イスラミック・ブルー

スペイン、エジプト、イラン、トルコ、チュニジアへ、イスラミックな旅へ。
スペイン/地中海レストランガイド

一面薔薇のタイルに魅せられて

2009-12-20 23:06:47 | イラン・トルコ編

 ステンドグラスが投げかける光の宝石に魅せられた後は、
 薔薇の花を追いかけて、ミフラーブにそって、天井を仰ぐ。
 天井に咲く、薔薇の輪に、
 回る、回る、想いの迷宮へと、記憶が吸い込まれていく。
 廻る、廻る、逃避への甘い誘惑に誘われ、
 いい思い出だけが吸い上げられるように、エラムへ

                

 

 エラム、楽園へ導かれ、また、薔薇の花をなぞって、外へと出る。
 中庭のバラをつたい、茨の奥へと迷い込む。

 

                    

 

 なんだか、フランス語が聞こえてきそうな、
 妙な錯覚にとらわれ、
 こんなボンボン入れがフランスにはありそうだと、思い、
 しかしそれが、開け放たれた窓から聞こえる「メルシー!」と叫ぶおばさんの声が原因と知る。
 中庭の向こう側、ステンドグラスのモスクと対照的な、簡素なつくりと、電飾。
 はっと我に返る。
 そのままであったならば、そこにある井戸へ吸い込まれ、
 シャイターンの住む世界へまっさかさまであったかと、現実に引き戻される。

 薔薇の花の魔術。
 

 

 ※エラム…楽園のペルシャ語
  ミフラーブ…メッカの方向を示す、モスクの中のくぼみ
  シャイターン…サタン(悪魔)



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4 コメント

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おフランスなイラン (mitra)
2009-12-21 01:43:40
おフラ~ンスなイランを広めてくれてmerci。
ここは天井がとても美しいから、「ぜひ次回は天井特集を!」と、ちょうど思っていたところでした。ヨーロッパ世紀末の過度なまでの装飾がイランにまでも伝播していた事実、おもしろいです。当時、イランはけっこう「最先端」だったのかもね。
それにしても、モスクやミニアチュールやペルシャ絨緞に表される繊細さを、イラン人には日常でも発揮して欲しいものです・笑。(大統領選のポスターなんかも、投げ捨てされる紙切れにしとくにはもったいないような、芸術作品揃いでした。ほんと、絵心のある国民だわ)
天国と地獄(シェイターン)の対比、いいですね!
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mitraさん ()
2009-12-21 11:18:54
ところで私はなんで今頃イランを書いているのか?
ものすご~い時差が私の中にあって、イランがやっと降りてきた感じ。
私の思考は森茉莉に非常に近しいところがありますが、たった一つ相いれないところがあるとすれば、彼女は天囲ほどつまらないものはないと思っていた事。
イスラーム世界にいると、首が痛くなってしまいますね(笑)でもイランは、モスクでごろごろしていてもOKだから大丈夫??
イランの芸術は、本当に素晴らしいものですよ。アメリカと仲良しだったらどうなっていたのかしら?
恐らく、気力の問題だと思います。
人々を抑圧しなければ、イランは本当に世界の脅威の国になると思います。
芸術に打ち勝てる武器なんてないですもの。
ポスター!まあ、次はポスターの写真を載せようかと思っていたところよ!
素晴しかった!!
行った時はへっぽこカメラだったから、いい写真があんまりなくて残念。
私のあだ名はアフリータ(悪魔)だから、シャイターンはお手の物よ…
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Unknown (オルサ)
2009-12-23 18:49:45
ここまで薔薇尽くしだとは!芳しく濃厚な薔薇の香りが漂ってきそうですね。
世界の名所には、たいてい愛称がありますが、例えば、イタリアのフィレンツェを初めて訪れ、最初に高台から街を一望した時、「この街のいったいどこが花の都?」なんて思いましたが、このモスクは、想像に勝る薔薇のモスクですね。現世に、このようなエラムが存在するとは!
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オルサさん ()
2009-12-24 13:23:02
でしょう!(笑)
この薔薇で覆われて、ピンクの空気を、この中庭に醸し出しているのです。
まさに地上の楽園。
薔薇が生まれた国ならではです。
何時の日かぜひ、行って見てきていただければと思います。
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