チェインブレーカー及び関連領域の郵便史

ユーゴスラヴィア建国当時~1922年頃までの旧オーストリア・ハンガリー帝国地域のチェインブレーカーを中心とした郵便史

H. 郵便小切手

2008年06月25日 19時48分30秒 | 郵便料金
H. 郵便小切手
郵便小切手は、スロヴェニアのリュブリャナ郵政局管内で見られ、1922年初め頃まで実施されて消滅した制度であると言われています。なおその後、第二次世界大戦中のイタリア占領下で一時的に復活しています。
郵便小切手の発行はリュブリャナ郵政局により行なわれ、郵便小切手の受取人への支払いの際に配達料金が受取人から徴収され、不足切手で領収されました。
不足切手は、通常は郵便小切手の裏面に貼られて消印されました。しかし、稀に表側に貼られている場合もあります。
この制度は、ユーゴスラヴィア軍により占領されリュブリャナ郵政局管内に置かれたオーストリアのケルンテン州とシュタイヤーマルク州の鉄道路線Luttenberg-Spielfeld沿いの地域でも実施されました。


1.1918年9月1日~1919年6月30日まで
受取人により支払われる配達料金(不足切手により徴収)
10 Kronen以下 5 vinar
10 Kronenを越えて1000 Kronen以下 20 vinar
1000 Kronenを越えて1000 Kronen毎に 20 vinar


2. 1919年7月1日~
受取人により支払われる配達料金(不足切手により徴収)
10 Kronen以下 5 vinar
10 Kronenを越えて1000 Kronen以下 20 vinar
1000 Kronenを越えて1000 Kronen毎に 20 vinar

3a. 1919年9月/10月~
受取人により支払われる配達料金(不足切手により徴収)
金額によらず各取り扱いに 10 vinar

この時期の料金徴収の混乱に関しては、参考文献(1)でProf. Dr.-Ing. Klaus Wielandは次のように書いています:
『郵便小切手の受取人の支払うべき配達料金に関しては、部分的にはっきりしない点がある。時期(2)の細分化された料金は、1919年8月24日の命令No.35816/II-19により固定され、統一的に10 vinarに固定された(時期3a)。
しかしながら、1919年9月になってもなお、しばしば高い料金が誤って請求された。
これに関するこれ以外の告示は、1919年12月26日の命令No.60.169 IIa-19に再び、叱責無しに施行期日に関して述べられている。
それにもかかわらず、私は1920年1月にもなお、10 vinar不足切手の代わりに20 vinarの高すぎる料金が徴収された多くの郵便小切手を確認できた。
郵便小切手配達料金は、恐らく非常に頻繁に命令された額が徴収されなかったと思われる。1920年5月16日の後の最初の週と月では、低すぎる額の受取人が支払うべき配達料金が徴収された郵便小切手を持っている。』


4. 1920年5月16日~
受取人により支払われる配達料金(不足切手により徴収)
50 Dinar (200 Kronen)以下-----10 para (40 vinar)
50 Dinar (200 Kronen)を越えた場合-----20 para (80 vinar)


5. 1921年5月1日~1922年頃
受取人により支払われる配達料金(不足切手により徴収)
50 Dinar (200 Kronen)以下-----20 para (80 vinar)
50 Dinar (200 Kronen)を越えた場合-----50 para (2.00 Kronen)

参考文献
(1)Nachrichtenblatt der Arbeitsgemeinschaft Jugoslawien und Nachfolgestaaten 47/93, p.732-735 (1993)
Prof. Dr.-Ing. Klaus Wieland
Ausgewählte Postgebühren in Slowenien 1918 bis 1921
スロヴェニアにおける1918年~1921年までの郵便料金選集

(2)Nachrichtenblatt der Arbeitsgemeinschaft Jugoslawien und Nachfolgestaaten 64/98, p.1144-1147 (1998)
Prof. Dr.-Ing. Klaus Wieland
Ausgewählte Postgebühren im Königreich SHS 1918/19
SHS王国1918/1919の郵便料金選集

(3)Nachrichtenblatt der Arbeitsgemeinschaft Jugoslawien und Nachfolgestaaten 67/99, p.1206-1207 (1999)
Prof. Dr.-Ing. Klaus Wieland
Die Erhöhung der Postgebühren in Bosnien und der Herzegowina
ボスニア・ヘルツェゴビナにおける郵便料金の値上げ

G. 全国統一料金: 国内保険付き(価格表記)封書料金

2008年06月22日 10時51分21秒 | 郵便料金
G. 全国統一料金: 国内保険付き(価格表記)封書料金

全ての料金は国内保険付き(価格表記)封書の発送者から徴収する。

1. 1919年7月1日~10月30日
書留書状料金、重量料金に保険(価格表記)料金を加算した。
100 Kronen以下-----25 vinar
100 Kronenを越えて500 Kronen以下-----50 vinar
500 Kronenを越えて1000 Kronen以下-----1.00 Krone
1000 Kronenを越えて1000 Kronen毎に-----20 vinarを加算

通知料金-----10 vinar
配達料金
1000 Kronen以下-----20 vinar
1000 Kronenを越えて1000 Kronen毎に-----10 vinarを加算


2. 1919年11月1日~1920年5月15日
書留書状料金、重量料金に保険(価格表記)料金を加算した。
300 Kronen以下-----75 vinar
300 Kronenを越えて1500 Kronen以下-----1.50 Kronen
1500 Kronenを越えて3000 Kronen以下-----3.00 Kronen
3000 Kronenを越えて3000 Kronen毎に-----1.50 Kronenを加算
最低料金は1.50 Kronen

通知料金-----15 vinar
配達料金-----60 vinar


3. 1920年5月16日~1921年4月30日
書留書状料金、重量料金に保険(価格表記)料金を加算した。
300 Dinar以下-----30 para
300 Dinarを越えて300 Dinar毎に-----30 paraを加算
最低料金は1.20 Dinar

通知料金-----10 para
配達料金-----30 para


4. 1921年5月1日~1922年9月24日
書留書状料金、重量料金に保険(価格表記)料金を加算した。
100 Dinar以下-----50 para
100 Dinarを越えて500 Dinar以下-----1.00 Dinar
500 Dinarを越えて1000 Dinar以下-----2.00 Dinar
1000 Dinarを越えて1000 Dinar毎に-----1.00 Dinarを加算

通知料金-----20 para
配達料金-----1.00 Dinar


F. 全国統一料金: 国内郵便為替料金

2008年06月21日 08時47分37秒 | 郵便料金
F. 全国統一料金: 国内郵便為替料金

全ての料金は郵便為替の発送者から徴収する。

1. 1919年7月1日~1920年5月15日
25 Kronen以下-----25 vinar
25 Kronenを越えて50 Kronen以下-----25 vinar
50 Kronenを越えて100 Kronen以下-----60 vinar
100 Kronenを越えて100 Kronen毎に-----10 vinarを加算

支払い(払い出し)料金
全ての為替金額に対して-----10 vinar


2. 1920年5月16日~1921年4月30日
25 Dinar以下-----25 para
25 Dinarを越えて50 Dinar以下-----50 para
50 Dinarを越えて100 Dinar以下-----60 para
100 Dinarを越えて100 Dinar毎に-----10 paraを加算

支払い(払い出し)料金
50 Dinar以下-----10 para
50 Dinarを越えて-----20 para


3. 1921年5月1日~
(この料金の適用期限は文献に未記載です。1922年9月25日から有効の料金改定表には国内郵便為替料金は含まれていません。1925年6月1日から有効の料金改定表には国内郵便為替料金が含まれているため、1925年5月30日まで有効であった可能性もありますが、この点は不明確です。)

25 Dinar以下-----50 para
25 Dinarを越えて50 Dinar以下-----60 para
50 Dinarを越えて100 Dinar以下-----1.00 Dinar
100 Dinarを越えて300 Dinar以下-----1.50 Dinar
300 Dinarを越えて500 Dinar以下-----2.00 Dinar
500 Dinarを越えて1000 Dinar以下-----3.00 Dinar

支払い(払い出し)料金
50 Dinar以下-----20 para
50 Dinarを越えて-----50 para


E. 全国統一料金: 外国 封書、葉書、印刷物

2008年06月18日 20時05分12秒 | 郵便料金
E. 全国統一料金: 外国 封書、葉書、印刷物

1. 1919年8月30日~1920年5月21日
書状: 20gまで75 vinar、20gを越えると20g毎に45 vinar
葉書: 30 vinar
印刷物: 50g毎に15 vinar
書留: 75 vinar
速達: 1 Kronen

注意: 以下の国に対しては国内料金が適用された:
国内料金が、1921年1月31日まで、オーストリア(1)、ハンガリー、ブルガリアに対して適用され、1919年8月からチェコスロバキアとルーマニア(1)に対して適用された。
注: (1)1919年8月~11月まで、印刷物は50g毎に15 vinar、12月から100g以下10 vinar、100gを越えると100g毎に10 vinar。


2. 1920年5月22日~1921年3月30日
書状: 20gまで50 para、20gを越えると20g毎に30 para
葉書: 20 para
印刷物: 50g毎に10 para
書留: 50 para
速達: 60 para
注意: 以下の国に対しては国内料金が適用された:
国内料金が、1921年1月31日まで、オーストリア、ハンガリー、ブルガリアに対して適用され、1919年8月からチェコスロバキアとルーマニアに対して適用された。


3. 1921年4月1日~1922年9月24日
書状: 20gまで1.00 Dinar、20gを越えると20g毎に50 para
葉書: 50 para
印刷物: 50g毎に20 para
書留: 1.00 Dinar
速達: 2.00 Dinar


D. 全国統一料金: 国内 封書、葉書、印刷物

2008年06月15日 09時07分06秒 | 郵便料金
D. 全国統一料金: 国内 封書、葉書、印刷物

1. 1919年7月1日~1920年5月15日
書状: 20gまで30 vinar、20gを越えると20g毎に30 vinar
葉書: 15 vinar
印刷物: 50gまで10 vinar、50gを越えると50g毎に5 vinar
(重量によらず速達は2 vinar)
書留: 60 vinar
速達: 1 Kronen
代金引換: 20 vinar
不足料金: 不足した料金の2倍

備考
1919年7月1日~1920年5月15日の期間では、セルビア、モンテネグロ及び外国との郵便送達に際しては、KroneからDinarへの換算を、3 Kronen = 1 Dinar の相場に決定された。(参考文献(1))
例えば、セルビアの10 para切手は、30 vinarとして計算された。


2. 1920年5月16日~1921年4月30日
書状: 20gまで25 para、20gを越えると20g毎に15 para
葉書: 15 para
印刷物: 50gまで5 para、50gを越えると50g毎に5 para
書留: 20 para
速達: 60 para
代金引換: 20 para
不足料金: 不足した料金の2倍

3. 1921年5月1日~1922年9月24日
書状: 20gまで50 para、20gを越えると20g毎に25 para
葉書: 25 para
印刷物: 50gまで10 para、50gを越えると50g毎に10 para
書留: 1.00 Dinar
速達: 1.00 Dinar
代金引換: 20 para
不足料金: 不足した料金の2倍


C.不統一期: ボスニア・ヘルツェゴビナ

2008年06月14日 13時00分16秒 | 郵便料金
C.不統一期: ボスニア・ヘルツェゴビナ

1.封書、葉書、印刷物1918年9月1日~1919年6月30日まで
国内、オーストリア、ハンガリー、帝国及び王国野戦郵便局、占領地域、ドイツ宛て
封書: 20g以下20 heller、20gを越えると20g毎に5 heller
葉書: 10 heller
印刷物: 50g以下5 heller、50gを越え100g以下11 heller、100gを越え50g毎に3 heller
印刷物の速達料金: 2 heller (ドイツ宛ては除く)

書留: 25 heller
速達(価格表記封書も同様): 60 heller
代金引換(価格表記封書と小包も同様): 10 heller
配達証明(価格表記封書と小包も同様): 25 heller
未納・不足料金: 不足した料金の2倍


2.外国封書、葉書、印刷物1918年9月1日~1919年8月29日まで
書状: 20g以下25 heller、20gを越えると20g毎に15 heller
葉書: 10 heller
印刷物: 50g毎に5 heller
書留: 25 heller
速達: 30 heller


3.保険付き(価格表記)書状1918年9月1日~1919年6月30日まで

国内
価格表記料金300 Kronen以下 10 heller
300 Kronenを越えて300 Kronen毎に 5 heller

オーストリア、ハンガリー、帝国及び王国野戦郵便局、占領地域、ドイツ宛て
価格表記料金300 Kronen以下 15 heller
300 Kronenを越えて300 Kronen毎に 10 heller

価格表記封書の総料金の最低料金 60 heller
(同一重量の書留封書料金+価格表記料金)

「開封状態で」郵便局に提出された価格表記封書は価格表記料金を半分に減じる(その後郵便局で封をする)。

引渡し/配達時の料金(受取人から徴収)
通知料金 5 heller
配達料金
1000 Kronen以下 10 heller
1000 Kronenを越えて1000 Kronen毎に 20 heller


4. 郵便為替料金1918年9月1日~1919年6月30日まで
国内、オーストリア、ハンガリー、帝国及び王国野戦郵便局、占領地域宛て
50 Kronen以下 25 heller
50 Kronenを越えて50 Kronen毎に 5 heller

ドイツ宛て
50 Kronen以下 25 heller
50 Kronenを越えて50 Kronen毎に 25 heller

郵便為替/小切手支払指図書の引渡し/配達時の料金(受取人から徴収)
支払料金
10 Kronen以下 5 heller
10 Kronenを越えて1000 Kronen以下 10 heller
1000 Kronenを越えて1000 Kronen毎に 20 heller


B.不統一期:クロアチア(旧ハンガリー王国)

2008年06月11日 20時15分35秒 | 郵便料金
B.不統一期:クロアチア(旧ハンガリー王国)

1.国内書状、葉書、印刷物1918年9月1日~1919年6月30日まで
オーストリア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ドイツ宛ても国内料金。

書状: 20g以下の市外便20 fillér、市内便15 fillér。
20gを越えると20g毎に5 fillér

葉書: 10 fillér

印刷物: 50g以下5 fillér、50gを越え100g以下11 fillér、100gを越え50g毎に3 fillér
印刷物の速達料金: 2 fillér
ドイツ宛ての印刷物の速達は取り扱わない。

書留: 25 fillér
速達: 60 fillér
代金引換: 10 fillér
配達証明: 25 fillér
未納・不足料金: 不足した料金の2倍


2.外国書状、葉書、印刷物1918年9月1日~1919年8月29日まで
書状: 20gまで25 fillér、20gを越えると20g毎に15 fillér
葉書: 10 fillér
印刷物: 50g毎に5 fillér
書留: 25 fillér
速達: 文献未記載
代金引換: 文献未記載


3.国内保険付き(価格表記)書状1918年9月1日~1919年6月30日まで
オーストリア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ドイツ宛ても国内料金。
料金は下記の料金の総和:
同一重量レベルの書留封書料金 +5 fillér
+価格表記料金300 Kronen毎に 10 fillér
しかしながら最低料金は70 fillér
通知料金 5 fillér
配達料金 1000 Kronen毎に10 fillér


4.国内郵便為替料金1918年9月1日~1919年6月30日まで
10 Kronen以下20 fillér
10 Kronenを越えた時の基本料金20 fillér
50 Kronen毎に5 fillér

支払い料金
10 Kronen以下 5 fillér
10 Kronenを越えた時 10 fillér

印紙額面が印刷されていない郵便為替証書に対する追加料金 2 fillér
(1919年7月1日以降は3 fillérの使用例が知られている)

オーストリア、ボスニア・ヘルツェゴビナ宛ては国内料金。
郵便為替の支払い料金は発送者から徴収しない。

ドイツ宛て
50 Kronen毎に 25 fillér
郵便為替の支払い料金は発送者から徴収しない。


A.不統一期: スロヴェニア及びダルマチア(旧オーストリア帝国)

2008年06月08日 19時53分24秒 | 郵便料金
A.不統一期: スロヴェニア及びダルマチア(旧オーストリア帝国)

1.国内書状、葉書、印刷物1918年9月1日~1919年6月30日まで
書状: 20gまで20 vinar、20gを越えると20g毎に5 vinar
葉書: 10 vinar
印刷物: 100gまで3 vinar、100gを越えると50g毎に3 vinar
書留: 25 vinar
速達: 60 vinar、ただし遠隔地料金は2 Kronen
代金引換: 10 vinar
不足料金: 不足した料金の2倍


2.外国書状、葉書、印刷物1918年9月1日~1919年8月29日まで
書状: 20gまで25 vinar、20gを越えると20g毎に15 vinar
葉書: 10 vinar
印刷物: 50g毎に5 vinar
書留: 25 vinar
速達: 文献未記載
代金引換: 文献未記載

注意: 以下の国に対しては国内料金が適用された:
国内料金が、1921年1月31日まで、オーストリア(1)、ハンガリー、ブルガリアに対して適用され、1919年8月からチェコスロバキアとルーマニア(1)に対して適用された。
注: (1)1919年8月~11月まで、印刷物は50g毎に15 vinar、12月から100g以下10 vinar、100gを越えると100g毎に10 vinar。


3.国内郵便為替料金1918年9月1日~1919年6月30日まで
基本料金 20 vinar
50 Kronen毎の金額料金の加算 5 vinar

受取人により支払われる配達料金(不足切手により徴収)
郵便為替または郵便小切手
10 Kronen以下 5 vinar
10 Kronenを越えて1000 Kronen以下 20 vinar
1000 Kronenを越えて1000 Kronen毎に 20 vinar


4.国内保険付き(価格表記)書状1918年9月1日~1919年6月30日まで
書留書状料金、重量料金に保険(価格表記)料金を加算した。
300 Kronen毎に10 vinar
最低料金 60 vinar
対抗保証押印(Gegensiegelung)の場合は、価格表記料金の50%増し。

受取人により支払われる配達料金(不足切手により徴収)
国内保険付き(価格表記)書状
1000 Kronenまでの保険(価格表記) 10 vinar
1000 Kronenを越えて1000 Kronen毎に 20 vinar

受取人により支払われる通知料金(不足切手により徴収)
国内保険付き(価格表記)書状
通知状による通知 5 vinar

小包料金 第5期 1921年5月1日~1922年9月24日まで

2008年04月09日 21時03分40秒 | 郵便料金
小包料金 第5期 1921年5月1日~1922年9月24日まで

第2期以降はSHS王国(ユーゴスラヴィア)全土で統一された郵便料金として実施されました。
スロヴェニアのリュブリャナで発行されたチェインブレーカー普通切手は、1921年4月15日まで有効でしたので、小包第5期には既に無効となっていました。
しかし、リュブリャナ発行のチェインブレーカー不足切手は、1921年11月2日までの使用期限でしたので、第5期の最初の半年間は、これらの不足切手は有効でした。

1920年5月16日からの通貨統一
旧オーストリア・ハンガリー帝国地域の通貨は、価値が4分の1に落とされて、セルビア王国の通貨に統一されました。
4 heller = 4 fillér = 4 vinar = 4 filir = 1 para
4 Krone = 4 Korona = 4 Krona = 4 Kruna = 1 Dinar
100 para = 1 Dinar
通貨統一以降も、小包料金が旧通貨の単位で小包送票に記載されているものが数多くあります。
これは小包料金第5期でも見られます。

以下の料金を小包発送者から徴収しました:
(1)重量料金
5 kg以下-----------5.0 Dinar
5~10 kg以下----------10.0 Dinar
10~15 kg以下--------15.0 Dinar
15~20 kg以下--------20.0 Dinar
(20kgを越える小包は取り扱われませんでした)

(2)かさばる小包:重量料金に対して2倍料金
(3)通知料金:20 para
(4)配達料金:2.0 Dinar
(5)速達料金:3.0 Dinar
備考:配達料金と通知料金に関して
行政またはその他の制度により郵便料金が免除されている小包に対しては、配達料金も通知料金も課せられない。
局留め小包または兵士宛て小包は、通知料金が課せられる。(訳注:配達料金は適用されない)

(6)代金引換料金
代金引換指定の小包に対しては為替料金を課し、これらの料金は小包送票に切手で貼り付ける。

郵便為替料金
通常または電信郵便為替は、最高金額1000 Dinarまでである。
(a)通常扱い郵便為替
25 Dinar以下-----0.5 Dinar
25~50 Dinar-----0.6 Dinar
50~100 Dinar-----1.0 Dinar
100~300 Dinar-----1.5 Dinar
300~500 Dinar-----2.0 Dinar
500~1000 Dinar-----3.0 Dinar
受取人の住所において支払いを行なう郵便為替は、支払い料金を課す。
50 Dinar以下------0.20 Dinar
50 Dinarを越える------0.50 Dinar
国家制度に基づく公用で発送される郵便為替、兵士宛て郵便為替、局留郵便為替は、支払い料金は課せられない。全ての郵便為替料金は、発送の際に課せられる。
(b)電信扱い郵便為替
電信扱い郵便為替料金を1 Dinarに値上げする。

(7)価格表記(保険)料金
100 Dinar以下-------0.5 Dinar
100~500 Dinar以下-------1.0 Dinar
500~1000 Dinar以下-------2.0 Dinar
(価格表記の最高額は1000 Dinar)
ただし、現金を入れた小包は1000 Dinarを越えることが可能であり、料金は1000 Dinar毎に1.0 Dinarを追加徴収する。

以下の料金は小包の受取人から徴収し不足切手で領収したと考えられます。
(8)小包の保管料金: 1日50 para

参考文献
(1)Nachrichtenblatt der Arbeitsgemeinschaft Jugoslawien und Nachfolgestaaten 47/93, p.732-735 (1993)
Pror. Dr.-Ing. Klaus Wieland
Ausgewählte Postgebühren in Slowenien 1918 bis 1921
スロヴェニアにおける1918年~1921年までの郵便料金選集
(2)Nachrichtenblatt der Arbeitsgemeinschaft Jugoslawien und Nachfolgestaaten 38/89, (1989),
Beilage Nr.2 DIE POSTGEBÜREN IN KÖNIGTRICH DER SERBEN, KROATIEN UND SLOWENIEN 1919-1922
付録No.2 セルビア人、クロアチア人、及びスロヴェニア人の国の郵便料金1919-1920


ユーゴスラヴィア建国当時の通貨単位のまとめ

1.オーストリア・ハンガリー帝国
①オーストリア帝国、占領下のボスニア・ヘルツェゴビナ: heller, Krone
②ハンガリー王国: fillér, Korona

2.SHS王国建国後、1920年5月15日まで
③スロヴェニア: vinar, Krona
④クロアチア: filir, Kruna
⑤ボスニア・ヘルツェゴビナ: heller, Kruna

1920年5月16日からセルビアとの通貨統合がおこなわれるまでは、上記の①~⑤の通貨の価値は同等でしたので以下の交換レートが成り立ちます:
100 heller = 100 fillér = 100 vinar = 100 filir = 1 Krone = 1 Korona = 1 Krona = 1 Kruna

3. 1920年5月16日からの通貨統一
旧オーストリア・ハンガリー帝国地域の通貨は、価値が4分の1に落とされて、セルビアの通貨に統一されました。
4 heller = 4 fillér = 4 vinar = 4 filir = 1 para
4 Krone = 4 Korona = 4 Krona = 4 Kruna = 1 Dinar
100 para = 1 Dinar

参考文献
(1)MICHEL ÖSTERREICH-SPEZIAL 1990
(2)MICHEL Europa-Katalog Ost 1988/89
(3)MICHEL 1952年版のユーゴスラヴィア (国立国会図書館研究員・田中邦夫氏にご提供いただいたものです)
(4)Stanley Gibbons Stamp Catalogue Part 3 Balkans, 3rd edition, 1987

小包送票 ユーゴスラヴィアSHS 16 vの表記言語の改訂

2008年01月05日 18時33分27秒 | 郵便料金
小包送票 ユーゴスラヴィアSHS 16 vの表記言語の改訂

「小包送票:ユーゴスラヴィアSHS 16 v(小包送票代金の収入印紙、小包料金に含まない)」
に関しては、従来はセルボクロアート語が使用されているとブログに記載していました。
セルボクロアート語とスロヴェニア語は類字した単語も多く(語尾変化が両者では異なります)、また90年前に使用されていた単語の中には現代の辞書に収載されていないものもあるため、左側のクーポンの無い小包送票の単語の解読だけでは、セルボクロアート語ではなくスロヴェニア語であるとは判断しにくい状態でした。
しかし、普通は切り取られている左側のクーポンが付属したまま残されている小包送票を新たに解読することができ、セルボクロアート語ではなくスロヴェニア語で記載されていることが確認できました。

左側のクーポンの残った小包送票の使用例210110を画像で示します。
クーポンの部分のスロヴェニア語は下記のように解読できます。
収入印紙に印刷されている「NARODNA VLADA V LJUBLJANI」は、「national government in Ljubljanaリュブリャナの国民政府」という意味です。
Odrezekは「coupon クーポン」、sprejemini pečatは「acceptance stamp受領印紙」、Pošiljateljは「sender 発送者」という意味です。

今回の解読により、このタイプの小包送票がセルボクロアート語を使うクロアチアのザグレブの国民政府により発行されたものではなく、スロヴェニア語を使うスロヴェニアの「リュブリャナの国民政府」により発行されたものであることが確認できました。
また、クーポンの部分の単語はスロヴェニア語にだけ見られるものであり、セルボクロアート語にはない単語であると考えられました。
以上より、使用されている言語をスロヴェニア語と判断しました。

備考: 今回のスロヴェニア語の翻訳に使用した辞書
DOŠA KOMAC
English-Slovene / Slovene-English Modern Dictionary
1998, HIPPOCRENE BOOKS, New York

今回このような新発見があったため、既にネットに掲載した下記の22のブログの記事の「セルボクロアート語」という記載を「スロヴェニア語」に訂正いたしました。

190905表 小包第2期クロアチア国内便、スロヴェニア50vinar複合目打ち
190905表 小包第2期クロアチアからスロヴェニア宛て
190911表 小包第2期クロアチアからケルンテン州占領併合地域宛て
191021表 小包第2期スロヴェニア60 vinar 3枚貼り
191025表 小包第2期スロヴェニア5 Krona 2枚貼り
191028表 小包第2期 代金引換の無い小包送票
191120表 小包第3期スロヴェニア5Krona, 60 vinar, 10 vinar
191222表 小包第3期スロヴェニア1 Krona, 2 Krona, 60 vinar
200105表 小包第3期スロヴェニア2Kronaノコギリルレット目打ち
200119表 小包第3期スロヴェニア5 Krona 2枚+10 vinar
200123表 小包第3期スロヴェニア20vinar凸版バイセクト、50vinarバイセクト
200130表 小包第3期スロヴェニア50vinar, 1 Krona, 5 Krona、価格表記の無い代金引換便
200131表 小包第3期 スロヴェニア2 Kronaノコギリルレット7枚貼り
200211表 小包第3期 スロヴェニア30 vinar石版バイセクト
200215表 小包第3期スロヴェニア50 vinar 目打ち11
200222表 60 vinarバイセクト
200223表 ケルンテン占領併合地、小型小包
200301表 第3期 サラエヴォ小包私書箱の保管料金10 heller
200301表 第3期 現金支払い、サラエヴォ小包私書箱の保管料金10 heller
200330表 小包第3期 5 Krona上下二重目打ち、pos.88カツラ
200515表 50 vinar 19枚貼り、小包第3期最終日の使用例
200518表 第4期返送便、特殊な保管料金, スロヴェニア不足切手ウィーン版1及び10 Krona

郵便史に関係する文献資料や各種言語の解読が完全には揃っていない状況であり、まだ研究途上のものも多いのが現状ですから、様々な課題を抱えております。
今回のような新発見に伴う訂正・追加は今後も十分あり得ますのでご了承ください。

小包料金 第4期 1920年5月16日~1921年4月30日まで

2007年12月28日 20時16分07秒 | 郵便料金
小包料金 第4期 1920年5月16日~1921年4月30日まで

第2期以降はSHS王国(ユーゴスラヴィア)全土で統一された郵便料金として実施されました。

以下の料金を小包発送者から徴収しました:
(1)重量料金
3 kg以下----------------1.50 Dinar (6.0 Kronen)
3~5 kg以下-----------2.00 Dinar (8.0 Kronen)
5~10 kg以下----------4.00 Dinar (16.0 Kronen)
10~15 kg以下--------6.00 Dinar (24.0 Kronen)
15~20 kg以下--------8.00 Dinar (32.0 Kronen)
(20kgを越える小包は取り扱われませんでした)

(2)かさばる小包:重量料金に対して50%増し
(3)通知料金:10 para (40 vinar)
(4)配達料金:60 para (2.4 Kronen)
(5)速達料金:1.0 Dinar (4.0 Kronen)

(6)代金引換料金(文献(2)の方が分かり易い記述がされています)
(a)200 Dinar以下の代金引換
宛先住所での支払い無し0.8 Dinar (3.2 Kronen)
宛先住所での支払い有り1.0 Dinar (4.0 Kronen)
(b)200 Dinarを越えて1000 Dinar以下の代金引換
宛先住所での支払い無し1.4 Dinar (5.6 Kronen)
宛先住所での支払い有り1.6 Dinar (6.4 Kronen)
備考:
①代金引換の最高金額は1000 Dinar (4000 Kronen)でした。

(7)価格表記(保険)料金
300 Dinar毎に 30 para (1.2 Kronen)

以下の料金は小包の受取人から徴収し不足切手で領収したと考えられます。
(8)小包の保管料金(文献(2))
1日10 para (40 vinar)


参考文献
(1)Nachrichtenblatt der Arbeitsgemeinschaft Jugoslawien und Nachfolgestaaten 47/93, p.732-735 (1993)
Pror. Dr.-Ing. Klaus Wieland
Ausgewählte Postgebühren in Slowenien 1918 bis 1921
スロヴェニアにおける1918年~1921年までの郵便料金選集
(2)代金引換料金、及び小包の保管料金に関しては
Nachrichtenblatt der Arbeitsgemeinschaft Jugoslawien und Nachfolgestaaten 38/89, (1989),
Beilage Nr.2 DIE POSTGEBÜREN IN KÖNIGTRICH DER SERBEN, KROATIEN UND SLOWENIEN 1919-1922
付録No.2 セルビア人、クロアチア人、及びスロヴェニア人の国の郵便料金1919-1920

小包料金 第3期 1919年11月1日~1920年5月15日まで

2007年11月20日 20時16分12秒 | 郵便料金
I. 小包料金 第3期 1919年11月1日~1920年5月15日まで

第2期以降はSHS王国(ユーゴスラヴィア)全土で統一された郵便料金として実施されました。

以下の料金を小包発送者から徴収しました:
(1)重量料金
3 kg以下----------------3.00 Kronen
3~5 kg以下-----------4.50 Kronen
5~10 kg以下----------9.00 Kronen
10~15 kg以下--------13.50 Kronen
15~20 kg以下--------18.00 Kronen

(2)かさばる小包:重量料金に対して50%増し
(3)通知料金:15 vinar

(4)配達料金:1.80 Kronen

(5)速達料金:2.50 Kronen

(6)代金引換料金:20 vinar

(7)価格表記(保険)料金
300 Kronen以下-----------------------------------------75 vinar
300 Kronen~1500 Kronen以下--------------------1.50 Kronen
1500 Kronen~3000 Kronen以下-------------------3.00 Kronen
3000 Kronenを越えると1000 Kronen毎に-----3000 Kronen以下の料金3.00 Kronenに、1000 Kronen毎に1.50 Kronenを加算

以下の料金は小包の受取人から徴収し不足切手で領収したと考えられます。
(8) 小包私書箱への小包の保管に対する小包1個当たりの料金
文献情報無し。
ただし、私の手元にはサラエヴォで10 hellerを徴収した使用例が2例あります。このため、この料金は以下のように第1期と同額であったと推定されます。
①スロヴェニアのリュブリャナ、マリボール、ツェリエ 10 vinar、その他では5 vinarと推定
②ボスニア・ヘルツェゴビナのサラエヴォ、モスタル 10 heller、その他では5 hellerと推定
③クロアチアは不明

備考:
文献(1)にはオーストリア帝国の通貨であるKronen単位で料金表が記載されていますので、その方式に従ってここに記載しています。各地域の通貨への換算は「ユーゴスラヴィア建国当時の通貨単位」を参照してください(関連する全ての通貨が1:1の交換比率ですから換算は簡単です)。

参考文献
(1)Nachrichtenblatt der Arbeitsgemeinschaft Jugoslawien und Nachfolgestaaten 47/93, p.732-735 (1993)
Pror. Dr.-Ing. Klaus Wieland
Ausgewählte Postgebühren in Slowenien 1918 bis 1921
スロヴェニアにおける1918年~1921年までの郵便料金選集


II.ユーゴスラヴィア建国当時の通貨単位

1.オーストリア・ハンガリー帝国
①オーストリア帝国、占領下のボスニア・ヘルツェゴビナ: heller, Krone
②ハンガリー王国: fillér, Korona

2.SHS王国建国後
③スロヴェニア: vinar, Krona
④クロアチア: filir, Kruna
⑤ボスニア・ヘルツェゴビナ: heller, Kruna

小包第1期の郵便料金は旧オーストリア・ハンガリー帝国の料金であるため、この両国の通貨を使って記載します。
SHS王国建国後の各地域で発行された切手の額面は、各地域の通貨単位で記載します。
小額の通貨単位は小文字で記載し、大きい単位は大文字で書き始めます。
尚、1920年5月16日からセルビアとの通貨統合がおこなわれるまでは、上記の①~⑤の通貨の価値は同等でしたので以下の交換レートが成り立ちます:
100 heller = 100 fillér = 100 vinar = 100 filir = 1 Krone = 1 Korona = 1 Krona = 1 Kruna

参考文献
(1)MICHEL ÖSTERREICH-SPEZIAL 1990
(2)MICHEL Europa-Katalog Ost 1988/89
(3)MICHEL 1952年版のユーゴスラヴィア (国立国会図書館研究員・田中邦夫氏にご提供いただいたものです)
(4)Stanley Gibbons Stamp Catalogue Part 3 Balkans, 3rd edition, 1987

II. 小包料金 第2期 1919年7月1日~1919年10月31日まで

2007年10月25日 20時00分30秒 | 郵便料金
II. 小包料金 第2期 1919年7月1日~1919年10月31日まで

第2期からはSHS王国(ユーゴスラヴィア)全土で統一された郵便料金として実施されました。

以下の料金を小包発送者から徴収しました:
(1)重量料金
5 kg以下-------------------150 vinar
5 kgを越えると1 kg毎に60 vinar
(2)かさばる小包:重量料金に対して50%増し
(3)通知料金:10 vinar
(4)配達料金:100 vinar
(5)速達料金:250 vinar
(6)代金引換料金:20 vinar
(7)価格表記(保険)料金
100 Kronen以下--------------------------------------25 vinar
100 Kronen~500 Kronen以下--------------------50 vinar
500 Kronen~1000 Kronen以下-------------------100 vinar
1000 Kronenを越えると1000 Kronen毎に----1000 Kronen以下の料金100 vinarに、1000 Kronen毎に20 vinarを加算

通知料金または配達料金は、価格表記(保険)が1000 Kronenを越えると、1000 Kronen毎に10 vinarを加算

以下の料金は小包の受取人から徴収し不足切手で領収したと考えられます。
(8) 小包私書箱への小包の保管に対する小包1個当たりの料金
第2期のスロヴェニアの首都リュブリャナで小包私書箱での小包1個当たり保管料金10 vianrを徴収した例が文献(1)にあります。また、私の手元にはサラエヴォで10 hellerを徴収した使用例があります。このため、この料金は第1期と同額であったと考えられます。
①スロヴェニアのリュブリャナ、マリボール、ツェリエ 10 vinar、その他では5 vinarと推定
②ボスニア・ヘルツェゴビナのサラエヴォ、モスタル 10 heller、その他では5 hellerと推定
③クロアチアは不明

備考:
文献(2)にはオーストリア帝国の通貨であるKronen単位で価格表記(保険)の料金区分が記載されていますので、その方式に従ってここに記載しています。各地域の通貨への換算は「ユーゴスラヴィア建国当時の通貨単位」を参照してください(関連する全ての通貨が1:1の交換比率ですから換算は簡単です)。

参考文献
(1)Arge der Balkan Länder, No. 161, p.28-31, (2003)
Dr. Helmut Kobelbauer
Nebenstempel der Paketabgabe beim Postamt Ljubljana
リュブリャナ1郵便局による小包引渡しの証示印

(2)Nachrichtenblatt der Arbeitsgemeinschaft Jugoslawien und Nachfolgestaaten 47/93, p.732-735 (1993)
Pror. Dr.-Ing. Klaus Wieland
Ausgewählte Postgebühren in Slowenien 1918 bis 1921
スロヴェニアにおける1918年~1921年までの郵便料金選集


ユーゴスラヴィア建国当時の通貨単位

1.オーストリア・ハンガリー帝国
①オーストリア帝国、占領下のボスニア・ヘルツェゴビナ: heller, Krone
②ハンガリー王国: fillér, Korona

2.SHS王国建国後
③スロヴェニア: vinar, Krona
④クロアチア: filir, Kruna
⑤ボスニア・ヘルツェゴビナ: heller, Kruna

小包第1期の郵便料金は旧オーストリア・ハンガリー帝国の料金であるため、この両国の通貨を使って記載します。
SHS王国建国後の各地域で発行された切手の額面は、各地域の通貨単位で記載します。
小額の通貨単位は小文字で記載し、大きい単位は大文字で書き始めます。
尚、1920年5月16日からセルビアとの通貨統合がおこなわれるまでは、上記の①~⑤の通貨の価値は同等でしたので以下の交換レートが成り立ちます:
100 heller = 100 fillér = 100 vinar = 100 filir = 1 Krone = 1 Korona = 1 Krona = 1 Kruna

参考文献
(1)MICHEL ÖSTERREICH-SPEZIAL 1990
(2)MICHEL Europa-Katalog Ost 1988/89
(3)MICHEL 1952年版のユーゴスラヴィア (国立国会図書館研究員・田中邦夫氏にご提供いただいたものです)
(4)Stanley Gibbons Stamp Catalogue Part 3 Balkans, 3rd edition, 1987

小包料金 第1期 1918年10月29日~1919年6月30日まで

2007年09月21日 22時22分23秒 | 郵便料金
ユーゴスラヴィア建国当時の通貨単位

1.オーストリア・ハンガリー帝国
①オーストリア帝国、占領下のボスニア・ヘルツェゴビナ: heller, Krone
②ハンガリー王国: fillér, Korona

2.SHS王国建国後
③スロヴェニア: vinar, Krona
④クロアチア: filir, Kruna
⑤ボスニア・ヘルツェゴビナ: heller, Kruna

小包第1期の郵便料金は旧オーストリア・ハンガリー帝国の料金であるため、この両国の通貨を使って記載します。
SHS王国建国後の各地域で発行された切手の額面は、各地域の通貨単位で記載します。
小額の通貨単位は小文字で記載し、大きい単位は大文字で書き始めます。
尚、1920年5月16日からセルビアとの通貨統合がおこなわれるまでは、上記の①~⑤の通貨の価値は同等でしたので以下の交換レートが成り立ちます:
100 heller = 100 fillér = 100 vinar = 100 filir = 1 Krone = 1 Korona = 1 Krona = 1 Kruna

参考文献
(1)MICHEL ÖSTERREICH-SPEZIAL 1990
(2)MICHEL Europa-Katalog Ost 1988/89
(3)MICHEL 1952年版のユーゴスラヴィア (国立国会図書館研究員・田中邦夫氏にご提供いただいたものです)
(4)Stanley Gibbons Stamp Catalogue Part 3 Balkans, 3rd edition, 1987


I. 小包料金 第1期 1918年10月29日~1919年6月30日まで

序 ---ドイツの研究者の苦労---

旧ハプスブルク帝国領土内の第1期の小包料金は、第1次世界大戦中に郵便料金が改訂されたオーストリア・ハンガリー帝国領及びボスニア・ヘルツェゴビナの料金と制度がそのまま適用されました。
第一次世界大戦末期の混乱により郵便料金の記録が完全には把握されていなかったこと、そしてチトーの共産主義時代の排他性、さらに1990年代のユーゴ内戦の混乱により調査ができなかったことにより、ドイツの研究者の方々も相当苦労されています。
ハンガリー王国やボスニア・ヘルツェゴビナの料金のように、1998年や2002年になってやっと発見されたものもあります。
特に文献(3)の1999年の発見は、ボスニア内戦が終わった後にボスニア・ヘルツェゴビナのサラエヴォでMuhasilović婦人とSarić婦人が調査してやっと発見された非常に貴重なものであり、相当な労力が費やされています。
このようなドイツの研究者の多大な努力にもかかわらず、まだ料金が不明のままになっている部分もあります。文献や私の収集品から判明する部分は備考として記載してあります。将来新しい発見が行われる可能性は十分あるため、追加・修正の可能性もあります。
以上述べたような状態であることをご理解の上お読みいただき、このブログをご覧の皆様のお手元にあるマティリアルの料金解析に応用していただければ幸いです。
ドイツの研究者も、日本で彼らの研究成果が生かされていることを知れば喜ぶものと思われます。尚、原論文は全てドイツ語で記載され、翻訳は私が行なっています。


A. 旧オーストリア帝国領(スロヴェニア、ダルマチア)(参考文献(1))

旧オーストリア帝国の料金を適用した。
通貨:オーストリア帝国100 heller = 1 Krone = SHS王国スロヴェニア100 vinar = 1 Krona

(1)重量料金
5kg以下-----------------------------100 vinar
5kgを越えて10kg以下---------220 vinar
10kgを越えて15kg以下-------320 vinar
15kgを越えて20kg以下-------420 vinar
(20kgを越える小包は重過ぎて作業が困難なため取り扱われない)

(2)価格表記料金(保険料金) 300 Kronen毎に10 vinar
(3)代金引換料金 10 vinar

(4)かさばる小包------特別料金
ブログ著者備考:
文献(1)には特別料金と記載されているだけです。しかし、同一時期のハンガリー王国とボスニア・ヘルツェゴビナでは「50%追加料金(重量料金に対して)」という扱いでした。また、私の手元にもスロヴェニアで50%追加料金を徴収したと考えられる使用例があります。このため、オーストリア帝国領でもかさばる小包は「50%追加料金(重量料金に対して)」であり、スロヴェニアの第1期の小包に適用されたと考えられます。

(5)速達料金 市内料金100 vinar, 遠隔地料金 200 vinar
文献(5)の記載:受取人が引き渡し郵便局の直接配達範囲内にいる限り、速達料金100 vinar (1 Krone)は全ての配達料金を含んでいた。
ブログ著者備考:
速達扱いの場合は配達料金を含んでいますから、通知料金や配達料金が徴収されることはありません。また、市内料金と遠隔地料金がどのように区別されるのかは文献に記載されていません。

(6)至急料金 120 vinar
文献(5)の記載: オーストリア鉄道郵便の特別な形態である「Dringend至急」は、可能な限り最も速い配達を行う輸送である。
ブログ著者備考:
ボスニア・ヘルツェゴビナの料金表では、「至急料金は速達料金に加算する」とされています。また、私の手元にもスロヴェニアで速達料金と至急料金を2つとも支払い、速達と至急扱いの2つのラベルを貼った使用例がありますので、オーストリア領でも「至急料金は速達料金に加算する」扱いがされていると考えられます。
速達料金を徴収せずに至急料金だけを徴収した使用例も私の手元にありますが、これは取扱い方法を誤っていると推定しています。

(7)通知料金 5 vinar (保険有りも無しも同額)
ブログ著者備考:郵便局への小包の到着を受取人に通知する。受取人から徴収し不足切手により領収される。

(8)配達料金
①保険無し、または1000 Kronen までの保険の場合
1)5万人以上の人口の場所宛て 50 vinar
2)1万人以上の人口の場所宛て、あるいは国有郵便局のある小さい場所宛て 30 vinar
3)残りの場所 20 vinar
②1000 Kronenを越える保険付き小包の場合は、1000 Kronen毎に20 vinarを加算
ブログ著者備考:受取人の住所に配達する。受取人から徴収し不足切手により領収される。

(9)小包私書箱への小包の保管に対する小包1個当たりの料金
文献(5)の記載:
オーストリア帝国領の「Abholungsvorbehalt(受取に行くことを予約する)」扱いの小包は、現代の私書箱と同一である(小包私書箱)。受取人は自分宛ての郵便物が小包私書箱にあるかどうかを気をつけておき、あればそれを交付されて入手する。特に、定期的に高頻度に郵便物が届く商人がこの特別サービスを利用した。この扱いの小包には小包1個当たりの料金が課せられ、リュブリャナでは当時10 vinarであった。小包1個当たりの料金とは別に、月毎の小包私書箱料金は10 Kronenであった。この料金が現金で支払われたのか、該当書式に不足切手で支払われたのかは分からない。

ブログ著者備考:
(a)小包私書箱の使用者
文献(5)には「特に、定期的に高頻度に郵便物が届く商人がこの特別サービスを利用した」と記載されています。そして、リュブリャナ1郵便局での使用例が示されており、商人が自分の商店の名前の入った楕円形のスタンプを押して受取日を記入しています。この文献の著者は、商人はこのようなスタンプを使用するが、個人は通常はこのようなスタンプを使用しないと記載しています。このような商人のスタンプの存在は、小包私書箱の使用の判断の根拠になるようです。

(b)リュブリャナ以外の都市や町の料金
文献(5)に記載されているリュブリャナの使用例とは別に、小包到着地のスロヴェニアのツェリエとマリボールという大都市で10 vinarの不足切手を貼った第1期の使用例が私の手元に複数あります。このため以下のように考えられます:
①受取人から徴収し不足切手により領収される(使用例は不足切手が使用されています)
②リュブリャナ、マリボール、ツェリエ 10 vinar(これらは使用例があります)
(この料金は、第1期と次の第2期では同じ金額であると考えられる証拠があります)
③残りの全ての市町村では5 vinarの可能性があると推定(これは現段階ではC.ボスニア・ヘルツェゴビナで実施されていた料金規定からの推定です)。

(c)小包私書箱の1個当たりの料金が5 vinarの場合について
この場合は小包私書箱の1個当たりの料金5 vinar と通知料金 5 vinar は同じ5 vinar の料金で、しかも両方とも小包の受取人から不足切手により領収されるため、料金だけでは両者は区別できません。しかし、通知料金の場合は受取人の住む通りと番地まで小包送票に記載され、小包私書箱の1個当たりの料金は郵便局名までしか記載されないと考えられるため、両者の識別は可能な場合があると考えられます。
ただし、通りや番地がなくても郵便局名と受取人の名前だけ書いておけば住所が分かるような小さな町や村では、小包私書箱の1個当たりの料金5 vinar と通知料金 5 vinar の区別がつかない可能性もあります。これらは個々の小包送票の記載を検討する必要があると思われます。
ただし、小包私書箱を持つためには1ヶ月で5 Kronen (1年で60 Kronen)必要なため、大量の小包を受け取る企業や商店に限定され、それらは大きな都市や町やそのすぐ側にありますから、小さな町や村では通知料金 5 vinarである可能性の方が高いと思われます。
(小包私書箱の取り扱いは「C.ボスニア・ヘルツェゴビナ」の項も参照してください。)


(10)旧ハンガリー王国領及びボスニア・ヘルツェゴビナ宛て小包
文献(1)には明記されていませんが、旧オーストリア帝国領(スロヴェニア、ダルマチア)から、旧ハンガリー王国領及びボスニア・ヘルツェゴビナ宛て小包は、国内料金と同一料金であったと考えられます。私の手元にもこれを裏付ける使用例があります。



B. 旧ハンガリー王国領(クロアチア-スラヴォニア)(参考文献(2))

旧ハンガリー王国の料金を適用した。
通貨:オーストリア帝国100 heller = 1 Krone
= ハンガリー王国100 fillér = 1 Korona
= SHS王国クロアチア-スラヴォニア100 filir = 1 Kruna

旧オーストリア帝国領、ボスニア・ヘルツェゴビナ宛ての場合には、オーストリア帝国とハンガリー王国の間で定められた郵便協定に基づき国内宛てとは異なる高い料金が適用された。

1.国内小包(クロアチア-スラヴォニア宛て)

(1)重量料金
5kg以下-----------------------------90 fillér
5kgを越えて10kg以下---------170 fillér
10kgを越えて15kg以下-------270 fillér
15kgを越えて20kg以下-------370 fillér
(20kgを越える小包は重過ぎて作業が困難なため取り扱われない)

(2)価格表記料金(保険料金) 300 Kronen毎に10 fillér
(3)代金引換料金 10 fillér
(4)かさばる小包は、50%追加料金(重量料金に対して)
(5)速達料金 文献(2)に未記載
(6)至急料金 文献(2)に未記載
(7)通知料金 5 fillér
(8)配達料金 20 fillér
1000 Kronenを越える価格表記小包の場合には追加料金として1000 Kronen毎に10 fillér

以上の料金は、小包の発送人から徴収して普通切手を使用した。

ブログ作成者備考:
①ハンガリー王国では、通知料金、配達料金は小包の発送者から徴収され普通切手で領収されます。オーストリア帝国とボスニア・ヘルツェゴビナでは小包の受取人から徴収し不足切手により領収されます。
②小包私書箱への小包の保管に対する小包1個当たりの料金に関する情報は入手できていません。現時点では、旧オーストリア帝国領やボスニア・ヘルツェゴビナと同様の扱いが存在していたと推定しています。


2.旧オーストリア帝国領、ボスニア・ヘルツェゴビナ宛て小包

(1)重量料金
5kg以下-----------------------------100 fillér
5kgを越えて10kg以下---------220 fillér
10kgを越えて15kg以下-------320 fillér
15kgを越えて20kg以下-------420 fillér
(20kgを越える小包は重過ぎて作業が困難なため取り扱われない)

(2)価格表記料金(保険料金) 300 Kronen毎に10 fillér
(3)代金引換料金 10 fillér

オーストリア帝国領、ボスニア・ヘルツェゴビナ宛て小包では、通知料金と配達料金は発送者からは徴収しない。到着局で受取人から徴収した。

ブログ作成者備考:
①かさばる小包の料金は文献に未記載です。国内便と同様に「50%追加料金(重量料金に対して)」と推定しています。
②速達料金は文献に未記載です。



C. ボスニア・ヘルツェゴビナ(参考文献(3))

オーストリア・ハンガリー帝国による占領時代のボスニア・ヘルツェゴビナの料金を適用した。
通貨:オーストリア帝国100 heller = 1 Krone
= オーストリア帝国占領下ボスニア・ヘルツェゴビナ100 heller = 1 Krone
= SHS王国ボスニア・ヘルツェゴビナ100 heller = 1 Kruna

1.国内小包(ボスニア・ヘルツェゴビナ宛て)

(1)重量料金
5kg以下------------------------------80 heller
5kgを越えて10kg以下---------170 heller
10kgを越えて15kg以下-------270 heller
15kgを越えて20kg以下-------370 heller
(20kgを越える小包は重過ぎて作業が困難なため取り扱われない)

(2)価格表記料金(保険料金)
(2a)参考文献(3): 1918年9月1日から値上げ;300 Kronen毎に5 heller
(2b)参考文献(4): 1918年10月1日から値上げ;300 Kronen以下は10 heller、それを越えると300 Kronen毎に5 heller
ブログ作成者備考:
ユーゴスラヴィアの小包料金第1期では、ボスニア・ヘルツェゴビナにおける(2a)と(2b)の両方の使用例が参考文献(4)で報告されています。第1次大戦末期から直後の混乱期であるため、1918年9月1日の料金値上げから僅か1ヵ月後の1918年10月1日の小包料金の再改訂が領域内で徹底せず、2種の料金が適用されていたと考えられます。

(3)代金引換料金 10 heller
(4)かさばる小包は、50%追加料金(重量料金に対して)
(5)速達料金 100 heller
(6)至急料金 120 heller(速達料金に加算する)
(7)通知料金 5 heller (保険有りも無しも同額)(受取人から徴収し不足切手により領収される)
(8)配達料金(受取人から徴収し不足切手により領収される)
①保険無し、または1000 Kronen 以下の保険の場合
1)人口1万人以上の都市 30 heller
2)残りの市町村 25 heller
3)ドイツからの小包、全市町村宛て 30 heller
②1000 Kronenを越える保険の場合は、1000 Kronen毎に20 hellerを加算
③配達証明 25 heller

(9)小包私書箱への小包の保管に対する小包1個当たりの料金(受取人から徴収し不足切手により領収される)
サラエヴォ及びモスタル 10 heller
残りの全ての市町村 5 heller

ブログ著者備考:
(9)のボスニア・ヘルツェゴビナにおける小包私書箱の取り扱いに関しては、文献(4) p.16に下記のように記載されています:
「受取人への小包の引渡しの際または後の料金に関して、さらに特別な場合を指摘する。
詳しく言うと、受取人はいわゆる「受取保留」(文献(5)には「受取に行くことを予約しておく」と書かれています)を宣言することができ、受取人宛ての郵便物(小包も含む)を配達するのではなく、引渡し郵便局で受取人のために保管し、受取人の要求に基づいて供給することができる。この業務は、主として大企業の要求により行われ、我々の今日の郵便私書箱に十分に匹敵している。
受取保留を小包にまで拡大する受取人は、1ヶ月当たり一定の「小包私書箱料金」(サラエヴォとモスタルでは10 Kronen、全ての他の場所では5 Kronen)を支払い、そしてそれに加えて小包1個当たりにいわゆる「1個当たりの料金」を支払う(サラエヴォとモスタルでは10 heller、全ての他の場所では5 heller)。」


2.旧オーストリア帝国領、旧ハンガリー王国領宛て

(1)重量料金
5kg以下-----------------------------100 heller
5kgを越えて10kg以下---------220 heller
10kgを越えて15kg以下-------320 heller
15kgを越えて20kg以下-------420 heller
(20kgを越える小包は重過ぎて作業が困難なため取り扱われない)

(2)価格表記料金(保険料金) 300 Kronen毎に10 heller
(3)代金引換料金 10 heller
(4)かさばる小包は、50%追加料金(重量料金に対して)
(5)速達料金 100 heller
(6)至急料金 120 heller(速達料金に加算する)
(7)配達証明 25 heller
ブログ著者備考: 通知料金と配達料金は受取人から徴収したと考えられます。


参考文献
(1)Nachrichtenblatt der Arbeitsgemeinschaft Jugoslawien und Nachfolgestaaten 47/93, p.732-735 (1993)
Pror. Dr.-Ing. Klaus Wieland
Ausgewählte Postgebühren in Slowenien 1918 bis 1921
スロヴェニアにおける1918年~1921年までの郵便料金選集

(2)Nachrichtenblatt der Arbeitsgemeinschaft Jugoslawien und Nachfolgestaaten 64/98, p.1144-1147 (1998)
Pror. Dr.-Ing. Klaus Wieland
Ausgewählte Postgebühren im Königreich SHS 1918/19
SHS王国1918/1919の郵便料金選集

(3)Nachrichtenblatt der Arbeitsgemeinschaft Jugoslawien und Nachfolgestaaten 67/99, p.1206-1207 (1999)
Pror. Dr.-Ing. Klaus Wieland
Die Erhöhung der Postgebühren in Bosnien und der Herzegowina
ボスニア・ヘルツェゴビナにおける郵便料金の値上げ

(4)Arge der Balkan Länder, No. 158, p.12-18, (2002)
Dr. Helmut Kobelbauer, Pror. Dr.-Ing. Klaus Wieland
Nochmals Postgebühren – Pakete in Bosnien und der Herzegowina
さらに郵便料金---ボスニア・ヘルツェゴビナの小包

(5)Arge der Balkan Länder, No. 161, p.28-31, (2003)
Dr. Helmut Kobelbauer
Nebenstempel der Paketabgabe beim Postamt Ljubljana
リュブリャナ1郵便局による小包引渡しの証示印

以上