公務員試験知能、教員採用試験数学解説

ある予備校講師が暇な時間に綴る小さなブログ

地方上級の数的推理 2

2021-11-29 11:48:00 | 地方上級
2021年の第2問は、方程式からの出題でした。                  正の整数m、nがあり、mを中央値とした連続する11個の整数(m−5,……,m,……,m+5)の和から18を引いた数と、nを中央値とした連続する9個の整数(n−4,……,n,……n+4)の和に9を加えた数が等しくなった。このときm+nの値として妥当なのはどれか。①13②14③15④16⑤17           連続するk個(ただしkは奇数)の数があって、その中央値がhのとき、この連続するk個の数の和はk×hになります。例をあげて説明すると、
では、本問の解説。             mを中央値とした連続する11個の整数の和は11mだから、「mを中央値とした連続する11個の整数の和から18を引いた数」は11m−18。               nを中央値とした連続する9個の整数の和は9nだから、「nを中央値とした連続する9個の整数の和に9を加えた数」は9n+9。                   これらが等しいので、11m−18=9n+9。ここから先は、不定方程式ですね。
m+nの値は3つありますね。9+8=17。18+19=37。27+30=57。          本問には、「妥当なのはどれか」と書いてあるので、このうち選択肢にあるものを選べばよいのです。正解は、肢⑤です。


地方上級の数的推理 1

2021-11-26 09:03:00 | 地方上級
2021年地方上級第1問は場合の数からの出題でした。               次の図のような縦3本でBの真下に当たりが来るようなあみだくじがある。1段目、2段目、3段目の各2本ある点線からそれぞれ1本を選び、計3本の線を足す時にできるあみだくじの組み合わせは何通りか。またその中でAが当たりになるのは何通りか。


1段目、左に線を引くか?右に線を引くか?両方に線を引くか?どちらにも線を引かないか?「各2本ある点線からそれぞれ1本を選び」とあるので、左に線を引くか右に線を引くかのどちらかをしなければなりませんね。ということで、こうなります。
全部やってみます。
Aが当たりになるのは3通りです。なので、正解は肢3です。              少し違和感がありませんか?        これだったら、AとCが当たる確率がそれぞれ3/8。Bが当たる確率が2/8。Bが不利っすね!一体どうなっているのでしょうか?                    しょ〜もないことなら別にいいのですが、大事な事をあみだくじで決める場合、必ず当たりの位置を隠して下さい。           真ん中が当たりと分かっていて、本問のように横線を記入するなら、端が有利ですが、端に当たりがある場合は真ん中が有利になります。                 あみだくじの種類が8通り、当たりの位置が3通り、故に8×3=24通りのあみだくじができ、3人それぞれ8通りの当たりがあるので、やはり公平になると言う訳ですね。               七転びハッピー、3分30秒くらいからスタート。




国家一般職の数的推理 5

2021-11-23 12:59:00 | 国家一般職(大卒)
2021年の第5問も整数からの出題でした。今年は、5題のうち3題が整数というかなり偏った出題でした。              北米には13年ゼミと17年ゼミといわれる、周期的に一斉に成虫が発生するセミがいる。これらのセミは、卵が生まれてから成虫になるまで13年又は17年を要し、それぞれ13年目、17年目に成虫になる。                13年ゼミは3系統あり、それぞれの系統は13年目に成虫になるが、成虫になる年は全て異なり、13年のうち3年はいずれかの系統の成虫が発生している。           例えば、2021〜2033年の13年のうち、成虫が発生するのは2024年、2027年、2028年の3年だけである。                同様に、17年ゼミは12系統あり、17年のうち12年はいずれかの系統の成虫が発生している。                        2021年以降、最初に13年ゼミの3系統、17年ゼミの12系統の成虫が発生する予定の年は次のとおりであり、その後もそれぞれの系統は13年又は17年ごとに成虫が発生することが見込まれている。なお、セミは成虫となった年までしか生きることができない。
ここで、2021〜2250年の230年間に、13年ゼミの成虫のみが発生する年は何年あるかを次のようにして考えたとき、A、B、Cに当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。                    「ある系統の13年ゼミの成虫が発生するのは13年に1回であり、2021〜2250年の間に13年ゼミの3系統のいずれかが発生している年はA回である。一方、ある系統の13年ゼミとある系統の17年ゼミの両方が発生するのは221(=13✕17)年に1回であり、2021〜2250年の間に13年ゼミの3系統合計でみると、13年ゼミと17年ゼミの両方が発生する年は、B回である。よって、13年ゼミのみが発生する年はC回である。
少し細かいことですが、一つ確認しておきます。                   一般に、A年からB年までは、B−A+1年あります。例えば、「2018年から2022年まで病気のために休職していました」という場合、普通、2018年の1月1日から2022年の12月31日までと考えるので、2022−2018+1=5年間休職していたということですね。だから、2021年〜2250年は230年間です。          さて、この230年間に13年は何回あるかというと、230÷13=17あまり9なので、17回あって、さらに9年あります。また、13年ゼミは3系統あって、3系統ともバラバラの年に発生するのだから、Aは、こうなります。
13年ゼミの3系統を、それぞれ、13−1、13−2、13−3、また、17年ゼミの12系統を、それぞれ、17−1、17−2、………17−12としましょう。       13−1と17−1は、221年に一度だけ同時に発生します。また、13−2と17−1も、221年に一度だけ同時に発生します。また、13年ゼミと17年ゼミの組合せは3×12=36組。               そして13年ゼミの3系統はバラバラの年に発生し、17年ゼミの12系統もバラバラの年に発生します。よって、221年間にある種類の13年ゼミとある種類の17年ゼミが同時に発生する年は36年(回)。BとCはこうなります。
正解は、肢4です。           ♬人生はいつでも山あり谷ありで休みもなし上をみて下と比べ自分の位置考えちゃう♫



国家一般職の数的推理 4

2021-11-18 10:26:00 | 国家一般職(大卒)
2021年の第4問は、第2問と同じく、整数問題でした。                                                              AとBの2人がおり、Aは10〜99の二桁の整数のうちから一つの数を頭に思い浮かべ、Bはその数を当てようとして「はい」か「いいえ」で答えられる質問を、次のとおり行った。     ①「その数は、ある整数を二乗した数から3を引いた数と等しいか?」と聞いたところ、Aは正しく「はい」と答えた。          次に、Bは候補を絞る質問として、次の二つの質問をしたが、Aは二つとも嘘を答えた。             ②「その数は、40より大きいか?」                    ③「その数は、奇数か?」              Bは、これら三つの質問に対するAの答えが全て正しいものとして推論を行ったが、数の候補は複数あった。そこで、これを一つに絞る質問として、次の質問を行った。                 ④「その数は、十の位と一の位の数を足すと7より大きいか?」このとき、Aが頭に思い浮かべた数はどれか。

①の質問には、Aは正しく「はい」と答えたので、Aが頭に思い浮かべた数は、二桁で、かつある整数を二乗した数から3を引いた数です。             つまり、13か22か33か46か61か78か97ですね。                 質問②と③に対してAがどう答えたのかが問題です。整理しましょう。次に、Aがどう答えたかと、その時Bはどう推論するかを整理します。
このとき、数の候補は複数あったのだから、㋓はダメで、㋐か㋑か㋒ですね。      そこでBは、「これを一つに絞る質問として」④の質問をしたのです。          ㋑のときに④のような質問をしたら、Bはアホです。                 そんな質問をしても、Aが「はい」と答えても46か78か分からず、結局一つに絞れないし、「いいえ」と答えたら、「お前ええかげんにしろよ、嘘つくな」ということになる。              ㋒のときも同様ですね。            だから、㋐だったわけです。         よって、Aが頭に思い浮かべた数は61か97で、このうち選択肢にあるのは5なので、正解は5などとやってしまうと、まんまとA(あるいは出題者)に嵌められたことになります。              ②と③にAは嘘をついている。         Aは、㋐のように答えた(②に「はい」③に「はい」)のだから、Aが嘘をつかなかったら、どちらの質問に対しても「いいえ」と答えます。問題文に、「Aは二つとも嘘を答えた」と書いてあります。                  ②にも③にも「いいえ」だったら、図の㋓。つまり、Aが頭に思い浮かべた数は22だったのです。                  正解は肢2です。                見ざる聞かざる言わざるでござる 人生受け身は今日で終わらせるよgoodbye!




国家一般職の数的推理 3

2021-11-14 09:35:00 | 国家一般職(大卒)
2021年の第3問は、図形からの出題でした。図のように、一辺の長さが1の正方形Aに内接し、30°傾いた正方形を正方形Bとする。また、正方形Bに内接し、45°傾いた長方形の長辺をa、短辺をbとする。aとbの長さの比が2:1であるとき、aの長さはいくらか。





図の中には、2種類の三角定規が4つずつあり、大きさも考慮すると、3種類あることになります。つまり、
三角定規の辺の比について確認すると、
ですね。それでは、解説を始めます。赤い三角形と青い三角形は、どちらも直角二等辺三角形(1:1:√2の三角定規)で、相似です。aとbの長さの比が2:1ということは、赤い三角形のそれぞれの長さを2 倍したものが青い三角形だということ。いま、AC=BC=kとすると、BE=DE=2kだから、EC=3k。

さらに、△ECFと△HEGは合同

だから、GE+EF=CF+EF。△ECFは、1:2:√3の三角定規です。だから、さて、求めるものはaの長さですので、もう一度赤い三角形に戻る必要があります。
bは、図の①なので、b=√2k。aは、図の②なので、a=2√2k。よって、
正解は、肢4でした。

レッツパーティーだ!