goo blog サービス終了のお知らせ 

クラシック音楽のひとりごと

今まで聴いてきたレコードやCDについて綴っていきます。Doblog休止以来、3年ぶりに更新してみます。

コシュラー/スロヴァキア・フィルのドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」

2011年04月26日 05時24分39秒 | 交響曲
時々取り出すLP、もはや全く趣味の世界になりました。
世はすでに音楽配信の時代、「PCオーディオ」という言葉もあるくらい。そんなタイトルのオーディオ雑誌も出始めました。
CDがすでに30年も経過するメディアであって、もうかなり古いものになりました。LPなどなにをかいわんやでありましょう。

私は結局LPを処分できず、後生大事にいまだに沢山抱え込んでおります。
三人の息子たちも聴く気はないようです。クラシック音楽の趣味を持つ子どもはおりませんしねえ・・・・。妻からは、老後どうするんだと云われますが、いやはやこればっかりは何ともできませんね。

というわけで古いLPを聴いております。

■ドヴォルザーク:交響曲第9番ホ短調作品95「新世界より」
■演奏:ズデニェック・コシュラー指揮スロヴァキア・フィル
■録音:1977年3月 プラスチラヴァでの録音 オーパス原盤(日本での発売はビクターでありました)

第1楽章から気合いの入った演奏。インテンポでぐいぐい進んでゆく。メリハリのきいた指揮ぶりで颯爽としている。田舎風・田園風ドヴォルザークを期待していると大間違いで、都会的洗練をコシュラーは目指しているようだ。

第2楽章もテンポは速めで、聴かせどころの名旋律「遠き山に日は落ちて」のところも遅くならない。しかし歌心は十分で、懐かしさ一杯のメロディが奏でられる。弦楽器の健闘が光る。巧いし渋い。サラッとしているようでアンサンブルも充実。やはり東欧は「弦の国」か。楽章中盤から木管が浮き立ってくる。木管の歌わせ方は特徴的。
オーケストラは熱い。ルーティン・ワークとは無縁の、祝祭的気分さえ感じさせる演奏ぶり。特に弦楽器は一生懸命弾いていて好感が持てる。

第3楽章訥々とした語り口。流麗さより克明さを求めている感じ。ボクが、西欧風レガート一杯の演奏を聴き過ぎたから、そう感じるのかもしれない。妙な飾り付けがなく、素朴な振る舞いで進んでゆく。たぶん、この辺、楽譜に忠実なんだろうと想像する。
トリオでの木管の懐かしさは第2楽章同様。木管特有のひなびた音色は胸を熱くさせる。郷愁漂う演奏と云うべきか。

フィナーレはどうやっても盛り上がるのだが(その点では非常によく書けている楽章なのだと思う)、スロヴァキア・フィルのメンバーの共感が演奏をさらに熱くさせている。
オケはそんなに上手な感じはしないのに、聞き終えたときの感動は深い。いわゆる「ヘタウマ」のような演奏というと、叱られるかな。
でも、この演奏は素晴らしいです。

録音状態、さすがに古びました。
アナログ・レコードでヒスノイズも盛大。やや乾き気味の音で、高音はやや硬く金属的なところもあります。奥行き感もイマイチかな。
1970年代の東欧の録音は、現代の耳で聴くにはややシンドイものもあります。
そういう録音でもありますが、演奏が良いのはすべてを超えますね。

人気ブログランキングへにほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へにほんブログ村

最新の画像もっと見る

コメントを投稿