チェインブレーカー及び関連領域の郵便史

ユーゴスラヴィア建国当時~1922年頃までの旧オーストリア・ハンガリー帝国地域のチェインブレーカーを中心とした郵便史

200101チェインブレーカー5 vinar凸版 3枚貼り

2008年08月31日 08時53分52秒 | 葉書
200101チェインブレーカー5 vinar凸版 3枚貼り

切手:
スロヴェニア: チェインブレーカー5 vinar(Mi.100) 凸版、平滑白紙、3枚、左からタイプ1、タイプ3、タイプ1
合計15 vinar

宛先: Pančevo (ヴォイヴォディナ)
国内葉書料金: 15 vinar

消印: VINICA 1 JAN 920 (クロアチア)
VINICA 郵便局1920年1月1日
ハンガリー型消印の「年月日」をユーゴスラヴィア式の「日月年」の順に変更してユーゴ化した消印。
ハンガリー式の3桁の年号表示920は、ユーゴ式の2桁の年号表示20に変更されずに、ハンガリー式のままです。
ハンガリー国王の王権を象徴する「イシュトヴァーン・クラウン」と呼ばれる王冠はまだ残されています。

191223チェインブレーカー5 vinar凸版 3枚貼り

2008年08月30日 11時51分33秒 | 葉書
191223チェインブレーカー5 vinar凸版 3枚貼り

切手:
スロヴェニア: チェインブレーカー5 vinar(Mi.100) 凸版、平滑白紙、3枚、左からタイプ4, 1, 3
合計15 vinar

5 vinar切手のバラエティ
左端: 下無目打ち、タイプ4
中央: 左無目打ち、左側に緑色の太い線、タイプ1
右端: 右上のマージンに緑色の斑点、タイプ3

宛先: Kloštar Podravski (クロアチア)
国内葉書料金: 15 vinar

消印: VIROVITICA 23- DEC. 919 10N (クロアチア)
VIROVITICA 郵便局1919年12月23日昼間10時
ハンガリー型消印の「年月日時刻」をユーゴスラヴィア式の「日月年時刻」の順に変更してユーゴ化した消印。
ハンガリー式の時刻表示「N10」のNと10の順序を入れ替えて「10N」としている。
ハンガリー式の3桁の年号表示919は、ユーゴ式の2桁の年号表示19に変更されずに、ハンガリー式のままです。
ハンガリー国王の王権を象徴する「イシュトヴァーン・クラウン」と呼ばれる王冠はまだ残されているように見えます。

191210 チェインブレーカー15 vinar石版、ダルマチアでの使用例

2008年08月27日 20時44分25秒 | 葉書
191210 チェインブレーカー15 vinar石版、ダルマチアでの使用例

切手:
スロヴェニア: チェインブレーカー15 vinar(Mi.102) 石版、粗紙、タイプ未確認
合計15 vinar

宛先: Žiri (スロヴェニア)
国内葉書料金: 15 vinar

消印: KUNA 1? XII 19 *a*(ダルマチア)
KUNA郵便局1919年12月1?日、消印識別記号a、オーストリア型消印
左端の差出人の記載は、10. XII. 1919と記載されています。

191121裏 クロアチア加刷官製葉書10 filira

2008年08月24日 10時19分44秒 | 葉書
191121裏 クロアチア加刷官製葉書10 filira

表側の消印の年号は920ですが、裏側には919と書かれている箇所が、上部の中央付近(1919と記載したハンドスタンプ)と右側、下から3行目の右端の3箇所に見られます。
このため、表側の消印の920は誤植であり正しくは919であると考えられます。

不思議なことに上部の中央付近のスタンプは「25 SEP. 1919」となっており、1919年9月25日を示しています。恐らくこれは葉書の受取人が受け取った日付けスタンプだと思います。
この葉書の差出人は、月を書かずに日付けと年号だけを書くおかしな癖を持っており、差出人の記載から月を確定できません。
従って、この葉書が差し出されたのが、
①受取人が受け取った日付けスタンプの9月なのか、
②表側の消印の11月なのか
確定できません。
表側の消印の誤植が年号の920だけでなく、月のNOV.(11月)も誤植で本当はSEP.(9月)である可能性もあります。

191121表 クロアチア加刷官製葉書10 filira

2008年08月24日 10時18分49秒 | 葉書
191121表 クロアチア加刷官製葉書10 filira

クロアチア加刷官製葉書10 filira (Mi. P36)
切手:スロヴェニア: チェインブレーカー5 vinar(Mi.100) 石版、粗紙、タイプ確認不能
合計15 vinar

備考: クロアチア加刷官製葉書10 filiraのエラー
DOPISNICAのOの右側が欠けてCになっています。さらに、Dの右下が切れており、Aの右下も欠けています。DOPISNICAの下の2本の横棒にも大きな白点があります。

宛先: Jaice (ボスニア)
国内葉書料金: 15 vinar

消印: DUBICA 920 NOV. 21 –N8 (クロアチア)
DUBICA郵便局1920年11月21日昼間8時、ハンガリー型消印
葉書の裏側の記載では、1919年の記載が3箇所に見られるため、この消印の920は誤植であり正しくは919であると考えられます。

191118チェインブレーカー10 vinar石版2枚貼り

2008年08月23日 09時19分29秒 | 葉書
191118チェインブレーカー10 vinar石版2枚貼り

切手:
スロヴェニア: チェインブレーカー10 vinar(Mi.101) 石版、粗紙、2枚
合計20 vinar

宛先: Graz (オーストリア)

オーストリア宛て葉書料金: 15 vinar (5 vinar過剰)
オーストリア宛ては国内料金と同一の15 vinar。

消印: MARIBOR 2 18 XI. 19 X- (スロヴェニア)
MARIBOR 2郵便局1919年11月18日10時、局名はスロヴェニア語表記の消印

191117スロヴェニア官製葉書10 vinar、中央の縦線がほとんど消失

2008年08月20日 19時38分00秒 | 葉書
191117スロヴェニア官製葉書10 vinar、中央の縦線がほとんど消失

切手:
スロヴェニア官製葉書10 vinar
スロヴェニア: チェインブレーカー5 vinar(Mi.100) 石版、平滑白紙、タイプ9
合計15 vinar

宛先: Graz (オーストリア)

オーストリア宛て葉書料金: 15 vinar
オーストリア宛ては国内料金と同一の時期。

消印: MARIBOR 2 17 XI. 19 -4 (スロヴェニア)
MARIBOR 2郵便局1919年11月17日4時、局名はスロヴェニア語表記の消印

スロヴェニア官製葉書10 vinar
10 vinarの印面: red 赤色
タイプ3: 上側のキリル文字の国名表示; Pの上の枠線が大きく白く窪んで見える、最初のCの上側の線の上の枠線が切れて白く見える
紙: glossy yellowish paper光沢のある黄色がかった紙
サイズ: 上14.1, 下14.1 x 左9.3, 右9.1cm
中央の縦の分割線: ほとんど消失しかすかに残っている

191108クロアチアSHS加刷とチェインブレーカーの混貼り

2008年08月17日 08時30分59秒 | 葉書
191108クロアチアSHS加刷とチェインブレーカーの混貼り

切手:
スロヴェニア: チェインブレーカー10 vinar(Mi.101)凸版、ノコギリルレット、平滑白紙、タイプ2
クロアチア: ハンガリー切手へSHS加刷 2 filir (Mi.66)
合計12 vinar

宛先: Banoštar (セルビアに併合されたヴォイヴォディナ地方の中心都市Novi Sadの西約15kmのドナウ河河畔の村)

国内葉書料金: 15 vinar
料金不足: 3 vinar (ただし不足料金は徴収されていない)

消印: OSIJEK 919 NOV ? (ただし葉書の日付けの記載が7/XIのため、活字の形態から8日の消印と推定)(クロアチア)
OSIJEK 郵便局1919年11月8日、ハンガリー型消印

検閲印: VOJ - CENZ 薄い黒色ハンドスタンプ、日本語訳: 軍事検閲

チェインブレーカー葉書新情報の過去のブログへ追加

2008年08月16日 09時48分17秒 | 葉書
チェインブレーカー葉書新情報の過去のブログへ追加

今回入手した新情報を下記のブログに追加しました:

1.「2008年07月06日 、10 vinar葉書に5 vinar切手を加貼りして販売」に追加

10 vinarの印面: red 赤色。
最初のCの上の枠が切れているため、タイプ1のインク過剰印刷であり、Жの上側の左の線の上の枠線が切れて白く見える所はインクで塗り潰されていると推定されます。
しかし、タイプ1の持つ2つの特徴の内、最初のCの上の枠が切れている特徴だけを持っていますので、別の新しいタイプの可能性もあります。
紙: glossy yellowish paper光沢のある黄色がかった紙
サイズ: 13.9 x 左9.1, 右9.25cm
中央の縦の分割線: 太い、ただし下側の4番目の住所線の上が切れている部分がある


2.「2008年07月23日、190728チェインブレーカー10 vinar官製葉書オーストリア宛て」に追加

10 vinarの印面: grayish red 灰色がかった赤色。
タイプ3: 上側のキリル文字の国名表示; Pの上の枠線が大きく白く窪んで見える、最初のCの上側の線の上の枠線が切れて白く見える
紙: glossy yellowish paper光沢のある黄色がかった紙
サイズ: 上14.2, 下14.3 x 左9.2, 右9.0cm
中央の縦の分割線: 太い
その他: 上から3番目の住所線の2本の線の一部の隙間がインクで塗り潰されている

EXPONENTスロヴェニア官製葉書PIRCコレクション翻訳まとめ

2008年08月16日 09時32分25秒 | 葉書
EXPONENTスロヴェニア官製葉書PIRCコレクション翻訳まとめ

EXPONENTのIGOR PIRC氏によるスロヴェニア官製葉書のコレクションの要約
(ブログ著者の発見等も記載しています)
出典: EXPONENT、VIRTUAL INTERNATIONAL PHILATELIC EXHIBITION
EXHIBIT: SHS POSTAL CARDS, CHAINBREAKERS ISSUES 1919 - 1921
EXHIBITOR: IGOR PIRC, SLOVENIA
WASHINGTON 2006 – SILVER 2006年ワシントン、銀賞
http://www.japhila.cz/hof/0143/index0143a.htm

参考文献
(1)IGOR PIRC氏の発見した印刷変種の発表: 10 vinarska dopisnica – drugič, Nova filatelija 1/2004, pp 10-12
(2)Uradni listi poštnega in brzojavnega ravnateljstva za slovensko ozemlje 1919-1921.
(3)Per Friis Mortensen, 10 vinarska dopisnica, Nova filatelija 1/2004, pp 7-9
(4)Ing. D. Stojsavljević, Poštne celine Jugoslavije, 2002


A. 10 vinar

(1)印面
①red 赤色、light red明るい赤色、dark red 暗赤色、grayish red 灰色がかった赤色、orange red 橙赤色(オレンジレッド)
②carmine洋紅色、weak carmine 弱い洋紅色

(2)印面タイプ
①タイプ1: 上側のキリル文字の国名表示; Жの上側の左の線の上の枠線が切れて白く見える、最初のCの上側の線の上の枠線が切れて白く見える
②タイプ2: 下側のローマ字の国名表示; 最初のSの下の枠線が切れて白く見える
③ブログ著者追記: タイプ3の存在
私が持っている葉書では、下記の特徴を持つ葉書が3枚あります。
上側のキリル文字の国名表示; Pの上の枠線が大きく白く窪んで見える、最初のCの上側の線の上の枠線が切れて白く見える。
同じ特徴を持つ葉書が3枚あるため、タイプ3が存在する可能性が極めて高いと思います。
④ブログ著者追記:
(a)「タイプ2: 下側のローマ字の国名表示; 最初のSの下の枠線が切れて白く見える」の特徴に加えて、タイプ1の上側のキリル文字の国名表示の中の、最初のCの上側の線の上の枠線が切れて白く見える特徴も持っている葉書が私の手元に1枚あります。これはタイプ4の可能性もありますが、1枚しか持っていませんのでまだはっきりしません。
(b)タイプ1の持つ2つの特徴の内、最初のCの上の枠が切れている特徴だけを持っているものも1通あります。これも新しいタイプの可能性があります。
(C)この他にもタイプが存在する可能性は大いにあると思いますので、今後の研究の展開が楽しみです。
現時点では、上のキリル文字の中の、P、Ж、最初のCの上の枠線の切断、下のローマ字の最初のSの下の枠線の切断がポイントのようです。

(3)紙
①pink paperピンク紙、
thin pink paper薄いピンク紙、
thicker pink paper厚いピンク紙
②yellowish paper黄色がかった紙
glossy yellowish paper光沢のある黄色がかった紙
coarse yellowish paper ザラザラした黄色がかった紙
③whitish paper白っぽい紙
coarse whitish paperザラザラした白っぽい紙

(4)サイズ
14.1 x 9.4 cm、13.8 x 9.2 cm
葉書のサイズについて展示の記載にはno standard sizeと書かれています。これは「標準サイズは存在しない」と解釈することも可能ですが、これ以上のことは分かりません。
ブログ著者追記:
私の5通のコレクションには下記のサイズのものがあります:
①上13.9, 下13.9 x 左9.1, 右9.25cm
②上14.2, 下14.3 x 左9.2, 右9.0cm
③上14.1, 下14.1 x 左9.3, 右9.1cm
④上13.9, 下13.8 x 左9.3, 右9.1cm
⑤上14.3, 下14.3 x 左9.0, 右8.9cm
まとめ: 上13.9-14.3, 下13.8-14.3 x 左9.0-9.3, 右8.9-9.25 cmの範囲内で私のコレクションは変動しています。

(5)中央の縦の分割線
①太い
太い、ただし下側の4番目の住所線の上が切れている部分がある
②弱く細く薄い、非常に弱い縦線、ほとんど完全消失、消失(実際はかすかに見える)
③消失

ブログ著者追記:
(6) 10vinar印面と1番目の住所線と中央縦線の距離
参考までに私のコレクションの5通を測定すると、1番目の住所線との距離は14mm、中央縦線との距離は43mmで、バラエティは見つかりませんでした。


B. 15 vinar

(1)印面
light blue明るい青色、greyish blue灰色がかった青色

(2)印面の位置
①1番目の住所の線と印面の間隔が12mm
ブログ著者備考: ネットの画面上で①と②を比較すると両者の差は1mm程度しかありません。また、私のコレクションでは15mmと14mmの2種があります。このため、上記の12mmは、誤記載であり正しくは14mmであると考えられます。
②1番目の住所の線と印面の間隔が15mm

ブログ著者追記:
私のコレクションの3通では、間隔15mmが2通、14mmが1通でした。
印面と中央縦線の距離は42mmで一定でした。

(3)紙
①grey rose paper灰色がかったバラ色の紙
thin grey rose paper灰色がかったバラ色の薄い紙
②yellowish thick paper黄色がかった厚い紙
thin yellowish paper黄色がかった薄い紙
③ブログ著者追記:
私の手元には、バラ色ではなく、「thin grey paper灰色がかった薄い紙」と、「thin grey paper灰色がかった厚い紙」の葉書が1枚ずつあります。

(4)4番目の住所の線
①細い
②太い

(5)中央の縦の分割線
①中央の縦の分割線は完全。
②中央の縦の分割線の中央部の1番目の住所の線の上下に2箇所の切れ込み有り。
③中央の縦の分割線の中央部の1番目の住所の線の上下に2箇所の切れ込み有り、3番目の住所の線の太い方の中央部に切れ込みあり。
ブログ著者追記:
(6)サイズ
私の3通のコレクションには下記のサイズのものがあります:
①上13.5, 下13.55 X 左9.2, 右9.1 cm
②上13.5, 下13.5 X 左9.0, 右9.0 cm
③上14.05, 下14.1 X 左9.1, 右9.2 cm
まとめ: 上13.5-14.05, 下13.55-14.1 X 左9.0-9.2, 右9.0-9.2 cmの範囲内で私のコレクションは変動しています。


C. オーストリア・ハンガリー帝国の軍事葉書に15vinar石版を4枚加貼りした臨時葉書

(1)15vinar石版無目打ち4枚水平ストリップ、中央のガッターが広い
ブログ著者追記: ガッターが均一なものはブログ著者が所有していますのでブログ「2008年07月06日 08時29分22秒 葉書不足に伴う臨時措置」を参照してください。
(2)15vinar石版下水平目打ち漏れ4枚水平ストリップ
(3)15vinar石版目打ち有り4枚水平ストリップ
(4)15vinar石版目打ち有り4枚縦ストリップ


D. 15 para

(1)印面
①dark brown暗い茶色
dark brown暗い茶色、鮮明な印刷
②brown茶色
brown茶色、不鮮明な印刷

(2)印面の位置
中央の縦の分割線と印面の間隔が50mm
中央の縦の分割線と印面の間隔が48mm

ブログ著者追記:
私の5通のコレクションでは、
①印面と1番目の住所線との距離12.2mm、中央縦線との距離50mmのものが3通
②印面と1番目の住所線との距離11.3mm、中央縦線との距離49mmのものが2通
であり、48mmのものはありません。

(3)紙
light brown paper明るい茶色の紙

(4)中央の縦の分割線
中央の縦の分割線は完全。
中央の縦の分割線には、左上の差出人の線の上に1箇所の切れ目有り。
中央の縦の分割線には、4番目の住所線の上に1箇所の切れ目有り

ブログ著者追記:
(5)サイズ
私の5通のコレクションには下記のサイズのものがあります:
①上13.8, 下13.8 x 左9.5, 右9.5cm
②上13.9, 下14.0 x 左9.2, 右9.2cm
③上13.9, 下13.9 x 左9.1, 右9.1cm
④上14.1, 下14.1 x 左9.6, 右9.5cm
⑤上13.7, 下13.8 x 左9.2, 右9.3cm
まとめ 上13.7-14.1, 下13.8-14.1 x 左9.1-9.6, 右9.1-9.5cmの範囲内で私のコレクションは変動しています。


EXPONENTスロヴェニア官製葉書PIRCコレクション翻訳2

2008年08月16日 09時29分34秒 | 葉書
EXPONENTスロヴェニア官製葉書PIRCコレクション翻訳2

http://www.japhila.cz/hof/0143/index0143_009.htm

15 vinar未使用
印面: light blue明るい青色
紙: grey rose paper灰色がかったバラ色の紙
4番目の住所の線: 細い
ブログ著者備考:
中央の縦の分割線の中央部の1番目の住所の線の上下に2箇所の切れ込み有り

15 vinar未使用
印面: light blue明るい青色
紙: thick yellowish paper厚い黄色がかった紙
4番目の住所の線: 太い
ブログ著者備考:
中央の縦の分割線の中央部の1番目の住所の線の上に1箇所の切れ込み有り


http://www.japhila.cz/hof/0143/index0143_010.htm
15 vinar灰色がかったバラ色の紙

15 vinar
印面: light blue明るい青色
印面の位置: 1番目の住所の線と印面の間隔が12mm ①(**ブログ著者備考参照)
紙: thin grey rose paper灰色がかったバラ色の薄い紙
4番目の住所の線: 細い
ブログ著者備考:
中央の縦の分割線は完全。
SLOVENJI GRADEC 日付け不明、LJUBLJANA宛てスロヴェニア国内便
受取人の記載は1920年10月8日
切手の加貼り無し。この時期の国内葉書料金は15 para (60 vinar)、45 vinarの料金不足ですが不足料は徴収されていません。

15 vinar
印面: light blue明るい青色
印面の位置: 1番目の住所の線と印面の間隔が15mm ②(**ブログ著者備考参照)
紙: thin grey rose paper灰色がかったバラ色の薄い紙
4番目の住所の線: 細い
ブログ著者備考:
中央の縦の分割線の中央部の1番目の住所の線の上下に2箇所の切れ込み有り、3番目の住所の線の太い方の中央部に切れ込みあり。
METLIKA、日付け不明、LJUBLJANA宛てスロヴェニア国内便
受取人の記載は1920年8月19日
15 vinar石版3枚加貼り、合計60vinar(15 para)
この時期の国内葉書料金は15 para (60 vinar)

**ブログ著者備考:
印面の位置について
ネットの画面上で①と②を比較すると両者の差は1mm程度しかありません。また、私のコレクションでは15mmと14mmの2種があります。このため、上記の12mmは、誤記載であり正しくは14mmであると考えられます。



http://www.japhila.cz/hof/0143/index0143_011.htm
15 vinar黄色がかった紙

15 vinar
印面: lively blue明るい青色
紙: yellowish thick paper黄色がかった厚い紙
4番目の住所の線: 細い
ブログ著者備考:
速達便、スロヴェニア国内便
チェインブレーカー15, 30vinar石版、2 Krona、2次チェインブレーカー5 para2枚、合計300 vinar (75para)
RIBNICA 19 7 20
RIBNICA 郵便局1920年7月20日
この時期の国内葉書料金は15 para (60 vinar)、速達 60 para(240vinar)、合計300 vinar (75para)

15 vinar
印面: greyish blue灰色がかった青色
紙: thin yellowish paper黄色がかった薄い紙
4番目の住所の線: 太い
15 vinar葉書の後期使用例
ブログ著者備考:
スロヴェニアからボスニア宛て国内便
チェインブレーカー5vinar凸版ノコギリルレット目打ち、2次チェインブレーカー10 paraを加貼り、合計60 vinar (15para)
CELJE 15. III. 21 -8 1c 上がローマ字、下がキリル文字の二文字表記
CELJE郵便局1921年3月15日8時、消印識別記号1c
この時期の国内葉書料金は15 para (60 vinar)


http://www.japhila.cz/hof/0143/index0143_012.htm
15 vinarボスニア・ヘルツェゴビナでの使用例

15 vinar
印面: greyish blue灰色がかった青色
紙: thick yellowish paper黄色がかった厚い紙
4番目の住所の線: 太い
ブログ著者備考:
中央の縦の分割線の中央部の1番目の住所の線の上に1箇所の切れ込み有り
ボスニア・ヘルツェゴビナのDERVENTAからクロアチアのZAGREB宛て国内便
切手加貼り無し
DERVENTA 12 V 20 b
DERVENTA 郵便局1920年5月12日、消印識別記号b
この時期の国内葉書料金は15 vinar

15 vinar
印面: light blue明るい青色
紙: thick yellowish paper黄色がかった厚い紙
4番目の住所の線: 細い
ブログ著者備考:
ボスニア・ヘルツェゴビナのSARAJEVOから同地域のBJELOVAR宛て国内便
チェインブレーカー5vinar凸版ノコギリルレット目打ち、40vinar石版、合計60 vinar (15para)
SARAJEVO 4 -4 VIII 20 C ○
SARAJEVO 4郵便局1920年8月4日、消印識別記号C ○
この時期の国内葉書料金は60 vinar (15para)


http://www.japhila.cz/hof/0143/index0143_013.htm
オーストリア・ハンガリー帝国の軍事葉書に15vinar石版を4枚加貼りした臨時葉書

上: 15vinar石版無目打ち4枚水平ストリップ、中央のガッターが広い、未使用

下: 15vinar石版下水平目打ち漏れ4枚水平ストリップ、未使用

ブログ著者備考:
この件に関しては下記の文献があります
出典:
Igor Pirc (Ljubljana)
Königreich SHS – Die “Kettensprenger” Postkarten
SHS王国 - チェインブレーカー葉書
Nachrichtenblatt der Arbeitsgemeinschaft Jugoslawien und Nachfolgestaaten 101-102, p.2029-2036 (2007)

葉書不足に伴う臨時措置
August Jugによれば、葉書不足により、保管庫にあったオーストリア帝国時代の軍事葉書に、15 vinarチェインブレーカー石版切手の無目打ちの4枚ストリップを貼って、60 vinar(15 para)臨時葉書として2000枚発売した。
A. Tavzesは、目打ち有りの15 vinarチェインブレーカー石版切手も使用されたと記載している。
使用例は、1921年1月12日(マリボールMaribor)から1921年3月12日(リュブリャナLjubljana)までの期間が報告されている。

ブログ著者備考
Priručnik (ユーゴスラヴィア切手ハンドブック)のp.286には以下のように記載されています:
「葉書不足により、リュウブリャナ郵政局は、オーストリア・ハンガリーの軍事葉書に15 vinar石版の無目打ち4枚ストリップを貼って販売した(60 vinar臨時葉書として) 未使用 200 Din (備考: この価格は1945年頃の価格です)」


http://www.japhila.cz/hof/0143/index0143_014.htm
オーストリア・ハンガリー帝国の軍事葉書に15vinar石版目打ち有りを4枚加貼りした臨時葉書の使用例
IGOR PIRC氏の記載: only few used known少数の使用例のみ知られている

15vinar石版目打ち有り4枚水平ストリップ、60 vinar (15 para)
ブログ著者備考:
スロヴェニアBrežice宛て国内便
KRANJ 12 III 21 C
KRANJ郵便局1921年3月12日、消印識別記号C
この時期の国内葉書料金は60 vinar (15 para)

15vinar石版目打ち有り4枚縦ストリップ、60 vinar (15 para)
ブログ著者備考:
スロヴェニアSlovenska Bistrica宛て国内便
MARIBOR 2 12 I 21 19 1b
MARIBOR 2郵便局1921年1月12日19時、消印識別記号1b
上がローマ字、下がキリル文字の二文字表記
この時期の国内葉書料金は60 vinar (15 para)


http://www.japhila.cz/hof/0143/index0143_015.htm
15 para官製葉書

15 para未使用
印面: dark brown暗い茶色
紙: light brown paper明るい茶色の紙
ブログ著者備考:
中央の縦の分割線には、4番目の住所線の上に1箇所の切れ目有り

15 para未使用
印面: brown茶色
紙: light brown paper明るい茶色の紙
ブログ著者備考:
中央の縦の分割線には、左上の差出人の線の上に1箇所の切れ目有り


http://www.japhila.cz/hof/0143/index0143_016.htm

15 para
印面: dark brown暗い茶色、鮮明な印刷
紙: light brown paper明るい茶色の紙
印面の位置: 中央の縦の分割線と印面の間隔が50mm
ブログ著者備考:
クロアチアSHS加刷20 filir加貼り、合計80vinar (20para)
ZAGREB 920 AUG 3 R1R
ZAGREB 1郵便局1920年8月3日、消印識別記号R
チリ宛て(珍しい宛先)
この時期の外国宛て葉書料金は20para

15 para
印面: brown茶色、不鮮明な印刷
紙: light brown paper明るい茶色の紙
印面の位置: 中央の縦の分割線と印面の間隔が48mm
ブログ著者備考:
2次チェインブレーカー10 paraの斜めバイセクトの左上を加貼り、合計80vinar (20para)
JESENICE FUŽINE 19 I 21
JESENICE FUŽINE郵便局1921年1月21日
スイスのチューリッヒ宛て
この時期の外国宛て葉書料金は20paraであるため、正規の料金が支払われているように見えます。しかし、T 10という黒鉛筆の記載とともにスイスの不足切手10 centimes (Mi.32)が貼られてチューリッヒの消印が押されています。
2次チェインブレーカー10 paraのバイセクトが公式に認められたのは、国内の印刷物だけであり、その他の場合には正式には無効でした。このため、この場合にはこのバイセクトは無効と見なされて、不足料金が徴収されたと考えられます。
ただし、多くの場合、2次チェインブレーカー10 paraのバイセクトは、外国宛ての印刷物、国内外宛ての普通郵便物や郵便為替にも使用され、郵便料金として認められている使用例が数多くあります。

EXPONENTスロヴェニア官製葉書PIRCコレクション翻訳1

2008年08月16日 09時28分10秒 | 葉書
EXPONENTスロヴェニア官製葉書PIRCコレクション翻訳1

EXPONENT に公開されているIGOR PIRC氏によるスロヴェニア官製葉書のコレクションの展示では、スロヴェニア語の4つの文献が記載されていますが、これらの内容が英語またはドイツ語の文献で紹介されたものを私は見たことがありません。
このため、この展示内容の記載は、非常に貴重な文献であると思われましたから翻訳・解説して要約することにしました。

出典: EXPONENT、VIRTUAL INTERNATIONAL PHILATELIC EXHIBITION
EXHIBIT: SHS POSTAL CARDS, CHAINBREAKERS ISSUES 1919 - 1921
EXHIBITOR: IGOR PIRC, SLOVENIA
WASHINGTON 2006 – SILVER 2006年ワシントン、銀賞
http://www.japhila.cz/hof/0143/index0143a.htm


http://www.japhila.cz/hof/0143/index0143_001.htm
タイトルページ

参考文献
(1)IGOR PIRC氏の発見した印刷変種の発表: 10 vinarska dopisnica – drugič, Nova filatelija 1/2004, pp 10-12
(2)Uradni listi poštnega in brzojavnega ravnateljstva za slovensko ozemlje 1919-1921.
(3)Per Friis Mortensen, 10 vinarska dopisnica, Nova filatelija 1/2004, pp 7-9
(4)Ing. D. Stojsavljević, Poštne celine Jugoslavije, 2002


15 para 2次チェインブレーカー官製葉書
チェインブレーカー15 vinar石版と3 vinar凸版2枚を加貼り、合計81 vinar (1 vinar過剰)
MARIBOR 1 23 I 21 18 1c
MARIBOR 1郵便局1921年1月23日18時、消印識別記号1c
上がローマ字、下がキリル文字の二文字表記
アメリカSpringfield宛て、外国宛て葉書料金80 vianr(20 para)、宛先不完全で返送


http://www.japhila.cz/hof/0143/index0143_002.htm

10 vinar未使用
印面: red 赤色
紙: pink paperピンク紙
サイズ: 14.1 x 9.4 cm

10 vinar未使用
印面: carmine洋紅色
紙: yellowish paper黄色がかった紙
サイズ: 13.8 x 9.2 cm
ブログ著者備考: 葉書のサイズについて
展示の記載にはno standard sizeと書かれています。これは「標準サイズは存在しない」と解釈することも可能ですが、これ以上のことは分かりません。


http://www.japhila.cz/hof/0143/index0143_003.htm

10 vinar
印面: carmine洋紅色
印面タイプ: タイプ1
上側のキリル文字の国名表示; Жの上側の左の線の上の枠線が切れて白く見える、最初のCの上側の線の上の枠線が切れて白く見える
紙: thin pink paper薄いピンク紙
中央の縦の分割線: 太い
ブログ著者備考:
郵便業務代理人の消印STUDENCE(右側は解読不能)、オーストリアのGraz宛て、日付け不明。「Ablegen納める」の赤色スタンプがあります、詳しいことは分かりませんが、恐らく郵便業務代理人の所に投函されたものを国立郵便局に納入したことを意味すると推定しています。
郵便業務代理人が自分の受け持ち範囲外宛ての郵便物の切手または葉書の印面に消印を押すことは、規則では許可されていません。この使用例ではオーストリア宛ての葉書の印面に消印をしていますから、これは規則違反です。通常は、郵便業務代理人を統括する国営郵便局で葉書の印面の消印を行い、郵便業務代理人は、葉書の印面にかからないところに郵便業務代理人の郵便印を押します。

10 vinar
印面: light red明るい赤色
印面タイプ: タイプ2
下側のローマ字の国名表示; 最初のSの下の枠線が切れて白く見える
紙: thicker pink paper厚いピンク紙
中央の縦の分割線: 太い
ブログ著者備考:
速達、オーストリアのGraz宛て、
チェインブレーカー20及び40vinar石版を加貼り、合計70 vinar、
LJUBLJANA 1郵便局、消印の日付けは判読不能、葉書の書込みは1919年3月18日、この時期のオーストリア宛ては国内と同一料金、葉書10 vinar, 速達60 vinar、合計70 vinar。


http://www.japhila.cz/hof/0143/index0143_004.htm

10 vinar
印面: red 赤色
印面タイプ: タイプ1
上側のキリル文字の国名表示; Жの上側の左の線の上の枠線が切れて白く見える、最初のCの上側の線の上の枠線が切れて白く見える
紙: glossy yellowish paper光沢のある黄色がかった紙
中央の縦の分割線: 太い
最初期使用例
ブログ著者備考:
LJUBLJANA 1 (LAIBACH 1) 20. II. 19 ? 2b
LJUBLJANA 1 (LAIBACH 1)郵便局1919年2月20日, 時刻不明、消印識別記号2b
ドイツ語とスロヴェニア語の二ヶ国語表記の消印
この時期のチェコスロバキア宛ては国内と同一料金、葉書10 vinar

10 vinar
印面: dark red 暗赤色
印面タイプ: タイプ1
上側のキリル文字の国名表示; Жの上側の左の線の上の枠線が切れて白く見える、最初のCの上側の線の上の枠線が切れて白く見える
紙: coarse yellowish paper ザラザラした黄色がかった紙
中央の縦の分割線: 太い、ただし下側の4番目の住所線の上が切れている部分がある
ブログ著者備考:
LESKOVEC PRI KRŠKEM 18 5 19
LESKOVEC PRI KRŠKEM郵便局1919年5月18日、スロヴェニアから国内クロアチア宛て、国内葉書料金10 vinar、検閲印有り。
IGOR PIRC氏は、リュブリャナ郵政管理局管内からザグレブ郵政管理局へ、統括地域の境界を越えたので検閲されたと記載しています。


http://www.japhila.cz/hof/0143/index0143_005.htm

10 vinar
印面: red 赤色
印面タイプ: 未記載
紙: whitish paper白っぽい紙
中央の縦の分割線: 弱く細く薄い
ブログ著者備考:
穿孔P.S.
1919年7月1日~1920年5月15日の期間のオーストリア宛て書留便で、チェインブレーカー5vinar石版が加貼りされLJUBLJANA 1郵便局で差し出されています(日付け不明)。この時期のオーストリア宛ては国内と同一料金ですから、葉書15 vinar、書留60vinar、合計75 vinarになり、60 vinar分の切手が脱落しています。

10 vinar
印面: weak carmine 弱い洋紅色
印面タイプ: 未記載
紙: coarse whitish paperザラザラした白っぽい紙
中央の縦の分割線: 弱く細く薄い
ブログ著者備考:
MARIBOR 2 17 VI 21 ? 1b
MARIBOR 2郵便局1921年6月17日?時、消印識別記号1b
上がローマ字、下がキリル文字の二文字表記
ドイツ宛て葉書料金は50 para(200 vinar)。
この使用例では、10 vinar葉書に75 para(300 vinar)分の全国共通切手を加貼りしていますので、110 vinarの過貼りです。
各種検閲印有り。


http://www.japhila.cz/hof/0143/index0143_006.htm
中央の縦の分割線の変種

10 vinar
印面: grayish red 灰色がかった赤色
印面タイプ: 未記載(タイプ1と推定)
紙: 未記載
中央の縦の分割線: 非常に弱い縦線
ブログ著者備考:
速達便、チェインブレーカー5 vinar石版と1 Kronaノコギリルレット目打ちを加貼り、合計115 vinar。
MARIBOR1 24 IX 19 *2a*
MARIBOR1郵便局1919年9月24日、消印識別記号2a、オーストリアGraz宛て。
この時期のオーストリア宛ては国内と同一料金ですから、葉書15 vinar、速達1 Krone 、合計115 vinarです。

10 vinar
印面: orange red 橙赤色(オレンジレッド)
印面タイプ: 未記載(タイプ1と推定)
紙: 未記載
中央の縦の分割線: 強く太い縦線
ブログ著者備考:
書留便、チェインブレーカー25 vinar石版を加貼り、合計35 vinar。
JESENICE na GORENJSKEM 3 IV 19 b
JESENICE na GORENJSKEM 郵便局1919年4月3日、消印識別記号b、国内便。書留ラベルのAssling in Krainはドイツ語表記。
この時期の国内料金は、葉書10 vinar、書留25vinar、合計35 vinar。


http://www.japhila.cz/hof/0143/index0143_007.htm
1920年6月6日のトリアノン条約で併合されたPrekomurjeプレコムリエ(旧ハンガリー王国領、スロヴェニア人居住地域)での使用例

10 vinar
印面: red 赤色
印面タイプ: 未記載(タイプ1のインク過剰印刷と推定)
紙: 未記載
中央の縦の分割線: ほとんど完全消失
ブログ著者備考:
チェインブレーカー5vinar凸版2枚、20vinar凸版、2次チェインブレーカー25para、合計140vinar、ドイツ宛て書留便。ドイツ国内で転送。
MURSKA SOBOTA 16 AUG 920 1 B、
MURSKA SOBOTA郵便局 1920年8月16日1時、消印識別記号B
年月日はハンガリー型の年月日の順からユーゴ型の日月年の順に変更、D欄のハンガリー王の王権を示すイシュトヴァーン・クラウンは削除されて櫛に変更、完全にユーゴ化された消印。
外国宛て葉書: 20 para、書留: 50 para、合計70 para (280 vinar)、140 vinar不足ですが、不足料金は徴収されていません。
国内葉書: 15 para、書留: 20 para、合計35 para (140 vinar)、どうやら外国宛て料金が適用されるドイツ宛てなのに国内料金が適用されているようです。
検閲印: 円の中に4と記載したドイツの検閲印と、紫色の一行のユーゴスラヴィアのPrekomurjeの検閲印がありますが、後者は非常に珍しいものです。

10 vinar
印面: red 赤色
印面タイプ: 未記載(タイプ1のインク不足印刷と推定)
紙: 未記載
中央の縦の分割線: 消失
ブログ著者備考:
チェインブレーカー5vinar凸版を加貼り、合計15vinar
ハンガリーの郵便業務代理人の消印 KOZEPBESTERCZE 920 MAJ 14
1920年5月14日国内MARIBOR宛て、国内葉書料金15 vinar


http://www.japhila.cz/hof/0143/index0143_008.htm
ユーゴスラヴィア軍により占領されたオーストリアのケルンテン州での使用例

10 vinar
印面: red 赤色
印面タイプ: 切手の下のため不明
紙: 未記載
中央の縦の分割線: 消失(実際はかすかに見える)
ブログ著者備考:
チェインブレーカー5vinar石版を加貼り、合計15vinar
鉄道郵便印EISENKAPPEL- KÜHNSDORF 8??? 2? 1 20
鉄道郵便の便号不明、1920年1月2?日、ドイツ宛て
この時期の外国宛て葉書は30 vinar、料金不足15vinarは徴収されていません。
国内葉書料金15 vinarが適用されている可能性があります。

10 vinar
印面: carmine 洋紅
印面タイプ: 未記載(タイプ1と推定)
紙: 未記載
中央の縦の分割線: 消失
ブログ著者備考:
BOROVLJE ? XII 19 *C*
BOROVLJE郵便局1919年12月?日、消印識別記号C
スロヴェニアのLJUBLJANA宛ての国内便、国内葉書料金15 vinar
5vinar不足のため、不足料金10vinarを不足切手で徴収。
LJUBLJANA 1 13 XII 19 3b
LJUBLJANA 1郵便局1919年12月13日、消印識別記号3b

191018裏 セルビア軍占領下のハンガリーのバラーニャ地方ペーチでの使用例

2008年08月13日 15時50分09秒 | 葉書
191018裏 セルビア軍占領下のハンガリーのバラーニャ地方ペーチでの使用例

ペーチの風景、ハンガリー風の建物(右側)、イスラム支配時代のモスクの建物(中央)、市内電車と馬車を描いています。
ペーチに関する、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』の日本語サイトはhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%83%81

191018消印 セルビア軍占領下のハンガリーのバラーニャ地方ペーチでの使用例

2008年08月13日 15時47分28秒 | 葉書
消印
PÉCS 919 OKT. 18. N9 E1E (セルビア軍占領下のバラーニャ地方)
郵便局名PÉCSは、薄いですが読み取ることが可能です。
PÉCS 1郵便局1919年10月18日、昼間9時、消印識別記号E、ハンガリー型消印
PÉCSの日本語読みは「ペーチ」です。

この使用例では、チェインブレーカー10 vinar石版切手がハンガリー共和国の普通切手と併用され、セルビア軍占領下のバラーニャ地方のPÉCSペーチの消印が押されています。
葉書の差出人が左上に「Pečuj 17-10-19」(ペーチ1919年10月17日) と記載しています。クロアチア語のアルファベットのčはcsと同等に扱われますので、 PečujはPecsujと同等です。ハンガリー語のアルファベットのéは、クロアチア語ではeと書かれます。クロアチア語では地名の語尾が変化しているのは良く見られます。このため、Pečujがハンガリー語のPécsを表わしていることは明らかです。
このため、この葉書はペーチで書かれて投函されてペーチで消印されたと考えられます。
宛先はクロアチアのKarlobagカルロバグです。
このセルビア軍占領下のバラーニャ地方でのチェインブレーカーの非常に稀な使用例が、あの当時の郵趣家の手によって作られたものか、あるいは旅行者または軍人によってセルビア軍占領下のバラーニャ地方に持ち込まれて使用されたものかは分かりません。
この葉書の差出人や受取人が、当時活動していた郵趣家あるいは切手販売業者であるという文献は見つかっていません。
このため、現状では、この葉書の使用例はフィラテリック・メールではなく、通常の郵便物であると考えています。

191018表 セルビア軍占領下のハンガリーのバラーニャ地方ペーチでの使用例

2008年08月13日 15時45分00秒 | 葉書
191018表 セルビア軍占領下のハンガリーのバラーニャ地方ペーチでの使用例

解説: セルビア軍占領下のバラーニャ地方
第一次世界大戦後、セルビア軍は、鉄鉱石鉱山の支配を目的として、ハンガリー南部のバラーニャBaranya地方を占領しました。
その中心都市PÉCSペーチは文化都市であり、ハンガリー最古の大学であるペーチ大学があります。
バラーニャ地方では、セルビア軍の占領下で当初はハンガリー切手がそのまま使用され、後にハンガリー切手にBaranyaと加刷した一連の切手と葉書、レターカード、書留封筒が発行されました。

ユーゴスラヴィアの切手(スロヴェニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビア)の切手は、バラーニャ地方の郵便局の窓口で発売されることはなく、これらは公式にはバラーニャ地方では無効でした。また、バラーニャ加刷切手がユーゴスラヴィアの郵便局で発売されることも無く、もちろんそれらはユーゴスラヴィアでは無効でした。

しかし現実には、セルビア軍占領下のバラーニャ地方で、スロヴェニアのチェインブレーカーの使用例が非常に少数ですが報告されています。
私の知っている範囲内では3例の使用例が文献で報告されており、私はその内の2例(この葉書とこれとは別の封書)を持っています。
私のコレクションの2つの使用例は、イギリスのYugoslavia Study Groupの機関誌Jugopošta No. 42, p.32-34, September, 1995に投稿してあります。
もう1例は封書で、Jugopošta No. 41, p.24, June, 1995に掲載されています。



ご参考までにBaranya加刷切手がユーゴスラヴィアのクロアチアのNOVA GRADIŠKA(ノヴァ グラディシュカ)で使用された郵便為替(料金計算と切手の貼り付けは郵便局員が行なう)の使用例は、
EXPONENT
SLOVENIAN ISSUES FROM 1919 TO 1920 IN MIXED FRANKING
http://www.japhila.cz/hof/0146/index0146_076.htm
に公開されています。

この他に、ユーゴスラヴィアの葉書やレターカードがセルビア軍占領下のバラーニャ地方で使用された例も報告されており、下記の文献があります。
イギリスのYugoslavia Study Groupの機関誌Jugopošta
①No. 52, December, 1995
②No. 51, Sepetember, 1995 ---これは私のコレクションの報告であり、クロアチアで発行された軍事葉書へ加刷した葉書がバラーニャのPÉCSペーチからスイス宛てに使用された例です。ただし、これはフィラテリック・メールと考えられます。

このようにバラーニャ地方の国境近辺では、ユーゴスラヴィアとバラーニャ占領地の切手が非常にまれに併用されたと考えられます。
それらは、公式に郵便局で発売されたものではなく、旅行者や軍人が持ち込んで使用したと考えられます。


画像の使用例の解説

切手:
スロヴェニア・チェインブレーカー10 vinar (Mi.101) 石版、粗紙
ハンガリー10 fillér (Mi.246)
合計20 fillér (vinar)

宛先: Karlobag (クロアチア)

セルビア軍占領下のバラーニャ地方の郵便料金
国内葉書料金: 30 fillér
外国宛て葉書料金: 30 fillér
ただしこの郵便料金の文献の著者は、外国宛て葉書料金に関しては、今後再確認が必要と記載しており、この料金が正しいとは限りません。
ユーゴスラヴィア軍が占領していたため、葉書の宛先であるクロアチアのKarlobagは国内扱いにされていた可能性もあります。

料金不足: 30-20 = 10 fillér (vinar)
ただし、不足料金は徴収されていません。

参考文献:セルビア軍占領下のバラーニャ地方の郵便料金の出典
Yugoslavia Study Groupの機関誌Jugopošta No. 66, p.66/5-66/10, June, 2003
著者: Bernard Sharp
The Baranya Republic – The Serbian Occupation of 1918 to 1921 – Postal Tariffs バラーニャ共和国- 1918年から1921年のセルビア占領- 郵便料金

検閲印: VOJ CENZ 黒色ハンドスタンプ、日本語訳: 軍事検閲