人生第2幕スタートして20数年、畑を掘り・印を刻り・木を彫りの半分・自然に親しむ生活です

篆刻(てんこく)という
漢字の文化、庶民的な
円空佛、こんな世界が
今も存在している!
つれずれ日記です

美術展・悲喜こもごも

2020-01-31 21:43:17 | 篆刻

日展に出品されている方なら先刻ご存知と思われますが。

そもそも日展に「書」の部門ができたのは昭和23年、豊道春海の20数年に亘る奮闘があればこそです。

「書」は日展から冷たい目で見られ、それを絵画など同等の扱いになるまで何度も諦めずついに「書」部門が出来たわけです。

更にGHQ(連合国最高司令官総司令部)にかけあい、小学校の毛筆習字科を復活させ、日本書道連盟の会長に

時の総理大臣・吉田茂を会長に据えました。

その政治力・行動力などには毀誉褒貶もあるようですが現在の日展「書」は春海抜きには語れません。

ちょっとスケールが違いますね。まさに行動派!

(写真引用*芸術新聞社)

 

その後、昭和33年に「書」の中に「篆刻」部門ができたという歴史があります。

今の時代に至るまで紆余曲折があったんですね。

(Aさん)日展が名古屋でも始まりましたね。

(Bさん)始まりましたね。特に日展会幹部の方は前回よりも創意とか工夫とか

     自分らしさ、格好よさなど個性を表現するのに大変でしょうね。

(Cさん)改組になって確か6回目と思うけど作品の傾向ってどうなんでしょう。

(Bさん)そうですね、専門的な評論家でもないし無責任な言葉は慎みたいけど

     なんといっても日展って注目されるでしょ。

     最近は日展のH.P.でも代表的な先生方の作品が掲載されていて誰でも気楽に見れるし

     自分のレベルというか眼力で見ればと思うけど。

(Aさん)篆刻に限っていえばH.P.掲載の16点の内、伝統的な読売系の先生方が約3/4で、

     毎日系の先生方は1/4程度になっているようだけど作風もちょっと違っていますね。

     作風の違いを楽しむっていうのも鑑賞法のひとつでしょうね。

     伝統を重んじる作風と何とかそれを独自の脱皮的表現方法でという違いも興味深いですね。

(Cさん)H.P.によれば篆刻は書の部門で当番審査員16人の内、篆刻はおひとりみたいですね。

(Bさん)どの世界も一緒だけど審査員の先生方には独自の審査基準をお持ちでしょ。

     出品者の狙いと審査員の先生方との見方は当然違ってくることもあるよね。

(Aさん)出品者の方々は1年の長きに亘り自分と戦い続けた入魂の作品が一瞬の審査によって当落が

                  決まる訳ですから考えてみると厳しいよね。

                  見る人っていうのは制作者と真逆でとても気楽だよね。

     会場を隈なく見ると疲れるから一寸見て、気に入った作品だけをじっくり鑑賞する。

     (自分だったらもう少し、こうして・・・とか)

     公募展の功罪は別にしてやはり日展というのはひとつのブランド如きですから。

     お互い、出品していないけど自分のペースで鑑賞させていただきましょう。


今年・令和2年の恵方

2020-01-29 20:52:10 | 円空仏

                                                           

この時期には「恵方」商戦が活発でコンビニやスーパーなど予約ポスターが

目に付きます。

名古屋の場合、今年は名古屋城から見た方角で恵方は「西南西」荒子観音です。

節分の豆まきがこの荒子観音で開かれます。

1610年名古屋城を築城した徳川義直公の時代、名古屋城の鎮護として4観音が

定められたとか、詳しいことはご容赦いただいて。

因みに恵方の順番は干支の順序で

甲(龍泉寺)乙(荒子観音)丙(笠寺観音)丁(甚目寺観音)戊(笠寺観音)

己(龍泉寺)庚(荒子観音)辛(笠寺観音)壬(甚目寺観音)癸(笠寺観音)

となっています。(今年の干支は庚子ーかのえ ね)

古代中国では、日を数えるのに指を折って数えており、これが十干の由来のようです。

 

干支は結構難しく厳密には恵方で使われる方位は甲・丙・庚・壬の4つですが、

方位表から10年のうちで4年が丙方位(南南東)が恵方になるため笠寺観音が

2回ある訳です。

(詳しいことは小生も不詳にて・・・知った被りは厳禁で)

初詣も本来は恵方参りに由来し、その年の恵方にお参りするものだったんですね。

 

その年神様の宿る方角は、縁起のよい方角とされ、「恵方」と呼ばれます。

その方向に行くと、その年神様によって福が与えられるといわれています。

 

以前にもご紹介していますが荒子観音と龍泉寺には円空仏(本物)が展示

されています。

荒子観音には千体以上の円空仏が収蔵されていて円空仏収蔵では超・有名です。

但し、公開は原則月1回のみで、仁王門左右の仏像だけは常時ご覧になれます。

荒子観音から約200mの地に荒子城跡があり、ここで前田利家公(犬千代)が生誕です。

徒歩数分で行けますのでご都合次第で・・・

 

 

 

 


かっては岐阜県庁があった町・笠松町

2020-01-27 11:28:24 | 篆刻

廃藩置県後、1873年(明治6年)まで岐阜県庁があった岐阜県笠松町、今では人口約2.2万人の小さな町。

最も有名なのは笠松競馬という地方から1988年に中央競馬に進出し大活躍のオグリキャップでしょう。

今でも競馬場の真ん中には畑が点在している本当に長閑な雰囲気です。

 

「笠松町歴史未来館」で干支展が開催されています。

ほんとに小ぶりな資料館ですが館員の方の熱意がじ~んと伝わってくるような雰囲気です。

館内の展示は少しでも分かり易く、気楽に来館してもらおうと展示方法がとても行き届いていますので

お近くの方は是非とお薦めです。

そしてソフトドリンクもフリー!になっています。

干支展では様々な置物などのほか、ご覧のような切手シートも展示されています。

掲載順にインドネシア・シェラレオネ共和国(アフリカ)・ブータン・マカオです。

シェラレオネ共和国は世界で3番目に平均寿命の短い国だそうですが、なぜ中国の

農暦が使用されているのか不思議です。

他の国の切手シートも展示中ですがお国柄を比べるのも楽しいですね。

この館内には常時、円空仏(本物)も2点展示されています。

般若心経 第8節 「空不異色」

「母なる無の空間はあらゆる事物と一体である。

無の空間においてこそ、全てが存在するのである」

と解説されています。第15節まで掲載済ですが第8節を飛ばしてしまいました!


縁起の良い鼠って・・・

2020-01-25 18:50:00 | 篆刻

今年の干支はネズミですが、どちらかと申せば嫌われものです。

例外はディズニーのミッキーマウスでしょうか。

鼠はネズミでも白ハツカネズミとか。

 

写真は東京国立博物館所蔵の伊万里焼染付大根鼠大皿です。

白鼠は大黒様の使いで豊穣の神です。

鼠が大根を食べている→だいこ食う→ダイコクとなります。

白い大根の二股はご婦人の脚。

 

まだ小学生の頃だったでしょうか、

(独楽鼠‐こまねずみ‐のように朝から晩まで働いて働いて)

という言葉を耳にした記憶があります。

戦中戦後の時代、その日の食べ物にも事欠いて寝食忘れてみんな働いたんですね。

 

篆刻作品は作品の制作年を干支で記します。

今年は庚子(かのえね)ですので「令和2年1月」は「庚子孟春」などと記します。

(孟は初めという意味です)

新暦と旧暦ではざっと約1ケ月弱ずれますので旧暦の1月は新暦のほぼ2月になりますので

「春の初め」という表示でも違和感ありません。

忠臣蔵の討ち入りは元禄15年12月14日(旧暦)ですがTV放映などでは新暦の12月14日に

されますので混乱いたします。(当時の12月14日は現在の新暦では1月30日)

江戸時代は旧暦でしたので本来は新暦の1月30日に放映するのが正しいことになります。

干支に纏わるエピソードは結構沢山あります。


1月25日は旧・正月

2020-01-24 09:38:59 | 篆刻

日本では旧暦はすっかり記憶から消え去りましたが中国や台湾では

今も生きています。

ご存知のようにこの1月25日が中国や台湾の元旦です。

過去、数回この時期に中国へ行った折に祝いの爆竹の音がすさまじかった

のを思い出しました。

何しろ深夜0時に爆音が響きます。

結婚式には今も爆竹を鳴らす習慣があるようです。

北宋(11世紀)の人、王安石の詩に

「爆竹鳴りて年が明け

 春風そよそよ屠蘇祝う

 朝の日差しにどの家も

 桃符*(しめかざりのような)をば取り換えん」

*桃ノ木には厄払いの効果があるとされています

 でも最近はPM2.5の関係で爆竹は禁止されているそうです

 上記、漢詩は意訳(引用)のみ掲載

屠蘇でお正月を祝う習慣は日本でも生きていますが今では日本酒で祝う

習慣になりつつあります。

日本でも中国でもお正月には民族大移動、「実家に帰省する家族」も「受け入れる両親たち」も

喜びと疲れが同時に訪れる行事です。

 

畑仕事ではこの時期、特にすることはありませんが春野菜のために耕運機で耕していますと

身体を動かす喜びのような気持ちが湧いて参ります。

日本の土壌は雨も多いため酸性(ph5~5.5)ですのでph0.5上げるために土1リットル当たり

苦土石灰2~3グラム程度散布するのがいいそうで、こうした作業をいたします。

面白いことに文化(culture)と耕す(culture)が同意語で、この言葉から園芸(horticulcure)が

生まれたとあります。

(さあ、農作業用に着替えて、っと)

 

般若心経 第15節

「不生不滅」

生成することも消滅することもない

生まれてくることが無ければ死ぬこともない

      「不」は何度も般若心経に登場です