日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

日本と韓国の確執の行方

2019年07月20日 09時16分10秒 | 日々雑感
 今年6月末に行われたG20サミットにおいて自由貿易の大切さが確認された。ところが、7月4日、日本政府は韓国に対する半導体材料の輸出規制を強化することを発表した。強化の理由は、日本から韓国に輸出された物品が韓国経由で他の国に渡る懸念があるとの安全保障上の問題があるからとしている。自由貿易も安全保障の前には屈服するしかないのか。

 これに対し、韓国政府は、多数の韓国企業が大量破壊兵器製造に転用可能な物資をシリアやイランなど北朝鮮の友好国に不正輸出したとして行政処分していたことを明らかにし、貿易品の管理が十分なされていると主張している。逆に言えば、不正輸出をする土壌が韓国には残っていることを物語っている。

 また、文大統領も15日、北朝鮮への密輸を許しているような疑惑に対し、朝鮮半島の平和に総力を挙げる韓国への重大な挑戦だ、と強く批判した。なるほど、物は云いようだ。

 こうした中、韓国では日本製品の不買運動が起き、日本の有名企業の名前の入った段ボール箱を踏み潰すパフォーマンスもマスコミは報じている。また、大手スーパーでは、日本のビールの売り上げが大きく下落した等、マスコミ報道を見る限り、不買運動は全国的な広がりのように感じさせるが、実際はいかばかりであろうか。

 また、日本への旅行予約が30%減った旅行代理店もあるとの報道もある。代理店の中には予約客が減ったところもあるだろうが、他の代理店ではどうであったかについては、我関せずだ。

 観光庁の田端浩長官は17日の記者会見で、訪日韓国人旅行者に関し、7月に入り、日本への社員旅行などのキャンセルが報告されている、と説明しているが、大半を占める個人旅行への影響は限定的と聞いている、と話した。

 マスコミは、一般国民が興味を引くように大げさに報道する。決して嘘をついている訳では無いが、誤解をするのは視聴者の勝手とばかり、一例をもってすべてと言わんばかりに報道する傾向がある。

 従って日本に対する反感は一部と思っていたが、先日報道された韓国世論調査では、文大統領の支持率は48%で先週よりも3ポイント上がったとのことだ。理由は日本に対する強硬な姿勢が一定程度、評価されたとの話だが、不買運動の広がりはどうであろうか。

 さて、今回の輸出管理規定の強化に関し、日本側は安全保障上の話としているが、元々慰安婦問題や徴用工訴訟判決問題を巡り韓国政府のやり方に不満があるとの背景があることは誰の目からも明らかだ。世耕通産大臣も、何事においても韓国政府が信頼できないとの主旨を口走っていた。

 韓国側は、政治問題に経済問題を絡めようとの卑怯なやり方であると反発しているが、文大統領は北朝鮮問題には熱心であるが、日本には余り関心が無く、長期戦略が無いように見える。

 その為であろう、日韓問題が大きくなると、文大統領は慌てて日韓の対立を仲介して貰おうと米国に国家安保室第2次長を派遣した。文氏もトランプ大統領との個人的な親しさに頼ったと思われる。トランプ大統領は、安倍首相とも個人的な親しさを誇っているが、この問題に関しては、どちらの肩を持つ分けにもいかず、両国の争いは両国で解決してもらいたい心境であろう。2019.07.20(犬賀 大好-565)