クラシック音楽のひとりごと

今まで聴いてきたレコードやCDについて綴っていきます。Doblog休止以来、3年ぶりに更新してみます。

ブルックナーの交響曲第1番 ハ短調 バレンボイム/ベルリン・フィル

2007年06月13日 06時22分37秒 | 交響曲
おはようございます。
Doblogのメンテナンスが朝の6時過ぎに終わったようです。
深夜のメンテナンス、今回は作業が速かったようですね。

今日はふだんあまり聴かない曲を。

ブルックナーの交響曲第1番 ハ短調。
ダニエル・バレンボイム指揮ベルリン・フィルの演奏。
楽譜はノヴァーク版を使用、いわゆる「リンツ稿」。
1996年11月、ベルリンのフィルハーモニー・ホールでの録音。ワーナー・クラシックスの原盤。
バレンボイムの新しいブルックナー全集だが(旧盤はDGにシカゴ響と録音していた。これは素晴らしい全集だった)、今やボックス物の廉価盤であります。

圧倒的な音響。巨大な音の塊、あるいは音響の渦と云うべきか。
目の覚めるような音で録音されているので、ベルリン・フィルのパワーに聴き惚れてしまう。素晴らしく巧いスーパー集団、その本領が見事に発揮された演奏。ということは、バレンボイムのバトン・テクニックがスゴイのだろうと思う。

シンフォニストたるブルックナーの記念すべき交響曲第1作(0番という習作はあるが)。作曲者が40代に入ってからつくられた第1作であり、壮年期といってもいい年頃の作だけに、完成度は高いと思う。

第1楽章からブルックナーの個性丸出し。
ダイナミックレンジの大きさ、高まるクレッシェンド、崇高なアダージョ、なじみ深いスケルツォ。後期の、至高の名作群を思わせる構成。

第1楽章のアレグロは迫力十分。少々まとまりに欠ける感じがするのは、作品に内在する弱さだろうか。バレンボイムの指揮は無難なものだと思うし、ベルリン・フィルは巧い。

第2楽章はアダージョ。ブルックナーにしては13分程度と規模が小さいが、美しい弦楽合奏が印象的。ベルリン・フィルの音は、鏡面仕上げのように美しい。輝いて、滑らかで、ツルッとしたところもある。
この美しさと静謐さは、後期の名作と同じ。すでにブルックナーは第1作で晩年のスタイルを作っていたのかと実感。

第3楽章は野性的なスケルツォ。NHK大河ドラマのテーマのような音楽(戦国時代物に使ったら効果的だろう)。ベルリン・フィルのアンサンブルは見事なもので、しかも迫力十分。がっちりした音の塊が飛び出してくる。
弱音の美しさも印象的で、爽やかな、葉ずれのようなヴァイオリンの音が大変美しい。

終楽章も逞しい演奏で、オーケストラのパワーと美しさが高次元で融合した、その凄さを満喫できる。
ただ、バレンボイムはゴツゴツしたブルックナーにしていない。洗練された美しいブルックナーにしている。
音響のせいか、録音が良すぎるのか、仕上げが実に滑らかで美しいのが、このブルックナーの最大の特徴かもしれない。

というわけで、録音は最高であります。
スケール雄大で、音場も広大。音の新鮮さも申し分なし。
最高レベル、圧倒的な音響であります。
ちと、美しすぎる気もしますが・・・・・化粧が濃い感じの録音でしょうか。



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