金属中毒

心体お金の健康を中心に。
あなたはあなたの専門家、私は私の専門家。

おくにをすきになったとり

2011-09-03 12:54:21 | APH
おくにをすきになったとり

作 クマレーラン 仮成社 

あれはてた野原に、ぽつんと 岩だらけの山が そびえていた。
ごつごつした山には、草や木が 一本もはえていなかったので けものもとりも虫もまったくすめなかった
男が歩いていた。男は人の形をしたくにの原型。
金の髪、頑健な身体。名をゲルマン。
民を導く場所を求め エウロペ大陸をさまよっていた。

ある日のこと、どこからか いちわのことりがやってきた。ことりは岩山の上をひとまわり飛ぶと、たった一か所の金の草むらにおりてはねをつくろった。
くにはことりの小さなつめにやさしくつかまれるのを感じた
ことりがうずくまると、はねにおおわれたからだのやわらかさにびっくりした。
空からこんなものがおりてきたのははじめてだ

くにはせいいっぱいやさしい声でたずねた。

「私の上にいるのはだれだ?名をおしえてくれないか」
「わたしはことりよ とおい海の島からとんできました。
 毎年春になると 巣をつくり ひなをそだてる場所をさがしてたびにでるの
 ここでやすませてもらったからまたでかけます」
そう言いながらもことりの小さな足はくにの金髪をしっかりつかんではなさない。

こんなあたたかでやわらかなものにあったのははじめてだ。できるならこの金の草むらでひなをそだてたい。
ずっとこのくさむらにいたい
「では、行くがいい ことりよ」
くにの低い豊かなこえがことりの羽毛をふるわせた。
「またいつか会える時があることを」

ことりは羽を広げかけてからもういちどうずくまりこう言った。
「これまでずいぶんあちこちでひとやすみしたけれどまた会いたいと言われたのは初めて
わたしもあなたのうえにいたい でもこの場所では私もひなも生きられない
だからいつかあなたが生きられる場所に行ったら、わたしはあなたの上に行くわ」
「ことりはずっといきるのか 星や月のように」
「いいえ、でもわたしのむすめがまたむすめを産みそのむすめがまた飛ぶわ
わたしはあなたを教える。いつかあなたを見つけるように」
小さな鳥は大きな国を見降ろし、くどいた。
  

プロイセンの頭にはいつも黄色いふわふわのことりがいる。
このことりがゲルマンをくどいたことりのむすめのむすめなのかはわからない。

 





プロイセンの小鳥を見ているうちに小鳥を好きになった山という名作を思い出し、つい・・・やっちゃいました。ただ、思っているよりも長い話で途中でリズムをとれなくなり挫折。いつかやり直してみたいです。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿