チェインブレーカー及び関連領域の郵便史

ユーゴスラヴィア建国当時~1922年頃までの旧オーストリア・ハンガリー帝国地域のチェインブレーカーを中心とした郵便史

今後の予定

2007年12月29日 21時00分21秒 | その他
2007年はこれが最後のアップロードになります。
2008年は1月3日から再開する予定です。

これまでは可能な限り毎日アップロードしておりましたが、来年からは仕事が多忙となるため、2日に1回程度のアップロードにする予定です。

200518裏 第4期返送便、特殊な保管料金, 不足切手ウィーン版1, 10 Krona

2007年12月29日 20時55分33秒 | 小包第4期
200518裏 第4期返送便、特殊な保管料金, 不足切手ウィーン版1, 10 Krona

(1)到着印および切手の消印:LJUBLJANA 1 18. V. 20 5c (1920年5月18日)、スロヴェニア語表記、ドイツ語表記LAIBACHを削除してユーゴ化した消印
小包受取人サイン日付:1920年5月18日

(2)ダルマチアのJanjina郵便局での小包の保管料金13 K 80と、小包返送料金9.60 K、合計23 K 40の徴収
スロヴェニア不足切手ウィーン印刷1 Krona(Mi.41II, 発行数10万枚) 3枚
スロヴェニア不足切手ウィーン印刷10 Krona(Mi.43II, 発行数わずか2.5万枚) 2枚, (上側の切手は右側が無目打ち)
スロヴェニア普通切手20 vinar (Mi.103凸版) 2枚、不足を示すTまたはPortoのハンドスタンプ加刷をせずに、普通切手を不足切手として使用しています。
合計23 Krona 40 vinar
尚、不足切手の発行枚数は下記の文献の記載によります:
KATALOG POŠTANSKIH MARAKA JUGOSLOVENSKIH ZEMALJA 1968,
翻訳: ユーゴスラヴィア郵便切手カタログ1968年版
BIRO ZA POŠTANSKE MARKE BEOGRAD 翻訳:ベオグラード郵便切手局

(3)このカバーの希少性の解説
スロヴェニア不足切手ウィーン印刷のKrona単位の高額面の切手は、発行数が少ないためカバーの入手は困難です。
この使用例では、発行数10万枚の1 Kronaが3枚貼られ、さらに発行数わずか2.5万枚の10 Kronaが2枚も貼られています。
発行数が10万枚、2.5万枚と言っただけではとピンと来ないのですが、日本の戦前の記念切手の発行数と比較すると、その少なさの感覚はつかめると思います:
1916年の裕仁立太子記念10銭8.6万枚、
1919年の飛行郵便試験記念1.5銭5万枚、3銭3万枚、
1921年の郵便創始50周年記念10銭10万枚。
これらの日本切手のカバーがどれほど希少なものかは良くご存知のことと思います。
ここでご紹介している小包送票に貼られている発行数10万枚のスロヴェニア不足切手ウィーン印刷1 Kronaは、1921年の郵便創始50周年記念10銭10万枚と同じ発行数であり、それが3枚も貼られています。
そして、発行数わずか2.5万枚のスロヴェニア不足切手ウィーン印刷10 Kronaは、1919年の飛行郵便試験記念3銭3万枚よりも発行枚数が5000枚も少なく、しかもそれが2枚も貼られています。
ほぼ同時代の日本のこれらの戦前の記念切手と、スロヴェニアの不足切手の直接比較は社会的・経済的状況が異なりますので困難ですが、日本人が良く知っている日本切手と比較した方がカバーの価値の類推には役立つと思われますのでご紹介いたしました。

(4)右上の黒色のハンドスタンプMの解説
スロヴェニアの首都リュブリャナのLjubljana 1郵便局だけで使用された、小包の局内管理のためのハンドスタンプがあることが知られており、文献(1)と(2)に次のようにまとめられています。
①A: Amtlich 公用、官用;公用小包の場合に押されており、軍隊宛ての小包にも使用された例が報告されています。
②E: Express 速達;速達扱いの小包送票に押されています。
③M: Magazin 倉庫、貯蔵庫;これはLjubljana 1郵便局の小包私書箱に保管される小包に押されています。
したがって、この使用例に押されているハンドスタンプMは、この小包がLjubljana 1郵便局の小包私書箱に保管されたことを示しています。
この使用例の小包私書箱の保管料金の徴収は、この小包送票では行われておらず、他の小包と一括して別の書式で処理された可能性が高いと思われます。

備考:商人のスタンプ
返送された小包の受取人は、氏名と居住都市Ljubljanaの記載されたスタンプを使用しています。
第1期小包料金の項でご紹介した文献(1)の著者Dr. Helmut Kobelbauerは、「特に、定期的に高頻度に郵便物が届く商人がこの特別サービスを利用した」としています。そして、リュブリャナ1郵便局での使用例を示し、商人が自分の商店の名前の入った楕円形のスタンプを押して受取日を記入している例を紹介しています。また、Dr. Kobelbauerは、「商人はこのようなスタンプを使用するが、個人は通常はこのようなスタンプを使用しない」と記載しています。このような商人のスタンプの存在は、小包私書箱の使用の判断の根拠になるようです。
今ご紹介している使用例で、返送された小包の受取人は、氏名と居住都市Ljubljanaの記載されたスタンプを使用していますので、多量の小包等の郵便物を受け取る商人であると考えられます。

参考文献
(1)H. Kobelbauer
Nebenstempel der Paketabgabe beim Postamt Ljubljana 1
リュブリャナ1郵便局による小包引渡しの証示印
Arge der Balkanländer p.28, No. 161, March, 2003
(2)Helmut Kobelbauer
Ergänzung und Anmerkung 補足および注釈
Nachrichtenblatt der Arbeitsgemeinschaft Jugoslawien und Nachfolgestaaten, p.1673-1675, 85-86/2004

200518表 第4期返送便、特殊な保管料金, 不足切手ウィーン版1, 10 Krona

2007年12月29日 20時54分37秒 | 小包第4期
200518表 第4期返送便、特殊な保管料金, スロヴェニア不足切手ウィーン版1及び10 Krona

小包第3期 スロヴェニアからダルマチア宛て、ダルマチアのJanjina郵便局で長期保管の後に、第4期料金でリュブリャナに返送されて保管料金を徴収

小包送票:ユーゴスラヴィアSHS 16 v(小包送票代金の収入印紙、小包料金に含まない)、スロヴェニア語、ピンク色紙
小包ラベル: Laibach 1 1556 (郵便局名はドイツ語表記)
料金手書き:小包料金: 485 (2 K切手の左側), 代金引換金額332 K(右下)

切手:スロヴェニア25 vinar(Mi.104凸版、左上角にインク斑点)、60 vinar (Mi. 108)、2 Krona (Mi.110、一枚の下に太い枠線) 2枚、合計4 Krona 85 vinar
備考:2 Krona切手のプレーティング:上からpos. 97, 98
プレーティングは、カナダのA.H. Stokes博士の研究資料によるものです。

第3期の料金計算:
重量料金1 kg---3 Krona
価格表記(保険)料金360 K---1.5 Krona
代金引換料金332 K---20 vinar
通知料金---15 vinar
合計4 Krona 85 vinar (料金手書き、貼り付け切手と一致)

消印:LJUBLJANA 1 2? III 20 5b (1920年3月2?日)、スロヴェニア語表記、ドイツ語表記LAIBACHを削除してユーゴ化した消印
参考文献:「ユーゴスラヴィア建国当時のスロヴェニアの消印」
スイスのArge der Balkanländer 会長Thomas Artel氏(スロヴェニア生まれ、スロヴェニア郵便史の大家)よりご提供いただいた資料です。

表側中央下部の小包の取り扱いに関する特別な記載
①返送
natrag = 返送、宛て先のDalmacija Janjinaを抹消
②ダルマチアのJanjina(ヤニナ)郵便局での小包の保管料金の記載
Lz 28/3 – 12/5 13 K 80
解説: Lzは「Lagerzins保管料金」を表し、3月28日から5月12日まで、46日間保管した料金が13 Krone 80 hellerであり、1日あたり30 hellerで計算されています。
第3期の小包私書箱の小包1個当たりの保管料金は、大都市サラエヴェで10 hellerの使用例があり、小さな町では5 hellerと推定されます。
この使用例の「1日あたり30 heller」の保管料金は、小包私書箱の保管料金に比べて非常に高い料金です。現時点ではこの料金を説明する文献資料はありません。
恐らく、郵便局への小包到着を受取人に通知しても受取に来ない小包の保管に関しては、特別な規定があると考えられ、この使用例はその規定が適用された貴重な使用例と考えられます。
③小包返送料金9.60
Janjina郵便局から返送された日付は、消印がありませんから分かりません。
しかし、この9.60 Kronenの料金は第3期の小包料金ではどうやっても説明できず、1920年5月16日からの第4期の料金では下記のように説明できます。
重量料金1 kg---1.5 Dinar (6.0 Kronen)
価格表記(保険)料金360 K---0.3 Dinar (1.2 Kronen)
配達料金---0.6 Dinar (2.4 Kronen)
合計2.4 Dinar (9.6 Kronen)(料金手書きと一致)
④合計金額
②の13 K 80と③の9.60を合計して23 K 40と記載されています。
この金額が、返送先のリュブリャナ1郵便局で小包の発送者から徴収され、不足切手と普通切手で領収されています(裏側参照)。

その他
下部の枠線部分に判読不能の一行のハンドスタンプが押されています。これは、小包の取り扱いに関連するものか、コレクターの収蔵印かは不明です。他にこのスタンプの例をご存知でしたらお教え下さい。

雪深い冬のスロヴェニアとボスニア

2007年12月28日 21時18分21秒 | その他
今使用しているブログのテンプレートは、雪深いスロヴェニアとボスニアの冬をイメージしたものです。

スロヴェニアのジュリアン・アルプスには数多くのスキー場があり、ジャンプの世界大会も開かれています。
一時期、スロヴェニアのスキーのナショナルチームが日本のテレビのスキー用品のコマーシャルに出ていましたから、ご記憶の方もあろうかと思います。

ボスニアのサラエヴォでは冬季オリンピックが開かれ、記念切手も発行されています。
冬季オリンピックのメイン会場は、ボスニア内戦の時には犠牲者の墓場になった映像が世界に配信されていました。
また、アドリア海のアメリカ海軍空母から監視飛行に飛び立った戦闘機が撃墜されて、脱出したパイロットが救出された実話を基にした映画「エニミー・ライン」も冬のボスニアが舞台でした。
多数の犠牲者と難民を生み出した悲惨なボスニア内戦が終わり、サラエヴォに平和が戻った今、いつの日か再びオリンピックが開かれることでしょう。


ユーゴスラヴィア建国当時の通貨単位のまとめ

2007年12月28日 20時16分50秒 | 歴史・社会的状況
ユーゴスラヴィア建国当時の通貨単位のまとめ

1.オーストリア・ハンガリー帝国
①オーストリア帝国、占領下のボスニア・ヘルツェゴビナ: heller, Krone
②ハンガリー王国: fillér, Korona

2.SHS王国建国後、1920年5月15日まで
③スロヴェニア: vinar, Krona
④クロアチア: filir, Kruna
⑤ボスニア・ヘルツェゴビナ: heller, Kruna

小包第1期の郵便料金は旧オーストリア・ハンガリー帝国の料金であるため、この両国の通貨を使って記載します。
SHS王国建国後の各地域で発行された切手の額面は、各地域の通貨単位で記載します。
小額の通貨単位は小文字で記載し、大きい単位は大文字で書き始めます。
尚、1920年5月16日からセルビアとの通貨統合がおこなわれるまでは、上記の①~⑤の通貨の価値は同等でしたので以下の交換レートが成り立ちます:
100 heller = 100 fillér = 100 vinar = 100 filir = 1 Krone = 1 Korona = 1 Krona = 1 Kruna

3. 1920年5月16日からの通貨統一
旧オーストリア・ハンガリー帝国地域の通貨は、価値が4分の1に落とされて、セルビアの通貨に統一されました。
4 heller = 4 fillér = 4 vinar = 4 filir = 1 para
4 Krone = 4 Korona = 4 Krona = 4 Kruna = 1 Dinar
100 para = 1 Dinar

参考文献
(1)MICHEL ÖSTERREICH-SPEZIAL 1990
(2)MICHEL Europa-Katalog Ost 1988/89
(3)MICHEL 1952年版のユーゴスラヴィア (国立国会図書館研究員・田中邦夫氏にご提供いただいたものです)
(4)Stanley Gibbons Stamp Catalogue Part 3 Balkans, 3rd edition, 1987

小包料金 第4期 1920年5月16日~1921年4月30日まで

2007年12月28日 20時16分07秒 | 郵便料金
小包料金 第4期 1920年5月16日~1921年4月30日まで

第2期以降はSHS王国(ユーゴスラヴィア)全土で統一された郵便料金として実施されました。

以下の料金を小包発送者から徴収しました:
(1)重量料金
3 kg以下----------------1.50 Dinar (6.0 Kronen)
3~5 kg以下-----------2.00 Dinar (8.0 Kronen)
5~10 kg以下----------4.00 Dinar (16.0 Kronen)
10~15 kg以下--------6.00 Dinar (24.0 Kronen)
15~20 kg以下--------8.00 Dinar (32.0 Kronen)
(20kgを越える小包は取り扱われませんでした)

(2)かさばる小包:重量料金に対して50%増し
(3)通知料金:10 para (40 vinar)
(4)配達料金:60 para (2.4 Kronen)
(5)速達料金:1.0 Dinar (4.0 Kronen)

(6)代金引換料金(文献(2)の方が分かり易い記述がされています)
(a)200 Dinar以下の代金引換
宛先住所での支払い無し0.8 Dinar (3.2 Kronen)
宛先住所での支払い有り1.0 Dinar (4.0 Kronen)
(b)200 Dinarを越えて1000 Dinar以下の代金引換
宛先住所での支払い無し1.4 Dinar (5.6 Kronen)
宛先住所での支払い有り1.6 Dinar (6.4 Kronen)
備考:
①代金引換の最高金額は1000 Dinar (4000 Kronen)でした。

(7)価格表記(保険)料金
300 Dinar毎に 30 para (1.2 Kronen)

以下の料金は小包の受取人から徴収し不足切手で領収したと考えられます。
(8)小包の保管料金(文献(2))
1日10 para (40 vinar)


参考文献
(1)Nachrichtenblatt der Arbeitsgemeinschaft Jugoslawien und Nachfolgestaaten 47/93, p.732-735 (1993)
Pror. Dr.-Ing. Klaus Wieland
Ausgewählte Postgebühren in Slowenien 1918 bis 1921
スロヴェニアにおける1918年~1921年までの郵便料金選集
(2)代金引換料金、及び小包の保管料金に関しては
Nachrichtenblatt der Arbeitsgemeinschaft Jugoslawien und Nachfolgestaaten 38/89, (1989),
Beilage Nr.2 DIE POSTGEBÜREN IN KÖNIGTRICH DER SERBEN, KROATIEN UND SLOWENIEN 1919-1922
付録No.2 セルビア人、クロアチア人、及びスロヴェニア人の国の郵便料金1919-1920

チェインブレーカーの有効期限

2007年12月28日 20時15分24秒 | スロヴェニア切手
チェインブレーカーの有効期限

vinar, Krona通貨の1次チェインブレーカーの普通切手、及びpara, Dinar通貨の2次チェインブレーカーの普通切手は、1921年4月15日まで有効でした。
これに関して、Priručnik Maraka Jugoslavenskih Zemalja, p.11に次のように書かれています:
『普通切手は1921年4月15日まで有効であった。この日以降は新共通切手(アメリカで印刷)を使用しなければならなかった。そして古い切手は郵政局へ返却された。』

1次チェインブレーカーは、額面及び印刷方式により印刷された時期が大きく異なるため、使用された期間は11ヶ月(15及び20 Krona)~2年3ヶ月(10及び20 vinar石版)であり、2次チェインブレーカーが使用された期間は10ヶ月間です。

リュブリャナで発行された不足切手(vinar, Krona通貨、及びpara, Dinar通貨)は、1921年11月2日までの使用期限でした。
これに関して、Priručnik Maraka Jugoslavenskih Zemalja, p.730に次のように書かれています:
『不足切手の使用禁止
1921年10月22日、P.T.T. No. 63291の郵政省令が官報Služubeni list No. 13/1921に公示され、リュブリャナ発行の不足切手の回収が命令され、全国共通の不足切手の使用が命じられた。
これら(訳注:リュブリャナ発行の不足切手)は、1921年11月2日までの使用期限であった。』

1920年5月16日からの通貨統一

2007年12月28日 20時14分39秒 | 歴史・社会的状況
1920年5月16日からの通貨統一

旧オーストリア・ハンガリー帝国地域の通貨は、価値が4分の1に落とされて、セルビア王国の通貨に統一されました。
4 heller = 4 fillér = 4 vinar = 4 filir = 1 para
4 Krone = 4 Korona = 4 Krona = 4 Kruna = 1 Dinar
100 para = 1 Dinar
通貨統一以降も、小包料金が旧通貨の単位で小包送票に記載されているものが数多くあります。

新通貨の切手はスロヴェニアのリュブリャナで印刷され、通貨統一より約1ヶ月遅れて1920年6月24日に発行されました(2次チェインブレーカー)。
これらは、旧オーストリア・ハンガリー帝国領とボスニア・ヘルツェゴビナで使用されました。

備考:
クロアチアのザグレブ、及びボスニア・ヘルツェゴビナのサラエヴォでは、新通貨による切手は発行されず、スロヴェニアのリュブリャナで印刷された新通貨の切手が使用されました。
セルビアとモンテネグロでは、セルビア王国の切手がそのまま使用されていました。
アメリカで印刷された全国共通の普通切手が発行されたのは、1921年1月16日でした。

200515表 50 vinar 19枚貼り、小包第3期最終日の使用例

2007年12月27日 21時45分34秒 | 小包第3期
200515表 50 vinar 19枚貼り、小包第3期最終日の使用例

小包第3期 スロヴェニア地域内小包
小包送票:ユーゴスラヴィアSHS 16 v(小包送票代金の収入印紙、小包料金に含まない)、スロヴェニア語、灰白色紙、代金引換の無い小包送票
小包ラベル:消印CELJE 15. V. 20 –(1920年5月15日、スロヴェニア語表記) 191
料金手書き:中央左に915, 75, 990の鉛筆による記載

切手:スロヴェニア20 vinar (Mi.103凸版)2枚、50 vinar (Mi.107) 19枚、合計9 Krona 90 vinar

料金計算:
重量料金6 kg---9.0 Krona
価格表記(保険)料金100 K---75 vinar
通知料金---15 vinar
合計9 Krona 90 vinar (料金手書きに一致、貼り付け切手に一致)

消印:CELJE 15. V. 20 –*3a*(1920年5月15日)、スロヴェニア語表記
備考
小包ラベルの数字191の上の15-5-20の鉛筆による書き込みは、消印の日付と一致していますが、これは後でコレクターか切手商が書き込んだものと思われます。

200422裏 小包第3期 スロヴェニア10 Krona +ボスニア・ヘルツェゴビナ混貼り

2007年12月26日 21時21分17秒 | 小包第3期
200422裏 小包第3期 スロヴェニア10 Krona +ボスニア・ヘルツェゴビナ混貼り

到着印:TREBINJE 23 VI 20 a (1920年6月23日)、ドイツ語のK. UND K. MILIT. POSTを削除してユーゴ化した消印。活字VIは誤植で正しくはIVです。
引渡し印:TREBINJE 24 IV 20 (1920年4月24日)、ドイツ語のK. UND K. MILIT. POSTを削除してユーゴ化した消印。到着印とは郵便局名の活字の字体が異なっています。
小包受取人サイン日付:1920年4月24日

200422表 小包第3期 スロヴェニア10 Krona +ボスニア・ヘルツェゴビナ混貼り

2007年12月26日 21時19分30秒 | 小包第3期
200422表 小包第3期 スロヴェニア10 Krona +ボスニア・ヘルツェゴビナ混貼り

小包第3期 ボスニア・ヘルツェゴビナ地域内便
小包送票:オーストリア・ハンガリー帝国占領下のボスニア・ヘルツェゴビナ8 heller(剣)の小包送票に、ローマ字でKRALJEVSTVO Srba, Hrvata, i Slovenaca と加刷 (小包送票代金の収入印紙、小包料金に含まない)、ドイツ語・セルボクロアート語、価格表記あり、ピンク色がかった紙

小包ラベル:Sarajevo H. P. A. 341
その他のラベル: 白色紙に赤字でV;セルボ・クロアート語でVriednost価格表記(保険)付きを示す。このラベルは、オーストリア・ハンガリー帝国時代のドイツ語やハンガリー語表記のラベルとは字体が全く異なっているため、ユーゴスラヴィアの書式と考えています。
料金手書き:1090

切手:スロヴェニア50 vinar (Mi.107、目打ち後に糊引き)、10 Krona(Mi.112)
ボスニア・ヘルツェゴビナDRŽAVA SHS(キリル文字)加刷40 heller(Mi.7)、
合計10 Krona 90 vinar
備考:
スロヴェニア50 vinar は目打ち後に糊引きされたため、目打ち穴が糊でふさがれ切手の切り離しの際に切りにくくなり、隣の切手の目打ちが付着しています。

料金計算:
重量料金8.7 kg---9.0 Kruna
価格表記(保険)料金1000K---1.5 Kruna
代金引換料金1000K ---20 heller
通知料金---15 heller
合計10 Kruna 85 heller (貼り付け切手は、5 heller過剰)

消印:SARAJEVO 22 IV 20 g (1920年4月22日)、ドイツ語のK. UND K. MILIT. POSTを削除してユーゴ化した消印。

参考文献:小包送票の表示及びラベル
Arge der Balkan Länder, No. 130, p.6-13, (1994)
Thomas Artel
Einführung in die Verwnedung von Klebzetteln als besonderer Kennzeichnung von Paketbegleitadressen 郵便小包送票の特別表示事項へのラベルの使用
備考:各種表示に関しては、規定のラベルを貼る代わりに、手書きで表示することも許されていました。

200409裏 第3期 小包私書箱保管料金の一括処理、90 hellerの不足切手を貼り付け

2007年12月25日 21時49分10秒 | 小包第3期
200409裏 第3期 小包私書箱保管料金の一括処理、90 hellerの不足切手を貼り付け

到着印:不足切手の下、BILECA 13. IV. 20 b (1920年4月13日)、ドイツ語のK. UND K. MILIT. POSTを削除してユーゴ化した消印。
小包受取サイン日付:1920年4月20日

小包私書箱の保管料金90 heller
証示印及び書込み: AUSGEFOLGT LAGERZINS -K. 90 h.
AUSGEFOLGTは「交付された」という意味であり、小包の受取人への引渡しを示します。LAGERZINSは「保管料金」という意味です。
不足切手:ボスニア・ヘルツェゴビナKRALJEVSTVO SRBA HRVATA I SLOVENACA(ローマ字)加刷不足切手10 heller(Mi. 16) 9枚ブロック、合計90 heller
消印:BILECA 20. IV. 20 b (1920年4月20日)、ドイツ語のK. UND K. MILIT. POSTを削除してユーゴ化した消印。

料金解析:
第3期の大都市サラエヴェにおける小包私書箱の保管料金は、私の持っている2つの使用例によれば1個当たり10 hellerでした(私のコレクションの「200301裏 第3期 サラエヴォ小包私書箱の保管料金10 heller」および「200301裏 第3期 現金支払い、サラエヴォ小包私書箱の保管料金10 heller」を参照)。
小包の第1期および第2期の小包私書箱の保管料金は、大都市のサラエヴェとモスタルでは1個10 hellerで、その他の都市では1個5 hellerでした。
このため、文献資料はありませんが、第3期でも大都市のサラエヴェとモスタルでは1個10 hellerで、その他の都市では1個5 hellerであると考えられます。
この使用例のBILECAは小さな町ですから、小包私書箱の保管料金は1個5 hellerであると考えられます。このため、この場合は小包18個分の5×18=合計90 hellerの保管料金をこの小包送票で事務処理したと考えられます。
このように、小包私書箱の保管料金は、小包私書箱にたまっている数多くの小包の保管料金を一括して処理することが多いため、小包送票に保管料金徴収のための不足切手が貼られていることの方が少なく、小包引渡しを示す証示印だけが押されている場合の方が多くなったと考えられます。
この一括処理の存在が、私の所有している「不足切手が貼られていない数多くの使用例」でご紹介したように、
①サラエヴォ郵便局における、上の欄のAUSGEFOLGTが削除された小包引渡しを示す箱型の日付印だけが押された使用例の存在、
②小さな都市でAUSGEFOLGT LAGERZINS K. h.だけが押された使用例の存在
の理由であり、このような場合は、他の小包送票に保管料金相当額の不足切手を貼り付けて一括処理されたと考えられます。
このため、小包私書箱の保管料金の徴収を示す不足切手の貼られた使用例は、郵便史的に価値が高いと考えられます。

200409表 第3期 小包私書箱保管料金の一括処理、90 hellerの不足切手を貼り付け

2007年12月25日 21時48分22秒 | 小包第3期
200409表 第3期 小包私書箱保管料金の一括処理、90 hellerの不足切手を貼り付け

小包第3期 ボスニア・ヘルツェゴビナ地域内便
小包送票:オーストリア・ハンガリー帝国占領下のボスニア・ヘルツェゴビナ10 heller(剣)の小包送票に、キリル文字でKRALJEVSTVO S.H.S. 12 hと加刷 (小包送票代金の収入印紙、小包料金に含まない)、ドイツ語・セルボクロアート語、白紙

小包ラベル:Mostar 1 557
料金手書き:無し

切手:スロヴェニア5 vinar(Mi.100凸版)、50 vinar(Mi.107) 4枚、5 Krona(Mi.111)
合計7 Krona 5 vinar

料金計算:
重量料金3.6 kg---4.5 Kruna
価格表記(保険)料金100 K---75 heller
配達料金---1.8 Kruna
合計7 Kruna 5 heller (貼り付け切手に一致)

消印:MOSTAR 9. IV. 20. IX- b (1920年4月9日)、ドイツ語のK. UND K. MILIT. POSTを削除してユーゴ化した消印。