達が衝撃を受けることになりますね~ もちろんビートルズの面々、、とくにジョンが・・・・・・

名作のオンパレードですが、、“Giri From The North Country”はイギリスに古くから伝わる民謡【スカボロー・フェア】の歌詞をリメイクして作った曲ですね。そのまま活用するのではなくDylanエッセンスで、、新しい輝きを増す能力。叙情的で情景力の凄さ。。語りかける口調。アコギの響き、、ハープの物悲しさ。。完璧です。
そしてアルペジオの響き、、メロディー、、語り口、、“Don't Think Twice, It's All Right” ココロにやさしく包むような音。。スージーへの想いを綴るDylan。。。後悔の色をアルペジオにのせて。。この曲がスージーがDylanの前から去ることにもなります。。。。

MONOシリーズのおかげで、、更に攻めるDylan感が堪能できます。。ハープの音色がいつにもまして、、ココロを震わせますね~
60年の息吹がこのAlbumの中ぎっしりと詰まっています。。。



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