チェインブレーカー及び関連領域の郵便史

ユーゴスラヴィア建国当時~1922年頃までの旧オーストリア・ハンガリー帝国地域のチェインブレーカーを中心とした郵便史

郵便為替への切手の加貼り

2011年03月27日 13時51分28秒 | 郵便為替
郵便為替への切手の加貼り

ブログ著者備考: 郵便為替について
理由は不明ですが、1918年から1921年の郵便為替は、完全な形で残されているものが小包送票に比べてかなり少なく、切手貼り付け部分だけをカットしたものが圧倒的に多く残されています。
このカットスクエアーとして残されているものでは、
①右上に手書きで記載されている郵便為替料金が見えるものは少ない。郵便為替料金が証書に記載されても、貼り付けられた切手の下に隠れて見えなくなっているものも多い。郵便為替料金が右上部に記載されていないものも非常に多い。
②郵便為替の送金金額の記載が残るように大きくカットされているものは非常に少ない。
という特徴がありますので、郵便為替料金の解析は困難な場合も多いのが実状です。

1918年から1921年の当時は、ユーゴスラヴィアの郵便制度はまだ完全には全国統一されておらず、各地方の郵政局が主導権を握って運営されていました。
あの当時は郵便為替証書それ自体が有料であり、その販売代金は収入印紙として扱われていました。
あの当時の郵便為替 = 郵便為替証書それ自体の販売代金(収入印紙とみなされる) + 為替送金金額に対する料金
というように二本立ての構造になっていました。

新国家成立に伴い郵便為替証書の販売代金の値上げが行われたため、値上げ分を切手を追加貼り付けした例が知られており、それに関して以下の文献を要約します。
その取り扱いは、地方によって大きな差があり、その複雑さは非常に面白いものです。
出典: Nachrichtenblatt der Arbeitsgemeinschaft Jugoslawien und Nachfolgestaaten 97-98/2006, p.1931-1945 (2006)
Prof. Dr.-Ing. Klaus Wieland
SHS 1918 bis 1921: Fiskalische Zusatzfrankaturen auf Postanweisungs-Formularen
SHS 1918年-1921年: 郵便為替証書への収入印紙としての追加貼り付け

1.スロヴェニア郵政局管内-スロヴェニア地方

「URDNI LIST LJUBLJANA 1919の51ページに1919年5月1日付の公示が掲載されている。
紙と印刷の経費により、証書の従来の価格を以下のように引き上げる:
郵便為替は3 vin.を6 vin.に4月15日から、
小包送票は12 vin.を16 vin.に、現金封筒は2 vin.を16 vin.に、電報は2 vin.を4 vin.に、本年5月5日より引き上げる。
リュブリャナ、1919年5月1日」

一部の郵便局では、郵便為替証書の価格6 vinarを徴収して、切手3vinar×2枚を郵便為替証書に貼りつけた。
僅かな例では、値上げ分3 vinar分の切手を郵便為替証書に貼りつけた。

ブログ著者備考:
スロヴェニア郵政局管内で使用された郵便為替証書では、郵便為替証書の価格6 vinarに対応した切手の追加貼りつけをしていない使用例が非常に多く残されています(ほとんどは追加貼り付けされていないと考えておいた方が良いと思います)。この場合には、郵便為替証書の代金は現金で支払ったと考えられます。

表1
追加貼付け2×3 vinar= 6 vinar 46例を報告
最初期1919年7月15日、最後期1920年4月7日

追加貼付け1×3 vinar = 3 vinar 3例を報告
最初期1919年7月12日、最後期1920年2月3日


補足
郵便為替証書の印刷に関しては、下記の文献があります。
出典:Igor Pirc (Ljubljana)
Königreich SHS – Die “Kettensprenger” Postkarten
SHS王国 - チェインブレーカー葉書
Nachrichtenblatt der Arbeitsgemeinschaft Jugoslawien und Nachfolgestaaten 101-102, p.2029-2036 (2007)

印刷所
郵便葉書、郵便為替、小包送票は、リュブリャナ(スロヴェニア)のJugoslovanska tiskarna (ユーゴスラヴィア印刷所)と、Druckerei Hrovatin (フロヴァティン印刷所)で印刷された。
郵便為替は、これに加えて、リュブリャナ(スロヴェニア)のDruckerei Blaznik(ブラズニク印刷所)でも行なわれた。
(備考: これはスロヴェニア郵政局管内で発行された郵便葉書、郵便為替、小包送票の印刷に関する記載です。ザグレブ、サラエボ、スプリト、ノヴィサドの各郵政局で印刷されたものには当てはまりません。)

210200 2次チェインブレーカー10 paraバイセクト、MARIBOR1郵便局

2011年03月20日 16時57分06秒 | バイセクト
210200 2次チェインブレーカー10 paraバイセクト、MARIBOR1郵便局

切手
2次チェインブレーカー
Mi.121 10 para、バイセクト、左下側

消印
MARIBOR 1 ? II. 21. -9
スロヴェニアのMARIBOR 1郵便局1921年2月?日9時
上側がローマ字、下側がキリル文字(セルビア人の使用する文字)の二文字表記の新しいユーゴスラヴィアの全国統一型消印

210127 2次チェインブレーカー10 paraバイセクト、LJUBLJANA1郵便局

2011年03月13日 14時52分11秒 | バイセクト
210127 2次チェインブレーカー10 paraバイセクト、LJUBLJANA1郵便局

切手
2次チェインブレーカー
Mi.121 10 para、バイセクト、左上側

消印
LJUBLJANA 1 27. I. 21. 15 1g
スロヴェニアのLJUBLJANA 1郵便局1921年1月27日15時、消印識別記号1g
上側がローマ字、下側がキリル文字(セルビア人の使用する文字)の二文字表記の新しいユーゴスラヴィアの全国統一型消印

210127 2次チェインブレーカー10 paraバイセクト、LJUBLJANA1郵便局

2011年03月06日 17時54分12秒 | バイセクト
210127 2次チェインブレーカー10 paraバイセクト、LJUBLJANA1郵便局

切手
2次チェインブレーカー
Mi.121 10 para、バイセクト、左下側

消印
LJUBLJANA 1 27. I. 21. 15 1g
スロヴェニアのLJUBLJANA 1郵便局1921年1月27日15時、消印識別記号1g
上側がローマ字、下側がキリル文字(セルビア人の使用する文字)の二文字表記の新しいユーゴスラヴィアの全国統一型消印