毎年この時期、亡くしてしまった大事な命に
ただ涙する
さっきまで元気だったのに、次の瞬間もう魂はなく、
ただ冷たい抜け殻を抱きしめていた
そのことを思い出すと、
時が音を立ててゆっくりと自分の傍らを通り過ぎてゆくのを感じる
この時期、私が逢ってもいいと思える人は限られている
出来る事なら、誰にも逢わないで、
ただ眠っていたい
植物は種を残し、
また芽を出す。
一抱えのスペインからたくさん収穫し、
玄関に、小さな森をつくった
リスが住んでいそうなちいさな森…
やって来る人々が思わずのぞきこむ
このスペインの種が、芽を出して、
私を本当のスペインへ連れて行ってくれるかしら?
今年は、スペイン含め、海外に住んでいた友だちが、たくさん日本へ戻ってきた
来年は私が出ていこう
たくさんの木の実が風に乗って、遠くへ飛んでいくように
遠くで芽を出して根を張ろう
そうしたら、また風に乗って、種を持ち帰る
くりかえし、くりかえし
人もまた、強い情念により生まれ変わり、懐かしむ