公務員試験知能、教員採用試験数学解説

ある予備校講師が暇な時間に綴る小さなブログ

パターン問題講座1 年齢算の基本

2022-10-30 13:41:00 | 基礎から講義
現在、父が46歳、長男が17歳、長女が14歳だとする。                     父の年齢が二人の子の年齢の和よりも5歳多くなるのは何年後か?                     このような問題を年齢算といいます。            本問を表に表すと、
父の年齢が二人の年齢の和よりも5歳多くなるのはx年後だとしてみます。               例えば、今から7年後には、7歳年齢が増えています。                       だから、x年後には、父も長男も長女も年齢がx歳増えています。
よって、次のような方程式ができます。
これを解くと、
正解は、10年後です。                   算数では、全然違う考え方になります。            現在、父の年齢と二人の子の年齢の和を比べると、父の年齢の方が15歳多くなっています。                           これが、来年にはどうなるでしょうか?             父が1歳増えても、長男が1歳年をとり、長女も1歳年をとるのだから、合わせて2歳増えます。                        すると、今年は15歳の差があっても、来年は14歳の差になってしまいますね。
つまり、一年で1ずつ差が減っていく。              今、父のほうが15歳多いのだけれど、10年後には、父のほうが5歳多くなる。             ゆえに正解は10年後。                   なのですが、全ての年齢算を、この考え方で解くことはできません。                方程式、算数、どちらの考え方もマスターしておくべきです。                「そんなこと言ったって、10年後のいつなのかによって、いろいろあんじゃないの~?」という疑問を持ったあなたはもはやプロ級!                        現在というのが何月何日か、10年後と言っても、10年後の何月何日かによって、各人の誕生日というものがあるので、正確には本問のようにはならないことがあります。                           しかし、それでは正解がいくつか出てきてしまうので、年齢算では、特に断りがない限り、同じ日付で考えます。               例えば、現在が1月1日なら、何年前でも何年後でも、それは、その年の1月1日として考えるのです。                    だから、本問の解説のようにやっていっても構いません。


















地方初級の数的推理 6

2022-10-23 09:04:00 | 地方初級
2012年出題。                       三つの正の整数a,b,cが次の条件を満たすとき、a+b+cはいくらか。                      ・a<b<c<10である。                          ・aは奇数である。                        ・bとcの差は3である。                        ・aとcの平均は、bより小さい整数である。(選択肢省略)                     a<b<c<10で、aは奇数だから、a、b、cに適当な整数を当てはめていけば、何とかなる問題です。                       でも、ここでは、真面目に考えていきます。                              奇数+奇数=偶数で、奇数+偶数=奇数というのは大丈夫ですね~。                    もしもcが偶数だったら、aとcの平均は整数になりません。                      例えば、a=1、c=8だとすると、aとcの平均は4.5となって、最後の条件を満たすことができません。                      だから、cは奇数です。                    そして、この最後の条件を図にすると、                         ここに、その他の条件も付け加えて、
aとbの差は、bとcの差よりも大きいので、3より大きく、4以上です。                    もしもc=9ならば、b=6、aは、6よりも4以上小さいから、1か2。でもaは奇数だからa=1。                           c=7ならば、b=4。aは4よりも4以上小さいから、なんぼ何でも0で、もう正の整数にはならない。                        したがって、a=1、b=6、c=9。a+b+c=1+6+9=16。正解は16です。



























中学入試に学ぶ 3

2022-10-10 09:09:00 | 中学入試
中学入試の図形の問題は、公務員試験で、数的推理や空間把握として、ほとんど同じような問題が出題されます。             むしろ、逆に、公務員試験の知能の問題を中学入試で出題しているのかもしれません。                         その方が、知能指数が高い子供を集めることができる?                     さて、今回は初級〜中級向けの問題です。                        下の図のように、半径12cmの半円を2つの部分に分けました。                斜線部分の面積は何cm²ですか。           ただし、円周率は3.14とします。
まあ、自分が小学生だったとしたら、間違いなくこうしたと思います。
しかし、これは間違い。㋐は、扇形ではありません。
とすると、㋐は、分割してみようかと考えます。(自分の勝手な考えだけど)         それでは解いていこうと思うのですが、まず、大人の場合。
扇形OCBの面積から三角形COBの面積を引けば斜線部の面積は分かりますが、三角形COBの面積が出ません。(実は、1/2×12×12×sin150°で出るのですが、ここは中学の数学までしか使わないとして)                              三角形COBの底辺は12cmで、高さを知りたいので、Cから直線ABに対して垂線を下ろします。                      すると、たまたま∠COAが30°ですから、高さは6cmと判明します。
よって、こういうことになります。正解は、152.4㎝²です。
小学生もほぼ同じ解き方です。             中学入試をする子は、三角定規の各辺の比率について、以下のことは知っています。(塾で習う)
また、円周率を含む計算で、いちいち3.14を掛けていてはしんどいので、例えば、13×3.14−7×3.14などは、πを使い、13π−7π=6π=6×3.14=18.84とするトレーニングを塾でやります。                だから、大人とほぼ同じことになっちゃうんですね~。                    こんな感じ。
自分のようなおじさんにはできませんが、子供は大変暗記が得意なので、2π=6.28、3π=9.42、4π=12.56、…………と、9π=28.26くらいまで暗記しておいて、本問などは、6π=18.84だから、60π=188.4。                     そこから36を引いて152.4だ、などと、暗算で答えを出したりするので、おじさんはそんな子供と対戦すると、必ず負けます。














警視庁Ⅲ類の数的推理 3

2022-10-03 08:07:00 | 警視庁Ⅲ類
2021年出題。                   次の図のように、円Oに内接する四角形ABCDがある。                 ∠OBC=37°、∠CAD=33°のとき、∠BCDの大きさとして、最も妥当なのはどれか。(選択肢省略)
OA=OB=OC(全て円Oの半径)で、二等辺三角形の底角は等しいので、こうなりますね。
三角形の内角の和は180°なので、△ABCに注目して、a+a+b+b+37+37=180。整理して、a+b=53°。よって、∠BAD=53+33=86°。
ここで、円に内接する四角形の定理が登場します。
四角形ABCDは、円Oに内接しているので、∠BAD+∠BCD=180°。           ∠BAD=86°だから、∠BCD=180−86=94°。                  正解は94°です。                     えっ?                          じゃあ円に内接する四角形の定理を知ってなきゃこの問題は解けないの?ということになりますが、まあ、知らなくても何とかなりますけど。                   やってみますよ。                      上の、∠BAD=86°までは同じで、その先。                           弧BCDに対する円周角(∠BAD)が86°だから、その中心角(∠BOD)は、その2倍の172°。
よって、弧BADに対する中心角は360−172=188°。
よって、弧BADに対する円周角である∠BCDは、その1/2の94°です。               な、何?                        円周角が中心角の1/2ということも知らなかったらどうするのって?                 それはそれで何とかなるのですが、かなりややこしくなります。                   そのときには、三角形の外角の定理が必要だし、補助線も要ります。                三角形の外角の定理も知らなければ、もっとややこしくなり、もう勘弁して下さい!                        ゆえに、円に内接する四角形の定理をきちんと覚えて置きましょう。