チェインブレーカー及び関連領域の郵便史

ユーゴスラヴィア建国当時~1922年頃までの旧オーストリア・ハンガリー帝国地域のチェインブレーカーを中心とした郵便史

200610 2 Krona (目打ち11) 2枚貼り書留便

2009年11月29日 08時53分08秒 | 封書
200610 2 Krona (目打ち11) 2枚貼り書留便

切手: スロヴェニア・チェインブレーカー
Mi.110、2 Krona、目打ち11、2枚(通常は目打ち11 1/2)
合計 4 Krona (1 Dinar)
備考: 2 Kronaの目打ち11のカバーはあまり見かけません。

宛先: Wien (オーストリア)

書留ラベル:
暗紫色の長方形のハンドスタンプにRとKarlovacと刻印され、番号918は手書きです。

郵便料金
オーストリア宛ては国内料金と同一。
国内料金で計算すると、
封書20gまで: 25 para (100 vinar)、20gを越えると20g毎に15 para、80gまでは25+15×3=70para (280 vinar)
書留: 20 para (80 vinar)
合計 90 para (10 para加貼り)

外国料金で計算すると、
封書20gまで: 50 para (200 vinar)
書留: 50 para (200 vinar)
合計 1 Dinar (4 Krona)
このように、外国料金で計算すると、貼り付けられた切手の額面と郵便料金が一致します。このため、この使用例の料金は、国内料金扱いのオーストリア宛てであるにもかかわらず、外国料金で計算されている可能性もあります。

消印: KARLOVAC G1G 920 JUN 10 N10
クロアチアのKARLOVAC1郵便局 1920年6月10日昼間10時、消印識別記号G
ハンガリー型消印


200528表 後にルーマニア領になった町ZSOMBOLYA (JIMBOLIA)での使用例

2009年11月22日 09時54分05秒 | 封書
200528表 後にルーマニア領になった町ZSOMBOLYA (JIMBOLIA)での使用例

切手: スロヴェニア・チェインブレーカー
Mi.109、1 Krona
Mi.106、40 vinar凸版、平滑白紙、2枚
合計 180 vinar

宛先: Wien (オーストリア)

書留ラベル:
ハンガリー語表記の地名Zsombolyaの印刷を、ZをŽに書き換え、sを二重線で抹消し、yをjに書き換えて、ユーゴスラヴィア表記のŽomboljaに書き換えています。
また、ハンガリー語で書留を意味するAjanlottを二重線で抹消し、ユーゴスラヴィアの言語で書留を意味するPrepに書き換えています。
さらに、黒インクで書留を意味するRecomの記載もあります。

郵便料金
オーストリア宛ては国内料金と同一
封書20gまで:25 para (100 vinar)
書留: 20 para (80 vinar)
合計 45 para (180 vinar)
1920年5月16日に郵便料金の改訂が行われており、この使用例は改訂13日目の使用例です。

消印: ZSOMBOLYA 920 MAJ 28 N9 B、紫色
ヴォイヴォディナのZSOMBOLYA郵便局 1920年5月28日昼間9時、消印識別記号B
ハンガリー型消印
この封書が使用された当時は、ZSOMBOLYAはユーゴスラヴィア領でしたが、後に平和的にルーマニアに編入されました。

備考
封筒の上部のSCHMIDTという印刷と、左下の靴の絵の中にSchmidtという印刷がありますから、この封筒は靴屋のSchmidtのもののようです。

ZSOMBOLYA (JIMBOLIA)のルーマニアへの編入
Google MapでJimboliaで検索すると、ルーマニアとユーゴスラヴィアの国境の町である、ハンガリー語: Zsombolya、ルーマニア語Jimboliaの町が表示されます。

JimboliaについてWikipedia英語版は次のように書いています:
http://en.wikipedia.org/wiki/Jimbolia
Jimbolia (ルーマニア語)(バナート・ブルガリア語: Džimbolj, ドイツ語: Hatzfeld, ハンガリー語: Zsombolya, セルビア語: Žombolj または Жомбољ)は、今はルーマニアのティミシュ郡Timiş countyの町です。
2004年の人口は11,605人。
1910年の国勢調査では、人口10,893人、ルーマニア人1%、ハンガリー人20.8%、ドイツ人74.2%の民族分布であり、セルビア人はいませんでした。

Zombolyaは、1918年11月17日にセルビア軍の支配下に入りました。
トリアノン条約の結果、Zombolyaは1920年7月4日にSHS王国(ユーゴスラヴィア)の領土になりました。
ルーマニアとユーゴスラヴィアの間の国境の調整の結果、1924年4月9日にJimboliaの名でルーマニア領になりました。
同時にModosch村がルーマニアからユーゴスラヴィアに移管されました。

ブログ著者備考
ユーゴスラヴィア領のZombolya(Jimbolia)は、ほとんどがハンガリー人とドイツ人でありセルビア人はいませんでした。
このためルーマニア領のセルビア人が多い地区(代表的なのはModosch村)とZombolya(Jimbolia)が交換されて国境線が引き直され、Zombolya(Jimbolia)はルーマニアに編入されました。

200504表 40 vinarと50 vinar混貼り書留便

2009年11月15日 08時31分35秒 | 封書
200504表 40 vinarと50 vinar混貼り書留便

切手:
スロヴェニア・チェインブレーカー
Mi.106、40 vinar石版、平滑白紙
Mi.107、50 vinar凸版、平滑白紙
合計 90 vinar

宛先: Rečica ob Paki pri Celje(スロヴェニア)
(最後のCeljeは封書ではCeljuと語尾変化しています)

郵便料金
国内書留料金
封書20gまで: 30 vinar
書留: 60 vinar
合計 90 vinar

書留ラベル:黒色ハンドスタンプの書留印、1156の手書き

消印
MARIBOR 1 -4. V. 20―*3a*
スロヴェニアのMARIBOR 1郵便局 1920年5月4日、消印識別記号3a

到着印: なし

200403表 イギリス宛て書留便

2009年11月08日 11時08分32秒 | 封書
200403表 イギリス宛て書留便

切手:
スロヴェニア・チェインブレーカー
Mi.101、10 vinar凸版、平滑白紙、上無目打ち
Mi.103、20 vinar凸版、平滑白紙
Mi.105、30 vinar凸版、平滑白紙
Mi.106、40 vinar凸版、平滑白紙
Mi.107、50 vinar凸版、平滑白紙
合計 150 vinar

宛先: Wincanton (イギリス)

書留ラベル: Zagreb 2 1065、ハンガリー型の書留ラベル

郵便料金
外国料金
書状: 20gまで75 vinar
書留: 75 vinar
合計: 150 vinar

消印: ZAGREB S2S 920 APR 3 –N4
クロアチアのZAGREB2郵便局 1920年4月3日、昼間4時、消印識別記号S
ハンガリー型の消印

検閲印: 紫色ハンドスタンプ、キリル文字表記
Pregledala 検査
vojna cenzura 軍事検閲
検閲官のサインと推定される記載有り

200322表 20 vinarと10 vinarの混貼り

2009年11月01日 09時47分07秒 | 封書
200322表 20 vinarと10 vinarの混貼り

切手:
スロヴェニア・チェインブレーカー
Mi.101、10 vinar凸版、平滑白紙
Mi.103、20 vinar凸版、灰色海綿紙
合計 30 vinar
オーストリア宛て封書料金が20 vinarから30 vinarに値上げされたため、旧料金の20 vinar切手に10 vinar切手を追加貼り付けした形式になっています。

宛先: Wien (オーストリア)

郵便料金
オーストリア宛ては国内料金と同一
書状: 20gまで30 vinar
合計: 30 vinar

消印: ŽUPANJA 22 MAR 920
クロアチア(スラヴォニア)のŽUPANJA郵便局 1920年3月22日
ハンガリー型の単円の消印ですが、ハンガリー式の上から下に向けて「年月日」の配列順序を、ユーゴ式の「日月年」に並べ替えてユーゴ化しています。

検閲印: 紫色ハンドスタンプ、キリル文字表記
Pregledala 検査
vojna cenzura 軍事検閲
検閲官のサインと推定される記載有り