日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

地球温暖化は暴走をし始めている?

2018年10月10日 10時08分28秒 | 日々雑感
 猛暑、酷暑、死暑とも呼ばれている今夏は異常な暑さであった。日本では埼玉県熊谷市で史上最高の摂氏41.1度が観測され、熊谷市民の中には全国第1位が久しぶりに復活し喜んでいる人もいるだろう。私共老人にとって、何とか乗り切り一安心しているが、ここに来て心配の種を増やす情報が入ってきた。

 ストックホルム大学、コペンハーゲン大学などの多国籍研究者チームが8月6日に米国科学アカデミー紀要に発表したばかりの報告書によれば、このまま二酸化炭素が空気中に排出され続ければ、いずれ自然のフィードバックシステムが機能しなくなり地球は不可逆的に加熱していくと予測されるそうだ。

 歯止めの効かない温暖化の行く末は、”ホットハウス・アース”と呼ばれる。日本語では温室化した地球とでもなろうが、語感からは厳しさを感じないが、そんな生易しいものではなさそうだ。

 結果として産業革命前と比べて平均気温が4℃から5℃高くなり、海抜が10~60メートルも上がる。日照り、干ばつ、台風などの異常気象が相次ぎ、もはや灼熱の赤道直下の土地は無人化し、人類はひたすら南極か北極を目指すはめになるとの予想だ。

 一度空中に放出された温室効果ガスは長期に亘り影響を及ぼす。一酸化二窒素は大きな温室効果を持つ気体であり、大気中の寿命は121年で、メタンは12.4年だそうだ。

 大気中の二酸化炭素は化学変化によって大気中で消失することはなく、その濃度変動はほとんどが陸上および海洋での吸収・放出過程によって決まるのだそうだ。地球上の森林や海、地面は毎年45億トンもの炭素を吸収しており、吸収されずに大気中に残る炭素ガスは気温上昇の原因となる。

 陸上での吸収・放出過程としては、植物の光合成による吸収と地中への貯蔵、生物の呼吸、微生物による土壌有機物の分解、化石燃料の燃焼やセメント生成等による人為的排出などがある。海洋では、海洋表層における吸収・ 放出が大気中の濃度に直接に影響を及ぼすのだそうだ。

 どの要素がどの程度吸収効果があるか知らないが、地球温暖化が進み海水温が高くなると、二酸化炭素の水に対する溶解度が減少し、吸収しにくくなる筈だ。また、通常炭酸ガスを吸収する緑の植物の枯渇は逆に炭素の発生源となり、気候変動問題を更に悪化させる結果 となる。

 更に北極海の氷や南極の雪は、太陽光を反射する役割を担うが、表面が溶け水となると反射率が下がり、輻射熱を吸収し温度が上昇しやすくなる。また、グリーンランド等で大地が現れると同様に加速度的に温度が上がるのだそうだ。

 一旦温度が上がると、更に温度が上がり易くなる要素が生まれるのだ。これが自然のフィードバックシステムが機能しなくなるとの意味だ。

 従って、例え世界各国が二酸化炭素削減目標を達成したとしても、我々は既にこの不可逆な道に転がり込んでしまっているのかも知れない。

 今月8日、国連の気候変動に関する政府間パネルは、地球温暖化の影響で早ければ2030年にも産業革命前からの平均気温上昇が1.5度に達し、サンゴ礁の大部分が死滅する等、地球環境の悪化が進むと予測した特別報告書を公表した。

 この中で、2050年までに、世界全体の二酸化炭素排出量を実質ゼロにする必要があると訴えているが、既に時期を失しているのかも知れない。2018.10.10(犬賀 大好-484)