日本人はありがたいことに、野宿から最高級のホテルまで、泊まれる環境があり、泊まりたいと思えば、どんなところにも泊まることができる。
だんだん年を取ってくると、その選択肢は狭まってくるけれど、ある意味本人の気持ち次第である。
一人旅の私が選ぶのは、家族経営の小さな宿が多い。
飛び出したら最後何時に帰るかは全く分からないので、門限のあるホテル様はどうしても敬遠してしまう。
鍵をもらってニンマリするのがいいのだ。
自分たちも使うので、総じてきれいにしている。
バスタブがないと疲れが取れない、のんびりお風呂派の私は、大きなお風呂場があるのも重要ポイント。
私は日本語以外はほとんど話せない。
大きなホテルではトラブルがあっても、対応は海のものとも山のものとも…親身に相談に乗ってくれるかは判らない。
その点、家族経営の宿では、事件があれば一緒に警察へ行ってもらうことも容易だし、
泊り客が少ないので、こちらの様子も把握していることが多い。
病気の時も看病や、お医者さんを手配してくれたりしてくれる可能性は非常に高い。
心細い時に、心で通じる可能性が沢山秘めているという安心感がある。
幸いなことに、今の所、厄介事でお世話になったことはない。
今回イタリアに早朝着いた宿は、乳飲み子がいる大きな大きなマンマの宿。
マンマの腕くらいの赤ん坊を抱いて、ドアを開けてくれた。
泊り客が朝ごはんを食べ、マンマの大きな子供がソファでTVを見ているリビングには、
大きな洗濯籠が置いてあった。
「ゴメンなさいね。今すぐお部屋を用意するわね」
チェックインの時間もたいてい融通がきく。
前日からほとんど寝ないで到着した私には、どんなにありがたかったか。
これが星のつくホテルなら「バックはお預かりします」で、終わり。
部屋に誰かが入ってくる心配もほとんどない。
鍵をもらってから、返すまで、何も希望しなければ部屋はそのまま。
これもありがたい。
高級ホテルで、仕舞い忘れた口紅が無くなったとか…珍しい話ではありませんからね。
もちろん、家族経営の宿、全部が全部、良いことづくめではないけれど、
私はいつも運がいい!
今回のこの宿は、薔薇の壁紙!日本趣味のお部屋!と、楽しみ一杯の宿でした。