チェインブレーカー及び関連領域の郵便史

ユーゴスラヴィア建国当時~1922年頃までの旧オーストリア・ハンガリー帝国地域のチェインブレーカーを中心とした郵便史

191103裏 ユーゴスラヴィアの新形式の郵便為替証書、KRIŽEVCI郵便局

2012年05月27日 13時32分58秒 | 郵便為替
191103裏 ユーゴスラヴィアの新形式の郵便為替証書、KRIŽEVCI郵便局

到着印
LUDBREG 919 NOV -5 –N10 A
クロアチアのLUDBREG郵便局 1919年11月5日、昼間10時、消印識別記号A
暗青色の消印
D欄にイシュトヴァン・クラウンと呼ばれるハンガリー王冠の入ったハンガリー型の消印

右下にZagreb 1919と印刷されており、クロアチアの首都ザグレブで1919年に印刷された郵便為替証書であると考えられます。

191103ユーゴスラヴィアの新形式の郵便為替証書、KRIŽEVCI郵便局

2012年05月27日 13時32分17秒 | 郵便為替
191103ユーゴスラヴィアの新形式の郵便為替証書、KRIŽEVCI郵便局

郵便為替証書
ユーゴスラヴィアの新形式の郵便為替証書
1919年中頃に、郵便為替の価格が3 filirに値上げされ、額面印紙「Pošta Kraljevstva SHS 3 fil」と印刷された新しい郵便為替が登場した。この新郵便為替証書の早期使用は1919年7月7日(ZAGREB 6)、後期使用は1920年9月です。

この使用例はKRIŽEVCI郵便局1919年11月3日であり、新郵便為替証書の早期使用は1919年7月7日(ZAGREB 6郵便局)であるため、比較的早い使用例と考えられます。
額面印紙「Pošta Kraljevstva SHS 3 fil」の印刷は、20 vinar切手の下に隠れています。

切手
スロヴェニア・チェインブレーカー
Mi.103, 20 vinar凸版
Mi.107, 50 vinar
合計 70 vinar

郵便為替料金
全国統一料金: 国内郵便為替料金
全ての料金は郵便為替の発送者から徴収する。
1. 1919年7月1日~1920年5月15日
25 Kronen以下-----25 vinar
25 Kronenを越えて50 Kronen以下-----50 vinar
50 Kronenを越えて100 Kronen以下-----60 vinar
100 Kronenを越えて100 Kronen毎に-----10 vinarを加算
支払い(払い出し)料金、全ての為替金額に対して-----10 vinar

(2)料金計算
為替金額は117 Kと記載
100 Kronenを越えて200 Kronen以下-----70 vinar
支払い(払い出し)料金、全ての為替金額に対して-----10 vinar
合計 80 vinar
右上の黒インクの70 fの記載、及び貼り付け切手70 vinarとは一致しておらず、10 vinar不足しています。
クロアチアのこの使用例では、郵便為替証書の販売価格引き上げ分の処理は、新しいユーゴスラヴィアの形式の為替証書に新しい販売金額3 fil.が印刷されています。

不足分の徴収
為替証書の左上に青色の長方形の2行印が押されています
上段:ハンガリー語KIFIZETTETETT
下段:クロアチア語IZPLAČENO
これは「未納」という意味です。
郵便為替料金の計算は郵便局員が行うため、料金が不足した場合には2倍の徴収は行われず、10 vinar不足分を徴収する規則です。

消印
KRIŽEVCI -3. NOV. 919 N10 C
クロアチアのKRIŽEVCI郵便局1919年11月2日、昼間10時、消印識別記号C
D欄にイシュトヴァン・クラウンと呼ばれるハンガリー王冠の入ったハンガリー型の消印
年月日表示は、ハンガリー型の「年月日」の順から、ユーゴ型の「日月年」に変更されており、部分的ユーゴ化消印となっています。

為替記号
黒色の長方形の箱型の証示印907
これはKRIŽEVCI郵便局を表すと考えられます

191031裏 クロアチアVOČIN 35 vinar使用例

2012年05月20日 09時30分59秒 | 郵便為替
191031裏 クロアチアVOČIN 35 vinar使用例

到着印
ZAGREB Y1Y 919 NOV. 3 N5
クロアチアのZAGREB 1郵便局1919年11月3日、昼間5時、消印識別記号Y
D欄にイシュトヴァン・クラウンと呼ばれるハンガリー王冠の入ったハンガリー型の消印

右下にBudapest 1917と印刷されており、ハンガリー王国の首都ブダペストで1917年に印刷された郵便為替証書であると考えられます。

191031クロアチアVOČIN 35 vinar使用例

2012年05月20日 09時30分05秒 | 郵便為替
191031クロアチアVOČIN 35 vinar使用例

郵便為替証書
オーストリア・ハンガリー帝国時代のハンガリー語とクロアチア語表記
額面印紙 2 fillér が印刷されている薄桃色の郵便為替証書

切手
スロヴェニア・チェインブレーカー
Mi.101, 10 vinar凸版、ノコギリルレット目打ち
Mi.104, 25 vinar石版
合計 35 vinar

郵便為替料金
全国統一料金: 国内郵便為替料金
全ての料金は郵便為替の発送者から徴収する。
1. 1919年7月1日~1920年5月15日
25 Kronen以下-----25 vinar
25 Kronenを越えて50 Kronen以下-----50 vinar
50 Kronenを越えて100 Kronen以下-----60 vinar
100 Kronenを越えて100 Kronen毎に-----10 vinarを加算
支払い(払い出し)料金、全ての為替金額に対して-----10 vinar

(2)料金計算
25 Kronen以下-----25 vinar
支払い(払い出し)料金、全ての為替金額に対して-----10 vinar
合計 35 vinar
右上の25 vinar切手の下に半分隠れている記載35 fと一致している。
クロアチアのこの使用例では、郵便為替証書の販売価格引き上げ分を切手で追加貼り付けする措置は行われていません。

消印
VOČIN 919- OKT. 31 – N4
クロアチアのVOČIN郵便局1919年10月31日、昼間4時
D欄にイシュトヴァン・クラウンと呼ばれるハンガリー王冠の入ったハンガリー型の消印

191022表 郵便為替証書代金の収入印紙として2 filler切手を加貼り

2012年05月12日 18時05分22秒 | 郵便為替
191022表 郵便為替証書代金の収入印紙として2 filler切手を加貼り

郵便為替証書
ユーゴスラヴィアの新形式の郵便為替証書、額面印紙は印刷されていない、クロアチア語表記

切手
スロヴェニア・チェインブレーカー
Mi.103. 20 vinar凸版
Mi.108, 60 vinar
クロアチア正刷
Mi.88, 2 filler
合計 82 vinar

郵便為替料金
全国統一料金: 国内郵便為替料金
全ての料金は郵便為替の発送者から徴収する。
1. 1919年7月1日~1920年5月15日
25 Kronen以下-----25 vinar
25 Kronenを越えて50 Kronen以下-----50 vinar
50 Kronenを越えて100 Kronen以下-----60 vinar
100 Kronenを越えて100 Kronen毎に-----10 vinarを加算
支払い(払い出し)料金、全ての為替金額に対して-----10 vinar

為替料金計算
100 Kronenを越えて200 Kronen以下-----70 vinar
支払い(払い出し)料金、全ての為替金額に対して-----10 vinar
小計 80 vinar
郵便為替証書の販売価格引き上げにより、郵便為替証書代金の収入印紙としてクロアチア正刷2 filler切手を加貼り
合計 82 vinar

消印
VARAŽDIN 919 - OKT. 22 N10
クロアチアのVARAŽDIN郵便局1919年10月22日、昼間10時
D欄にイシュトヴァン・クラウンと呼ばれるハンガリー王冠の入ったハンガリー型の消印

郵便為替証書の代金(収入印紙)としての切手の使用について
出典: Nachrichtenblatt der Arbeitsgemeinschaft Jugoslawien und Nachfolgestaaten 97-98/2006, p.1931-1945 (2006)
Prof. Dr.-Ing. Klaus Wieland
SHS 1918 bis 1921: Fiskalische Zusatzfrankaturen auf Postanweisungs-Formularen
SHS 1918年-1921年: 郵便為替証書への収入印紙としての追加貼り付け

2.ザグレブ、ノヴィサド(ナギ ベチュケレク)、スプリト郵政局管内(クロアチア、スラヴォニア、ヴォイヴォディナ、ダルマチア地方)の郵便為替証書への切手の追加貼り付け(証書料金の収入印紙として使用)

1918年には、ハンガリー地域(クロアチア、スラヴォニア、ヴォイヴォディナ)では、額面印紙2 fillérが印刷された通常のハンガリーの郵便為替が使用されていた。
この他に、額面印紙の印刷されていないNachnahme-Postanweisung(着払い郵便為替)とInternationale- Postanweisung(国際郵便為替)が存在していた。

この地域の郵便為替証書の価格の値上げに関する公文書を著者は入手していない。
著者の経験では、1918年12月から1920年3月まで、額面印紙の印刷されていない郵便為替は2 fillér または3 fillér切手を追加貼り付けされて使用された、しかし、この追加貼りつけをしなかった郵便局もある。
1918年12月から1919年3月まで、額面印紙の印刷されていない郵便為替は2 fillér切手を追加貼り付けされて使用された、しかし、この追加貼りつけをしなかった郵便局もある。
1919年3月以降は、額面印紙の印刷されていない郵便為替では、2 fillér (後に3 fillér)切手を追加貼り付けしていない使用例を著者は知らないと記載している。
また、この追加貼り付けの規定が郵便局で例外なく適用されたと著者は推定している。
額面印紙2 fillérが印刷された通常のハンガリーの郵便為替は、1920年6月まで使用され、恐らく使い尽くされたか、あるいは後に10 filirの加刷をされた(後述)。
1919年中頃に、郵便為替の価格が3 filirに値上げされ、額面印紙「Pošta Kraljevstva SHS 3 fil」と印刷された新しい郵便為替が登場した。
この新郵便為替証書の早期使用は1919年7月7日(ZAGREB 6)、後期使用は1920年9月である。
1919年7月から1920年3月には、額面印紙の印刷されていない郵便為替では、3 filirの追加貼りつけを必要とした。
1920年9月の3 filir追加貼りつけの後期使用例が、ダルマチア地方のスプリト郵政局管内で少数例が知られている。

191022表 クロアチアKRIŽEVCI郵便局の使用例

2012年05月06日 11時07分24秒 | 郵便為替
191022表 クロアチアKRIŽEVCI郵便局の使用例

郵便為替証書
オーストリア・ハンガリー帝国時代のハンガリー語とクロアチア語表記
額面印紙 2 fillér が印刷されている緑色の郵便為替証書

切手
スロヴェニア・チェインブレーカー
Mi.101, 10 vinar凸版、ノコギリルレット目打ち
Mi.107, 50 vinar、ノコギリルレット目打ち
合計 60 vinar

郵便為替料金
全国統一料金: 国内郵便為替料金
全ての料金は郵便為替の発送者から徴収する。
1. 1919年7月1日~1920年5月15日
25 Kronen以下-----25 vinar
25 Kronenを越えて50 Kronen以下-----50 vinar
50 Kronenを越えて100 Kronen以下-----60 vinar
100 Kronenを越えて100 Kronen毎に-----10 vinarを加算
支払い(払い出し)料金、全ての為替金額に対して-----10 vinar

(2)料金計算
25 Kronenを越えて50 Kronen以下-----50 vinar
支払い(払い出し)料金、全ての為替金額に対して-----10 vinar
合計 60 vinar
右上の60 fの記載と一致
クロアチアのこの使用例では、郵便為替証書の販売価格引き上げ分を切手で追加貼り付けする措置は行われていません。

消印
KRIŽEVCI 22. OKT. 919 N5 C
クロアチアのKRIŽEVCI郵便局1919年10月22日、昼間5時、消印識別記号C
D欄にイシュトヴァン・クラウンと呼ばれるハンガリー王冠の入ったハンガリー型の消印
年月日表示は、ハンガリー型の「年月日」の順から、ユーゴ型の「日月年」に変更されており、部分的ユーゴ化消印となっています。