チェインブレーカー及び関連領域の郵便史

ユーゴスラヴィア建国当時~1922年頃までの旧オーストリア・ハンガリー帝国地域のチェインブレーカーを中心とした郵便史

191115裏 小包第3期 料金不足を小包発送者から徴収Odjava

2007年11月23日 20時47分13秒 | 小包第3期
191115裏 小包第3期 料金不足を小包発送者から徴収Odjava

到着印:オーストリア・ケルンテン州占領地SINČAVES(薄くて判読困難)
受取人サイン日付:1919年11月20日
備考:代金引換金の郵便為替用紙が僅かに残されています。この用紙はドイツ語とスロヴェニア語の二ヶ国語表記です。

191115表 小包第3期 料金不足を小包発送者から徴収Odjava

2007年11月23日 20時46分27秒 | 小包第3期
191115表 小包第3期 料金不足を小包発送者から徴収Odjava

小包第3期、クロアチアからオーストリア・ケルンテン州占領地Sinčaves宛て
小包送票:ハンガリー王国10 fillér(小包送票代金の収入印紙、小包料金に含まない)、ハンガリー語・セルボクロアート語表記、薄青紙、小型

小包ラベル:Donja Stubica 1021
その他のラベル:黄色紙に赤字でUtánvétel, Remboursement 代金引換を表すハンガリー語とフランス語の記載。
料金手書き:小包発送料金:無し

切手:スロヴェニア10 vinar(Mi.101凸版, ノコギリルレット目打)、2 Krona(Mi.110目打ち11 1/2、目打ち後に糊引き)2枚、合計4 Krona 10 vinar
備考:2 Krona切手は右から左にpos.95, 96 (プレーティングはカナダのA.H.Stokes博士の資料に基づいています)

料金計算:
重量料金1.8 kg----3.0 Kruna
価格表記(保険)83 K---75 filir
代金引換57 K 86 f ---20 filir
配達料金---180 filir
合計 5 Kruna 75 filir (貼り付け切手は1 Kruna 65 filir不足)

消印:DONJA STUBICA 919 NOV 15 N11 B (1919年11月15日) ハンガリー型消印

小包料金不足に対する対処
小包料金不足を小包の発送者から徴収する件に関しては、参考文献(1)に収載されている「ハンガリー及びボスニア・ヘルツェゴビナ用新服務規程 オーストリア帝国商務省 ウィーン 1916年」に以下のように記載されています。

小包 §36 料金及び料金不足
4.不十分な額の切手しか貼られていない小包については、外部交換郵便局は、不足料金を小包送票に記載するものとする。この料金は受取人から徴収する。
受取人が支払いを拒絶する場合には、その小包は配達不能とみなされる。
小包を引き渡した後ではじめて不十分な切手しか貼られていないことに気づいた場合にも、不足額の徴収を試みなければならない。
支払いを拒絶する場合には、その小包の発送郵便局が発送者から不足額を徴収するために通知しなければならない。
外部交換郵便局またはその他の機関から料金不足に責任のある発送郵便局へ通知することについては、所定の手続きをする行政機関の判断にゆだねる。
(ドイツ語文献翻訳を終了)

このように、小包の送料の料金不足額の支払いを小包の受取人が拒否した場合には、配達郵便局は発送郵便局に通知して、小包の発送者から不足の料金を徴収する規定でした。
この通知状は、ハンガリー語 Visszajełentés、セルボクロアート語 Odjava、ドイツ語 Rückmeldungと呼ばれていました。

ここに示している「Donja Stubica 1021」の小包の場合には、小包料金5 Kruna 75 filirに対して、 貼り付け切手は4 Krona 10 vinar しかないため、1 Kruna 65 filir不足しています。
小包送票の中央の左下に「odjavile -1.65」と記載されており、これはセルボクロアート語の odjavaの語尾が変化しているものです。
この記載があるため、不足額はいったんは小包の受取人から徴収を試みたと思われますが、小包の受取人は支払いを拒否したため、規定に従って郵便局は小包の発送者から不足額を徴収する作業を開始したと思われます。
Odjavaの実例は、「190801 Odjava 小包料金不足を小包の発送者から徴収」を参照。

参考文献
(1)Arge der Balkan Länder, No. 130, p.6-13, (1994)
Thomas Artel
Einführung in die Verwnedung von Klebzetteln als besonderer Kennzeichnung von Paketbegleitadressen 郵便小包送票の特別表示事項へのラベルの使用
(2)Jugopošta, Journal of The Yugoslavia Study Group, p.9-14, No.50, 1999
Withdrawal of Mail in Croatia in 1919
(3)Jugopošta, Journal of The Yugoslavia Study Group, p.1-7, No.52, 1999
Correction of my Article, Withdrawal of Mail in Croatia in 1919
上記2つの研究論文はブログ著者がJugopoštaに報告したものです。

191107表 小包第3期 5 vinar + 50 vinar + 5 Krona

2007年11月22日 21時48分36秒 | 小包第3期
191107表 小包第3期 クロアチア地域内便 5 vinar + 50 vinar + 5 Krona

小包第3期 クロアチア地域内便
小包送票:ハンガリー王国10 fillér(小包送票代金の収入印紙、小包料金に含まない)、ハンガリー語・セルボクロアート語表記、黄色紙、小型
小包ラベル:Vinica 84
料金手書き:中央部に480, 75, 555の鉛筆による記載

切手:スロヴェニア5 vinar(Mi.100石版)、50 vinar(Mi.107ノコギリルレット目打ち)、5 Krona(Mi.111目打ち後に糊引きによる破損)、合計555vinar

料金計算:
重量料金1.4 kg---300 filir
価格表記(保険)料金200 K---75 filir
配達料金---180 filir
合計555 filir (料金手書きと貼り付け切手に一致)

消印:
小包送票:10 fillér印紙: 青色のペンによる抹消
VINICA 7 NOV 919 (1919年11月7日)
ハンガリー型消印の年月日の順番をユーゴ型の日月年の順に変更。ただし、ハンガリー型年号表示919はそのまま使用され、ユーゴ型の下2桁19だけの表示には変更されていない。


191105裏 小包第3期ボスニア・ヘルツェゴビナ小包送票二重加刷

2007年11月21日 20時23分46秒 | 小包第3期
191105裏 小包第3期ボスニア・ヘルツェゴビナ小包送票二重加刷

到着印:NAŠICE 10 NOV ??? (1919年11月10日)
引渡し印:NAŠICE 19 NOV 919 (薄いが919と判読) (1919年11月19日)
ハンガリー型消印の年月日の順番をユーゴ型の日月年の順に変更。ただし、ハンガリー型年号表示919はそのまま使用され、ユーゴ型の下2桁19だけの表示には変更されていない。
受取人サイン日付:1919年11月19日

191105表 小包第3期ボスニア・ヘルツェゴビナ小包送票二重加刷

2007年11月21日 20時22分57秒 | 小包第3期
191105表 小包第3期ボスニア・ヘルツェゴビナ小包送票二重加刷

小包第3期 ボスニア・ヘルツェゴビナ切手とスロヴェニア切手の混貼、クロアチア宛て

小包送票:オーストリア・ハンガリー帝国占領下のボスニア・ヘルツェゴビナ10 heller(剣)の小包送票に、キリル文字でKRALJEVSTVO S.H.S. 12と二重加刷 (小包送票代金の収入印紙、小包料金に含まない)、ドイツ語・セルボクロアート語、白紙

小包ラベル:Sarajevo 1 622
料金手書き:315

切手:スロヴェニア10vinar(Mi.101凸版ノコギリルレット)、50 vinar(Mi.107目打ち後に糊引き)2枚、2 Krona(Mi.110目打ち後に糊引き)
ボスニア・ヘルツェゴビナ5 heller加刷(Mi.22私製目打ち11 1/2)
合計3 Kruna 15 heller

料金計算:
重量料金1.7 kg---3 Kruna
通知料金---15 heller
合計315 heller (料金手書きに一致、貼り付け切手に一致)

消印:箱型SARAJEVO 5 11 19 (1919年11月5日)、ドイツ語のK. UND K. MILIT. POSTを削除してユーゴ化した消印。

191101裏 小包第3期料金初日に第2期の料金を適用

2007年11月20日 20時19分34秒 | 小包第3期
191101裏 小包第3期料金初日に第2期の料金を適用

到着印:ZAGORJE OB SAVI 4 XI 19 a (1919年11月4日)、スロヴェニア語表記。
ただし、郵便局名のほとんどは最後の文字Iを除いて代金引換金の郵便為替用紙の下に隠されています。ドイツ語表記SAGORを削除してユーゴ化しています。
受取人サイン日付:1919年11月5日
備考:代金引換金の郵便為替用紙の左半分が残されています。この用紙はドイツ語とスロヴェニア語の二ヶ国語表記です。

191101表 小包第3期料金初日に第2期の料金を適用

2007年11月20日 20時18分55秒 | 小包第3期
191101表 小包第3期料金初日に第2期の料金を適用

第3期初日、クロアチアからスロヴェニア宛て
小包送票:ハンガリー王国10 fillér(小包送票代金の収入印紙、小包料金に含まない)、ハンガリー語・セルボクロアート語表記、薄青紙、小型

小包ラベル:Donja Stubica 354
その他のラベル:黄色紙に赤字でUtánvétel, Remboursement 代金引換を表すハンガリー語とフランス語の記載。

料金手書き:小包料金:記載無し、代金引換金額:右下に54.74

切手:スロヴェニア5 vinar (Mi.100石版)、2 Krona(Mi.110)、合計2 Krona 05 vinar

料金計算:第2期の料金で計算
重量料金1.2kg----1.5 Kruna
価格表記(保険)81 K---25 filir
代金引換54.74 K---20 filir
通知料金---10 filir
合計 2 Kruna 05 filir (貼り付け切手と一致)
備考:第3期の料金で計算すると、重量料金だけで3 Krunaになり、貼り付けられた切手を大幅に超えてしまいます。第2期の料金で計算すると、貼り付け切手と一致しますので、この小包は、第3期初日に誤って第2期の料金を適用したと考えられます。

消印:DONJA STUBICA 919 NOV -1 N11 B (1919年11月1日) ハンガリー型消印


小包料金 第3期 1919年11月1日~1920年5月15日まで

2007年11月20日 20時16分12秒 | 郵便料金
I. 小包料金 第3期 1919年11月1日~1920年5月15日まで

第2期以降はSHS王国(ユーゴスラヴィア)全土で統一された郵便料金として実施されました。

以下の料金を小包発送者から徴収しました:
(1)重量料金
3 kg以下----------------3.00 Kronen
3~5 kg以下-----------4.50 Kronen
5~10 kg以下----------9.00 Kronen
10~15 kg以下--------13.50 Kronen
15~20 kg以下--------18.00 Kronen

(2)かさばる小包:重量料金に対して50%増し
(3)通知料金:15 vinar

(4)配達料金:1.80 Kronen

(5)速達料金:2.50 Kronen

(6)代金引換料金:20 vinar

(7)価格表記(保険)料金
300 Kronen以下-----------------------------------------75 vinar
300 Kronen~1500 Kronen以下--------------------1.50 Kronen
1500 Kronen~3000 Kronen以下-------------------3.00 Kronen
3000 Kronenを越えると1000 Kronen毎に-----3000 Kronen以下の料金3.00 Kronenに、1000 Kronen毎に1.50 Kronenを加算

以下の料金は小包の受取人から徴収し不足切手で領収したと考えられます。
(8) 小包私書箱への小包の保管に対する小包1個当たりの料金
文献情報無し。
ただし、私の手元にはサラエヴォで10 hellerを徴収した使用例が2例あります。このため、この料金は以下のように第1期と同額であったと推定されます。
①スロヴェニアのリュブリャナ、マリボール、ツェリエ 10 vinar、その他では5 vinarと推定
②ボスニア・ヘルツェゴビナのサラエヴォ、モスタル 10 heller、その他では5 hellerと推定
③クロアチアは不明

備考:
文献(1)にはオーストリア帝国の通貨であるKronen単位で料金表が記載されていますので、その方式に従ってここに記載しています。各地域の通貨への換算は「ユーゴスラヴィア建国当時の通貨単位」を参照してください(関連する全ての通貨が1:1の交換比率ですから換算は簡単です)。

参考文献
(1)Nachrichtenblatt der Arbeitsgemeinschaft Jugoslawien und Nachfolgestaaten 47/93, p.732-735 (1993)
Pror. Dr.-Ing. Klaus Wieland
Ausgewählte Postgebühren in Slowenien 1918 bis 1921
スロヴェニアにおける1918年~1921年までの郵便料金選集


II.ユーゴスラヴィア建国当時の通貨単位

1.オーストリア・ハンガリー帝国
①オーストリア帝国、占領下のボスニア・ヘルツェゴビナ: heller, Krone
②ハンガリー王国: fillér, Korona

2.SHS王国建国後
③スロヴェニア: vinar, Krona
④クロアチア: filir, Kruna
⑤ボスニア・ヘルツェゴビナ: heller, Kruna

小包第1期の郵便料金は旧オーストリア・ハンガリー帝国の料金であるため、この両国の通貨を使って記載します。
SHS王国建国後の各地域で発行された切手の額面は、各地域の通貨単位で記載します。
小額の通貨単位は小文字で記載し、大きい単位は大文字で書き始めます。
尚、1920年5月16日からセルビアとの通貨統合がおこなわれるまでは、上記の①~⑤の通貨の価値は同等でしたので以下の交換レートが成り立ちます:
100 heller = 100 fillér = 100 vinar = 100 filir = 1 Krone = 1 Korona = 1 Krona = 1 Kruna

参考文献
(1)MICHEL ÖSTERREICH-SPEZIAL 1990
(2)MICHEL Europa-Katalog Ost 1988/89
(3)MICHEL 1952年版のユーゴスラヴィア (国立国会図書館研究員・田中邦夫氏にご提供いただいたものです)
(4)Stanley Gibbons Stamp Catalogue Part 3 Balkans, 3rd edition, 1987

190801 Odjava 小包料金不足を小包の発送者から徴収2

2007年11月19日 21時11分54秒 | 通知状
190801 Odjava 小包料金不足を小包の発送者から徴収2

ZAGREB2郵便局からKRIŽEVCI郵便局に公用便(普通便)でOdjavaを送り、KRIŽEVCI郵便局で小包発送者から不足料金を徴収して、普通切手で領収してOdjavaに貼り付けて消印し、書留便でZAGREB2郵便局に返送しています。

ZAGREB 919 AUG –1. N10 P2P (1919年8月1日) ハンガリー式消印
ZAGREB 919 AUG –1. N10 J2J (1919年8月1日) ハンガリー式消印
KRIŽEVCI 919 AUG. –3 N8 F (1919年8月3日) ハンガリー式消印
書留ラベル:R Ajanlott Križevci 837

参考文献
(1)Arge der Balkan Länder, No. 130, p.6-13, (1994)
Thomas Artel
Einführung in die Verwnedung von Klebzetteln als besonderer Kennzeichnung von Paketbegleitadressen 郵便小包送票の特別表示事項へのラベルの使用
(2)Jugopošta, Journal of The Yugoslavia Study Group, p.9-14, No.50, 1999
Withdrawal of Mail in Croatia in 1919
(3)Jugopošta, Journal of The Yugoslavia Study Group, p.1-7, No.52, 1999
Correction of my Article, Withdrawal of Mail in Croatia in 1919
上記(2)(3)の研究論文はブログ著者がJugopoštaに報告したものです。


190801 Odjava 小包料金不足を小包の発送者から徴収1

2007年11月19日 21時11分45秒 | 通知状
190801 Odjava 小包料金不足を小包の発送者から徴収1

小包料金不足を小包の発送者から徴収する件に関しては、参考文献(1)に収載されている「ハンガリー及びボスニア・ヘルツェゴビナ用新服務規程 オーストリア帝国商務省 ウィーン 1916年」に以下のように記載されています。

小包 §36 料金及び料金不足
4.不十分な額の切手しか貼られていない小包については、外部交換郵便局は、不足料金を小包送票に記載するものとする。この料金は受取人から徴収する。
受取人が支払いを拒絶する場合には、その小包は配達不能とみなされる。
小包を引き渡した後ではじめて不十分な切手しか貼られていないことに気づいた場合にも、不足額の徴収を試みなければならない。
支払いを拒絶する場合には、その小包の発送郵便局が発送者から不足額を徴収するために通知しなければならない。
外部交換郵便局またはその他の機関から料金不足に責任のある発送郵便局へ通知することについては、所定の手続きをする行政機関の判断にゆだねる。
(ドイツ語文献翻訳を終了)

このように、小包の送料の料金不足額の支払いを小包の受取人が拒否した場合には、配達郵便局は発送郵便局に通知して、小包の発送者から不足の料金を徴収する規定でした。
この通知状は、ハンガリー語 Visszajełentés、セルボクロアート語 Odjava、ドイツ語 Rückmeldungと呼ばれていました。

この記事の画像で示しているのは、クロアチアで使用された旧ハンガリー王国の書式のOdjavaの使用例です。
書式で使用されている言語は、ハンガリー語とセルボクロアート語です。

この書式の記載内容は以下のような内容になります。
1919年7月24日のKRIŽEVCIのJosef Steinerから発送された小包番号No. 208, 210, 211の重さ各々10kgの小包の発送料は、本来それぞれ5K50f徴収すべきところを誤って4K60fしか徴収していませんでした。このため小包1個当り90f、3個で合計270f不足しています。
この場合には、先にご紹介した規定に従い、小包の受取人が不足料の支払いを拒んだため、小包の発送者から不足料金を徴収するように、ZAGREB 2郵便局が1919年8月1日付けでKRIŽEVCI郵便局に通知しています。

Odjavaを作成した郵便局の郵便印:
ZAGREB 919 AUG –1. N10 P2P (1919年8月1日) ハンガリー式消印

切手
クロアチア正刷20 filir (Mi.92)
スロヴェニア50 vinar (Mi.107目打ち後に糊引き)、2 Krona (Mi.110 目打ち後に糊引き)
合計 270 filir (小包3個分の不足額と一致)
Odjavaの場合には小包の発送者から発送料金の不足額を徴収するので、不足切手ではなく普通切手で領収されます。文献で報告されている他の使用例でもこの場合と同様に普通切手が使用されており、不足切手は使用されていません。(参考文献(2)(3))

切手の消印
KRIŽEVCI 919 AUG. –3 N8 F (1919年8月3日) ハンガリー式消印

備考
スロヴェニア50 vinarと2 Kronaは、目打ち後に糊引きされ目打ち穴が糊で埋まって切り離し難いため、ハサミで切り離されています。


参考文献
(1)Arge der Balkan Länder, No. 130, p.6-13, (1994)
Thomas Artel
Einführung in die Verwnedung von Klebzetteln als besonderer Kennzeichnung von Paketbegleitadressen 郵便小包送票の特別表示事項へのラベルの使用
(2)Jugopošta, Journal of The Yugoslavia Study Group, p.9-14, No.50, 1999
Withdrawal of Mail in Croatia in 1919
(3)Jugopošta, Journal of The Yugoslavia Study Group, p.1-7, No.52, 1999
Correction of my Article, Withdrawal of Mail in Croatia in 1919
上記2つの研究論文はブログ著者がJugopoštaに報告したものです。

191030表 小包第2期 クロアチア郵便代行業者の消印、スロヴェニア+クロアチア正刷混貼り

2007年11月18日 15時26分48秒 | 小包第2期
消印:長方形の4つの角を切り落としたハンガリー式の郵便代行業者の消印
PETERANEC
30 OKT. 919
POSTAI ÜGYN,
POSTAN. AGENCIJA
(1919年10月30日)
ハンガリー語のPOSTAI ÜGYNとセルボクロアート語のPOSTAN. AGENCIJAは、両方とも郵便代行業者を意味しています(英語ではPostal Agencyとするべきでしょう)。
ハンガリー式の左から右に「年月日」の配列を、ユーゴ式の「日月年」に並べ替えてユーゴ化しています。ただし、ユーゴ式の年号表記は2桁の19ですが、この使用例では年号表示が919とハンガリー式の3桁表示のままになっています。また、ハンガリー語表記の「POSTAI ÜGYN」は残されたままになっています。

191030表 小包第2期 クロアチア郵便代行業者の消印、スロヴェニア+クロアチア正刷混貼り

2007年11月18日 15時25分46秒 | 小包第2期
191030表 小包第2期 クロアチア郵便代行業者の消印、スロヴェニア+クロアチア正刷混貼り
小包第2期 クロアチア地域内便

小包送票:ハンガリー王国10 fillér(小包送票代金の収入印紙、小包料金に含まない)、ハンガリー語・セルボクロアート語表記、黄色紙、大型
小包ラベル:Peteranec p. ügyn. pošt. ag. 39 ハンガリー王国領の郵便代行業者のラベルをそのまま使用しています。
料金手書き:右上5 Kr 50

切手:クロアチア正刷5 filir (Mi. 90)、スロヴェニア25 vinar(Mi.104石版)、60 vinar (Mi.108, 目打ち後糊引き)2枚(裏側)、2 Krona (Mi.110, 目打ち後糊引き)2枚、合計550vinar
備考:60 vinarと2 Krona切手は、目打ち後に糊引きされたため目打ち穴が糊でふさがれ切手の切り離しの際に切りにくかったため、目打ち部分と切手本体が大きく損傷しています。

料金計算:
重量料金11 kg---510 filir (150+60*6)
配達料金---100 filir
合計610 filir (料金手書きと貼り付け切手は60filir料金不足)

料金不足の表示:
①中央上に鉛筆書きで610、550、60の3つの数字が縦に並べられ、引き算をやっているように書かれています。
②中央に赤字で大きく0.60と記載されており、これは料金不足額と一致しています。
③下側の25 vinar切手の左側のPortoの欄に-60 filと鉛筆で記載されています。
このような明らかな表示があるため、小包の受取人あるいは発送者から不足額60filirを徴収する措置がとられたと考えられます。
④この小包送票には、小包の不足料金を小包の発送者から徴収する際に使用する書式「Odjava」に関する記載が全くありません。このため、この場合には、小包の受取人から不足料金を徴収したと考えられ、小包の発送者からの徴収は行われなかったと思われます。
⑤備考:これからご紹介する予定のOdjavaの実例
Odjavaの実例は、「190801 Odjava 小包料金不足を小包の発送者から徴収」でご紹介します。
また、小包送票にOdjavaの表示をした例は、「191115表 小包第3期 料金不足を小包発送者から徴収Odjava」でご紹介します。