イスラミック・ブルー

スペイン、エジプト、イラン、トルコ、チュニジアへ、イスラミックな旅へ。
スペイン/地中海レストランガイド

お盆です。

2014-08-15 23:42:50 | エジプト編

お盆です。
何してるんですかって?
お盆ですからねぇ
やっぱり、茄子ときゅうりじゃないでしょうか?
ただし、私、割り箸をたくさん持っていないので、牛と馬には足をあげられませんでしたけども。

8月14日は私たち家族にとってはとても大切な日です。
祖父を早くに亡くした私たち孫全員を、大おじが毎夏8月14~16日まで、「おじいちゃんの代わり」と、夏の家に招待してくれました。
質素倹約に努めて、私たちの為にお金をためてこの3日間大きな大きな花火を、毎年打ち上げるかのような大イベント。おじさんの望みは、「私が死んでもこの日にみんな集まってね」というものでした。
その願いがどれほどのものだったか…
おじさんがこの日に亡くなって、ひしひしと感じました。

そして、2013年。
エジプトでは800人以上の人が、バキュームカーで吸い取られるように「排除」されました。
日本と違って、あの道路を埋め尽くしていた場所には、当時も今も、冷たい風が吹くような、おどろおどろしさは全くありません。
私がこの目で見ていた、座り込む人達。武器を振り回す人。遊んでいる子供たち。睨み合う軍隊…
すべては、あっという間に「なくなってしまいました」。
日本だったら絶対、魂がうようよしていそうなのに…

お盆は関係のない国ですが、
心静かにすごしたい、カイロの「お盆」です。

さて、この茄子ときゅうり、どうやって食べたかと言うと…
実はまだ、ぬかみそに漬かっています。
お盆休み、日本に帰国中のマダムからお預かりした糠床、毎日楽しくかき回しています。



三匹のこぶたのおうち

2014-07-26 21:17:48 | エジプト編

「ちょっと!ちょっと!大丈夫なの?この家??」

私が建てたんじゃなかろうか?と、錯覚する家が軒並み建っているエジプト。
ちゃんと大工さんが建てているんですけども…
どうしたらこんなめちゃくちゃな家が建てられるのかと、あんぐり口をあけてみてしまう家がたくさん。
特に革命以降、違法建築の横行がすさまじく、建てた者勝ちということもあり、
突貫工事であっという間に建つビルが少なくない。
これは特にひどい。
レンガはぐずぐず。窓枠ががたがた。
さすがに誰も買う人がいないとのこと。
オーナーは、大金持ちでドケチの変人。大きなピカピカの外車で見に来るけど、足元を見るといつもビーサンなんですって!
何なの!

これでも…

これでも…

いずれにしても、耐震建築には程遠く、どれもこれもこぶたのおうちに見えてしまうのは気のせい?
なんか変だと思いませんか?
窓が少ないでしょう。
暑い国ならでは。日当たり良好南向きが好物件なのは、寒い日本のお話。
地震、最近カイロであるんですよ。
私はまだ感じたことがないですがね。
いいのかな?いつまでもこぶたのおうちで…


近くて遠い青い国

2014-07-16 10:17:57 | ギリシャ編

ギリシャに行ったのはいつのことだか思い出せないくらい時がたってしまった。
当時小学生だったてっちゃんが、今年大学生になった。
「あおいちゃん」と呼んでくれるその無邪気な調子が当時と変わらないことがとても嬉しい。

てっちゃんの部屋を占拠して私はアテネ中を朝から晩まで歩きまわった。
つるつるの石畳で年中転び、
膝はすりむく、頭は打つ、青あざは作ると、痛い思い出もたくさんある。

小学生の頃は、夜学校の校庭に侵入し、寝転がって星を飽くことなく見ていた。
星座版を片手に、昼間読んだギリシャ神話を思い出しながら。

その神々の国。

島にも行った。
てっちゃんのばあばたちは、私をいろんなところに連れて行ってくれた。
サントリーニの強い日差し。
真っ白な建物。
そして、海、海、海の青さ。
私の大好きな青い国。

でも、「私の青い国」ではない。
何か、どこそこ、居場所がない。
ギリシャの壺が好きじゃないのがいけないのか?

しかし最近思い出す。
ギリシャの島々の舗装していない路を。

ギリシャの神殿も、彫像も、壺も、相変わらず何も恋しくないけれど、
島々に残る、かつての家屋に描かれた、植物を思い出す。

ギリシャの島に行って、
オリーブの木陰で、木に寄りかかって瞑想する。
想いはきっと迷走…

気温は23度で湿度もなかった明け方、布団をかけて寝たカイロの夏。
暑い日本のお友だちに、涼しいギリシャの写真を暑中お見舞い代わりにお届けする。


はるかスペインを想う時

2014-07-09 11:47:06 | チュニジア編

スペインを想う時、

私の心によぎるテストゥールの町

この景色!

ああ、アンダルシアでなくてどこの景色であろう。

ここをも通り過ぎ、エジプトまでたどり着いた人々もすくなけれども。
私であれば、ここで歩みを止めたかもしれない。

 

日本でチュニジア産オリーブオイルが220円?
エジプトのイチゴジャムは105円。
一体全体どうなっているの?
エジプトで観光して、チュニジアで青い世界を堪能して、スペインで呑んだくれて帰る旅。
いいなあ。
いずれも日本からの直行便がない。
かつて追われた人々の足跡を遡り、故郷へ、故郷へ!(ゲーテ風に)


花の生け方

2014-07-05 23:21:49 | エジプト編

日本にいた時は、近所の早稲田大学の一般公開されている講演会や勉強会によく通った。
どのくらい通ったかといえば、大学から学部生を上回る単位取得をしたとして、立派な修了証書と記念品をいただいたぐらい通った。
そこでお世話になった先生が現在カイロに赴任されている。
私がカイロに来たご挨拶に行くと「講話やセミナーをやっているから来なさい」と強制…じゃなくて、ありがたいお言葉を頂戴した。
まさかカイロで日本語のレクチャーを受けられるとは思わなかった。
そして、「来る時、花を買ってきて」とお願いされるようになった。
お花は大好き!それは喜んで引き受けた。
自分で買うのとはまた違ったセンスを要求されるが、日本と違って、花の種類が極端に少ない。
カーラーやふんわりした薔薇、蘭は予算オーバーでいつも買えない。
いつも手ごろなお値段で買えるのは菊。
菊ですよ…菊。
変なところで日本人が顔を出して、白い菊がたくさんの花束はなんとなく、テンションが上がりません。
今回もまた、少ない予算で大きな花束にするには、菊が威張っています。
そしてグラジョウラスの使い方にびっくり。
そもそもまがったグラジョウラスを日本で見たことがない気がしますが、
花を内側に、菊を抱えるような配置。
エジプトならでは…


固く閉じられた扉

2014-07-04 16:18:36 | ないしょ ないしょ

何が何だかさっぱりわからないのですが!

約一年の間、私はパスワードを変えていないのに、このブログにはいることができませんでした。

いや…私個人ではよくあることなんです。

数字恐怖症のため、ちゃんと入力しているつもりでもできておらず、ATMでお金をおろせないなんてことは、数え切れません。
しかし、ブログに入れないこと1年!
さすがに仰天です。
ほかでやり直そうかと思ったのですが、とにかく気に入らないとイヤ。
この画面好きなんです。
これよりほかはイヤ。
あきらめることなく本日もチャレンジすること10回。
何が起こったんでしょうか?

開きましたよ。。。

 


あいも変わらず、世はこともなし

2013-08-03 15:02:32 | エジプト編

「大丈夫!?どうしているの??」

日本からかかってきた電話に、私は今回もまた間抜けな返事をしました。
1月25日革命の際は、ルクソールに引きこもり「ロバとお話している」と答えて、みんな、あんぐりと口を開けていました。

ええ、私、危ないとか、痛いとか、嫌なんです。
だから、のびのび生活できない所にはいません。

今回は以前よりも状況が判っていることに加えて、カイロで仕事をしているので、
早々カイロを離れることができません。
やっているんだかいないんだかわからない勉強も続けています。
私の興味ある時代は古王国時代です。
サッカーラの人々の生活のレリーフは私の心を魅了してやみません。
その近所の村も大好きです。
現代エジプトには古代が生きています。
しかし、職人の技を子どもたちは継がない傾向にあります。
日本人よりも寿命の短いエジプト人のおじいたちからいろいろ聞いておかねばなりません。
目下、私は籠職人に弟子入りしています。
そんな時、電話がかかってきたのです。

いなかの村にデモやもめごとはほとんどありません。
「サッカーラで籠作ってるよ。これが終わったらね、イスとテーブル、親方と作るの」
そんな私の答えに、日本の友人は言葉もありません。

帰り道は絶景です。
ナツメヤシ畑に沈む巨大な夕日を見ながら、運河沿いをバスは走ります。
そして、ピラミッドに近くなると夕日もピラミッドの向こうに消えます。
そこからまたさらにバスとメトロを乗り継いで帰宅するともうバタンキューです。
近所のタハリール広場で何をしているかなぞ、知る由もありません。
翌日ニュースを見て「へ!」などと思うこともしばしばです。

あと数日でラマダーンが終わります。
断食月の間は日中飲み食いができません。
職人は仕事ができないため、昼夜が逆転します。
いなかに深夜、女一人で行くことはできないのでこの間はお休みです。
静かな村。あのすばらしい夕日。
そしてどこに置くのか?日本に持ち帰るのか?
そもそも私は作ることができるのか?
ヤシの家具を…
インシャッラー

地球散歩にも書きました。
こちらは新市街の仕事の話です。
http://blog.goo.ne.jp/pinacordoba/e/bca9a90df7db410f364d3deb478dd480


ある日、大当たりを引く

2013-04-22 23:25:26 | エジプト編

丸ひと月何もしないでこもっていた。
時が止まったように、誰からも連絡も来ず、
寝たいだけ寝ていた。

ある日、むっくり起き上った。
ふと開いた不動産屋の物件を見てメールを送ったものの、
エジプトポンドとユーロを見間違ったことに気がついて、すぐに取り消しのメールを送った。
エジプトポンドとユーロでは10万円単位で家賃が違う。
ところが、その不動産屋からすぐに電話がかかってきた。

「あなたにぴったりの物件があるかもしれないから、希望を全部言ってみて」
私の希望を聞くとすぐに折り返しますと言って電話は切れた。

不動産屋から15分後再び電話がきて
「今あなたのいるところから10分のところに、ぴったりの物件があるから、10分後に見にいきませんか?」
きけば、そこは言わば銀座の和光の前…
そんなところに人の住むところがあるのか?
散歩がてら出かけてみると、とても門番とは思えないお兄さんが立っていて、案内してくれた。
この国の門番のイメージは、いつでも民族衣装である。

エジプト人の友人が誰しも「エジプトにワンルームはないよ」と言っていたが、
私にちょうど良い小さくてきれいにリフォームされた部屋がそこにはあった。

アマルナのレリーフが壁を覆い、
マリメッコのような花模様のピンクの新品のソファがリビングにしつらえてあった。
キッチンは新しいシンクに、新しい食器と鍋が並べられていた。

不動産屋から電話がきて一時間後、私はもう契約する返事をしていた。

エジプト有数の会社の本社が並び、
きらびやかなブティックが軒を連ねる。
映画やドラマのロケに使われる、古い建物やホテル。
王宮。

国立図書館。


銀座通りから少し入ったところに広がる19世紀から20世紀初頭のフラット。
市場。

これぞ神様のおかげで!


薔薇一族

2013-03-22 23:58:47 | エジプト編

カイロの迷宮の入り口。
ハンハリ―リ市場の裏通りにに張り巡らされた、薔薇一族の小さな店。
エジプト人に苗字がある人は少ない。
たいていは七代前までさかのぼった名前が正式名称。
寺町の門前の七味唐辛子屋のような存在の香水屋がモスクの傍にはある。
薔薇の名字を持つこの一族は、いつから薔薇香水を作り続け、門前で売っているのか…
蜘蛛の巣のように、小さな店を増やし、立ち寄った観光客を最終的には、香水屋へと導く。
何事も最初が肝心。
私の手から生まれたものが、エジプトに根を下ろすのはいつになるのか。
それは神のみぞ知る。
でも、最初に世に出すのは薔薇一族の店からと決めていた。
今、その店頭に、所狭しと並べられたものの中に、私の真珠も身を潜ませている。
誰かの目に留まるのか? 手に取る人はいるのか?
いくらで売れるのか?
誰にもわからない。
ずっとそこにかけられたまま、朽ちてゆくのかもしれない。
それもいい。
「どこで売っているのですか?」そう聞かれた時、
私は

「カイロの城壁の中、18世紀から続く軒下の、薔薇一族の店に」

そう答えたいだけ。
おそらくは何千年も作り続けている、薔薇香水の魔法にかかって、
千夜一夜の夢をのせた私の何かが生まれるきっかけになるかもしれない。


何も…

2013-03-04 11:55:39 | ないしょ ないしょ

「何もしていません」

今、私がお返事する時の言葉。
驚き、説教する人。
何か困ったことがあるのではと心配する人。
いろいろ。

本当は
「あなたが思っておられるようなこと」
は何もしていませんという意味。

でもそうすると、また「何をしているの?仕事は?勉強は?調査は?○▽◆★??」と、際限ありません。
私は、本来の私に戻っているのです。
私がしたいように、したいことをしているのです。

「時間を無駄にしている」

なんの?誰の?
私は私がしたいことのために、人生の今を有効に活用している。
私の人生、私がいいようにしていいでしょう。
私が眠れる獅子か、眠ったまま来世に行ってしまうのか、
いずれも私が決めることで、運命を受け入れることである。

今しばらく、そっとしておいてください。
何もしていないようで、
私はいつも何かしたいことをしているのです。


基地

2013-02-28 12:49:55 | エジプト編

潜伏生活も終了。
あの灰色の空気はどこへやら。
カイロは、いつもの喧騒に包まれている。
隣の小学校からは、始業とともに国歌斉唱する元気な子どもの声が響いている。
さて、まだ定住には至らないが、前線基地は決定。
どこへ行くにも50分以内。
ネット回線も抜群。
しばらくはここでのんびりと過ごそう。

 


ホテル・ロータス

2013-01-31 18:37:41 | エジプト編

19世紀の建物を改装して若者たちが始めたこじゃれたホテルは居心地が良いけれど、
潜伏生活には向きませぬ。
革命とは?
何やら大それたことのように聞こえます。
しかしその場、その時は、何が起こったのかよくわからないものが革命と、
身をもって知った二年前。
革命から二年立ったその日、人々はあの革命の日に夢見た世界が現実になっていないことを憂いています。
それから一週間後の明日。
国を揺るがす何かが起きるかもしれない。
革命の日よりも、新たな指導者を選ぶ選挙の日よりも、
明日が見えない不安に包まれています。
そう感じるのはなぜか?
もしも、抗議するデモ隊があふれかえって、どこにも出ることができなくなったら?
そんな時は、楽しいところに泊まっているに限ります。
ホテル・ロータスは1950年代に建てられた、アールデコの家具のあるホテル。
設備は古くて、骨とう品みたいな家具と従業員。
そして、やっぱりいました!
いると思っていましたよ。
真っ白な白髪の肌の白い西洋人のおばあちゃんが、きちんとスーツを着こなして、
いつもロビーに座っています。
話しかけても、耳が遠いのか、振り向きもしません。
きっと、何かロマンスがあったのでしょうね。
このホテルを終の棲家にした訳を、もう彼女は忘れてしまったかもしれません。
お掃除のおばあちゃん、ベルのおじいちゃん。
レセプションのおじさんたちは、彼らの子どものようです。
ホテルとともに、年老いていく従業員たちのきらきらとした瞳。
あまり冗談も言わないけれど、優しいまなざしに、ふと手を見ると刺青があります。
コプトの人たちです。
コプトの人たちは、穏やかで優しくまじめです。
外でどんな大騒ぎがあろうとも、
ここではナイルの流れのごとく、ゆっくりとした時が流れていることでしょう。


即席自宅バル

2012-10-30 22:40:36 | タベルナ・マタアム・食いもの屋

 のんきな母から「7時半ごろ帰るからご飯待っていてね」と連絡が来た。
 何をおっしゃいますやら…
 我が家の夕飯は7時と決まっているのです。
 私と弟だけなら待っていても良いですが、そうは行きません。
 急いで帰って、おなかを空かせた家族にちゃっちゃとご飯を食べさせました。

 観劇して悠長にご帰還の母は、何が7時半だか…
 帰宅と同時に食べられて、8時過ぎの炭水化物極小メニューは即席バルしかありません。
 スペインの唐辛子、生ハム、チーズ…
 エジプトのヒヨコマメとソラマメ
 チュニジアのツナとケッパー
 なんちゃって地中海バル

                    

 

 ワインは、弟が景品でもらってきたラマンチャのFUEGO。
 水みたいにカパカパ飲めました。
 しまった…からすみを忘れた。だって、母が帰ってきてきてしまったから。
 もう食べるだけでした。


さくらさくらさくらさいたら…

2012-10-05 22:28:14 | ないしょ ないしょ

さくらさくらさくらさいたら…

さくらさく

さくらのはなのしろいまほろば

桜はいつも私と共にあり、
私を包んで、舞っている

今年の折り紙展
10月27日(土) 10:00~17:00
10月28日(日) 10:00~16:00
折り紙講習会有(無料)

場所:南大塚地域文化創造館
http://www.toshima-mirai.jp/center/e_otsuka/
JR山手線大塚駅南口下車 徒歩約5分
都電荒川線「大塚駅前」駅下車 徒歩約5分
地下鉄丸の内線新大塚駅 徒歩約8分

 

 


私を愛したスパイ、私が愛した…

2012-09-26 23:08:06 | エジプト編

ティモシー・ダルトンが好き、
だからロジャームーアのボンドが駆け抜けたエジプトの記憶が薄い

007「私を愛したスパイ」に登場した、
イブン・トゥールーンモスク。

高い塀に囲まれた、イラク様式の珍しいモスクに、
訪れる人は少ない

知り合いが来ると、私は必ずこのモスクへやってくる。
静かな空間。
ミナレットを昇れば、千の塔の街、カイロをゆっくりと眺めることが出来る。

いかにもボンドと美女にぴったりのイギリス人商館が、同じ敷地内にある。
ガイヤー・アンダーソンの屋敷は、アンダーソンの趣味のいい骨董品でいっぱいである。
真夏のエジプト観光はけだるい。
そんな時、この館へやってくると、書斎にある井戸(!)や、
マシュラベーヤという、格子をすり抜けてくる冷たい風に癒される。

静かなカイロを思うとき、
私の心はいつもイブン・トゥールーンへと飛ぶ