チェインブレーカー及び関連領域の郵便史

ユーゴスラヴィア建国当時~1922年頃までの旧オーストリア・ハンガリー帝国地域のチェインブレーカーを中心とした郵便史

191208 SRJEMSKI KARLOVCI郵便局, 1 Krona 1枚貼り

2012年07月29日 09時30分19秒 | 郵便為替
191208 SRJEMSKI KARLOVCI郵便局, 1 Krona 1枚貼り

郵便為替証書
オーストリア・ハンガリー帝国時代のハンガリー語とクロアチア語表記
額面印紙 2 fillér が印刷されている郵便為替証書

切手
スロヴェニア・チェインブレーカー
Mi.109, 1 Krona、ノコギリルレット目打ち
合計 1 Krona

郵便為替料金
全国統一料金: 国内郵便為替料金
全ての料金は郵便為替の発送者から徴収する。
1. 1919年7月1日~1920年5月15日
25 Kronen以下-----25 vinar
25 Kronenを越えて50 Kronen以下-----50 vinar
50 Kronenを越えて100 Kronen以下-----60 vinar
100 Kronenを越えて100 Kronen毎に-----10 vinarを加算
支払い(払い出し)料金、全ての為替金額に対して-----10 vinar

料金計算
300 Kronenを越えて400 Kronen以下-----90 vinar
支払い(払い出し)料金、全ての為替金額に対して-----10 vinar
合計 100 vinar (1 Krona)
右上角の為替料金記載欄の黒インクの記載1Kと一致
この使用例では、郵便為替証書の販売価格引き上げ分を切手で追加貼り付けする措置は行われていない。

消印
SRJEMSKI KARLOVCI 919 DEC -8 N12
ヴォイヴォディナのSRJEMSKI KARLOVCI郵便局1919年12月8日、昼間12時
D欄にイシュトヴァン・クラウンと呼ばれるハンガリー王冠の入ったハンガリー型の消印

現在の町の名前はSremski Karlovci
Wikipediaでは下記のアドレスに町の情報が記載されています
http://en.wikipedia.org/wiki/Sremski_Karlovci

SRJEM(SREM)地域については下記の解説があります
http://dbpedia.org/page/Syrmia
スレム(セルビア語:Срем / Srem)、スリイェム(クロアチア語:Srijem)、セレームあるいはセレームシェーグ(ハンガリー語:Szerém, Szerémség)、シルミア(ラテン語:Syrmia)、シルミエン(ドイツ語:Syrmien)は、ヨーロッパ中部のパンノニア平原の一角を占める肥沃な平地であり、ドナウ川とサヴァ川に挟まれた地域を指す。1991年以降、この地域の東部はセルビア、西部はクロアチアの領土となっている。 セルビア領の部分のほとんどがヴォイヴォディナ自治州のスレム郡か南バチュカ郡の領域であり、一部がベオグラード市のゼムン、スルチンおよびノヴィ・ベオグラード(Novi Beograd)の各自治体の領域となっている。クロアチア領の部分はヴコヴァル=スリイェム郡に含まれ、同国領土の東端を成している。

スレム郡については下記のサイトに解説があります
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%AC%E3%83%A0%E9%83%A1?uselang=ja

191207 ヴォイヴォディナで郵便為替証書代金の収入印紙として3 vinar切手を加貼り

2012年07月22日 15時41分21秒 | 郵便為替
191207 ヴォイヴォディナで郵便為替証書代金の収入印紙として3 vinar切手を加貼り

郵便為替証書
ユーゴスラヴィアの新形式の郵便為替証書、額面印紙は印刷されていない、クロアチア語表記

切手
スロヴェニア・チェインブレーカー
Mi.99, 3 vinar石版
Mi.101, 10 vinar凸版, ノコギリルレット目打ち
Mi.107, 50 vinar, ノコギリルレット目打ち
合計 63 vinar

郵便為替料金
全国統一料金: 国内郵便為替料金
全ての料金は郵便為替の発送者から徴収する。
1. 1919年7月1日~1920年5月15日
25 Kronen以下-----25 vinar
25 Kronenを越えて50 Kronen以下-----50 vinar
50 Kronenを越えて100 Kronen以下-----60 vinar
100 Kronenを越えて100 Kronen毎に-----10 vinarを加算
支払い(払い出し)料金、全ての為替金額に対して-----10 vinar

為替料金計算
25 Kronenを越えて50 Kronen以下-----50 vinar
支払い(払い出し)料金、全ての為替金額に対して-----10 vinar
郵便為替証書の販売価格引き上げにより、郵便為替証書代金の収入印紙として3 vinar切手を加貼り
合計 63 vinar
注意: 右上角に黒インクで63の記載がある。この部分は通常、郵便為替料金が記載される欄であるため、63は為替送金料金60vinarと為替証書料金(収入印紙)3vinarの合計額を表すと考えられる。

消印
SRIJEMSKI KARLOVCI 919 DEC -7 N12
ヴォイヴォディナのSRIJEMSKI KARLOVCI 郵便局1919年12月7日 昼12時
D欄にイシュトヴァン・クラウンと呼ばれるハンガリー王冠の入ったハンガリー型の消印
現在の町の名前はSremski Karlovci
Wikipediaでは下記のアドレスに町の情報が記載されています
http://en.wikipedia.org/wiki/Sremski_Karlovci


郵便為替証書の代金(収入印紙)としての切手の使用について
出典: Nachrichtenblatt der Arbeitsgemeinschaft Jugoslawien und Nachfolgestaaten 97-98/2006, p.1931-1945 (2006)
Prof. Dr.-Ing. Klaus Wieland
SHS 1918 bis 1921: Fiskalische Zusatzfrankaturen auf Postanweisungs-Formularen
SHS 1918年-1921年: 郵便為替証書への収入印紙としての追加貼り付け

2.ザグレブ、ノヴィサド(ナギ ベチュケレク)、スプリト郵政局管内(クロアチア、スラヴォニア、ヴォイヴォディナ、ダルマチア地方)の郵便為替証書への切手の追加貼り付け(証書料金の収入印紙として使用)

1918年には、ハンガリー地域(クロアチア、スラヴォニア、ヴォイヴォディナ)では、額面印紙2 fillérが印刷された通常のハンガリーの郵便為替が使用されていた。
この他に、額面印紙の印刷されていないNachnahme-Postanweisung(着払い郵便為替)とInternationale- Postanweisung(国際郵便為替)が存在していた。

この地域の郵便為替証書の価格の値上げに関する公文書を著者は入手していない。
著者の経験では、1918年12月から1920年3月まで、額面印紙の印刷されていない郵便為替は2 fillér または3 fillér切手を追加貼り付けされて使用された、しかし、この追加貼りつけをしなかった郵便局もある。
1918年12月から1919年3月まで、額面印紙の印刷されていない郵便為替は2 fillér切手を追加貼り付けされて使用された、しかし、この追加貼りつけをしなかった郵便局もある。
1919年3月以降は、額面印紙の印刷されていない郵便為替では、2 fillér (後に3 fillér)切手を追加貼り付けしていない使用例を著者は知らないと記載している。
また、この追加貼り付けの規定が郵便局で例外なく適用されたと著者は推定している。
額面印紙2 fillérが印刷された通常のハンガリーの郵便為替は、1920年6月まで使用され、恐らく使い尽くされたか、あるいは後に10 filirの加刷をされた(後述)。
1919年中頃に、郵便為替の価格が3 filirに値上げされ、額面印紙「Pošta Kraljevstva SHS 3 fil」と印刷された新しい郵便為替が登場した。
この新郵便為替証書の早期使用は1919年7月7日(ZAGREB 6)、後期使用は1920年9月である。
1919年7月から1920年3月には、額面印紙の印刷されていない郵便為替では、3 filirの追加貼りつけを必要とした。
1920年9月の3 filir追加貼りつけの後期使用例が、ダルマチア地方のスプリト郵政局管内で少数例が知られている。

191204 ダルマチアでのチェインブレーカーとオーストリア2Kronenの混貼り

2012年07月16日 11時12分22秒 | 郵便為替
191204 ダルマチアでのチェインブレーカーとオーストリア2Kronenの混貼り

郵便為替証書
オーストリア・ハンガリー帝国時代のダルマチア地方用のドイツ語・セルボクロアート語・イタリア語の三ヶ国語表記
額面印紙の印刷されていない郵便為替証書

切手
オーストリア帝国普通切手
Mi.208, 2Kronen
スロヴェニア・チェインブレーカー
Mi.107, 50 vinar, 目打ち穴が糊で埋まっている
合計 250 vinar

郵便為替料金
全国統一料金: 国内郵便為替料金
全ての料金は郵便為替の発送者から徴収する。
1. 1919年7月1日~1920年5月15日
25 Kronen以下-----25 vinar
25 Kronenを越えて50 Kronen以下-----50 vinar
50 Kronenを越えて100 Kronen以下-----60 vinar
100 Kronenを越えて100 Kronen毎に-----10 vinarを加算
支払い(払い出し)料金、全ての為替金額に対して-----10 vinar


(2)料金計算
1800 Kronenを越えて1900 Kronen以下-----240 vinar
支払い(払い出し)料金、全ての為替金額に対して-----10 vinar
合計 250 vinar
この使用例では、郵便為替証書の販売価格引き上げ分を切手で追加貼り付けする措置は行われていない。

消印
STARI -4 XII. 19 c
ダルマチアのSTARI郵便局1919年12月4日、消印識別記号c
オーストリア帝国時代の消印

為替記号
黒色の正方形の箱型の証示印VI 33
これはSTARI郵便局を表すと考えられます


191203裏 ダルマチアIMOTSKI郵便局 オーストリア帝国普通切手との混貼り

2012年07月08日 17時05分07秒 | 郵便為替
191203裏 ダルマチアIMOTSKI郵便局 オーストリア帝国普通切手との混貼り

切手
オーストリア帝国普通切手
Mi.186, 5 heller
Mi.222, 20heller
スロヴェニア・チェインブレーカー
表側
Mi.109, 1 Krona、目打ち穴が糊で埋まっている
裏側
Mi.103, 20 vinar凸版、4辺がノコギリルレット目打ち, 2枚
合計 165 vinar

到着印
SPLIT SPALATO 7 12 19 a
クロアチア語名SPLIT、イタリア語名SPALATO郵便局、1919年12月7日、消印識別記号a
オーストリア帝国時代のクロアチア語・イタリア語二ヶ国語表示の消印 (この後しばらくするとユーゴ化されてイタリア語表記のSPALATOは削除されます)

受取人サイン日付: 9/12 919
1919年12月9日

191203ダルマチアIMOTSKI郵便局 オーストリア帝国普通切手との混貼り

2012年07月08日 17時03分48秒 | 郵便為替
191203ダルマチアIMOTSKI郵便局 オーストリア帝国普通切手との混貼り

郵便為替証書
オーストリア・ハンガリー帝国時代のダルマチア地方用のドイツ語とクロアチア語表記の額面印紙の印刷されていない郵便為替証書

切手
オーストリア帝国普通切手
Mi.186, 5 heller
Mi.222, 20heller
スロヴェニア・チェインブレーカー
表側
Mi.109, 1 Krona、目打ち穴が糊で埋まっている
裏側
Mi.103, 20 vinar凸版、4辺がノコギリルレット目打ち, 2枚
合計 165 vinar

郵便為替料金
全国統一料金: 国内郵便為替料金
全ての料金は郵便為替の発送者から徴収する。
1. 1919年7月1日~1920年5月15日
25 Kronen以下-----25 vinar
25 Kronenを越えて50 Kronen以下-----50 vinar
50 Kronenを越えて100 Kronen以下-----60 vinar
100 Kronenを越えて100 Kronen毎に-----10 vinarを加算
支払い(払い出し)料金、全ての為替金額に対して-----10 vinar

(2)料金計算
900 Kronenを越えて1000 Kronen以下-----150 vinar
支払い(払い出し)料金、全ての為替金額に対して-----10 vinar
合計 160 vinar
為替金額の記載は1000 Kroneとなっており、この金額に相当するのは160 vinar = 1.60 Kroneです。
これはスロヴェニア・チェインブレーカー1 Krona切手の右横の黒鉛筆の記載1.60と一致しています。

切手は165 vinar貼られているのに対して、為替金額1000 Kroneに相当する料金は160 vinarですから、この使用例では5 vinar分の切手が余分に貼られている計算になります。
このため、ダルマチアのこの使用例では、郵便為替証書の販売価格引き上げ分として5 vinarを切手で追加貼り付けしたと考えられます。

尚、郵便為替証書の販売価格引き上げ分を切手で追加貼り付けした使用例を研究した下記のドイツのユーゴスラビア研究会の研究論文には、郵便為替証書の販売価格引き上げ分として5 vinarを切手で追加貼り付けした使用例は報告されていませんので、この使用例は新発見の可能性もあります。
Nachrichtenblatt der Arbeitsgemeinschaft Jugoslawien und Nachfolgestaaten 97-98/2006, p.1931-1945 (2006)
Prof. Dr.-Ing. Klaus Wieland
SHS 1918 bis 1921: Fiskalische Zusatzfrankaturen auf Postanweisungs-Formularen
SHS 1918年-1921年: 郵便為替証書への収入印紙としての追加貼り付け

消印
IMOTSKI. XII. 19 *C*
ダルマチアのIMOTSKI郵便局1919年12月3日、消印識別記号C
オーストリア帝国時代の消印

為替記号
黒色の正方形の箱型の証示印VI 53
これはIMOTSKI郵便局を表すと考えられます

191123ダルマチアSINJ郵便局 オーストリア帝国普通切手との混貼り

2012年07月01日 16時03分39秒 | 郵便為替
191123ダルマチアSINJ郵便局 オーストリア帝国普通切手との混貼り

郵便為替証書
オーストリア・ハンガリー帝国時代のダルマチア地方用のドイツ語とフランス語表記の額面印紙の印刷されていない郵便為替証書

切手
オーストリア帝国普通切手
Mi.195, 50 heller, 2枚
スロヴェニア・チェインブレーカー
Mi.108, 60 vinar
合計 160 vinar

郵便為替料金
全国統一料金: 国内郵便為替料金
全ての料金は郵便為替の発送者から徴収する。
1. 1919年7月1日~1920年5月15日
25 Kronen以下-----25 vinar
25 Kronenを越えて50 Kronen以下-----50 vinar
50 Kronenを越えて100 Kronen以下-----60 vinar
100 Kronenを越えて100 Kronen毎に-----10 vinarを加算
支払い(払い出し)料金、全ての為替金額に対して-----10 vinar

(2)料金計算
900 Kronenを越えて1000 Kronen以下-----150 vinar
支払い(払い出し)料金、全ての為替金額に対して-----10 vinar
合計 160 vinar
ダルマチアのこの使用例では、郵便為替証書の販売価格引き上げ分を切手で追加貼り付けする措置は行われていません。

消印
SINJ 23. XI. 19 *2a*
ダルマチアのSINJ郵便局1919年11月23日、消印識別記号2a
オーストリア帝国時代の消印

為替記号
黒色の正方形の箱型の証示印VI 10
これはSINJ郵便局を表すと考えられます