公務員試験知能、教員採用試験数学解説

ある予備校講師が暇な時間に綴る小さなブログ

当選確実

2022-08-28 09:00:00 | 当選確実
あなたが生徒会長に立候補したとしましょう。                      立候補者は、結構います。             結構じゃ現実味がないので、じゃあ7人いたとします。(2人以上いれば、何人でもこのお話しに関係ない)              全部で600票あるとして、さて、最低何票集めれば、確実に当選できるでしょうか?            答えは、301票です。                 そりゃあ、500票くらいとれば、絶対当選しますよ!                      でも、最低何票かと聞かれたので、「500票くらい」というのは正解にはならないですね。                     実際には、100票くらいでも当選するかもしれませんよ。                    たとえば、
こんなことになるかもしれませんからねえ。                         でも、確実に当選するかというと、そうとも限りません。                   例えば、あなたが100票で、A君が500票で、その他が0票とか。               なんかややこしくなってきましたか?           でも、よく考えると、「過半数」取ればいいのではないですか?                自分が過半数とっていれば、他がどうであろうが、絶対に当選ですし、もしぎりぎり過半数に到らないとき、つまり300票だったら、あなたが300票で、A君も300票で、他が0票だったら、決戦投票とか、じゃんけんとか、何らかの方法であなたが負けるかもしれません。               だから、もう一票必要。                つまり、301票以上とれば、あなたは確実に当選します。(301票以上取らないと当選できないという意味ではありません。               301票以上取れば、残りの299票がどの立候補者にどう流れていっても確実に当選するということ)               ちょっとまとめます。                  当選人数が1人のとき、投票数の2分の1より多く票を取れば当選確実です。          では、当選人数が2人のときはどうでしょうか?                      正解は201票です。                 200票獲得しても、ぎりぎり当選できないことがあります。                 このときです。
3人で決戦投票かじゃんけんになります。(普通は立候補者は自分に1票入れるので、こういうことにはならないが)              201票あれば、自分以上のものが2人現れようとしたら投票数が603票以上必要になりますね。                        少しそれますが、あなたが全くやる気のない立候補者で、自分で自分に投票することもせず、0票だったとします。            それでも、あなたは当選するかもしれません。                       こういうこともあるからです。
                          当選者は2名ですから、A以外の人でじゃんけん。                      じゃんけんですから、あなたの意志に反して勝っちゃったとか。                ここまでまとめますと、当選者数が1のとき、投票数の1/2より多く獲得すればOK。                        当選者数が2のとき、投票数の1/3より多く獲得すればOK。                    実は、これは当選者数が何でも同じことになって、当選者数がnのとき、投票数の1/(n+1)より多く獲得すれば当選確実になります。                        では、練習問題ってか、2019年の海上保安学校の過去問です。                 あるクラスには、44人の生徒がいる。             このクラスでは、今学期の体育の授業で行う競技を全生徒による投票で決めており、各生徒が8種目の中から一つだけ選んで1票ずつ投票する。                    以下のA、Bの状況において、ある種目が「実施確実」となるのに最低必要な得票数の組合せとして最も妥当なのはどれか。                         A:実施する競技が2種目                   B:実施する競技が4種目                    ただし、「実施確実」とは、他の種目の得票状況にかかわらず、Aの状況であれば上位2位以内、Bの状況であれば上位4位以内になると判断できることをいう。
Aの場合は、投票数(44票)の1/3より多く得票すればよい。                     Bの場合は1/5より多く得票すればよいのだから、
正解は肢4ですね。                    まとめ 当選確実=投票数×1/(n+1)より多。(割り切れるときは1を足す。














国家一般職(高卒)の数的推理 2

2022-08-21 10:55:00 | 国家一般職(高卒)
2021年出題。                   図のような縦12cm、横21cmの長方形ABCDがあり、辺ABの中点をEとし、辺CDの中点をFとする。                  点Pは線分FE上を点Fの位置から毎秒1cmの速度で、点Qは辺BC上を点Bの位置から毎秒2cmの速度で同時に移動する。             このとき、三角形APQの面積が、最初に長方形ABCDの面積の7分の1になるのは、点P及び点Qが移動を始めてから何秒後か。(選択肢省略)
長方形の面積の7分の1は、21×12÷7=36なので、三角形APQの面積が初めて36になるときを求めます。                  普通に、x秒後に三角形APQの面積が36になるとして、方程式をつくりましょう。                         図は、こんな感じですね。
もちろん、斜線部の三角形の面積は、長方形ABCD−三角形ABQ−台形PQCF−台形APFDとなるところですが、そういう方程式にすると、かなり式が難しくなります。                         そこで、工夫をします。                三角形APQの辺AQと線分EFの交点をRとして、三角形APQを、三角形ARPと三角形QRPに分割します。
RPの長さはxを使ってどう表されるでしょうか?                         中点連結定理②より、ER=xだから、RP=21−2x。




また、三角形ARPも、三角形QRPも、底辺がRPで、高さが6cmなのだから、同じ面積。                       三角形APQ=2×三角形ARPです。           よって、
正解は、7.5秒後です。


















国家一般職(高卒)の数的推理 1

2022-08-14 10:31:00 | 国家一般職(高卒)
2021年出題。                   A、B、Cは、3人合わせて345万円の所持金を持っている。                   Aは12%、Bは10%、Cは8%の年利率で全所持金を銀行へ預けたところ、1年後に、Aの利息とBの利息とCの利息の比は、3:2:1となった。                     このとき、A、B、Cが受け取った利息の合計はいくらか。                  ただし、利息に係る税金は無視するものとする。(選択肢省略)                 A、B、Cの所持金を、それぞれa万円、b万円、c万円とすると、こうなりますね。A、B、Cが受け取った利息の比は、0.12a:0.1b:0.08cですが、これをできるだけ簡単にしましょう。

これが3:2:1なので、6a:5b:4c=3:2:1。                      これは、6aは4cの3倍、5bは4cの2倍だという意味ですね。

つまり、
3人の所持金の合計は345万円だから、
これで3人の所持金が分かりました。

利息の合計は、
正解は、36万円です。                 (補足)a:b=c:dのとき、a×d=b×cとなることは、よく知られていますが、a:b:c=d:e:fのときはどうなるのでしょうか?                        これは、覚える必要はないと思いますが、こうなります。                    a×e×f=b×d×f=c×d×e。              ちょっとこれを使ってみましょうか。          所持金の比が6a:5b:4cだったところから先をやってみますと、





















地方初級の数的推理 5

2022-08-07 10:29:00 | 地方初級
2021年出題。                       A〜Fは、1〜9の互いに異なる6個の整数である。                          次の3つの関係式が成り立つとき、AとDの差はいくらか。                 A✕B✕C=252                   B✕D✕E=108                  C✕E✕F=70(選択肢省略)             1〜9を使う積の計算パズルです。            この場合は、「5」と「7」を探しにいくのが定跡です。                    1〜9の中には、2の倍数が4つ含まれていますし、3の倍数が3つ、4の倍数が2つ含まれています。                       でも、5の倍数は「5」のみ、7の倍数は「7」のみです。                    だから、いくつかの数を掛け合わせたときに5で割り切れる数になれば、掛け合わせた数の中に、必ず5が含まれていることが分かるのです。                    掛け合わせたときに、それが7で割り切れる数になったときも同様です。               ただし、1〜10の場合は、たとえ掛け合わせた数が5で割り切れたとしても、掛け合わせた数の中に必ず「5」が含まれているとは限りませんね。                   この場合は、掛け合わせた数の中に「5」か「10」が含まれていたとして考えていきます。                        とりあえず、素因数分解します。
①式より、A、B、Cの中に「7」がいることが分かります。                       また、③式より、C、E、Fの中にも「7」がいることが分かります。                もちろん、A、B、C、E、Fの中に7は1つしかないのだから、Cが「7」です。          次に、「5」を見つけましょう。            ①式にも②式にも「5」はいません。             ③式に「5」がいます。                Cは「7」だったので、EかFが「5」です。                       でも、Eが「5」だったとすると、②式の掛け算の結果が5で割り切れる数になっていないとおかしい。                  よって、Fが「5」。                まるで、「7」がお父さん、「5」がお母さんで、どこに自分の父や母がいるのかを探しているようですね。                ここまでくれば、あとは適当にやれば正解にたどりつけます。


結論は、
AとDの差は6−4=2。                 正解は、2です。