チェインブレーカー及び関連領域の郵便史

ユーゴスラヴィア建国当時~1922年頃までの旧オーストリア・ハンガリー帝国地域のチェインブレーカーを中心とした郵便史

190801 Odjava 小包料金不足を小包の発送者から徴収2

2007年11月19日 21時11分54秒 | 通知状
190801 Odjava 小包料金不足を小包の発送者から徴収2

ZAGREB2郵便局からKRIŽEVCI郵便局に公用便(普通便)でOdjavaを送り、KRIŽEVCI郵便局で小包発送者から不足料金を徴収して、普通切手で領収してOdjavaに貼り付けて消印し、書留便でZAGREB2郵便局に返送しています。

ZAGREB 919 AUG –1. N10 P2P (1919年8月1日) ハンガリー式消印
ZAGREB 919 AUG –1. N10 J2J (1919年8月1日) ハンガリー式消印
KRIŽEVCI 919 AUG. –3 N8 F (1919年8月3日) ハンガリー式消印
書留ラベル:R Ajanlott Križevci 837

参考文献
(1)Arge der Balkan Länder, No. 130, p.6-13, (1994)
Thomas Artel
Einführung in die Verwnedung von Klebzetteln als besonderer Kennzeichnung von Paketbegleitadressen 郵便小包送票の特別表示事項へのラベルの使用
(2)Jugopošta, Journal of The Yugoslavia Study Group, p.9-14, No.50, 1999
Withdrawal of Mail in Croatia in 1919
(3)Jugopošta, Journal of The Yugoslavia Study Group, p.1-7, No.52, 1999
Correction of my Article, Withdrawal of Mail in Croatia in 1919
上記(2)(3)の研究論文はブログ著者がJugopoštaに報告したものです。


190801 Odjava 小包料金不足を小包の発送者から徴収1

2007年11月19日 21時11分45秒 | 通知状
190801 Odjava 小包料金不足を小包の発送者から徴収1

小包料金不足を小包の発送者から徴収する件に関しては、参考文献(1)に収載されている「ハンガリー及びボスニア・ヘルツェゴビナ用新服務規程 オーストリア帝国商務省 ウィーン 1916年」に以下のように記載されています。

小包 §36 料金及び料金不足
4.不十分な額の切手しか貼られていない小包については、外部交換郵便局は、不足料金を小包送票に記載するものとする。この料金は受取人から徴収する。
受取人が支払いを拒絶する場合には、その小包は配達不能とみなされる。
小包を引き渡した後ではじめて不十分な切手しか貼られていないことに気づいた場合にも、不足額の徴収を試みなければならない。
支払いを拒絶する場合には、その小包の発送郵便局が発送者から不足額を徴収するために通知しなければならない。
外部交換郵便局またはその他の機関から料金不足に責任のある発送郵便局へ通知することについては、所定の手続きをする行政機関の判断にゆだねる。
(ドイツ語文献翻訳を終了)

このように、小包の送料の料金不足額の支払いを小包の受取人が拒否した場合には、配達郵便局は発送郵便局に通知して、小包の発送者から不足の料金を徴収する規定でした。
この通知状は、ハンガリー語 Visszajełentés、セルボクロアート語 Odjava、ドイツ語 Rückmeldungと呼ばれていました。

この記事の画像で示しているのは、クロアチアで使用された旧ハンガリー王国の書式のOdjavaの使用例です。
書式で使用されている言語は、ハンガリー語とセルボクロアート語です。

この書式の記載内容は以下のような内容になります。
1919年7月24日のKRIŽEVCIのJosef Steinerから発送された小包番号No. 208, 210, 211の重さ各々10kgの小包の発送料は、本来それぞれ5K50f徴収すべきところを誤って4K60fしか徴収していませんでした。このため小包1個当り90f、3個で合計270f不足しています。
この場合には、先にご紹介した規定に従い、小包の受取人が不足料の支払いを拒んだため、小包の発送者から不足料金を徴収するように、ZAGREB 2郵便局が1919年8月1日付けでKRIŽEVCI郵便局に通知しています。

Odjavaを作成した郵便局の郵便印:
ZAGREB 919 AUG –1. N10 P2P (1919年8月1日) ハンガリー式消印

切手
クロアチア正刷20 filir (Mi.92)
スロヴェニア50 vinar (Mi.107目打ち後に糊引き)、2 Krona (Mi.110 目打ち後に糊引き)
合計 270 filir (小包3個分の不足額と一致)
Odjavaの場合には小包の発送者から発送料金の不足額を徴収するので、不足切手ではなく普通切手で領収されます。文献で報告されている他の使用例でもこの場合と同様に普通切手が使用されており、不足切手は使用されていません。(参考文献(2)(3))

切手の消印
KRIŽEVCI 919 AUG. –3 N8 F (1919年8月3日) ハンガリー式消印

備考
スロヴェニア50 vinarと2 Kronaは、目打ち後に糊引きされ目打ち穴が糊で埋まって切り離し難いため、ハサミで切り離されています。


参考文献
(1)Arge der Balkan Länder, No. 130, p.6-13, (1994)
Thomas Artel
Einführung in die Verwnedung von Klebzetteln als besonderer Kennzeichnung von Paketbegleitadressen 郵便小包送票の特別表示事項へのラベルの使用
(2)Jugopošta, Journal of The Yugoslavia Study Group, p.9-14, No.50, 1999
Withdrawal of Mail in Croatia in 1919
(3)Jugopošta, Journal of The Yugoslavia Study Group, p.1-7, No.52, 1999
Correction of my Article, Withdrawal of Mail in Croatia in 1919
上記2つの研究論文はブログ著者がJugopoštaに報告したものです。