日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

ロシア経済の破綻をプーチン大統領は素直に認めるであろうか

2023年03月11日 09時42分50秒 | 日々雑感
 世界経済の先行きには今年に入ってからやや楽観的な見方が浮上しているようだ。米国でインフレ率が低下傾向を辿っていること、中国がゼロコロナ政策を撤回したこと、欧州が予想外の暖冬で冬季の深刻なエネルギー不足を回避できる見込みとなったこと、等がその理由であるそうだ。ロシアの砲撃で住むところを失ったウクライナの人々がこの冬を越せるか心配していたが、欧州の暖冬で幾分かは救われたようだ。

 それとは逆に、年明け後ににわかに厳しさを増しているのがロシアの経済と財政であるそうだ。2022年のロシアの成長率は、最新の国際通貨基金(IMF)の見通しでは-2.3%とマイナスとなったが、当初は2桁のマイナス成長の見通しもあったことを考えると、予想外に戦争の影響を回避できたと言える。逆に、欧米諸国の対ロ経済制裁が効いていないと言うことも出来るだろう。

 2月20日の新聞報道で経済制裁の緩さが指摘されていた。例えば日本中古車輸出業協同組合がまとめた2022年10月の中古車輸出台数は、前年同月比3.6%増の10.8万台。そのうちロシア向けは同65.3%増の2.5万台と急伸し、ウクライナ侵攻以前より高い水準となったようだ。

 ロシア向け輸出はかなり規制されていると思っていたが、日本からロシアに輸出される中古車は600万円以上の高級車が対象であるそうで、600万円以上の中古車があるかと驚く程で、これでは規制があって無きが如しである。

 また、海産物に関しロシアの日本への輸出量に比べ、日本のロシアからの輸入量がはるかに多い不自然な状態が続いているようだ。すなわち最大で年20倍も輸入量が輸出量を上回っているとのことで、ウクライナ侵攻で米国がロシア産水産物の輸入を禁じているが、第三国を絡めた国際流通ルートが活発化し、規制が骨抜きになりかねない実態となっているとのことだ。タラバやイバラ、ズワイなど大量のカニが、日本などアジアに流れるようになり、アメ横にロシア産のカニが安価で大量に堂々と並ぶようになっているのだそうだ。

 ロシアのウクライナ侵攻でNATO諸国を始めとする西欧各国の経済制裁でロシア経済はすぐに破綻すると思っていたが、モスクワ市内では物が溢れ、プーチン大統領の演説を聞く限り、ロシア経済は強靭で安定しているとのことだ。
しかし、プーチン氏の演説は政治的な配慮からであり、ロシアは早ければ2024年にも資金が底をつく可能性があるのだそうだ。これは、歯に衣着せぬ発言で知られる新興財閥のオレグ・デリパスカ氏の見解であるが、現場に近い同氏の発言の方が真実味がある。

 欧米がロシアのエネルギー輸出に制裁を課し、1バレル=約8000円の上限価格を設定したことが大きく影響し、危険な兆候が表れ始めておるのだそうで、デリパスカ氏の見解通り来年にもロシア経済は破綻するのではないだろうか。その時、プーチン大統領は素直に認め、降参するであろうか。
2023.03.11(犬賀 大好ー896)

高齢者の運転免許更新は年々厳しくなるが

2023年03月09日 09時08分33秒 | 日々雑感
 警視庁の統計によると、65歳上の免許保有者は年々増加しており、2021年中に発生した交通事故のうち、65歳以上の高齢者が加害者であったケースは約16%だそうだ。また、同じく同年に発生した、死亡事故の件数は75歳以上の高齢者ドライバーが75歳未満のドライバーの約2倍となっているのだそうだ。高齢者が運転する車の事故やそれで亡くなる人が年々増えており、高齢者が増える現状ではこの傾向はしばらく続くと思われる。

 高齢者事故の主たる原因は判断能力の低下と言われている。高齢者は加齢により,動体視力の低下や身体機能の変化により、ハンドルやブレーキ操作に遅れる等の特性が見られる。このため、70歳以上の方の運転免許の更新手続きでは更新手続きの前に、高齢者講習を受けていなければならないと決められている。そこでは判断力・記憶力を検査する認知機能検査と、一定の違反行為がある方は運転技能検査を受けなくてはならない。

 ただし、認知機能検査は合格不合格という判定をするものではなく、検査結果を受けて、記憶力や判断力の状況を確認するための簡易な手法で、試験結果によりさらに詳細な検査が必要等の判定が下される。

 また、令和2年改正道路交通法により、75歳以上で、一定の違反歴がある方については、運転技能検査に合格しなければ、運転免許証の更新を受けることができなくなった。しかしこれらの検査も万能ではなく、実際交通事故を起こした高齢者が、この認知症検査を合格しているとの話も耳にする。

 更に交通事故の原因として突発的意識喪失もある。高齢者の場合、失神になる原因は血管迷走神経反射による場合と、起立性低血圧による場合が多いとのことだ。74歳までの高齢者では血管迷走神経反射が多く、咳をしたり排便のあとによくみられ、長時間の立位・脱水・飲酒・塩分制限などを避けることが基本予防となるそうだ。よくある前兆症状としては、吐き気がする、あくびが出る、急に眠くなる、視野が少しずつぼやけていく、等があるそうだから気を付けなくてはならない。  

 高齢者の起立性低血圧は、急に立ち上がったり、起き上がった時に血圧が低下し、軽い意識障害、いわゆる立ちくらみをおこすことで、正常者でもありますが、症状が強く病的な場合に起立性低血圧と言うのだそうだ。 脳への血液循環が減少することによって起こり、めまいや吐き気がおこり、意識がなくなることもあるそうだ、運転中に起これば事故に直結する。突発的意識喪失は、認知機能検査や運転技能検査でもチェック出来ないため、本人の自覚や周囲の注意しか防ぎようがない。

 高齢ドライバーの免許更新時の実車試験制度において、6月末までに全国で受験した4982人のうち4255人が合格し、15%あまりが不合格だったそうだ。高齢者の自動車事故が多発する中、更新時の試験は益々厳しくなる方向にあるだろう。自動車を運転しなくてもよい環境が整えばそれに越したことはないが、財政難のおり当面は試験を厳しくするより手はなさそうだ。
2023.03.09(犬賀 大好ー895)


中国の和平提案はプーチン大統領の焦りか

2023年03月04日 10時18分41秒 | 日々雑感
 中国外務省は先月24日、ウクライナ侵攻1年を契機に、「政治的解決に関する中国の立場」という文書を発表、和平交渉の再開を促すなど12項目の提案を公表した。ロシアのウクライナ侵攻が長引き、いつ終わるか分からず、ウクライナの被害だけが拡がる状況で、この紛争を仲介し和平に持ち込もうとする姿勢を示すことで国際的に存在感を誇示するためであろうか。あるいは、プーチン大統領の意向を受け、恩を売るための提案であろうか。

 中国のこの提案では「すべての国の主権を尊重」「和平交渉の再開」、また、核兵器による威嚇・使用を反対する「戦略リスクの軽減」等が述べられており、極めてまっとうな提案と思われる。

 しかし、提案の中に、「一方的な制裁の禁止」等も盛り込まれており、これはロシアに対するNATO諸国の経済的な制裁等を禁止したものと思われ、プーチン氏が喜ぶ内容である。当然、反ロシア側の反応はロシアを利するものとして一考に値しないとのことだ。

 中国は和平の提案をする一方で、中国企業が4月までに、無人航空機・ドローン試作機100機をロシア国防省に送る方向で調整しているとドイツ誌「シュピーゲル」は23日、報じた。和平提案の一方でウクライナ側がこれに応ずるようにと裏で圧力をかけていると勘繰ることが出来る。

 中国政府は「一貫して軍事品の輸出に対し、慎重かつ責任のある態度であり、紛争地域や交戦当事者に対していかなる武器も販売しない」と報道内容を完全に否定した。表では戦争に協力しないと言いながら、裏では和平提案に協力しないならば兵器の供与で脅すとは、これが政治と言うものであろう。

 中国の和平の提案は膠着状態に陥った紛争をロシアに利するように終わらせようとする、プーチン大統領に恩を売る行為であり、その間に武器を準備する時間稼ぎの意味も含まれると思われる。

 プーチン大統領は2月21日、国民に向けた年次教書演説でも己の正当性を主張したが、国際的に孤立し、少しでも早く終結したいと思っているだろうが、現状出口を見いだせない。プーチン大統領の望む停戦とは、ロシアが併合を宣言した4州をウクライナがロシアの領土と認めることであろうが、ウクライナは納得するはずが無い。

 現在、ウクライナ東部ではロシア側がドネツク州の掌握をねらい、ウクライナ側の拠点バフムトを包囲するように攻撃を強めているのは、既成事実を早く作るための作戦と思われる。

 プーチン大統領はロシア単独では解決できないことを理解し、中国を始めとする周辺の国々に和平の仲介をするように依頼しているのではないだろうか。先月24日にブラジルのルーラ大統領がBRICSなどの中立国が仲介する和平案を出し、またイスラエルにもその動きがあると言う。2023.03.04(犬賀 大好ー894)

ロシアの大統領選に国民の真の声が反映されるとよいが

2023年03月01日 09時14分41秒 | 日々雑感
 ロシアとウクライナの戦争はいつ終わるか誰も予想できない。米国を始めNATO諸国はウクライナを絶対負けさせないだろうし、かと言ってロシアを絶対追い詰めないであろう。ロシアは負けそうになると核兵器の使用を辞さないであろうからだ。理想的な出口は引き分けだが、ウクライナ、ロシア双方に納得できる条件が整うとはどうしても思えない。

 そもそもこの戦争はロシアが仕掛けた戦争であり、戦争前の状態に戻すのが最低条件であろうが、プーチン大統領が納得する筈がない。プーチン氏が大統領の座を退けば出口が見えるかもしれないが、そのためにはロシア国民の自覚しかない。現在ロシア国内では激しい報道規制と監視がなされているとのことで、本音を引き出すことが難しいようだ。

 さて、大統領が2月21日、約2時間にわたり国民に向けて年次教書演説した。この演説はプーチン氏を正当化するための決起集会的な催しであり、すべて筋書きに沿った自画自賛の催しであったであろう。その結果、ロシア政府系の「全ロシア世論調査センター」は23日、視聴者の78%が「正直で誠実だ」と感じていると発表した。この演説には政府系機関のアンケートであり、実際どのような形で実施されたか分からないが、目論み通りの結果であり、驚くことは無い。

 また、演説への評価では「完全に肯定的」が45%、「どちらかと言えば肯定的」が36%で、計81%が戦争に前向きだった。ウクライナ侵攻前の21年の年次教書演説では「肯定的」は72%で、今回の結果はその時を上回ったことも筋書き通りであったであろう。

 また各種の露世論調査でも、現在もロシア国民の7割以上がウクライナでの軍事作戦を支持しているそうだ。ただ、より本音が反映されやすい手法で調査した場合、侵攻への支持率は相当低下するとの指摘も出ている他、自身や家族が戦地に送られかねない部分的動員の発動後、国民内にはウクライナとの和平を求める機運が高まったとされる。

 実際、独立系メディアによると、政権側が昨秋に非公式で実施した世論調査で、和平を求める回答者の割合が55%となり、戦闘継続を支持するのは25%に過ぎないとの結果が出たそうだ。政府系の非公式アンケートとはよく分からないが、当局はこのような結果で一層の引き締めを図ったであろう。

 大統領選挙ではプーチン氏以外の選択肢が無いようであり、政治的な混乱を嫌う人々はプーチン氏を選択するであろう。ただ、戦争による死亡者が増え、そのことが世間一般に知れ渡り厭戦気分が高まれば、当局の規制に拘わらず事情は異なるかも知れない、と誰もが考えるのは自然である。ウクライナ国民は、ロシア国民の厭戦気分を期待し、戦争でのロシア兵士の死の増加を期待していても、非難出来ない。2023.03.01(犬賀 大好ー893)