チェインブレーカー及び関連領域の郵便史

ユーゴスラヴィア建国当時~1922年頃までの旧オーストリア・ハンガリー帝国地域のチェインブレーカーを中心とした郵便史

210113 2次15 para, 3枚貼り国内書留便

2010年07月25日 10時30分07秒 | 封書
210113 2次15 para, 3枚貼り国内書留便

切手:
スロヴェニア・チェインブレーカー2次
Mi.122, 15 para, 3枚
合計 45 para

宛先: Ljubljana (スロヴェニア)

書留用証示印: R No 4665 (Noはローマ字とキリル文字の二文字表記)
鉛筆手書きPriporoceno(スロヴェニアで書留という意味)

郵便料金
国内料金
書状: 20gまで25 para
書留: 20 para
合計: 45 para (貼りつけ切手と一致)

消印:
MARIBOR 1 13. I. 21. 12 1a
MARIBOR 1郵便局1921年1月13日12時、消印識別記号1a
上側がローマ字、下側がキリル文字(セルビア人の使用する文字)の二文字表記の新しいユーゴスラヴィアの全国統一型消印

到着印: 無し

210111 15 vinar石版への加刷不足切手50 paraの使用例

2010年07月18日 15時08分32秒 | 封書
210111 15 vinar石版への加刷不足切手50 paraの使用例

郵便物発送地の消印
MARIBOR 1 11. I. 21. 16 1c
MARIBOR 1郵便局1921年1月11日16時、消印識別記号1c
上側がローマ字、下側がキリル文字(セルビア人の使用する文字)の二文字表記の新しいユーゴスラヴィアの全国統一型消印

二文字表記の新しいユーゴスラヴィアの全国統一型消印
スロヴェニア、クロアチア、ダルマチアでは、普段使用する文字がローマ字であることに配慮して上側がローマ字、下側がキリル文字となっています。
一方、セルビア人の住むボスニア・ヘルツェゴビナ、ヴォイヴォディナ、セルビア、そしてセルビア人に近い人々の住むモンテネグロでは、普段使用する文字がキリル文字であることに配慮して上側がキリル文字、下側がローマ字の表記になっています。
日付けは、左から「日、月、年、時間」の順です。

宛先: Zagreb (クロアチア)

不足表示
ハンドスタンプT、黒鉛筆 50 para
赤鉛筆 T 2-

不足切手
Mi.47, 15 vinar石版への加刷50 para
加刷の台切手の15 vinar石版切手は、タイプ33、シート2、pos.83です。

不足料金
国内封書料金は25 para
不足料金は不足額の2倍のため50 para (2 Krona)
これは、貼り付けた不足切手50 paraと不足表示50 para及び2-の記載と一致

不足切手の消印
ZAGREB N1N 12 JAN. 921. N9
D欄は櫛型
クロアチアZAGREB1郵便局1921年1月12日昼間9時、消印識別記号N
このZAGREB1郵便局の消印は、D欄のハンガリー王の王権を象徴する「イシュトヴァーン・クラウン」と呼ばれる王冠が消印から削除され、櫛型に置換されています。
そして、ハンガリー式消印の年月日の表示順序は、左から右に「年・月・日」ですが、これはユーゴスラヴィア式の左から右に「日・月・年」に変更されています。
クロアチアの首都でありながら、ハンガリー型消印を使い続け、ユーゴ化するのを拒んでいたザグレブ1郵便局も、1921年1月になってやっとユーゴ化を受け入れたようです。
それだけ、クロアチア人の反セルビア感情は強かったということなのでしょう。

201222裏 Mokronog地方裁判所の返送受領書

2010年07月11日 12時57分47秒 | 封書
201222裏 Mokronog地方裁判所の返送受領書

Rek. Nr. 447 書留番号447
意味不明の番号 1237

左側の郵便印
TREBELNO 24. XII. 20 *a*
TREBELNO郵便局 1920年12月24日、消印識別記号a
TREBELNOの名前は、ドイツ語もスロヴェニア語も同じ名前です。

右側の郵便印
MOKRONOG 24. XII. 20 b
MOKRONOG郵便局 1920年12月24日、消印識別記号b
ドイツ語名Nassenfußを削除してスロヴェニア語名Mokronogだけにしてユーゴ化した消印

このMokronog地方裁判所からの郵便物及び返送受領書の配達経路
Mokronog地方裁判所からの発送: 1920年12月22日
MOKRONOG郵便局消印: 1920年12月24日---MOKRONOG郵便局からの発送印と推定
TREBELNO郵便局消印: 1920年12月24日---TREBELNO郵便局の到着印と推定
Trebelno近くのMirna vas št.5のG. Aloyzija Skušekによる受取: 1920年12月28日
TREBELNO郵便局消印: 1920年12月29日---TREBELNO郵便局の事務処理印またはこの郵便局からの返送受領書の発送印と推定

201222表 Mokronog地方裁判所の返送受領書

2010年07月11日 12時56分22秒 | 封書
201222表 Mokronog地方裁判所の返送受領書

オーストリア帝国時代のドイツ語とスロヴェニア語の二ヵ国語表記のMokronog地方裁判所の返送受領書
備考: このRückschein返送受領書は、郵便局に常備されている通常のものではなく、Mokronog地方裁判所専用にあらかじめ印刷されていた特殊なものであり、稀な使用例であると考えられます。

以下にドイツ語部分を翻訳します

Rückschein返送受領書

備考:このドイツ語表記Rückscheinは濃い青色の鉛筆で抹消されており、これも新国家建国後のユーゴ化の実例です。
オーストリア帝国のRückschein返送受領書の制度に関しては以下のドイツ語文献があります。
出典: Altösterreich – Lexikon p.219
翻訳: 受取人にサインさせて差出人に引き渡さねばならない返送受領書の発送を封書差出の際に望むならば、所定の料金は差出の際に封書に対して納付するものとする。

des k. k. Bezirksgerichtes in Nassenfuß
ドイツ語名Nassenfuß (スロヴェニア語名Mokronog)の帝国及び王国の地方裁判所
備考: この町はスロヴェニアの首都リュブリャナの東南東約50 kmの町です。

Sendung: Sklepz dne 22/12 20 A86/13/7
発送: Sklepz 日付け1920年12月22日 A86/13/7
備考: Sklepzの意味は不明です、この郵便物をMokronog地方裁判所が発送した日は1920年12月22日、A86/13/7は郵便物の番号だと思われます。

Empfänger: G. Aloyzija Skušek Mirna vas št.5 p. Trebelno
受取人: Trebelno近くのMirna vas št.5のG. Aloyzija Skušek (受取人名)

Ich bestätige mit meiner・・・以下のドイツ語文章の翻訳
私は上述の記号のついた郵便物を今日受け取ったことを、私のサインにより保証する。
am 28/12 1920 1920年12月28日

Zugestellt durch den beeideten Besteller:
宣誓した配達者により配達された:
サイン Aloyzija Skušek
備考: サインの下の鉛筆書きは判読不能です

右上の部分のDa die Annahme・・・以下のドイツ語文章の翻訳
受取人に拒絶されたので、受取人が見当たらず代理配達ができないので、文書は署名された郵便局に供託された。
備考: この部分は、受取拒絶、受取人不明により配達できなかった場合のための書式です。

右下の郵便印
TREBELNO 29. XII. 20 *a*
TREBELNO郵便局 1920年12月29日、消印識別記号a
TREBELNOの名前は、ドイツ語もスロヴェニア語も同じ名前です。

201214裏 発行数の少ない20 para貼り、スイス宛て

2010年07月04日 19時48分54秒 | 封書
201214裏 発行数の少ない20 para貼り、スイス宛て

切手:
スロヴェニア・チェインブレーカー
1次

Mi.101, 10 vinar凸版、平滑白紙、ノコギリルレット目打ち
Mi.102, 15 vinar凸版、普通目打ち11 1/2、上耳紙付き、上無目打ち
Mi.102, 15 vinar凸版、ノコギリルレット目打ち

到着印: スイス
GRENCHEN 20. XII. 20. -8
スイスのGRENCHEN郵便局 1920年12月20日8時

201214表 発行数の少ない20 para貼り、スイス宛て

2010年07月04日 19時47分38秒 | 封書
201214表 発行数の少ない20 para貼り、スイス宛て

切手:
スロヴェニア・チェインブレーカー
1次

Mi.101, 10 vinar凸版、平滑白紙、ノコギリルレット目打ち
Mi.102, 15 vinar凸版、
普通目打ち11 1/2、上耳紙付き、上無目打ち
ノコギリルレット目打ち
計40 vinar (10 para)
2次

Mi.121, 10 para
Mi.122, 15 para
Mi.123, 20 para
Mi.126, 45 para
合計 100 para

備考:
2次チェインブレーカーの20 paraは、発行数が20万5000枚であり、2次チェインブレーカーの中では発行数が最も少ない切手です。
このため、コレクターをだますための偽物も発行当時から作られていますし、消印の読める使用済みもほとんどなく、カバーは珍しいものです。もし運良く出会ったら、入手されることをお勧めします。

宛先: Grenchen(スイス)

書留用証示印: R No 505 (Noはローマ字とキリル文字の二文字表記)

郵便料金
外国料金
書状: 20gまで50 para
書留: 50 para
合計: 100 para (貼り付け切手と一致)

消印: LJUBLJANA 6 14. XII. 20 b
スロヴェニアのLJUBLJANA 6郵便局 1920年12月14日、消印識別記号b
スロヴェニア語表示、ドイツ語表記のLAIBACH 6を削除してユーゴ化した消印。