ホワイトカラー・エグゼンプションの法案提出が見送りとなった。
「年収が、ある基準を超えると残業代を払わなくてよい」という部分だけが強調されてしまい、国民の理解を得ていないからだという。「労働時間自由選択制度と言っておけばよかったのに」と自民党の実力者が言っていた。
年収900万円を超えた者に適用だから、元々、そのクラスは管理 職で、影響は少ないと思っている人たちもいる。
とんでもないことで、法案が通れば、いずれ適用年収は下げられる。制度導入時より、反対や抵抗はずっと少ないだろうと、提案側は踏んでいるに違いない。
女性の、派遣会社社長が大賛成の立場で言っていた。
「労働時間を自由に選べる。ということは、能力のある人は、普通8時間かかるのを4時間で出来る。残りの4時間を、家族サービスやボランティアに充てられる。すばらしい法案です」
唖然として聞いてしまった。
日本の労働風土で、半日で仕事を終えたらどうなる?
「ノルマが足りないのではないか」「適正ノルマなのか見直せ」と言われるのが目に見えている。そして、倍のノルマで、収入が倍になるとは思えない。
ホワ・エグ本家のアメリカでも、相対的に仕事時間が増えていると聞く。長期休暇が当たり前に取れるアメリカ。労働時間が増えても、休暇を有効に使える風土がある。
日本では、収入増になれば、当然、当然労働時間が増え、過労死が待っている。家でも仕事で、家族サービスやボランティアなんて、とんでもない。
正社員として雇用すれば首が切れない。そこが正採用に積極的になれない理由で、社員として相応しくなければ辞めて貰える制度が必要だ、とする経営者の論。雇用の拡大につながると言う。不安定な、弱い立場の労働者、ホワ・エグでノルマが増える労働者の増大にはなるかも知れない。
昔の殿様なら、側には家老がいるだろうが、今の経営者の周りには、過労ばかりが存在するようになるのだろうか。
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