イスラミック・ブルー

スペイン、エジプト、イラン、トルコ、チュニジアへ、イスラミックな旅へ。
スペイン/地中海レストランガイド

いたるところ、薔薇咲き乱れ

2008-11-07 18:02:51 | イラン・トルコ編

 思い出の鍵

 缶、壜、ホウロウに土地の思い出を詰めておく。
 思い出を呼び覚ますのは匂い。
 視覚的なものよりも、匂いは頭の中の錆びついた引き出しを、するりとあける。
 薔薇の町の特産は、薔薇ジャム。

 薔薇屋さんに積み上げられた、薔薇ジャムの缶は、店によってデザインが違う。
 一缶1キロ、町中の薔薇屋さんを廻って、どの缶にするか決め、
 へこんでいないか?傷が付いていないか?ためつすがめつ見て、
 「味に変わりはないさ!」という、店主のあきれた顔もものともせず、選んだ一缶。
 
 薔薇ジャムは、惜しげもなく入った薔薇の花びらでこってりとしていた。
 紅茶に一匙落とすと、ぱあ~と広がる花びら。
 美味しいからと配っていたら、あっという間に空になってしまった。
 空き缶には、もちろん薔薇を!
 毎日のお茶に薔薇は欠かせない。
 プーアル茶をベースに、薔薇、そしてカモミールなどをブレンドして作る私だけの暴暴茶。
 暴暴とは、暴飲暴食の略。
 好きなだけ食べて、飲んで、美容と健康を保てるお茶。
 エジプトでごっそり買った薔薇の花を保存しておくのに、
 この缶はぴったり。

            

 湖沿いの小さな食器屋さんにも、薔薇食器が一そろい並んでいた。
 「薔薇?ただの薔薇なんかいくらでもあるさ。いたるところ、全部薔薇さ」
 
この町の人の言葉通り、どこを見ても薔薇。薔薇のない生活が考えられない人たちの笑顔も、大輪の薔薇…

 

 

 

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