日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

LGBTとなる原因は結局のところ解っていない

2018年10月17日 09時50分28秒 | 日々雑感
 LGBTとなる原因には、先天性要因と、後天性要因があるそうだ。先天性とは、生まれながらにそのような素質を持っていることであるが、決して遺伝的なものではなく、母親の胎内にいるときに、遺伝子等に外部から何らかの影響を受けた結果であると考えられている。

 人間の赤ちゃんは、受精直後に性が決まるのだそうだ。そして胎児が成長するにつれ、遺伝子に従い男性には男性ホルモンが分泌され、骨格や筋肉がやや多く発達し、脳も男性らしくなり、精巣や精管が形成される。女性は、体つきや脳はそのまま発達し、卵巣や子宮ができるとのことだ。

 受精直後に男女の性が決まると言っても遺伝子上での話であって、男女を特徴づける性器は直接的にはホルモンが決めるのだ。そのホルモンも遺伝子に従い内部で分泌されるものと、外部から入り込むホルモンもどきもあるので話は複雑になる。結論的には今もってよく分かっていないとのことだ。

 サイモン・ルベイという科学者は、性的指向に関するあらゆる学説や研究を検証し、『クィア・サイエンス』という本にまとめた。性的指向とは、性欲や恋愛の方向を表す概念であり、LGBTもその中に含まれる。

 この本の中で遺伝子、ホルモン、ストレス、脳、認知心理学、行動学的心理学、精神分析など、性的指向を扱う科学理論を網羅的に取り上げ、その限界と意義が検証されているとのことだ。

 その中で非遺伝性の要因すなわち生後の環境要因(胎内でのストレス、養育に関する親の態度、幼少期の条件付けのパターン、幼少的の性的体験など)については、はっきりとはわかっていないとの結論だ。

 昨年、イギリス保守党の元幹事長、ロード・ノーマン・テビット氏86歳が、汚染された空気に触れる時間が長いと、自然現象として性同一性障害になってしまうとの持論を披露したそうだ。しかし、化学物質と性同一性障害との関連性について、一切科学的な根拠を示さずにいるとのことで、老人の一方的な思い込みと思える。

 ところで、生まれる前の内分泌学的な出来事が性的指向に影響を与え得るとする一般的な仮説は次第に確実化されており、特に環境ホルモンの影響が色々研究、議論されている。

 昨年7月、英紙「Daily Mail」が、トイレに流されたピル(経口避妊薬)や、下水に流された洗剤、プラスチック、化粧品などに含まれる化学物質には女性ホルモン”エストロゲン”と似た働きをする物質が含まれており、川魚のオスがこれに曝されると、メス的な特徴を持つようになる、と報告した。

 すなわちイギリス・エクスター大学の研究チームが、イギリス国内50の河川を調査したところ、オスの川魚の20%で精子が減少し、卵子が生成されているなどしていると明らかにした。

 また、米ワシントン州のポトマック環境保護団体の調査によると、化学物質が原因で、ポトマック川に生息する80%以上のブラックバスの睾丸に卵子が生成されているなど、メス的な特徴が表れているそうだ。

 更に、我が国においても同様の問題は以前から懸念されており、2004年の東京都環境科学研究所の調査報告では、下水処理水に含まれる女性の尿が魚類のメス化の主因であると指摘されている。

 以上のように人間以外の動物世界では環境ホルモンと性に関する様々な現象が研究され報告されている。人間には、人権が絡むため調査がし難く、また精神的な要因が大きく絡むのでより複雑になるが、その内因果関係が明らかにされるであろう。2018.10.17(犬賀 大好-486)

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