チェインブレーカー及び関連領域の郵便史

ユーゴスラヴィア建国当時~1922年頃までの旧オーストリア・ハンガリー帝国地域のチェインブレーカーを中心とした郵便史

190905表 小包第2期クロアチア国内便、スロヴェニア50vinar複合目打ち

2007年10月31日 19時54分33秒 | 小包第2期
190905表 小包第2期クロアチア国内便、スロヴェニア50vinar複合目打ち

小包送票:ユーゴスラヴィアSHS 16 v(小包送票代金の収入印紙、小包料金に含まない)、スロヴェニア語、ピンク色紙
小包ラベル:Vukovar 133
料金手書き:無し

切手:スロヴェニア50 vinar(Mi.107, 複合目打ち; 縦; 11 1/2, 横; 直線ルレット、目打ち後糊引き)8枚、クロアチア正刷10 filir(Mi.91)
合計410 filir

料金計算:
重量料金8.2 kg---390 filir (150+60*4)
代金引換料金---20 filir
通知料金---10 filir
合計420 filir (貼り付け切手は10filir不足)

消印:VUKOVAR 919 SEP. 5 C (1919年9月5日)、ハンガリー式消印
備考:50vinarは、目打ち後に糊引きされたため、目打ち穴が糊でふさがれ切手を切り離すのが困難となり、目打ち部分や切手が大きく損傷しています。

190821表 小包第2期 スロヴェニア+ボスニア・ヘルツェゴビナ混貼り、小型包装物

2007年10月30日 20時36分42秒 | 小包第2期
190821表 小包第2期 スロヴェニア+ボスニア・ヘルツェゴビナ混貼り、小型包装物

第2期小包 ボスニア・ヘルツェゴビナからクロアチア宛て
小包送票:オーストリア・ハンガリー帝国占領下のボスニア・ヘルツェゴビナ、8 heller(剣)+2 heller(紋章)追加印刷 (小包送票代金の収入印紙、小包料金に含まない)、ドイツ語・セルボクロアート語、白紙

小包ラベル:M.P.A. Bos. Dubica 278 (郵便局名はドイツ語表記)
その他のラベル:
①白紙に赤字でB、これは1kg未満または小型の包装物(25:10:10cmに達しないもの)を示す。ただし特別な料金は徴収されない。この小型包装物は、複数個を袋にまとめて入れて鍵をかけて輸送することができる。
②黄色紙に黒字でW;ドイツ語でWert価格表記(保険)付きを示す。
料金手書き:無し

切手:スロヴェニア10 vinar(Mi.101凸版, ノコギリルレット目打ち)
ボスニア・ヘルツェゴビナSHS(キリル文字でCXC)加刷60 heller(Mi.43)、2 Kruna(Mi.46)、3 Kruna(Mi.47)
合計5 Kruna 70 heller

料金計算:
重量料金780 g---150 heller
価格表記(保険)料金5000 K---180 heller (100+20*4))
配達料金---140 heller (100+10*4)
合計470 heller (貼り付け切手は100 heller過貼り)

消印:BOS. DUBICA 24 VIII 19 C (1919年8月24日)、ドイツ語のK. UND K. MILIT. POSTを削除してユーゴ化した消印。

参考文献:小包送票の表示及びラベル
Arge der Balkan Länder, No. 130, p.6-13, (1994)
Thomas Artel
Einführung in die Verwnedung von Klebzetteln als besonderer Kennzeichnung von Paketbegleitadressen 郵便小包送票の特別表示事項へのラベルの使用
備考:各種表示に関しては、規定のラベルを貼る代わりに、手書きで表示することも許されていました。

190814表 小包第2期スロヴェニア地域内便

2007年10月29日 20時20分25秒 | 小包第2期
190814表 小包第2期スロヴェニア地域内便

小包送票:オーストリア帝国12 heller(小包送票代金の収入印紙、小包料金に含まない)、ドイツ語、白紙
小包ラベル:Sachsenfeld 51 (郵便局名はドイツ語表記)
料金手書き:無し
切手:スロヴェニア10 vinar(Mi.101石版)、25 vinar(Mi.104石版)、50 vinar(Mi.107目打ち後糊引き)3枚
合計185 vinar

料金計算:
重量料金3.6 kg---150 vinar
価格表記(保険)料金50 K---25 vinar
通知料金---10 vinar
合計185 vinar (貼り付け切手と一致)

消印:ŽALEC 14 VIII 19 (1919年8月14日) スロヴェニア語表記。ドイツ語表記SACHSENFELD が削除されてユーゴ化されています。ただし一部にドイツ語名の痕跡が見えます。また、通常は残されている消印の識別記号がこの例では削除されています。

備考:
①50 vinarは目打ち後に糊引きされたため、目打ち穴が糊でふさがれ切手を切り離すのが困難となり、目打ち部分や切手が大きく損傷しています。

190730表 小包第2期スロヴェニア国内便

2007年10月28日 11時17分57秒 | 小包第2期
190730表 小包第2期スロヴェニア国内便

小包送票:オーストリア帝国12 heller(小包送票代金の収入印紙、小包料金に含まない)、ドイツ語・スロヴェニア語、白紙
小包ラベル:Laibach 3 452 (郵便局名はドイツ語表記)
料金手書き:160 vinar

切手:スロヴェニア60 vinar(Mi.108目打ち後糊引き)、1 Krona(Mi.109目打ち後糊引き)
合計160 vinar

料金計算:
重量料金4kg---150 vinar
通知料金---10 vinar
合計160 vinar (料金手書きと一致、貼り付け切手と一致)

消印:LJUBLJANA 3 30 7 19 (1919年7月30日) スロヴェニア語表記。ドイツ語表記LAIBACHが削除されてユーゴ化されています。

備考:
①60 vinarと1 Kronaは、目打ち後に糊引きされたため、目打ち穴が糊でふさがれ切手を切り離すのが困難となり、目打ち部分や切手が大きく損傷しています。
②宛先のžupani uradは地区教会事務所です。

190729表 小包第2期 スロヴェニア+クロアチア正刷混貼り

2007年10月27日 22時14分06秒 | 小包第2期
190729表 小包第2期 スロヴェニア+クロアチア正刷混貼り

第2期、クロアチアからボスニア・ヘルツェゴビナ宛て
小包送票:ハンガリー王国10 fillér(小包送票代金の収入印紙、小包料金に含まない)、ハンガリー語・セルボクロアート語表記、薄青紙、小型

小包ラベル:Zagreb 7 654
料金手書き:6 Kruna 20filir

切手:スロヴェニア1 Krona(Mi.109目打ち後に糊引き)裏、5 Krona(Mi.111)、クロアチア正刷20 filir(Mi.92)、合計6 Krona 20 vinar

料金計算:
重量料金9.5kg----4.5 Kruna (150+60*5)
価格表記(保険)500 K---50 filir
代金引換20 K---20 filir
配達料金---1.0 Kruna
合計 6 Kruna 20 filir (料金手書きと一致、貼り付け切手と一致)

消印:ZAGREB 919 JUL 29 N5 B7B (1919年7月29日) ハンガリー型消印

190728裏 小包第2期 スロヴェニア+ハンガリー混貼り

2007年10月26日 20時58分05秒 | 小包第2期
190728裏 小包第2期 スロヴェニア+ハンガリー混貼り

到着印:不鮮明のため判読不能
受取人サイン日付:未記載
引渡し印:MARTIUANEC 11 AUG 919 N (1919年8月11日)
ハンガリー型消印の左から右に「年月日」の表示順序を、ユーゴ式の「日月年」の順に変更したユーゴ化した消印です。ただし、ハンガリー王の王権を象徴するイシュトヴァーン・クラウンと呼ばれる王冠は残されたままです。また、ユーゴ式の年号表記は2桁の19ですが、この使用例では年号表示が919とハンガリー式の3桁表示のままになっています。

190728表 小包第2期 スロヴェニア+ハンガリー混貼り

2007年10月26日 20時56分58秒 | 小包第2期
190728表 小包第2期 スロヴェニア+ハンガリー混貼り

第2期、クロアチア国内便
小包送票:ハンガリー王国10 fillér(小包送票代金の収入印紙、小包料金に含まない)、ハンガリー語・セルボクロアート語表記、薄青紙、小型 (左側をカット)
小包ラベル:ほとんど切り取り
その他のラベルなど:
赤紙に黒字UTÁNVÉTEL, POUZEĆE; 代金引換を表すハンガリー語とセルボクロアート語の記載。
手書き青字V; 価格表記(保険)を表す記載。
料金手書き:8 Kruna 80 filir

切手:スロヴェニア40 vinar(Mi.106石版)2枚、2 Krona(Mi.110目打ち11 1/2、目打ち後に糊引き)、ハンガリー3 Korona(Mi.205)2枚
合計8 Kruna 80 filir (料金手書きと一致)

備考:スロヴェニア2Kronaは、目打ち後に糊引きされたため目打ち穴が糊でふさがれ切手の切り離しの際に切りにくかったため、目打ち部分が大きく損傷しています。

料金計算:重量料金、代金引換、価格表記(保険)の数値が切り取られているため計算不能

消印:
SENJ 28- JUL. 919 N9 (1919年7月28日)
ハンガリー型消印の左から右に「年月日」の表示順序を、ユーゴ式の「日月年」の順に変更したユーゴ化した消印です。ただし、ハンガリー王の王権を象徴するイシュトヴァーン・クラウンと呼ばれる王冠は残されたままです。また、ユーゴ式の年号表記は2桁の19ですが、この使用例では年号表示が919とハンガリー式の3桁表示のままになっています。

参考文献
小包送票の表示及びラベル
Arge der Balkan Länder, No. 130, p.6-13, (1994)
Thomas Artel
Einführung in die Verwnedung von Klebzetteln als besonderer Kennzeichnung von Paketbegleitadressen 郵便小包送票の特別表示事項へのラベルの使用
備考:各種表示に関しては、規定のラベルを貼る代わりに、手書きで表示することも許されていました。

目打ち穴を開けた後に糊引きをして製造したスロヴェニア切手

2007年10月25日 20時09分33秒 | スロヴェニア切手
目打ち穴を開けた後に糊引きをして製造したスロヴェニア切手

スロヴェニア発行切手の50, 60 vinar, 1, 2, 5 Kronaで、リュブリャナのJugoslovanska tiskarna印刷所で「薄く柔らかい白あるいは黄色い構造のある紙(タイプB4紙)」に印刷された最初の印刷版は、通常とは逆に、印刷シートに目打ち穴を開けた後に糊引きをして製造したことが知られています。
このようにして製造された場合は、目打ち穴が糊で埋まっているため区別がつきます。
このようなものは、目打ち穴が糊で埋まってなくなってしまうので、切手の切り離しが非常に難しくなり、「普通に切り離すと目打ちの損傷あるいは切手自体の損傷なしに行うことができない」「通信に使われたこの印刷版の切手の大部分は傷ついている」と文献(1)には書かれています。
このことが残存するカバーに反映され、切手の状態の悪いものがカバーに貼られているのが高頻度で見られます。
また、手で切り離すのが困難であったため、ハサミを使用して切り離された例も数多く見られます。
これらは切手の傷物と単純に評価するのではなく、あの当時の世界に他に類例を見ないようなスロヴェニア切手の特異な製造方法と郵便局窓口での取扱いの難しさを反映した、世界でも珍しい郵便史上の証拠として取り扱うべきだと考えています。
参考文献
(1)Priručnik Maraka Jugoslavenskih Zemalja, ユーゴスラヴィア切手ハンドブック p.258

190719裏 小包第2期スロヴェニア+クロアチア正刷混貼り

2007年10月25日 20時05分02秒 | 小包第2期
190719裏 小包第2期スロヴェニア+クロアチア正刷混貼り

到着印:SARAJEVO 20 7 1919 (青色、1919年7月20日)、ドイツ語のK. UND K. MILIT. POSTを削除したユーゴ化した消印。
受取人サイン:1919年7月21日

切手のタイプ・シート・ポジション:
①スロヴェニア25 vinar(Mi.104石版):耳紙に横線と点線の半円、
タイプ1と2、シートIのpos.21と22
②スロヴェニア1 Krona(Mi.109目打ち11 1/2):目打ち穴を開けた後に糊引きしたシート(目打ち穴が糊でふさがれている、備考参照)。pos.61, 62, 63

備考:
①タイプとシートとポジションのブレーティング
カナダのA. H. Stokes博士から提供していただいた研究資料に基づきます。

②目打ち穴を開けた後に糊引きをして製造したスロヴェニア切手
スロヴェニア発行切手の50, 60 vinar, 1, 2, 5 Kronaで、リュブリャナのJugoslovanska tiskarna印刷所で「薄く柔らかい白あるいは黄色い構造のある紙(タイプB4紙)」に印刷された最初の印刷版は、通常とは逆に、印刷シートに目打ち穴を開けた後に糊引きをして製造したことが知られています。
このようにして製造された場合は、目打ち穴が糊で埋まっているため区別がつきます。
このようなものは、目打ち穴が糊で埋まってなくなってしまうので、切手の切り離しが非常に難しくなり、「普通に切り離すと目打ちの損傷あるいは切手自体の損傷なしに行うことができない」「通信に使われたこの印刷版の切手の大部分は傷ついている」と文献(1)には書かれています。
このことが残存するカバーに反映され、切手の状態の悪いものがカバーに貼られているのが高頻度で見られます。
また、手で切り離すのが困難であったため、ハサミを使用して切り離された例も数多く見られます。
これらは切手の傷物と単純に評価するのではなく、あの当時の世界に他に類例を見ないようなスロヴェニア切手の特異な製造方法と郵便局窓口での取扱いの難しさを反映した、世界でも珍しい郵便史上の証拠として取り扱うべきだと考えています。
参考文献
(1)Priručnik Maraka Jugoslavenskih Zemalja, ユーゴスラヴィア切手ハンドブック p.258

190719表 小包第2期スロヴェニア+クロアチア正刷混貼り

2007年10月25日 20時03分36秒 | 小包第2期
190719表 小包第2期スロヴェニア+クロアチア正刷混貼り
小包第2期 クロアチアからボスニア・ヘルツェゴビナ宛て

小包送票:ハンガリー王国10 fillér(小包送票代金の収入印紙、小包料金に含まない)、ハンガリー語・セルボクロアート語表記、黄色紙、大型
小包ラベル:Zemun 1 586
その他のラベル:赤字V、旧ハンガリー王国の価格表記(保険)ラベル
切手:クロアチア正刷20 filir(Mi.92)2枚、スロヴェニア25 vinar(Mi.104石版) 2枚、1 Krona(Mi.109目打ち11 1/2)3枚、合計390 filir
料金手書き:右上3 Kruna 90 filir (390 filir)

料金計算:
重量料金2 kg---150 filir
価格表記(保険)料金3000 K---140 filir (保険3000 K のため上乗せ100+20*2)
配達料金---120 filir (保険3000 K のため上乗せ100+10*2)
合計410 filir (料金手書きと貼り付け切手は20 filir料金不足)
消印:ZEMUN JUL 19 N11 E1E (青色、ハンガリー型消印、1919年7月19日)

参考文献
小包送票の表示及びラベル
Arge der Balkan Länder, No. 130, p.6-13, (1994)
Thomas Artel
Einführung in die Verwnedung von Klebzetteln als besonderer Kennzeichnung von Paketbegleitadressen 郵便小包送票の特別表示事項へのラベルの使用
備考:各種表示に関しては、規定のラベルを貼る代わりに、手書きで表示することも許されていました。