(本頁は「初秋の鳥海山・滝の小屋から。前編。」の続きです。)
薊坂は急坂として知られているが、私にはそんなに急だとは感じなかった。
ゆっくり展望を愉しみながら登ったからだろう。
薊坂の途中から、小さくなった心字雪の雪渓と庄内平野を見下ろす。
朝日連峰(以東岳など)の奥に飯豊連峰が見えた。
薊(あざみ)坂の名の由来はチョウカイアザミではなく、ウゴアザミのようだ。
ウゴアザミ オクキタアザミ
上の方に行くと、オクキタアザミ(こちらはアザミ属ではなくトウヒレン属)の大群生が有ったが、花はもう終わっていた。
小さな祠が見え出すと、今まで見えなかった笙ヶ岳方面の景色がワーッと広がる。
鳥の海がダリのやわらかい時計のような形で見える。
千畳ヶ原も見下ろせる。
このコースで千畳ヶ原が見える場所はこの付近だけなのでもう一枚。
参考までに千畳ヶ原から見た鳥海山。2019/09/21撮影。
その後はゆるやかになり、ほどなく外輪山稜線、伏拝岳に到着。
伏拝岳で外輪山稜線まで上がると七高山山頂(2229m)までの標高差は100m程度。
今までの滝の小屋からの登り道はいったい何だったのかと言いたくなるほど滑らかなハイウェイ登山道に変わる。
行者岳付近から伏拝岳方面を振り返る。
左側には溶岩ドームの新山が見え、稲倉岳など北西側の展望も開けて来る。
行者岳から望む新山(2236m)と御室、右に七高山(2229m)。
稲倉岳や千蛇谷の眺め。雪渓はほとんど残っていない。
稲倉岳をアップで。
外輪山内壁と千蛇谷。
二ヶ所だけ、ご愛嬌のような鉄梯子が有った。チョウカイフスマの残花も見つけた。
稜線に出ると、花の種類がガラリと変わる。イワギキョウはけっこう咲き残っていた。
イワギキョウ
七高山山頂には11時15分に到着した。
滝の小屋駐車場からの歩き始めは5時45分なので5時間半もかかったことになる。
因みにガイドマップのコースタイムは4時間と少し。
一時間以上もオーバーしたのは、体力の衰えと写真撮影。今日は往路で500枚くらい撮った。
風が有ったので花はなかなかじっとしてくれず、停滞を余儀なくされた。
お陰様で後から来た登山者、数十名に追い越されたが、これはいつものことなので気にならない。
私が常に単独で登るのはこのように時間が読めないからだ。
また今回も新山山頂には行ってない。岩だらけで登る気がしない、いや体力と時間が無かったというのが本音か。
七高山山頂
新山を望む。
新山山頂をアップで。 七高山山頂は墓地みたいな感じ。
七高山山頂からの眺め。
カルデラ壁越しに鉾立や象潟方面を望む。
ちなみに鉾立から見た鳥海山はこんな感じ。2020/07/17撮影。
稲倉岳を望む。
北側の眺め。
左手前は七高山北ピーク、奥に見えるのは男鹿半島。
北東側、矢島町方面を眺める。バックの山は八塩山、奥に横手盆地が広がる。
奥羽山脈にはやませ雲がかかっており、岩手山や栗駒山などの山々は見えなかった。
百宅の里と法体滝(右側)を見下ろす。
ここはもう何年かするとダム湖に沈む。
参考までに百宅から見た鳥海山。2016/07/13撮影。
帰りに南側、鶴間池を見下ろす。
参考までに鶴間池から見た鳥海山。2008/10/18撮影。
以上。
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