チェインブレーカー及び関連領域の郵便史

ユーゴスラヴィア建国当時~1922年頃までの旧オーストリア・ハンガリー帝国地域のチェインブレーカーを中心とした郵便史

200515表 50 vinar 19枚貼り、小包第3期最終日の使用例

2007年12月27日 21時45分34秒 | 小包第3期
200515表 50 vinar 19枚貼り、小包第3期最終日の使用例

小包第3期 スロヴェニア地域内小包
小包送票:ユーゴスラヴィアSHS 16 v(小包送票代金の収入印紙、小包料金に含まない)、スロヴェニア語、灰白色紙、代金引換の無い小包送票
小包ラベル:消印CELJE 15. V. 20 –(1920年5月15日、スロヴェニア語表記) 191
料金手書き:中央左に915, 75, 990の鉛筆による記載

切手:スロヴェニア20 vinar (Mi.103凸版)2枚、50 vinar (Mi.107) 19枚、合計9 Krona 90 vinar

料金計算:
重量料金6 kg---9.0 Krona
価格表記(保険)料金100 K---75 vinar
通知料金---15 vinar
合計9 Krona 90 vinar (料金手書きに一致、貼り付け切手に一致)

消印:CELJE 15. V. 20 –*3a*(1920年5月15日)、スロヴェニア語表記
備考
小包ラベルの数字191の上の15-5-20の鉛筆による書き込みは、消印の日付と一致していますが、これは後でコレクターか切手商が書き込んだものと思われます。

200422裏 小包第3期 スロヴェニア10 Krona +ボスニア・ヘルツェゴビナ混貼り

2007年12月26日 21時21分17秒 | 小包第3期
200422裏 小包第3期 スロヴェニア10 Krona +ボスニア・ヘルツェゴビナ混貼り

到着印:TREBINJE 23 VI 20 a (1920年6月23日)、ドイツ語のK. UND K. MILIT. POSTを削除してユーゴ化した消印。活字VIは誤植で正しくはIVです。
引渡し印:TREBINJE 24 IV 20 (1920年4月24日)、ドイツ語のK. UND K. MILIT. POSTを削除してユーゴ化した消印。到着印とは郵便局名の活字の字体が異なっています。
小包受取人サイン日付:1920年4月24日

200422表 小包第3期 スロヴェニア10 Krona +ボスニア・ヘルツェゴビナ混貼り

2007年12月26日 21時19分30秒 | 小包第3期
200422表 小包第3期 スロヴェニア10 Krona +ボスニア・ヘルツェゴビナ混貼り

小包第3期 ボスニア・ヘルツェゴビナ地域内便
小包送票:オーストリア・ハンガリー帝国占領下のボスニア・ヘルツェゴビナ8 heller(剣)の小包送票に、ローマ字でKRALJEVSTVO Srba, Hrvata, i Slovenaca と加刷 (小包送票代金の収入印紙、小包料金に含まない)、ドイツ語・セルボクロアート語、価格表記あり、ピンク色がかった紙

小包ラベル:Sarajevo H. P. A. 341
その他のラベル: 白色紙に赤字でV;セルボ・クロアート語でVriednost価格表記(保険)付きを示す。このラベルは、オーストリア・ハンガリー帝国時代のドイツ語やハンガリー語表記のラベルとは字体が全く異なっているため、ユーゴスラヴィアの書式と考えています。
料金手書き:1090

切手:スロヴェニア50 vinar (Mi.107、目打ち後に糊引き)、10 Krona(Mi.112)
ボスニア・ヘルツェゴビナDRŽAVA SHS(キリル文字)加刷40 heller(Mi.7)、
合計10 Krona 90 vinar
備考:
スロヴェニア50 vinar は目打ち後に糊引きされたため、目打ち穴が糊でふさがれ切手の切り離しの際に切りにくくなり、隣の切手の目打ちが付着しています。

料金計算:
重量料金8.7 kg---9.0 Kruna
価格表記(保険)料金1000K---1.5 Kruna
代金引換料金1000K ---20 heller
通知料金---15 heller
合計10 Kruna 85 heller (貼り付け切手は、5 heller過剰)

消印:SARAJEVO 22 IV 20 g (1920年4月22日)、ドイツ語のK. UND K. MILIT. POSTを削除してユーゴ化した消印。

参考文献:小包送票の表示及びラベル
Arge der Balkan Länder, No. 130, p.6-13, (1994)
Thomas Artel
Einführung in die Verwnedung von Klebzetteln als besonderer Kennzeichnung von Paketbegleitadressen 郵便小包送票の特別表示事項へのラベルの使用
備考:各種表示に関しては、規定のラベルを貼る代わりに、手書きで表示することも許されていました。

200409裏 第3期 小包私書箱保管料金の一括処理、90 hellerの不足切手を貼り付け

2007年12月25日 21時49分10秒 | 小包第3期
200409裏 第3期 小包私書箱保管料金の一括処理、90 hellerの不足切手を貼り付け

到着印:不足切手の下、BILECA 13. IV. 20 b (1920年4月13日)、ドイツ語のK. UND K. MILIT. POSTを削除してユーゴ化した消印。
小包受取サイン日付:1920年4月20日

小包私書箱の保管料金90 heller
証示印及び書込み: AUSGEFOLGT LAGERZINS -K. 90 h.
AUSGEFOLGTは「交付された」という意味であり、小包の受取人への引渡しを示します。LAGERZINSは「保管料金」という意味です。
不足切手:ボスニア・ヘルツェゴビナKRALJEVSTVO SRBA HRVATA I SLOVENACA(ローマ字)加刷不足切手10 heller(Mi. 16) 9枚ブロック、合計90 heller
消印:BILECA 20. IV. 20 b (1920年4月20日)、ドイツ語のK. UND K. MILIT. POSTを削除してユーゴ化した消印。

料金解析:
第3期の大都市サラエヴェにおける小包私書箱の保管料金は、私の持っている2つの使用例によれば1個当たり10 hellerでした(私のコレクションの「200301裏 第3期 サラエヴォ小包私書箱の保管料金10 heller」および「200301裏 第3期 現金支払い、サラエヴォ小包私書箱の保管料金10 heller」を参照)。
小包の第1期および第2期の小包私書箱の保管料金は、大都市のサラエヴェとモスタルでは1個10 hellerで、その他の都市では1個5 hellerでした。
このため、文献資料はありませんが、第3期でも大都市のサラエヴェとモスタルでは1個10 hellerで、その他の都市では1個5 hellerであると考えられます。
この使用例のBILECAは小さな町ですから、小包私書箱の保管料金は1個5 hellerであると考えられます。このため、この場合は小包18個分の5×18=合計90 hellerの保管料金をこの小包送票で事務処理したと考えられます。
このように、小包私書箱の保管料金は、小包私書箱にたまっている数多くの小包の保管料金を一括して処理することが多いため、小包送票に保管料金徴収のための不足切手が貼られていることの方が少なく、小包引渡しを示す証示印だけが押されている場合の方が多くなったと考えられます。
この一括処理の存在が、私の所有している「不足切手が貼られていない数多くの使用例」でご紹介したように、
①サラエヴォ郵便局における、上の欄のAUSGEFOLGTが削除された小包引渡しを示す箱型の日付印だけが押された使用例の存在、
②小さな都市でAUSGEFOLGT LAGERZINS K. h.だけが押された使用例の存在
の理由であり、このような場合は、他の小包送票に保管料金相当額の不足切手を貼り付けて一括処理されたと考えられます。
このため、小包私書箱の保管料金の徴収を示す不足切手の貼られた使用例は、郵便史的に価値が高いと考えられます。

200409表 第3期 小包私書箱保管料金の一括処理、90 hellerの不足切手を貼り付け

2007年12月25日 21時48分22秒 | 小包第3期
200409表 第3期 小包私書箱保管料金の一括処理、90 hellerの不足切手を貼り付け

小包第3期 ボスニア・ヘルツェゴビナ地域内便
小包送票:オーストリア・ハンガリー帝国占領下のボスニア・ヘルツェゴビナ10 heller(剣)の小包送票に、キリル文字でKRALJEVSTVO S.H.S. 12 hと加刷 (小包送票代金の収入印紙、小包料金に含まない)、ドイツ語・セルボクロアート語、白紙

小包ラベル:Mostar 1 557
料金手書き:無し

切手:スロヴェニア5 vinar(Mi.100凸版)、50 vinar(Mi.107) 4枚、5 Krona(Mi.111)
合計7 Krona 5 vinar

料金計算:
重量料金3.6 kg---4.5 Kruna
価格表記(保険)料金100 K---75 heller
配達料金---1.8 Kruna
合計7 Kruna 5 heller (貼り付け切手に一致)

消印:MOSTAR 9. IV. 20. IX- b (1920年4月9日)、ドイツ語のK. UND K. MILIT. POSTを削除してユーゴ化した消印。

200409表 第3期 ボスニア・ヘルツェゴビナ占領時代の小包送票を未加刷で使用

2007年12月24日 18時13分01秒 | 小包第3期
200409表 第3期 ボスニア・ヘルツェゴビナ占領時代の小包送票を未加刷で使用

小包第3期 ボスニア・ヘルツェゴビナからクロアチア宛て

小包送票:オーストリア・ハンガリー帝国占領下のボスニア・ヘルツェゴビナ10 heller(剣) (小包送票代金の収入印紙、小包料金に含まない)の小包送票をそのまま使用、ドイツ語・セルボクロアート語、白紙

小包ラベル:Usora 58
料金手書き:無し

切手:スロヴェニア15 vinar(Mi.102凸版、目打ちシフト)、50 vinar(Mi.107)、2 Krona(Mi.110目打ちシフト)2枚、合計4 Krona 65 vinar

備考: 2 Kronaのプレーティング:上からpos. 95, 94
プレーティングはカナダのA. H. Stokes博士の資料に基づいています。

料金計算:
重量料金4.2 kg---4.5 Kruna
通知料金---15 heller
合計4.65 Kruna (貼り付け切手に一致)

消印:USORA -9 IV 20 ∘∘ (1920年4月9日)、ドイツ語のK. UND K. MILIT. POSTを削除してユーゴ化した消印。

200407裏 第3期 ダルマチア三ヶ国語表記小包送票, 50 vinar右側マウスパーフ

2007年12月23日 09時29分58秒 | 小包第3期
200407裏 第3期 ダルマチア三ヶ国語表記小包送票, 50 vinar右側マウスパーフ

到着印:SARAJEVO 1 19. IV. 20 e (1920年4月19日)、ドイツ語のK. UND K. MILIT. POSTを削除してユーゴ化した消印。
後で述べる小包受取人サイン日付が4月9日、小包引渡し事務処理印の日付が4月10日であることを考えると、この到着印の日付は19日ではなく、正しくは9日であると考えられます。
小包受取人サイン日付:1920年4月9日

サラエヴォの小包私書箱に保管された小包の引渡し印
消印:箱型、上部が空欄、10. IV 20 (1920年4月10日)
文献(4)によると、SARAJEVOのこのタイプの消印の上部には、もともとドイツ語でAUSGEFOLGTと記載されていたそうで、AUSGEFOLGTと表示された1919年6月7日の使用例が示されています。文献(4)の使用例から約3.5ヵ月後の私の持っている使用例では、この言葉を削除してユーゴ化していますので、この間にドイツ語AUSGEFOLGTが削除されたと考えられます。尚、AUSGEFOLGTは「交付された」という意味であり、小包の受取人への引渡しを示します。

このタイプの消印は、サラエヴォの小包私書箱に保管された小包の引渡し印ですから、この小包は小包私書箱に保管され、1920年4月9日に受取人に引き渡され、事務処理用の消印は翌日の4月10日に押されたと考えられます。
この時期の他の使用例から考えて、サラエヴォの保管料金は小包1個当たり10 hellerですが、この小包送票には不足切手10 hellerが貼られていないため、他の書式で処理されたものと考えられます(私のコレクションの「200301裏 第3期 サラエヴォ小包私書箱の保管料金10 heller」および「200301裏 第3期 現金支払い、サラエヴォ小包私書箱の保管料金10 heller」を参照)。

備考:
サラエヴォでは、他の都市で見られる証示印「AUSGEFOLGT LAGERZINS K. h.」は押されていません。尚、AUSGEFOLGTは「交付された」という意味であり、小包の受取人への引渡しを示します。LAGERZINSは「保管料金」という意味です。

参考文献
(4)Arge der Balkan Länder, No. 158, p.12-18, (2002)
Dr. Helmut Kobelbauer, Pror. Dr.-Ing. Klaus Wieland
Nochmals Postgebühren – Pakete in Bosnien und der Herzegowina
さらに郵便料金---ボスニア・ヘルツェゴビナの小包


200407表 第3期 ダルマチア三ヶ国語表記小包送票, 50 vinar右側マウスパーフ

2007年12月23日 09時29分04秒 | 小包第3期
200407表 第3期 ダルマチア三ヶ国語表記小包送票, 50 vinar右側マウスパーフ

第3期、旧オーストリア帝国領ダルマチアからボスニア・ヘルツェゴビナ宛て
小包送票:オーストリア帝国KAIS. KÖN. STEMPEL 10 heller(人の肖像)(小包送票代金の収入印紙、小包料金に含まない)、ただし左上に12hの記載有り、ドイツ語・セルボクロアート語・イタリア語の3ヶ国語表記、白紙

備考:3つの言語について
ダルマチア地方は、古代ローマ帝国の領土であったり、ヴェネツィアを中心とした地中海貿易の中継基地が数多くあった関係で、古くからイタリア人も住んでいました。このため、オーストリア・ハンガリー帝国時代のダルマチオ用の小包送票等の郵便書式には、支配者と居住者の使用する言語を考慮して、支配者であるハプスブルク家のオーストリアの言語であるドイツ語、居住者であるセルビア人とクロアチア人の言語であるセルボ・クロアート語、そしてイタリア人の言語であるイタリア語の3つの言語が使用されています。
ただし、ユーゴスラヴィア建国当時にはダルマチア地方全体にイタリア人が住んでいたのではなく、ザダル(ザーラ)市にほとんどのイタリア人は集中して住んでいました。この事実が原因となって、1918年にダルマチア地方を占領したイタリアは、後にザダル(ザーラ)、ラストボ島(ラゴスタ島)だけを領有し、他の地域はユーゴスラヴィアに返還しました (注意:フィウメ、イストリア半島、トリエステの問題はダルマチアとは事情が異なりますのでこの記述には含めていません)。

小包ラベル:Dubrovnik-Ragusa 474 (郵便局名はセルボクロアート語とイタリア語の二ヶ国語表記)
その他のラベル:白紙に赤字でExpress速達
料金手書き:無し

切手:
スロヴェニア切手15 vinar (Mi.102凸版、ルレット目打ち) 3枚、50 vinar (Mi,107、右側マウスパーフ)、1 Krona (Mi. 109)、2 Krona (Mi. 110、目打ち11) 3枚、合計7 Krona 95 vinar

備考:
①50 vinarマウスパーフ:同一直線上で、縦目打ちでは上下に、水平目打ちでは左右に少しずれて二重に目打ちが行われると、最初の目打ちにより形成された目打ちの山が二番目の目打ちにより削られて谷が広がり、ちょうど目打ちの山をネズミがかじったように見えるため、マウスパーフと呼ばれます。
②2 Kronaのプレーティング:上からpos. 19, 18, 17
③1 Kronaのプレーティング:pos. 96
プレーティングはカナダのA.H.Stokes博士の資料に基づいています。
③2 Kronaの目打ちは、通常は11 1/2ですがこの切手は11です。
切手の左側に何語か不明ですが「pgo? 11」と青で書き込みがあります。これは「目打ち11」という意味であると推定され、コレクターが書き込んだものです。小包の取り扱いのための記載とは関係ありません。
④上の真ん中に「DEUTSCH SV. KANIZA」と思われる青色スタンプが押されています。そしてその右側に薄い赤色で価格らしいものの書き込みがあります。これは、切手商かコレクターの所有印あるいは販売印とその価格であろうと推定しています。小包の取り扱いのための記載とは関係ないと思われます。
このような③や④のようや書き込みやスタンプは迷惑なものですが、他にもこのような例があります。

料金計算:
重量料金5 kg---4.5 Krone
速達料金---2.5 Krone (配達料金を含む)
価格表記(保険)料金(Dvijesta trice 203 K)---75 heller
代金引換料金(Sto i osamdeset i dvije 182 K)---20 heller
合計7 Krone 95 heller (貼り付け切手と一致)

消印:DUBROVNIK RAGUSA 7. IV 20 a (1920年4月7日)、セルボクロアート語とイタリア語の二ヶ国語表記。

参考文献:価格表記(保険)と代金引換金額の文字表記の解読に使った辞書と参考書
(1)Langenscheidt, Universal Croatian Dictionary, 1987
(2)Nicholas Awde, Hippocrene Practical Dictionary, SERBO-CROATIAN, 1996
(3)中島由美、エクスプレス セルビア・クロアチア語, 白水社, 1987

200330裏 小包第3期 5 Krona上下二重目打ち、pos.88カツラ

2007年12月22日 19時40分29秒 | 小包第3期
200330裏 小包第3期 5 Krona上下二重目打ち、pos.88カツラ

到着印:SARAJEVO 1 -1. IV. 20 s *(1920年4月1日)、ドイツ語のK. UND K. MILIT. POSTを削除してユーゴ化した消印。
小包受取人サイン日付:1920年4月12日

サラエヴォの小包私書箱に保管された小包の引渡し印
消印:箱型、上部が空欄、13. IV 20 (1920年4月13日)
文献(4)によると、SARAJEVOのこのタイプの消印の上部には、もともとドイツ語でAUSGEFOLGTと記載されていたそうで、AUSGEFOLGTと表示された1919年6月7日の使用例が示されています。文献(4)の使用例から約3.5ヵ月後の私の持っている使用例では、この言葉を削除してユーゴ化していますので、この間にドイツ語AUSGEFOLGTが削除されたと考えられます。尚、AUSGEFOLGTは「交付された」という意味であり、小包の受取人への引渡しを示します。

このタイプのサラエヴォの消印は、小包私書箱に保管された小包の引渡し印ですから、この小包は小包私書箱に保管され、1920年4月12日に受取人に引き渡され、事務処理用の消印は翌日の4月13日に押されたと考えられます。
この時期の他の使用例から考えて、サラエヴォの保管料金は小包1個当たり10 hellerですが、この小包送票には不足切手10 hellerが貼られていないため、他の書式で処理されたものと考えられます(私のコレクションの「200301裏 第3期 サラエヴォ小包私書箱の保管料金10 heller」および「200301裏 第3期 現金支払い、サラエヴォ小包私書箱の保管料金10 heller」を参照)。

備考:
サラエヴォでは、他の都市で見られる証示印「AUSGEFOLGT LAGERZINS K. h.」は押されていません。尚、AUSGEFOLGTは「交付された」という意味であり、小包の受取人への引渡しを示します。LAGERZINSは「保管料金」という意味です。

参考文献
(4)Arge der Balkan Länder, No. 158, p.12-18, (2002)
Dr. Helmut Kobelbauer, Pror. Dr.-Ing. Klaus Wieland
Nochmals Postgebühren – Pakete in Bosnien und der Herzegowina
さらに郵便料金---ボスニア・ヘルツェゴビナの小包

200330表 小包第3期 5 Krona上下二重目打ち、pos.88カツラ

2007年12月22日 19時39分50秒 | 小包第3期
200330表 小包第3期 5 Krona上下二重目打ち、pos.88カツラ

小包第3期 クロアチアからボスニア・ヘルツェゴビナ宛て
小包送票:ユーゴスラヴィアSHS 16 v(小包送票代金の収入印紙、小包料金に含まない)、スロヴェニア語、ピンク色紙
小包ラベル:Zagreb 1 2271
料金手書き:無し

切手:スロヴェニア50 vinar(Mi.107, ノコギリルレット目打ち)、1 Krona(Mi.109、上側大きなマージン)、5 Krona(Mi.111、上下二重目打ち) 4枚、合計21 Krona 50 vinar
備考: 5 Krona切手のプレーティング
上からpos. 88 (頭髪に大きな赤い斑点、通称「toupeeカツラ」), 87, 86, 85
プレーティングはカナダのA. H. Stokes博士の資料に基づいています。

料金計算:
重量料金20 kg---18 Kruna
価格表記(保険)料金600K---1.5 Kruna
代金引換料金865 K 50 v---20 filir
配達料金---1.8 Kruna
合計21 Kruna 50 filir (貼り付け切手と一致)

消印:ZAGREB 920 MAR 30 -N5 N1N (1920年3月30日)、ハンガリー型消印

200320裏 小包第3期 代金引換金の為替送金の記載、ボスニア加刷の後期使用

2007年12月21日 21時43分46秒 | 小包第3期
200320裏 小包第3期 代金引換金の為替送金の記載、ボスニア加刷の後期使用

到着印:MODRIČ 23. III 20 (1920年3月23日)、ドイツ語のK. UND K. MILIT. POSTを削除してユーゴ化した消印。
小包受取人サイン日付:1920年3月23日
証示印:AUSGEFOLGT LAGERZINS K. h.
AUSGEFOLGTは「交付された」という意味であり、小包の受取人への引渡しを示します。LAGERZINSは「保管料金」という意味です。
保管料金に相当する不足切手は小包送票に貼られていません。別の書式で処理されたと推定されます。第3期のMODRIČ のような小さな町の小包私書箱への保管料金は不明です。

代金引換金の為替送金の記載
Nap 998 K 40 h 23/III 10915
NapはNapisnikaの省略形で「為替手形」という意味があります。
①代金引換金 1000 K (小包受取人から徴収)
②998 K 40 h分の為替料金 1 Kruna 50 heller
③受取人の住所での為替金の支払い料金 10 heller
④郵便為替証書の料金(収入印紙)---徴収せず
代金引換金の為替送金のための料金合計1 Kruna 60 heller
代金引換金 1000 Kから、代金引換金の為替送金のための料金合計1 Kruna 60 hellerを差し引いた998 K 40 hを小包の発送者に送金しています。
その日付は3月23日で、管理番号は10915と考えられます。

為替送金の参考文献
(1)Nachrichtenblatt der Arbeitsgemeinschaft Jugoslawien und Nachfolgestaaten 47/93, p.732-735 (1993)
Pror. Dr.-Ing. Klaus Wieland
Ausgewählte Postgebühren in Slowenien 1918 bis 1921
スロヴェニアにおける1918年~1921年までの郵便料金選集

200320表 小包第3期 代金引換金の為替送金の記載、ボスニア加刷の後期使用

2007年12月21日 21時42分57秒 | 小包第3期
200320表 小包第3期 代金引換金の為替送金の記載、ボスニア加刷の後期使用

小包第3期 ボスニア・ヘルツェゴビナ切手とスロヴェニア切手の混貼、ボスニア・ヘルツェゴビナ地域内便

小包送票:オーストリア・ハンガリー帝国占領下のボスニア・ヘルツェゴビナ10 heller(剣)の小包送票に、ローマ字でKRALJEVSTVO S.H.S. 14 hと加刷 (小包送票代金の収入印紙、小包料金に含まない)、ドイツ語・セルボクロアート語、価格表記あり、ピンク色がかった紙
小包ラベル:Sarajevo 7 67
その他のラベル:白色紙に黒字でW;ドイツ語でWert価格表記(保険)付きを示す。
料金手書き:4 K 85 h

切手:スロヴェニア5vinar (Mi.100凸版, 目打ちずれ)、2 Krona(Mi.110) 2枚、
ボスニア・ヘルツェゴビナDRŽAVA SHS(キリル文字)加刷40 heller(Mi.7) 2枚、
合計4 Krona 85 vinar

料金計算:
重量料金2.2 kg---3 Kruna
価格表記(保険)料金1000 K---1.5 Kruna
代金引換料金1000(Hiljadu) K---20 heller
通知料金---15 heller
合計4 K 85 h (料金手書きに一致、貼り付け切手に一致)

消印:SARAJEVO 7 20. III. 20 ∘ ∘ (1920年3月20日)、ドイツ語のK. UND K. MILIT. POSTを削除してユーゴ化した消印。

参考文献:小包送票の表示及びラベル
Arge der Balkan Länder, No. 130, p.6-13, (1994)
Thomas Artel
Einführung in die Verwnedung von Klebzetteln als besonderer Kennzeichnung von Paketbegleitadressen 郵便小包送票の特別表示事項へのラベルの使用
備考:各種表示に関しては、規定のラベルを貼る代わりに、手書きで表示することも許されていました。

200319裏 小包第3期 2 Krona 6枚貼り

2007年12月20日 21時25分53秒 | 小包第3期
200319裏 小包第3期 2 Krona 6枚貼り

到着印:SARAJEVO 1 29. III. 20 s *(1920年3月29日)、ドイツ語のK. UND K. MILIT. POSTを削除してユーゴ化した消印。
小包受取人サイン日付:1920年4月1日

備考:2 Krona切手のプレーティング
裏、上からpos. 50, 43
プレーティングは、カナダのA. H. Stokes博士の研究資料に基づいています。