クラシック音楽のひとりごと

今まで聴いてきたレコードやCDについて綴っていきます。Doblog休止以来、3年ぶりに更新してみます。

クーベリック/VPOのベートーヴェン 交響曲第7番イ長調

2005年07月10日 05時06分00秒 | 交響曲
高校2年の次男が、北海道への修学旅行から帰ってきました。
伊予路の高校生の修学旅行といえば、以前は東京一辺倒だったものですが、最近は生徒の希望に合わせて、北海道や沖縄、韓国や上海、シンガポールまで・・・・。いやはや贅沢なものであります。
で、土産が定番のタラバ。これは旨かった。随分高かったろう。他にも沢山の土産を買ってきていたので、家内はだいぶ散財したのではないかと心配しておりました。
なぁに、欲しいものをとことん買ってしまうのは遺伝子の働き、仕方あるまい。ワシなど出張のたびにCDを山ほど買い込んで来るではないかと、納得させましたが。

さて、カニを食って元気が出たところで、今日はクーベリックのベートーヴェン交響曲全集から、ウィーン・フィルとの7番。1974年9月の録音。

クーベリックの「ベト7」には、1970年頃に手兵のバイエルン放送響と録音したレコードがある(グラモフォン・スペシャルという1300円の廉価盤で所持している)が、このウィーン・フィル盤は、9曲のベートーヴェンの交響曲をすべて違うオケで録音しようというDGの企画物の1枚。
この全集は、オケの違いはもちろん楽しいのだが、クーベリック唯一のベートーヴェン全集として貴重だと思うし、愛聴盤でもある。
パリ管との田園、ボストンとの運命など、大好きな演奏もある。

これはレコードで初め購入した。御茶ノ水のディスク・ユニオンだったと思う、中古盤でも8000円もした。高かった。高いからと云うわけではないが、よく聴いた。その後、5年ほど前に同じく中古盤でCDを見つけ、買い直した。CDの方が聴きやすい音になっていると思う。

で、演奏はと言うと・・・・・・。
第1楽章から堂々とした演奏。テンポはゆったりとして、恰幅の良い、王者の歩みだ。さすがにウィーン・フィル、瑞々しい弦と明るめの管楽器が美しいアンサンブルを聴かせてくれる。
第2楽章の悲痛な響きも極上。もちろん、クーベリックのこと、情緒纏綿・お涙頂戴の愁嘆場になるようなことはなく、聴き手に迫る哀しみはもっとさりげなく、高貴だ。
第3楽章、たたみかけるような迫力が素晴らしい。ここでもテンポは堂々としたもの。性急になることがなく、安定感抜群。いわゆる爆演系ではなく、正統的・伝統的な演奏だと思うが、硬直していることはない。ウィーン・フィルだからか。
終楽章は、ヴァイオリンの両翼配置が効いて、第1・第2ヴァイオリンの掛け合いが楽しめる。ベートーヴェンやマーラーについては、オケの両翼配置の方が楽しめると思うのだが、この終楽章などはその典型だろう。クーベリックはここでも王者の歩み、正々堂々、貫禄十分の行進を見せつつ終結する。
聴き手は満足感一杯。

ああ、ベートーヴェンを聴いたなあ、という実感で喜びに浸れる1枚であります。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿