チェインブレーカー及び関連領域の郵便史

ユーゴスラヴィア建国当時~1922年頃までの旧オーストリア・ハンガリー帝国地域のチェインブレーカーを中心とした郵便史

191030裏 小包第2期 クロアチア郵便代行業者の消印、スロヴェニア+クロアチア正刷混貼り

2007年11月18日 15時27分26秒 | 小包第2期
191030裏 小包第2期 クロアチア郵便代行業者の消印、スロヴェニア+クロアチア正刷混貼り
到着印:ZAGREB 919 NOV.-1 N12 W2W (1919年11月1日)ハンガリー式消印。
受取人サイン日付:1919年11月2日

191030表 小包第2期 クロアチア郵便代行業者の消印、スロヴェニア+クロアチア正刷混貼り

2007年11月18日 15時26分48秒 | 小包第2期
消印:長方形の4つの角を切り落としたハンガリー式の郵便代行業者の消印
PETERANEC
30 OKT. 919
POSTAI ÜGYN,
POSTAN. AGENCIJA
(1919年10月30日)
ハンガリー語のPOSTAI ÜGYNとセルボクロアート語のPOSTAN. AGENCIJAは、両方とも郵便代行業者を意味しています(英語ではPostal Agencyとするべきでしょう)。
ハンガリー式の左から右に「年月日」の配列を、ユーゴ式の「日月年」に並べ替えてユーゴ化しています。ただし、ユーゴ式の年号表記は2桁の19ですが、この使用例では年号表示が919とハンガリー式の3桁表示のままになっています。また、ハンガリー語表記の「POSTAI ÜGYN」は残されたままになっています。

191030表 小包第2期 クロアチア郵便代行業者の消印、スロヴェニア+クロアチア正刷混貼り

2007年11月18日 15時25分46秒 | 小包第2期
191030表 小包第2期 クロアチア郵便代行業者の消印、スロヴェニア+クロアチア正刷混貼り
小包第2期 クロアチア地域内便

小包送票:ハンガリー王国10 fillér(小包送票代金の収入印紙、小包料金に含まない)、ハンガリー語・セルボクロアート語表記、黄色紙、大型
小包ラベル:Peteranec p. ügyn. pošt. ag. 39 ハンガリー王国領の郵便代行業者のラベルをそのまま使用しています。
料金手書き:右上5 Kr 50

切手:クロアチア正刷5 filir (Mi. 90)、スロヴェニア25 vinar(Mi.104石版)、60 vinar (Mi.108, 目打ち後糊引き)2枚(裏側)、2 Krona (Mi.110, 目打ち後糊引き)2枚、合計550vinar
備考:60 vinarと2 Krona切手は、目打ち後に糊引きされたため目打ち穴が糊でふさがれ切手の切り離しの際に切りにくかったため、目打ち部分と切手本体が大きく損傷しています。

料金計算:
重量料金11 kg---510 filir (150+60*6)
配達料金---100 filir
合計610 filir (料金手書きと貼り付け切手は60filir料金不足)

料金不足の表示:
①中央上に鉛筆書きで610、550、60の3つの数字が縦に並べられ、引き算をやっているように書かれています。
②中央に赤字で大きく0.60と記載されており、これは料金不足額と一致しています。
③下側の25 vinar切手の左側のPortoの欄に-60 filと鉛筆で記載されています。
このような明らかな表示があるため、小包の受取人あるいは発送者から不足額60filirを徴収する措置がとられたと考えられます。
④この小包送票には、小包の不足料金を小包の発送者から徴収する際に使用する書式「Odjava」に関する記載が全くありません。このため、この場合には、小包の受取人から不足料金を徴収したと考えられ、小包の発送者からの徴収は行われなかったと思われます。
⑤備考:これからご紹介する予定のOdjavaの実例
Odjavaの実例は、「190801 Odjava 小包料金不足を小包の発送者から徴収」でご紹介します。
また、小包送票にOdjavaの表示をした例は、「191115表 小包第3期 料金不足を小包発送者から徴収Odjava」でご紹介します。