日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

能登半島大地震が大阪万博中止を決定づけたか

2024年01月24日 10時32分52秒 | 日々雑感
 来年開催される大阪万博について、林官房長官は記者会見で今回の能登半島地震による延期の可能性を問われたのに対し、予定どおり開催できるよう引き続き準備を進めていく考えを強調した。長官は「万博は世界に向けて日本の魅力を発信する絶好の機会で日本の成長や活性化につなげていく意義があり、この点は変わっていない」とも述べた。

 また日本維新の会などは、復興五輪をうたった東京五輪になぞらえて「復興万博」というイメージを打ち出し始めた。来年の開幕時の4月初旬までに能登の復興が完了しておれば、日本の魅力を世界に誇れるかもしれないが、恐らく復興半ばであろう。兎も角、能登の復興と万博の開催を関連付けて、日本の経済成長を世界に誇るとは、とんでもない話だ。

 そもそも大阪万博の開催理念は、「いのち輝く未来をデザインする」の筈だ。能登の人々の苦しむ姿を横目に、万博のお祭り騒ぎはもっての外だ。更に根本的な問題として、世界にはウクライナやパレスチナ等、苦しむ人々は数知れないが、これらの人々にいのち輝く未来を示すことが、出来るのか。万博の目玉の一つと称する木造の巨大リングは”世界はひとつ”を表すらしいが、自見万博担当相の、日よけの熱中症対策として大きな役割を果たす、と分かり易い説明をした。それにしては随分高価な日傘だが。

 大阪万博を巡っては、予てより資材の高騰や建設業界の人手不足が問題となっており、そこに能登半島大地震が追い打ちをかけた。岸田首相は、能登半島地震からの復旧・復興の際の資材調達などを妨げないよう、需給の把握や正確な情報提供を通じて、計画的に進めるよう、関係閣僚に指示を出したが、どちらを優先すべきかの指示は無く、相変わらず能天気な言い方だ。

 全国から建設業者を動員しても、大阪万博の工事と能登半島の復旧を同時に短時間で可能とすることなど不可能なようで、一旦大阪万博を延期して、そこに必要とされる労働力と予算を日本海側の被災地に集中した方が、「いのち輝く未来をデザインする」の主旨に相応しい。

 能登半島救援のためという大義名分があれば、大阪万博の最大の推進者である日本維新の会も、延期を強くは反対できない筈だ。この強い決断が岸田首相の評価を一変させる行動と思うが、首相自身は相変わらず優柔不断だ。

 ここにきて更に、大阪万博はお笑いタレントの松本人志氏に足を引っ張られた。氏は“大阪・関西万博の顔”として万博の魅力を伝えるアンバサダーの一人であるが、女性への性的行為強要疑惑が週刊誌に報じられた。この噂は予てよりあり、大阪特有の笑って済ませる話ではない。やはり、大阪万博は中止すべきか、最低1年延期すべきであろう。
2024.01.24(犬賀 大好ー978)