金属中毒

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最高勲章

2013-08-28 06:48:39 | APH

最高勲章

ヨハネ十字をしらべてたら、ギルのブラコンをみつけてしまった。 大王様もギルには甘かったのかもしれない。 うちのギルはしんろの弟である前にヨハネの弟です。ギルの中では普通に両立してます。ドイツはそれを全然知りません。フランシスは知ってます。







勲章を創ろうという話が出たとき、ギルベルトは普段とあまり変わりない様子でかっこいい物をつくれよ、と言った。
それが今回造るのを最高勲章にするとフリッツが言った時、目線を泳がせた。
ちょつと下を向き、それから顔を上げる。
「なぁ、フリッツ。それのデザイン俺が決めていいか」

自国の珍しい様子に目を丸くした大王はしばらく返事をしなかった。
ギルベルトは普段はあまりファッションに興味を示さないがセンスはいい。
そもそもプロイセンの軍服はすべて、この子に似合うか否かで決められているのだ。もちろん公式にそんな選択基準を好評しているわけではない。

翌日ギルベルトは数枚の紙を持ってきた。見ると勲章のデザイン画である。

おや、と大王は思った。
十字を基本にしたすっきりしたデザイン、どの1枚もすぐ正式採用していいほど完成度が高い。

「どうだ。かっこいいだろう」

えっへんとでも擬音語をつけたくなるようなギルベルトの声はいつもと変わらない。昨日のうつむいた顔を見なければフリッツですら何の違和感も感じなかったほど。

「なぜ、黒十字ではないのかい、ギルベルト」

国王の質問に対する返答はちょうど入ってきた伝令の小姓の声に遮られた。
「これに決めたよ」と言い残して国王は部屋を離れた。

ひとり残されたギルベルトは軍国プロイセンらしくない行動にでた。両手を祈りの形に組み空を見上げる。
「いつか、いつかにいさまが見てくださいますように」



プール・ル・メリット勲章 は1740年にプロイセン王国で制定されたの勲章の一つであり、戦功章 (Militärklasse) と平和章 (Friedensklasse) がある。そのどちらも基本はヨハネ十字である。

戦功章は第一次世界大戦終結までのプロイセン軍における最高の名誉勲章であった。









イタリアちゃんのおにいさま たち

2013-08-28 06:41:57 | APH

イタリアちゃんは誰の弟ですか、あなたにとっては

ロマーノを呼ぶときの「イタリアちゃんのおにいさま」という呼び方。 この呼び方はしんろにいさまがらみか、マリア時代のつながりが理由と言うのがほぼ定説。 でも、こういう考えもあるとあえてつぶやいてみる。 イタリアちゃんはヨハネの弟ともいえる。そしてヨハネを兄とも親とも思うからギルにとってイタちゃんは片親の違う兄弟のようなも


会議から帰った弟が薄紅の絹袋を渡してきた。
細いリボンを解くところりと干果がころげた。
ころころとテーブルをころげて、端っこから真っすぐに落ちる。

それを危なげなくうけとめた兄は、あっと小さくつぶやいた。



ドイツは帰宅後一番に兄にただいまを言い、2番目におすそわけのお土産を渡し、3番目にビールを2本手にした。
1本は自分用。2本目を兄に渡そうとして、兄がいないのに気づいた。
兄は普段はとても騒がしい。静かにできないわけではなく、むしろ意図的に騒がしく自分を演出しているようだ。それが証拠に軍人としても極上のドイツに,気配をさとらせないままいなくなってしまった。
兄弟は同じ部屋にいて50センチほどしかはなれていなかったのに。





愛の国は今日も通常運転で、うるわしき女性たちに愛をふりまいていた。
パリっ子たちは彼がどういう存在か良く知っている。だからふりまかれる愛の言葉を、花が光を受けるように受け止めていた。パリっ子は自分達の国がたくさんの愛をふりまく国なのを知っている。ゆえに街中で自分達の国が突然抱きつかれても(まぁそんなもんだろう)と思うだけだった。

そんなパリっ子たちだが、この日は驚いた。
抱きついているのは銀の髪の男性。顔立ちはととのっている。ここまでととのった顔だと表情によってはとても冷たく見えるだろう。
美しければ男も女もいいと公言する自国だから、男性に抱きつかれていてもそれ自体は異常ではない。
パリっ子達が驚いたのは大粒の涙とともに落とされたことば。
「ママ ママ」

その日フランシスはギルベルトの母親にされてしまった




パリっ子たちは自国がフリーズするところを見た。
10回呼吸したから1分間は固まっていただろう。
ふだんにぎやかなパリの通りだが、その1分間じわじわと水が抜けるように音が消えていった。
だから「ママ」と繰り返す青年の声が遠くまで響く。

パリっ子の中にはフランシスの恋人だったことがある男女がたくさんいる。
今フランシスがお茶にしているカフェの主人達もその2人だ。
「めずらしい修羅場ね」「そうね」

店の主人達の機転でフランシスは奥の小部屋に誘導された。
愛をかわすのによく利用している小部屋で、ようやくフランシスは落ち着いてギルを観察した。

最初に「ママ」と呼ばれた時はたんなる冗談だと思った。
それが違うと気付いたのは息ができないほどの力で抱きつかれたから。
軍国とさえ呼ばれたギルである。現役時代程ではなくても彼の力は強い。
普段はたとえ酔っていても、他者に危険を感じさせるような力は振るわない。
しかし、今のギルはまるで制御ができない幼児が全力で抱きつくように抱き締める。
文字通りの意味で抱き、締めるのだ。
もし国の身で無ければ、相手の異常を感じる前に身の危険を感じ恐怖の叫びをあげただろう。



「さて、こまったな。お前から抱いてくれるのはうれしいんだけどどうせならもう少し優しく抱いてよ」
軽口をたたいて、髪をすいてやる。
正気を失くしていると言うほどではないが普段と違う事はわかる。
どうするべきか。自分をママと認識しているのだからとにかくの危険は無いだろう。
それならママはおいしいものを食べさせてやろうか。いっぱい食べさせれば子供と言うのはおとなしく眠るものだ。それで正気に戻ればそれでいいし、場合によっては誰かに相談してもいい。そう決めてフランシスはギルを連れて帰った。[newpage]
「楽園で赤い実を食べたんだ」
フランシスの考えはあたって、食べさせて眠らせて少しして目を覚ましたギルはどうやら正気に戻りつつある。
まだ少しぼんやりした表情で夢を話すようにギルは語る。
「部屋の外には蜜の流れる川とミルクの流れる川があって、ヨハはいつも蜜とミルクを汲んでくるんだ」
「でも、赤い実を食べたから、俺は部屋にいられなくなった」

ギルベルトのつぶやきは彼の生まれを考えるとなんの不思議もない、それは創世記の楽園の話だ。
だが、その言葉はフランシスには違った意味に聞こえた。
それはギルベルト個人のおいたちだ。



1分間固まりはしたが、フランシスは国民達が見て思ったほどにはあせっていなかった。 たぶん国民達はいきなり現れた子供に「認知しろ」と迫られたような事態を想像しているのだろう。男なら身に覚えが無くてもあせる状況である。もしも以前の経験がなければフランシスもそういう状況にはまった男並みにあせっただろう。
だが、フランシスは前にもギルに「ママ」と呼ばれたことがあった。
あれはどのくらい前か、ギルが国になる前なのは間違いない。まだエルサレムで聖戦をしていたころだ。

弟ともわが子とも呼べる存在であるソロモンからの手紙(ソロモンは文盲なので代筆であった)で、書かれていた。
聖地で天使を見つけた。だが、ヨハネが邪魔をしてなかなか会えない。
聖地からの手紙はしばしば遅延しまた途中で失われた。だから天使についてくわしい事をフランシスは知らなかった。
それでも天使の名がジルであるのはわかっていた。
ドイツ騎士団が訪問した時、上司はフランシスに同席するように言わなかった。
国でない化身など、対等に扱う必要は無いと思ったのだろう。
だが、フランシスはその化身を別荘の1つに招いた。
手紙で読んだ天使に興味があった。

「ママ」
天使は澄んだ高い声でフランシスを呼んだ。



イタリア海軍旗をみたことがあるでしょうか
4つのコムーネの紋章で構成されている。
左上の翼のある黄金のライオンはヴェネツィア共和国の。


では残った左下の菱形の十字架は誰のものか
この十字架もう一つの名では割と有名です。ヨハネ十字といいます。
巨大な王国であるフランクに飲み込まれ消えたコムーネ、アマルフィの紋章でした